刑事訴訟法 第213条
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現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第213条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第213条の条文原文は「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第213条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第213条の前の条は刑事訴訟法第212条です。
- 刑事訴訟法第213条の次の条は刑事訴訟法第214条です。
- 刑事訴訟法第213条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第213条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第213条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/213
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法213条は、現行犯人は何人でも逮捕状なくして逮捕できると定める。市民にも及ぶ権限だが、現行犯性が明白でなければ逮捕した側が違法となる。
Q · 目の前で万引きやひったくりを見たら、警察官じゃない自分でも捕まえていいの?
現行犯なら誰でも令状なしで逮捕できる
刑事訴訟法213条により、現行犯人は何人でも、逮捕状なくして逮捕できます。警察官でなくても、その場に居合わせた市民が逮捕できる強い権限です。ただし要件は厳格で、犯行を現に行っている、または行い終わった直後で、犯人であることが客観的に明白でなければなりません。捕まえた後は自分で取り調べず、直ちに警察へ引き渡す義務があります(214条)。現行犯性を欠けば、逮捕した側が逮捕監禁罪(刑法220条)に問われます。
解説
コンビニで万引き犯を捕まえた店員、電車で痴漢の手をつかんだ乗客、ひったくりを追いかけて取り押さえた通行人。この三人に共通する法的な足場が刑事訴訟法213条だ。「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」。警察官でなくても、令状がなくても、その場に居合わせた誰もが逮捕できる。これは憲法33条が令状主義の唯一の例外として認めた、強大な権限である。だが裏を返せば、ここには落とし穴がある。あなたが「現行犯だ」と確信して腕をつかんだ相手が、実は犯人ではなかったら。その瞬間、逮捕したあなたの側が逮捕監禁罪(刑法220条、人を不法に拘束する罪)や暴行・傷害の加害者へ転落する。さらに捕まえても自分で取り調べてはいけない、直ちに警察へ引き渡す義務がある(214条)。権限は誰にでもある。だが使い方を一つ間違えると、ヒーローが一夜にして被告人になる。
法的な位置づけ
現行犯逮捕とは、現に罪を行い、または現に罪を行い終わった者(現行犯人)に対し、逮捕状を要せず行う逮捕をいう。刑事訴訟法213条は、この逮捕を捜査機関に限らず何人にも認める。令状主義(憲法33条)の唯一の例外であり、犯人性の客観的明白性と犯行との時間的・場所的接着を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.現行犯性を一拍で確認してから動く 腕をつかむ前に、犯行を現に行っているか、行い終わった直後か、犯人であることが明白かを一瞬で確認する。「さっき盗んだらしい」という伝聞や時間が経った後の追跡では現行犯性が否定され、逮捕した側が違法になる
- 2.取り押さえたら即110番 制圧したら直ちに110番し、現行犯であること・場所・状況を伝える。引き渡しは「直ちに」が大原則(214条)。連絡を遅らせ自前の事情聴取を始めた時点から、適法な逮捕が違法な監禁へ変質し始める
- 3.制圧は逃走防止の最小限に 実力行使は逃走・抵抗を抑える必要最小限にとどめ、殴る蹴るなどの過剰な制圧をしない。相手の所持品を勝手に調べたり財物を実力で取り返したりしない。捜索・押収の権限は私人にない
- 4.現行犯性を裏づける証拠を確保 防犯カメラ映像、目撃者の連絡先、撮影など、現行犯であったことを裏づける客観証拠を確保する。後日相手が「誤認逮捕だ」と反撃してきたときの立場が大きく変わる
- 5.警察到着後、身柄を直ちに引き渡す 警察到着後は事情を説明し、相手の身柄を直ちに検察官または司法警察職員へ引き渡す(214条)。引き渡し完了までが私人逮捕の適法な範囲であることを意識する
よくある質問 AI による整理
Q1現行犯逮捕とは何ですか?
現に罪を行い、または行い終わった直後の犯人を、逮捕状なしで逮捕することです。刑事訴訟法213条が根拠で、警察官に限らず誰でも行えます。
Q2私人でも逮捕できるのは本当ですか?
本当です。213条は「何人でも」と定め、市民の現行犯逮捕を認めます。ただし逮捕後は自分で取り調べず、直ちに警察へ引き渡す義務があります(214条)。
Q3準現行犯逮捕とは何ですか?
犯行直後と認められる一定の場合に現行犯とみなして逮捕する制度です。212条2項が、犯人として追呼されている、凶器や賍物を所持している等の要件を定めます。
Q4現行犯逮捕に必要な要件は何ですか?
犯行を現に行っているか行い終わった直後であること、犯人であることが客観的に明白であること、犯行と時間的・場所的に接着していることが必要です。
Q5現行犯逮捕した後は何をすればいいですか?
自分で取り調べたり拘束し続けたりせず、直ちに110番して検察官または司法警察職員に引き渡します(214条)。長く抱え込むと逮捕監禁罪のリスクが生じます。
Q6軽い犯罪でも現行犯逮捕できますか?
30万円以下の罰金等の軽微犯罪は、犯人の住居・氏名が不明、または逃亡のおそれがある場合に限って現行犯逮捕できます(刑訴法217条)。
Q7現行犯逮捕で実力行使はどこまで許されますか?
逃走や抵抗を抑えるための必要最小限に限られます。殴る蹴るなどの過剰な制圧は暴行・傷害罪に問われ得ます。捜索・押収の権限は私人にありません。
Q8現行犯逮捕と通常逮捕の違いは何ですか?
通常逮捕(199条)は裁判官の逮捕状が必要で原則として捜査機関が行います。現行犯逮捕(213条)は令状不要で何人でも行えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1万引き犯を捕まえたら、警察が来るまで縛っておいていいんですか?
逃走や抵抗を抑える範囲での制圧は許される場合がありますが、警察への引き渡しは『直ちに』が大原則です(刑訴法214条)。必要以上に長く拘束したり痛めつけたりすれば、逮捕監禁罪(刑法220条)や傷害罪に問われます。実務のポイント:店舗対応で実務上もめるのは『弁償の話し合い』を口実に客を居残らせる行為。これは逮捕とは別の任意のやり取りで、相手が帰ると言えば止める権限はない。引き止めた瞬間に違法監禁のリスクが立ちます
Q2痴漢に間違われて捕まえられた、これって正式な逮捕なんですか?
はい、私人による現行犯逮捕も法的には正式な逮捕です(刑訴法213条)。ただし『現行犯』と言える客観的根拠が必要で、被害申告だけで犯人性が曖昧なら、その逮捕は違法になりえます。実務のポイント:駅事務室への『任意同行』に応じる義務は本来ありません。だが現行犯逮捕が成立していれば話は別で、ここで暴れると別罪を招く。無実なら逃げずに黙秘して弁護士を呼ぶのが、最も冷静で強い一手です
Q3従業員が捕まえた場合、お店や会社が責任を負うことはありますか?
あります。従業員が業務中に過剰な実力行使で誤認逮捕すれば、使用者責任(民法715条)で会社が損害賠償を負う場合があります。また軽微な犯罪(30万円以下の罰金等)は、犯人の住居・氏名が不明、または逃亡のおそれがある場合に限って現行犯逮捕できます(刑訴法217条)。実務のポイント:小売現場では『捕まえた後の引き渡しと記録のマニュアル』があるかどうかで賠償リスクが大きく変わる。捕まえる訓練より、引き渡しの訓練のほうが実務では重要です
間違えやすい点 AI による整理
- 「捕まえたら警察が来るまで縛っておけばいい」と思いがちだが、214条は私人が逮捕したら『直ちに』検察官または司法警察職員に引き渡せと命じる。必要以上に長く拘束し続けると、その超過した時間そのものが逮捕監禁罪に変わる。捕まえる権限は、拘束し続ける権限を意味しない
- 現行犯逮捕で他人を捕まえられることは知っていても、その『現行犯』認定が想像以上に厳しいことを知らない。犯行を現に行っている、または行い終わった直後で、犯人であることが客観的に明白でなければならない。『さっき盗んだらしい』という伝聞や、時間が経った後の追跡では現行犯性が否定され、あなたの逮捕自体が違法になる
- 「正義のために捕まえたのに、なぜ自分が責められるのか」という問いそのものが危うい。法律はあなたの善意ではなく、逮捕が客観的に適法だったかだけを見る。動機が正しくても、現行犯性を欠けば、相手から見ればあなたはただ人を不法に拘束した加害者だ。この視点の落差が、善意の人を被告人席に座らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 逮捕状の要否 | 213条 現行犯逮捕:逮捕状不要 | 199条 通常逮捕:裁判官の逮捕状が必要 212条2項 準現行犯逮捕:逮捕状不要(みなし現行犯) |
| 逮捕できる者 | 何人でも(私人を含む) | 原則として検察官・司法警察職員 何人でも(私人を含む) |
| 適用前提 | 現に罪を行い、または行い終わった直後で犯人性が明白 | 罪を犯したと疑うに足りる相当な理由 + 令状 犯人として追呼・凶器や賍物の所持等で犯行直後と明らか |
| 逮捕後の私人の義務 | 直ちに検察官・司法警察職員へ引き渡す(214条) | 捜査機関がそのまま手続を進める 直ちに引き渡す(214条準用) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も現行犯について「不問何人」が逕行逮捕できる点で日本と同じ構造。捕まえた後は速やかに官憲へ送致する点も共通する。
韓国も現行犯人は何人でも逮捕でき、私人が逮捕したときは直ちに検察官または司法警察官に引き渡す義務を定める。日本法と極めて近い。
ドイツは現行犯(auf frischer Tat)かつ逃亡のおそれ等がある場合に、何人でも暫定的に身柄を確保できると定める。身元確認のためという要件づけがある点で運用が限定的。
米国は私人逮捕をコモンローおよび州法で認めるが、要件と適法範囲は州ごとに大きく異なり、重罪に限定する州もある。誤認時の民事・刑事責任リスクは日本より広い場合がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、目の前でひったくりが起きてあなたが犯人を追い、取り押さえたら、その後どうすべきか? 答えは「直ちに警察へ引き渡す」だ。自分で財布を取り返そうと相手の所持品を漁れば、今度はあなたが捜索(人の身体や持ち物を強制的に調べる行為)の権限なき領域に踏み込み、立場が逆転する
- コンビニ店員のあなたが万引き犯を捕まえ、バックヤードで「弁償するまで帰さない」と数時間とどめ置いた。これは214条の「直ちに引き渡す」義務に反し、逮捕監禁罪に問われうる。捕まえる権限と、拘束し続ける権限は別物だ。捕まえた後に長く抱え込むほど、適法な逮捕が違法な監禁へ変質していく
- 痴漢と間違われ、見ず知らずの人に腕をつかまれて駅事務室へ連行された。あなたは無実だ。だがここで暴れて振り切れば、別の罪を招いて立場はさらに悪化する。残された時間で唯一強い一手は、その場で弁護士を呼び黙秘権を主張することだ
- あなたが取り押さえた相手を警察に引き渡すまで、ぐずぐずしている時間はない。私人逮捕は「直ちに」引き渡してこそ適法。連絡が遅れ、説教や自前の事情聴取をあなたが始めた時点から、正義の制圧が違法な監禁へすり替わり始める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取り押さえたら即座に110番し、現行犯であることと場所を伝える2. 制圧は逃走・抵抗を防ぐ最小限にとどめ、殴る蹴るなどの過剰な実力行使はしない3. 相手の所持品を勝手に調べたり財物を実力で取り返したりしない、捜索・押収の権限は私人にない4. 防犯カメラ・目撃者・撮影など現行犯性を裏づける証拠を確保5. 警察到着後は事情を説明し、相手の身柄を『直ちに』引き渡す(刑訴法214条)
訴えられた側:1. 無実でも、その場で暴れて振り切らない、別罪や心証悪化を招く2. 黙秘権を行使し、不用意な謝罪や自白をしない3. 当番弁護士を呼ぶ、初回は無料4. 現行犯性の根拠が薄い(被害申告だけ、時間が経過、犯人性が曖昧)なら、逮捕の適法性自体を争う5. 明白な誤認逮捕なら、後日相手に対し逮捕監禁罪(刑法220条)の告訴や民事の損害賠償(民法709条)を検討
時効(請求できる期限):現行犯逮捕には『犯行と時間的・場所的に接着していること』という時間的限界がある。逮捕後、私人は『直ちに』検察官または司法警察職員に引き渡さねばならない(刑訴法214条)。引き渡し後、司法警察員は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は受領後24時間以内かつ逮捕時から72時間以内に勾留請求か釈放を判断する
学説
通説:213条の現行犯逮捕が適法となるには、犯行と時間的・場所的に接着していること、および逮捕者から見て犯人性が客観的に明白であることを要する。これを欠く逮捕は違法であり、逮捕者は逮捕監禁罪等の責任を負い得るとするのが通説である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定により213条が置かれ、現行犯人については何人でも逮捕状なく逮捕できることを明文化。令状主義(憲法33条)の例外として位置づけられた。
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