刑事訴訟法 第316条の16
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- 被告人又は弁護人は、第三百十六条の十三第一項の書面の送付を受け、かつ、第三百十六条の十四第一項並びに前条第一項及び第二項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けたときは、検察官請求証拠について、第三百二十六条の同意をするかどうか又はその取調べの請求に関し異議がないかどうかの意見を明らかにしなければならない。
- 2.裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、前項の意見を明らかにすべき期限を定めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第316条の16は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第316条の16の条文原文は「被告人又は弁護人は、第三百十六条の十三第一項の書面の送付を受け、かつ、第三百十六条の十四第一項並びに前条第一項及び第二項の規定による開示をすべき証拠の開示を受け…」で始まります。
- 刑事訴訟法第316条の16は第二目 争点及び証拠の整理に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第316条の16の前の条は刑事訴訟法第316条の15です。
- 刑事訴訟法第316条の16の次の条は刑事訴訟法第316条の17です。
- 刑事訴訟法第316条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法316条の16は、被告人側が証明予定事実記載書面の送付と証拠開示を受けたとき、検察官請求証拠について同意するか異議があるかの意見を明らかにする義務を定める規定である。
Q · 公判前整理手続で「同意・不同意」を出さないといけないのはいつ?
書面送付と証拠開示を受けた後に意見表明義務が発生する
刑事訴訟法316条の16第1項により、被告人又は弁護人は、316条の13第1項の証明予定事実記載書面の送付を受け、かつ316条の14第1項・316条の15第1項第2項による証拠開示を受けたときに、検察官請求証拠について326条の同意をするか、取調べ請求に異議がないかの意見を明らかにする義務を負います。順序は「書面と開示が先、意見表明が後」です。裁判所は同条2項により期限を定められますが、その前に検察官と被告人側双方の意見を聴く必要があります。
解説
起訴されて公判前整理手続に入ったあなたの弁護人の机には、検察官から二種類の紙束が届く。一つは「こういう事実を主張し、この証拠で立証する」という証明予定事実記載書面(316条の13)、もう一つは請求証拠と類型証拠の中身そのもの(316条の14、316条の15)。この二つが揃って初めて、316条の16のスイッチが入る。あなた側は検察官の証拠一つ一つについて「同意する(326条)」「不同意」「異議あり」を表明しなければならない。ここで注意すべきは順序だ。書面と証拠開示が先、意見表明が後。開示が不十分なまま意見を迫られたら、それは条文の前提を欠いている。そして裁判所は2項に基づき期限を切れるが、その前に必ず双方の意見を聴く義務がある。一方的な短期の期限設定は、この手続違背として争える。供述調書に「同意」と一言書いた瞬間、その調書は証人尋問なしで証拠になる。撤回は原則できない
法的な位置づけ
刑事訴訟法316条の16は、公判前整理手続における証拠意見明示義務を定める規定である。被告人側は、証明予定事実記載書面の送付と検察官請求証拠・類型証拠の開示を受けたことを要件として、検察官請求証拠につき326条の同意の有無および取調べ請求に対する異議の有無を明らかにしなければならない。裁判所は当事者双方の意見を聴いた上でその期限を定めうる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証明予定事実記載書面の受領を確認 316条の13第1項の書面が検察官から送付されているかを弁護人に確認する。この書面がなければ316条の16の意見表明義務は発生していない
- 2.検察官請求証拠と類型証拠の開示状況を洗い出す 316条の14第1項の請求証拠開示と、316条の15第1項・第2項の類型証拠開示が完了しているかを一覧化する。未了の類型があれば開示請求を先行させ、意見表明を急がない
- 3.供述調書ごとに同意・不同意を一枚ずつ検討 各供述調書について「この供述者を法廷で尋問する意味があるか」を弁護人と個別に検討する。自白調書や共犯者供述など有罪認定の核心となる調書は、任意性・信用性を争うなら不同意を選ぶ
- 4.期限設定の場面で2項の意見聴取を確認 裁判所が意見表明の期限を定めようとする際、2項の意見聴取が実際に行われたかを確認し、未開示の類型証拠があればその旨を期日調書に残るよう発言しておく
- 5.証拠意見を書面で提出し、帰結の説明を受ける 同意・不同意の意見を書面で明示する。同意する証拠については、反対尋問の機会を放棄する意味を弁護人から説明してもらい、被告人本人の理解を記録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法316条の16とは?
公判前整理手続で、被告人側が検察官請求証拠について326条の同意の有無・取調べ請求への異議の有無を明らかにする義務を定めた規定です。裁判所は双方の意見を聴いて期限を定められます。
Q2証拠意見はいつまでに出す?
条文自体に法定期間はありません。裁判所が2項に基づき個別に期限を定めます。ただし手続終結後は316条の32により新たな証拠請求が制限されるため、実質的な最終期限は手続の終結時です。
Q3証拠に同意するとどうなる?
326条の同意により伝聞法則の例外が発動し、供述調書が証人尋問を経ずに証拠となります。その供述者を法廷で反対尋問する機会は失われます。
Q4不同意にした証拠は使えない?
使えなくなるわけではありません。不同意は「証人尋問をせよ」という要求であり、検察官が証人を呼んで法廷で同旨の証言をすれば証拠になります。証拠排除とは別の概念です。
Q5証拠開示が終わっていなくても意見を出す必要がある?
1項は書面送付と316条の14・316条の15の開示を受けたことを義務発生の要件としています。開示が未了であれば、条文上の前提を欠くとして意見表明の留保を主張しうる場面です。
Q6裁判所は一方的に期限を切れる?
切れません。2項は「検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で」期限を定めうると規定しています。意見聴取を欠く期限設定は手続違背として異議の対象になります。
Q7公判前整理手続はどんな事件で必ず行われる?
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律49条により、裁判員裁判対象事件では必要的に付されます。したがって対象事件の被告人は全員この意見表明手続を通ります。
Q8証拠意見は被告人本人が決めるもの?
条文上の主体は「被告人又は弁護人」です。どの調書を法廷で争うかは防御方針そのものであり、弁護人任せにせず本人が個別に協議すべき事項とされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士から「全部同意した方が早く終わるし、反省してる姿勢が伝わる」と言われました。本当ですか?
自白事件で情状のみが争点なら合理的な判断です。ただし否認事件や量刑で争う点がある事件では、同意により反対尋問の機会(326条の裏返し)を失うため、慎重な検討が必要です。実務のポイント:公判前整理手続は弁護人にとって膨大な作業量になる一方、国選報酬は必ずしも作業量に比例しません。「全部同意」は事件処理を軽くする方向の判断であり、あなたの防御にとって最適とは限らない。納得できなければセカンドオピニオンや私選への切替えを検討する
Q2一度「同意」と出した意見は、あとから撤回できますか?
証拠調べが実施される前であれば、相当な理由があるとして撤回が認められる余地はありますが、既に取調べが済んだ後の撤回は原則として認められません(実務上、解釈が分かれている領域でもあります)。実務のポイント:撤回の可否は裁判所の訴訟指揮の裁量に委ねられる部分が大きく、弁護人交代直後などの事情があれば認められやすい。逆に言えば、方針に納得できないなら弁護人交代は証拠調べ前に動くべきで、公判が始まってからでは手遅れになる
Q3不同意にすると裁判が長引いて、その分刑が重くなったりしませんか?
正当な防御権の行使が量刑上不利に扱われることは、法律上あってはなりません。ただし実務では「反省の情」が情状として考慮されるため、争点を絞らない全面否認は結果的に不利に働く場合があります。実務のポイント:熟練の弁護人は「争う点は徹底的に不同意、争わない点は明確に同意」と選別する。この選別自体が裁判官に対して『この弁護は筋が通っている』というシグナルになり、争っている部分の説得力が上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「同意・不同意は形式的な手続で、有罪無罪には影響しない」と思われている。実際は逆で、供述調書への同意は伝聞法則の例外を自ら発動させる行為(326条)。同意すれば検察官は証人を呼ぶ必要がなく、あなたは反対尋問の機会を永久に失う。手続の形式ではなく、証拠構造そのものを決める意思表示である
- 不同意にすればその証拠は使えなくなる、と誤解している人が多い。不同意は「証人尋問をやれ」という要求であって、証拠の排除ではない。検察官が証人を呼び、その証人が調書と同じことを法廷で述べれば、証言として証拠になる。むしろ供述が調書と食い違ったとき(321条1項2号など)に、別の争い方が開ける
- 「意見表明の期限は裁判所が決めるもの」という前提そのものが正確ではない。2項は裁判所が期限を定められると書いているが、その要件は「検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で」。意見を聴かずに切られた期限は手続違背であり、弁護人はその場で異議を述べておくべき局面である
- あなたから見れば「弁護人にお任せする専門的判断」だが、法律から見れば同意・不同意は被告人本人の防御方針そのもの。どの調書を法廷で潰しに行くかは事件の核心で、弁護人と本人の認識がズレたまま同意が出れば、後から取り返しがつかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 316条の16:開示を受けた後の被告人側の証拠意見明示 | 316条の15:類型証拠開示(本条の義務発生の前提) 316条の17:被告人側の主張明示(本条の次段階) |
| 誰の行為か | 被告人又は弁護人(裁判所は2項で期限設定のみ) | 検察官(被告人側の請求に応じて開示) 被告人又は弁護人(主張と立証構造の提示) |
| 履行しない場合の帰結 | 期限内に意見が出ないまま手続が進み、争点整理が固定される | 316条の26の裁定請求により裁判所が開示を命じうる 主張未提示のまま手続終結すると316条の32の制限を受ける |
| 法的効果の核心 | 同意すれば326条により伝聞例外が発動し反対尋問権を放棄 | 手札の可視化。開示の範囲が意見の質を決める 争点の確定。以後の新証拠請求は316条の32で制限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も準備程序で証拠能力に関する意見を聴取し、伝聞証拠への同意(159条の5)を認める点で構造が近い。ただし裁判員裁判に相当する国民法官法の適用範囲は日本より限定的
韓国も公判準備手続で証拠に対する意見を整理し、318条で証拠同意を規定する。日本法の影響が濃く、同意による伝聞例外という構造がほぼ一致する
ドイツは職権主義のため当事者の証拠同意という構造を持たず、公判準備は裁判所と当事者の手続状況の協議として行われる。伝聞法則自体が存在せず、直接主義(§ 250)で書面の代替を制限する
米国は pretrial conference で争点を整理し、hearsay への異議は trial 段階での objection と stipulation により処理される。日本のように事前に一括して同意・不同意を書面で明示する制度設計ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが被告人で、弁護人から「検察官の証拠は全部同意でいきましょう、その方が早く終わります」と言われた。ここで確認すべきは一点、類型証拠開示(316条の15)は済んでいるか。まだなら316条の16の前提が整っていない。同意の意見を出す義務はまだ発生していない
- 共犯者の供述調書に不同意を出せば、その共犯者は法廷に呼ばれて反対尋問を受ける。同意すれば紙のまま証拠になる。同じ調書でも、法廷での揺らぎを引き出せるかどうかで有罪無罪が変わる事件は珍しくない
- 裁判所が「次回期日までに意見を出してください」と2週間の期限を切った。だが検察官からの類型証拠開示がまだ半分しか来ていない。意見を留保して開示を先に求めるべき場面
- もし公判前整理手続で「不同意」とした証拠について、公判が始まってから「やはり同意します」と言えるか? 言えるが、それは自ら反対尋問の機会を捨てる行為になる。逆に一度同意したものを撤回するのは、証拠調べ済みなら原則不可能
- 接見できる時間はあと3日、次回の公判前整理手続期日で意見を求められる。膨大な調書に目を通し、どれを不同意にするか被告人本人と詰める時間は限られている。弁護人が「全部同意」で処理したがる構造的理由がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:被害者側で公判前整理手続の進行を知りたい場合、被害者参加制度(刑訴法316条の33以下)の申出をすれば期日への出席や意見陳述が可能になる。また被告人側が供述調書に不同意を出すと、あなたが証人として法廷で尋問を受ける可能性が高まる。検察官に「不同意の見込みがあるか」を早期に確認し、証人尋問の準備(付添い、遮へい措置、ビデオリンクの申出、刑訴法157条の4以下)を検討する
訴えられた側:1. 弁護人に類型証拠開示請求(316条の15)が完了したかを確認、未了なら意見表明を急がない2. 検察官請求証拠の一覧を入手し、供述調書ごとに「この人を法廷で尋問する意味があるか」を弁護人と一枚ずつ検討3. 自白調書や共犯者供述など有罪の核心となる調書は、任意性・信用性を争うなら必ず不同意4. 同意の意見を出す前に、その帰結(反対尋問の放棄)を弁護人から書面で説明してもらう5. 裁判所が期限を切る場面では、2項の意見聴取が行われたか記録を確認
時効(請求できる期限):本条自体に法定の期間はない。裁判所が2項に基づき個別に期限を定める(実務上は数週間から1か月程度が多い)。ただし公判前整理手続終了後は、やむを得ない事由がなければ新たな証拠調べ請求ができなくなる(316条の32)ため、実質的にはこの手続の終結時が最終期限として機能する
学説
通説:316条の16第1項の意見表明義務は、316条の13の書面送付および316条の14・316条の15の証拠開示の完了を要件とする構造であり、開示が不十分な段階での意見強制は制度趣旨に反すると解される
実務上の理解:同意の意見は326条の伝聞例外を発動させる訴訟行為であり、証拠調べ実施前であれば相当な理由により撤回の余地があるが、取調べ済みの後の撤回は原則として認められないとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 裁判員制度導入に伴う刑事訴訟法改正により、公判前整理手続の一環として新設された条文。以後の改正有無および細目は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:裁判員制度導入に伴う刑事訴訟法改正により、公判前整理手続の一環として新設。争点整理と審理計画策定のため、被告人側に早期の証拠意見表明を求める構造が導入された。以後の改正有無は人的検証を要する
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