刑事訴訟法 第212条
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- 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
- 2.左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
- 一犯人として追呼されているとき。
- 二贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
- 三身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
- 四誰何されて逃走しようとするとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第212条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第212条の条文原文は「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。」で始まります。
- 刑事訴訟法第212条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第212条の前の条は刑事訴訟法第211条です。
- 刑事訴訟法第212条の次の条は刑事訴訟法第213条です。
- 刑事訴訟法第212条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第212条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第212条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/212
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法212条は、現に罪を行い又は行い終つた者を現行犯人と定める。現行犯人は令状なしで何人でも逮捕でき、憲法33条の令状主義の明文の例外となる。
Q · 万引きや痴漢を見つけたら、警察じゃない自分が捕まえてもいいの?
現行犯なら令状なしで誰でも逮捕できます
刑事訴訟法212条は、現に罪を行い又は行い終わった者を現行犯人と定めます。現行犯人は令状がなくても何人でも逮捕でき(213条)、これは憲法33条の令状主義の明文の例外です。2項の準現行犯人(追呼・贓物所持・身体の証跡・誰何逃走の四類型)も、犯行終了から間がないと明らかなら逮捕できます。ただし私人が逮捕したら直ちに警察官へ引き渡す義務があり(214条)、自分で取り調べたり長時間拘束すると逮捕監禁罪(刑法220条)になりえます。
解説
コンビニで万引き犯を見つけた店員、ひったくりを追いかける通行人、電車で痴漢を捕まえた乗客。彼らに共通するのは、警察官でないのに人を逮捕しているという事実だ。刑事訴訟法212条は「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者」を現行犯人と定める。そしてこの現行犯人は、令状なしで、しかも警察でなくても誰でも逮捕できる(213条)。憲法33条が「逮捕には裁判官の令状が必要」と定めているのに、現行犯だけはその明文の例外なのだ。さらに2項は準現行犯人を定める。犯人として追いかけられている、盗品や凶器を持っている、体や服に犯罪の跡がある、職務質問されて逃げ出した。この四つのどれかに当てはまり、犯行終了から間がないと明らかに認められれば、現行犯とみなされて令状なしで逮捕できる。ただし注意してほしい。あなたが「現行犯だ」と判断して捕まえた相手が実は無関係だったら、今度はあなたが逮捕監禁罪(刑法220条)や損害賠償(民法709条)に問われる。逮捕する権限と、間違えたときの責任は、同じコインの裏表なのだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法212条は現行犯人および準現行犯人を定める規定である。1項は現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とし、2項は追呼、贓物等の所持、身体・被服の証跡、誰何逃走の四類型に該当し犯行終了から間がないと明らかに認められる者を準現行犯人とみなす。現行犯人は令状なく逮捕しうる点で令状主義の例外をなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.現行犯性をその場で確認する 相手が「現に罪を行っている」か「行い終わった直後」かを確認する。直接見ていない場合は、追呼中・贓物所持・身体の証跡・誰何逃走の四類型と犯行終了から間がないことを確認。記憶があいまいなら捕まえない
- 2.「現行犯逮捕する」と宣言し記録を残す 捕まえる瞬間に声に出して「現行犯逮捕します」と宣言し、周囲の人にスマホでの撮影と証言を依頼する。後で不当拘束を主張されたときの自分の防御証拠になる
- 3.必要最小限の有形力にとどめる 逃走を防ぐのに必要かつ相当な範囲だけで制止する。自分で取り調べたり問い詰めたりしない。過剰な暴行は暴行罪・傷害罪になりえる
- 4.直ちに110番して警察官へ引き渡す 110番通報し、到着した警察官へ身柄を引き渡す(214条)。私人が長く抱え込むと逮捕監禁罪になりうるため、「直ちに」を文字通り守ることが最大の防御
よくある質問 AI による整理
Q1現行犯逮捕とは何ですか?
現に罪を行い又は行い終わった者(現行犯人)を、令状なしでその場で逮捕することです。刑事訴訟法212条・213条が根拠で、警察官でなくても何人でも逮捕できます。
Q2準現行犯とは何ですか?
犯行を直接見ていなくても、追呼されている・贓物や凶器を持っている・身体に証跡がある・誰何されて逃走したのいずれかで、犯行終了から間がないと明らかな者です(212条2項)。
Q3現行犯逮捕は本当に誰でもできるのですか?
できます。213条は「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」と定め、私人による逮捕を明文で認めています。
Q4現行犯逮捕に令状は必要ですか?
不要です。憲法33条は令状主義を定めますが、現行犯は同条の明文の例外で、犯行中または犯行直後であれば令状なしで逮捕できます。
Q5私人が現行犯逮捕したらどうすればいいですか?
直ちに警察官または検察官へ引き渡す義務があります(214条)。自分で取り調べたり長時間拘束すると、逆に逮捕監禁罪(刑法220条)に問われます。
Q6軽い犯罪でも現行犯逮捕できますか?
30万円以下の罰金・拘留・科料にあたる軽微な罪は、住居不定または逃亡のおそれがなければ現行犯逮捕できません(217条)。
Q7現行犯逮捕でどこまで実力を使えますか?
逃走を防ぐのに必要かつ相当な範囲に限られます。過剰な暴行は別途暴行罪・傷害罪になりえます。腕をつかむ程度にとどめ、直ちに通報するのが安全です。
Q8現行犯逮捕と緊急逮捕は何が違いますか?
現行犯逮捕(212条)は犯行中・直後で誰でも可。緊急逮捕(210条)は重い罪の十分な嫌疑がある急速を要する場合に、警察官等が逮捕後に令状を求める手続です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1万引き犯を捕まえて、商品を取り返しただけでも逮捕になるんですか?
相手の身体の自由を制圧した時点で現行犯逮捕(212条、213条)が成立します。商品を取り返すだけなら逮捕ではありませんが、腕をつかんで引き止めれば逮捕です。捕まえたら直ちに警察へ引き渡す義務があります(214条)。実務のポイント:店側が『バックヤードで話を聞く』と称して長時間拘束し、示談や弁償を迫るケースがありますが、これは逮捕監禁罪(刑法220条)になりうる危険行為です。捕まえたら自分で処理せず、すぐ警察を呼ぶのが店を守る正解です
Q2職務質問で逃げただけで逮捕されるって本当ですか?
本当です。212条2項4号『誰何されて逃走しようとするとき』に当たり、犯行終了から間がないと明らかに認められれば準現行犯として令状なしで逮捕できます。ただし単に逃げたという一事ではなく、他の事情と合わせた総合判断です。実務のポイント:判例(最決平成8.1.29など)は準現行犯逮捕を比較的緩やかに認める傾向があり、警察は令状を取る時間がない場面でこの規定を活用します。身に覚えがなくても、逃げると不利になるのは事実なので、落ち着いて応じるのが結果的に得です
Q3間違えて無関係の人を現行犯だと思って捕まえたら、どうなりますか?
誤認逮捕した側が逮捕監禁罪(刑法220条)や不法行為による損害賠償(民法709条)の責任を負う可能性があります。現行犯逮捕の要件(現に罪を行っている等)を満たさなければ、その逮捕は違法だからです。実務のポイント:私人の現行犯逮捕では『逮捕者が犯罪と犯人の明白性をどこまで認識できたか』が責任の分かれ目です。客観的に見て現行犯と信じるのが合理的だった場合は責任を問われにくい。だからこそ、捕まえる瞬間の状況を録画や録音で残すことが、後のあなた自身の防御になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「逮捕は警察にしかできない」と思われているが、現行犯逮捕は何人でもできる(213条)。あなたも法律上は逮捕の主体になれる。問題はその先の重さだ
- 現行犯逮捕の権限があることは知っていても、その限界の危うさを知らない人が多い。私人が逮捕したら『直ちに』警察へ引き渡す義務があり(214条)、自分で取り調べたり長時間拘束したりすれば逮捕監禁罪になる。権限の存在より、権限の限界のほうがあなたを危険にさらす
- 「犯行を目撃していないから現行犯逮捕はできない」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。2項の準現行犯は、犯行を直接見ていなくても、追いかけられている、盗品を持っている、体に証跡があるといった状況で成立する。見たかどうかではなく、犯行終了から間がないと明らかに認められるかが分かれ目だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 令状の要否 | 212条・213条 現行犯逮捕:令状不要 | 199条 通常逮捕:裁判官の逮捕状が必要 210条 緊急逮捕:逮捕後に令状を求める |
| 逮捕の主体 | 何人でも可(私人逮捕を含む) | 検察官・司法警察職員 検察官・司法警察職員等 |
| 対象犯罪の重さ | 原則制限なし(217条で軽微罪は制限) | 制限なし 死刑・無期・長期3年以上の罪に限る |
| 逮捕後の義務 | 私人は直ちに警察官へ引致(214条) | 弁解録取・48時間内送致 直ちに逮捕状を請求、得られなければ釈放 |
他国ではどう定めているか 4 か国
現行犯は何人でも逕行逮捕でき、令状を要しない点で日本と同じ。準現行犯に相当する「準現行犯」規定も置く
211条で現行犯人を定義、212条で何人でも逮捕しうるとする。日本法と構造が酷似
現行犯(auf frischer Tat)を発見した者は、身元不明または逃亡のおそれがある場合に令状なく仮逮捕できる。私人逮捕を明文で認める
重罪の現行犯について私人による逮捕を認めるが、軽罪や誤認時の責任範囲は州ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが店長で、商品をバッグに入れたまま出ようとした客の腕をつかんだ。これが現行犯逮捕だ。だが「レジ前で止めた」のか「店の外まで出た後で追いかけた」のかで、現行犯性の判断が変わる。つかむ前に、相手が本当に代金を払っていないか一瞬の確認をすることが、後のあなたを守る
- もし駅のホームで痴漢を捕まえて、相手が『やってない』と暴れ出したらどうする? 準現行犯として捕まえたなら、あなたは直ちに警察官へ引き渡さなければならない(214条)。自分で問い詰めて長く拘束し続ければ、今度はあなたの行為が違法になる。判断の猶予は数分だ
- 職務質問で警察官に呼び止められ、思わず走って逃げた。これだけで準現行犯とみなされ、令状なしで逮捕されうる(2項4号)。逃げ出す前に、その一歩が逮捕の根拠になる
- あなたが準現行犯として逮捕されたが、実は人違いだった。警察が『盗品を持っていた』と見た袋の中身は、自分で買ったものだった。後から無実が分かっても、逮捕された事実そのものは消えない。だからこそ逮捕直後の弁解と、その記録が決定的になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 犯行を現に目撃した、または犯行直後(追跡中、盗品所持、身体の証跡)であることを確認、記憶があいまいなら捕まえない2. 捕まえる瞬間に『現行犯逮捕する』と宣言、周囲へ撮影と証言を依頼3. 自分で取り調べず、有形力は逃走防止に必要な範囲だけに抑える4. 直ちに110番し、到着した警察官へ引き渡す(214条)。身柄を長く抱え込まないことが、自分を守る最大のポイント
訴えられた側:1. 人違いや誤認なら、その場で『違う』と明確に伝えつつ暴れない。抵抗は公務執行妨害など別罪を生む2. 黙秘権がある。不利なことは話さず、弁解は弁護人を通して整理する3. 私人に捕まった場合、相手に取り調べの権限はない、警察への引き渡しを求める4. 軽微な事件(30万円以下の罰金等)は、住居不明や逃亡のおそれがなければ現行犯逮捕できない(217条)。自分の件が該当しないか確認する
時効(請求できる期限):現行犯逮捕に令状は不要だが、犯行中または犯行直後(『罪を行い終つてから間がない』)であることが時間的要件。私人が逮捕したら『直ちに』警察官へ引き渡す義務がある(214条)。逮捕後の身柄は、司法警察員が48時間以内に検察官へ送致、検察官は受領から24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留請求するか釈放する(203条以下、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:212条1項の現行犯人は犯罪と犯人の明白性が逮捕者にとって明らかであることを要し、2項の準現行犯は四類型該当に加え犯行との時間的・場所的接着性を要する。私人逮捕の適法性は逮捕者がどこまで明白性を認識しえたかで判断される。
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