食品衛生法 第70条
クイックジャンプ
- 厚生労働大臣は、次に掲げる行為をしようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。ただし、食品衛生上の危害の発生を防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ広く国民の意見を求めるいとまがないときは、この限りでない。
- 一第六条第二号ただし書(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)に規定する人の健康を損なうおそれがない場合を定めること。
- 二第七条第一項から第三項までの規定により販売を禁止し、又は同条第四項の規定により禁止の全部若しくは一部を解除すること。
- 三第十条第一項、第五十一条第一項、第五十二条第一項又は第五十四条の厚生労働省令を制定し、又は改廃すること。
- 四第二十三条第一項に規定する輸入食品監視指導計画を定め、又は変更すること。
- 五第五十条第一項に規定する基準を定めること。
- 2.内閣総理大臣は、次に掲げる行為をしようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。ただし、食品衛生上の危害の発生を防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ広く国民の意見を求めるいとまがないときは、この限りでない。
- 一第十二条に規定する人の健康を損なうおそれのない場合を定めること。
- 二第十三条第一項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)に規定する基準又は規格を定めること。
- 三第十三条第三項に規定する人の健康を損なうおそれのないことが明らかである物質又は人の健康を損なうおそれのない量を定めること。
- 四第十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)に規定する基準又は規格を定めること。
- 五第十八条第三項ただし書に規定する人の健康を損なうおそれのない量を定めること。
- 六第十九条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する表示についての基準を定めること。
- 3.都道府県知事等は、第二十四条第一項に規定する都道府県等食品衛生監視指導計画を定め、又は変更しようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く住民の意見を求めなければならない。
- 4.厚生労働大臣又は内閣総理大臣は、第一項ただし書又は第二項ただし書の場合においては、事後において、遅滞なく、広く国民の意見を求めるものとする。
- 5.第一項及び前項の規定は、厚生労働大臣及び内閣総理大臣が、第八条第一項の規定により指定成分等を指定しようとするとき、及び指針を定め、又は変更しようとするときについて準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第70条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第70条の条文原文は「厚生労働大臣は、次に掲げる行為をしようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。ただし、食品衛生上の危害の発生を…」で始まります。
- 食品衛生法第70条は第十章 雑則に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第70条の前の条は食品衛生法第69条です。
- 食品衛生法第70条の次の条は食品衛生法第71条です。
- 食品衛生法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法70条は、食品の規格基準や販売禁止、監視指導計画などを定める前に案を公表し、広く国民の意見を求めると定める。緊急時は事後に意見を求める。
Q · 食品の残留農薬基準が変わるとき、一般人も意見を出せるの?
出せる。案の公表時に誰でも意見を提出できる
食品衛生法70条2項により、内閣総理大臣(実務は消費者庁)は残留農薬基準を含む食品の規格基準(同法13条)を定める前に、趣旨や内容を公表して広く国民の意見を求めるものとされています。資格は不要で、個人・事業者を問わず提出できます。緊急時は事前の意見募集が省かれることがありますが、その場合も4項により事後に遅滞なく意見が求められます。
解説
スーパーの棚に並ぶ食品の安全ルールは、霞が関の中だけで決まっているわけではない。どの農薬が何 ppm まで残っていてよいか、輸入食品のどれを重点的に検査するか、HACCP(工程ごとに危害を管理する衛生手法)の中身をどうするか。食品衛生法70条は、厚生労働大臣と内閣総理大臣(実務は消費者庁)にこうしたルールを決める前に案を公表させ、国民の意見を求めるよう定めている。都道府県知事等が作る監視指導計画も同じ扱いだ。注目すべきは、国は「ものとする」、都道府県は「なければならない」と書き分けられている点である。さらに緊急時は意見募集を省けるが、その場合も事後に遅滞なく意見を求めなければならない(4項)。一つの意見で基準がひっくり返るわけではない。ただ、案の段階で根拠データを添えて弱点を突くことはできる。これは法律があなたに開けている数少ない窓であり、飲食店、食品メーカー、輸入業者なら、ルールが確定してから慌てる側と、案の段階で手を打つ側に分かれることになる。
法的な位置づけ
食品衛生法70条は、食品衛生行政における意見聴取手続を定める規定である。厚生労働大臣及び内閣総理大臣が規格基準、販売禁止とその解除、輸入食品監視指導計画、指定成分等の指定などを行う際、趣旨・内容を公表して広く国民の意見を求めるものとし、緊急時は事後の意見聴取で代替する。都道府県知事等には監視指導計画について住民意見の聴取を義務付ける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.意見募集中の案件を見つける e-Gov のパブリック・コメント欄で「食品衛生法」「残留農薬」「監視指導計画」などを検索し、消費者庁・厚生労働省・自治体の新着情報も定期的に確認する
- 2.案と説明資料を読み影響を数値化する 公表された案と概要資料を読み、影響を受ける原料・製品・ロット、切替コスト、施行日までの在庫を数字で整理する
- 3.業界団体と論点をすり合わせる 同業者や業界団体と論点を共有し、科学的根拠や現場で生じる支障を一本化する。重複した署名型の意見より、具体的なデータ付きの意見を優先する
- 4.締切前に意見を提出する 意見募集要領に従い、案のどの部分に対する意見かを明示し、根拠と修正案・経過措置の要望を添えて締切前に提出する
- 5.結果公示を確認し記録する 結果公示で提出意見に対する考え方を確認し、施行日と経過措置から逆算して調達・表示の計画を組み直す。次の改定に備え記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1食品衛生法70条とは何を定めた条文ですか?
食品の規格基準や販売禁止、監視指導計画などを定める前に、案を公表して広く国民の意見を求める手続を定めた条文です。
Q2食品のパブリックコメントはどこで見られますか?
e-Gov のパブリック・コメント欄で意見募集中の案件を検索できます。消費者庁・厚生労働省の新着情報でも案が公表されます。
Q3食品のパブコメの意見募集期間はいつまで?
本条自体に期間の定めはありません。行政手続法の対象となる命令等は原則として公示日から30日以上とされています(同法39条3項)。
Q4残留農薬基準の案に企業が反対意見を出せますか?
出せます。本条2項により規格基準の案は公表され意見が求められます。根拠データや経過措置の要望を添えるのが実務上効果的です。
Q5保健所の監視指導計画に住民が意見を言えますか?
言えます。本条3項は都道府県知事等に、監視指導計画を定める・変更する際、住民の意見を求めることを義務付けています。
Q6緊急の販売禁止は意見募集なしでできる?
できます。危害防止のため緊急で意見を求めるいとまがない場合は省略可能ですが、4項により事後に遅滞なく意見を求める必要があります。
Q7パブコメで出した意見はどう扱われますか?
行政手続法の対象案件では、提出意見とそれに対する考え方が結果として公示されます(同法43条)。採否は内容の具体性に左右されます。
Q8指定成分等の指定もパブコメの対象ですか?
対象です。本条5項により、第8条の指定成分等の指定や指針の策定・変更にも意見募集の規定が準用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人でもパブコメって出していいんですか? 業界の人しか相手にされないのでは?
出せる。本条は「広く国民の意見を求める」と定めており、資格は問われない。ただし行政側が見るのは件数より中身である。実務のポイント:同じ文面を大量に送る組織的な意見は、実務上まとめて1件扱いの論点として整理されることが多い。逆に、実際の購入経験やアレルギーを持つ家族の具体的な困りごとは、結果公示の「考え方」欄で個別に拾われやすい
Q2緊急で販売禁止にされた場合、意見を言うチャンスはもうないんですか?
ある。本条1項・2項のただし書で事前の意見募集が省かれた場合でも、4項により事後に遅滞なく意見を求めることになっている。実務のポイント:緊急措置は、とりあえず広めに網をかけることが多い。事後の意見募集で対象範囲の絞り込みや解除条件を具体的に示すと、次の見直しの際の検討材料として残る。黙っていると、網は広いまま固定されやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「パブコメは形だけで、出しても何も変わらない」と思われがちだが、それは数を集める署名型の意見の話である。科学的データや、流通・製造の現場で実際に何が起きるかを具体的に示した意見は、最終案の修正や経過措置(施行までの猶予期間)の設定につながることが実務上ある
- 意見募集の義務があることは知っていても、その範囲が行政手続法より広いことは見落とされやすい。同法の意見公募手続は政省令や告示など「命令等」が対象だが、本条は輸入食品監視指導計画や、新開発食品の個別の販売禁止まで広げている。行政計画であっても案の段階で公表されるわけだ
- 「基準は国が決めるもので、地元の保健所は関係ない」と考えるのは前提が誤っている。立入検査の頻度や重点業種を決めるのは、都道府県等が作る監視指導計画である。しかも本条3項は、国より強い「なければならない」で住民の意見を求めるよう義務付けている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 意見を求める主体 | 食品衛生法70条:厚生労働大臣・内閣総理大臣(1・2項)、都道府県知事等(3項) | 食品衛生法24条:都道府県知事等が監視指導計画を策定 行政手続法39条:命令等制定機関一般 |
| 対象 | 規格基準、販売禁止・解除、輸入食品監視指導計画、指定成分等など計画・個別措置まで含む | 監視指導計画の内容自体(重点監視業種、立入頻度等)を定める 政省令・告示などの命令等に限られる |
| 義務の強さ | 国は「ものとする」、都道府県等は「なければならない」 | 計画策定自体の義務(意見聴取は70条3項が担う) 原則義務、期間は公示日から30日以上 |
| 緊急時の扱い | 国は事前省略可、ただし事後に遅滞なく意見聴取(4項) | 規定なし 行政手続法40条等の例外規定による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法規命令の草案を公告して意見提出を受ける一般規定があり、食品安全基準の改定もこの予告手続で運用される
韓国は立法予告制度により、法令案を事前に公表して意見を受け付ける。食品基準の告示改正も立法予告の対象となる
EU 一般食品法は、食品法の準備・評価・改正の過程で公開かつ透明な意見聴取を行うことを求める
米国は規則制定の際に官報で案を公告し意見を受け付ける notice-and-comment 手続が一般原則。FDA の食品規則もこれに従う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社の輸入原料に使われている農薬の残留基準が、ぐっと引き下げられる案が出た。意見募集の締切まであと10日。今動かなければ、施行後は通関で止められたロットをそのまま積み戻すことになる
- 惣菜店を営むあなたの元に、保健所の監視指導計画が改定されて自分の業種が重点監視の対象になったという噂が届いた。計画案は事前に公表されていたのに、誰も読んでいなかった
- 緊急の販売禁止措置が意見募集なしで出されたら、どうなる? 4項により事後の意見募集がある。そこが、措置の範囲や解除条件について記録に残る形で異議を示せる数少ない機会になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. e-Gov のパブリック・コメント欄と消費者庁・厚生労働省の新着情報を定期的に確認し、自社の原料・業種に関わる案件を拾う2. 案と説明資料を読み、影響を受ける製品・ロット・コストを数字で整理する3. 業界団体と論点をすり合わせ、科学的根拠と経過措置の要望を添えて締切前に提出する4. 結果公示で考え方を確認し、次の改定サイクルに向けて記録を残す
訴えられた側:規制を受ける事業者として準備する側:1. 案が確定する前から、原料切替や表示変更のシミュレーションを始める2. 意見が通らなかった場合に備え、施行日と経過措置の期限から逆算して在庫・調達計画を組み直す3. 保健所の監視指導計画で自社の業種が重点化されていないか確認し、衛生管理記録を整える4. 手続違反を理由に基準自体を訴訟で争う道は狭いとされているため、実務上は意見提出と事後の協議が主戦場になる
時効(請求できる期限):本条自体には意見募集の期間を定める規定はない。行政手続法の意見公募手続が適用される命令等は、原則として公示の日から30日以上(行政手続法39条3項)。行政手続法の対象外である計画等も、実務上はおおむね30日前後で運用されている。WTO への SPS 通報案件は、通報から通常60日程度のコメント期間が設けられる(最新の運用状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正(要検証) 監視指導計画制度の導入とあわせ、基準策定等の際に国民・住民の意見を求める規定が設けられたとされる(当時の条番号は現行と異なる)
- 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)4月施行(要検証) 食品衛生基準行政の消費者庁への移管に伴い、規格基準等に関する意見募集の主体を内閣総理大臣とする第2項の構成に改められたとされる
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:食品衛生法改正により監視指導計画制度が導入され、基準策定や計画策定の際に国民・住民の意見を求める規定が設けられた(当時の条番号は現行と異なる)
- 2.平成30年(2018年) 改正:食品衛生法改正により指定成分等の制度が新設され、その指定等も意見聴取の対象とされた。条番号の整理により現行の第70条となった
- 3.令和5年(2023年) 改正:食品衛生基準行政の消費者庁への移管に伴い、規格基準等に関する意見聴取の主体を内閣総理大臣とする第2項が整備された(令和6年4月施行)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める