刑事訴訟法 第214条
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検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第214条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第214条の条文原文は「検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない…」で始まります。
- 刑事訴訟法第214条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第214条の前の条は刑事訴訟法第213条です。
- 刑事訴訟法第214条の次の条は刑事訴訟法第215条です。
- 刑事訴訟法第214条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第214条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第214条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/214
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法214条は、私人が現行犯人を逮捕したとき、直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡さなければならないと定める。説教や弁償交渉のための引き延ばしは逮捕監禁罪に問われうる。
Q · 万引き犯を捕まえたら、警察が来るまで自分で話を聞いてもいいの?
ダメ。確保したら直ちに引き渡す、それ以上は権限外
刑事訴訟法214条により、私人が現行犯人を逮捕したときは、直ちに検察官又は司法警察職員に引き渡さなければなりません。許されているのは「確保」と「即時の引き渡し」だけです。事務所での事情聴取、弁償交渉、自白の要求は権限の外であり、引き渡しを怠って留め置けば、逮捕監禁罪(刑法220条)に問われうる。さらに相手が現行犯でなかった場合は逮捕自体が違法となり、損害賠償と刑事責任を背負うことになります。
解説
電車で痴漢の腕をつかんだ、コンビニで万引き犯を出口で取り押さえた。その瞬間、あなたは法律上の「現行犯逮捕」をしている。警察官でなくても、現行犯なら何人でも逮捕できる(213条)。だがここからが本題だ。214条は、私人が逮捕したら「直ちに」検察官か司法警察職員に引き渡せと命じる。つまりあなたに許されているのは「捕まえて、すぐ渡す」までで、それ以上は一切ない。事務所の奥で説教する、弁償を迫る、自白を取る、これらをやった瞬間、あなたの行為は正義の市民逮捕から逮捕監禁罪(刑法220条、人を不法に閉じ込める罪)へ反転しうる。さらに人違いで、相手が実は現行犯でなかった場合、捕まえたこと自体が違法になり、損害賠償と刑事責任があなたに降りかかる。市民逮捕は権利ではなく、極めて狭い例外の上を歩く綱渡りだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法214条は、私人による現行犯逮捕後の引渡義務を定める規定である。検察官・検察事務官・司法警察職員以外の者が現行犯人を逮捕した場合、直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡すことを義務づけ、私人の身柄拘束を最短で国家のコントロール下に戻す役割を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本当に「現行犯」か一瞬で見極める 取り押さえる前に、目の前で罪を行ったか、又は行い終わった直後か(刑訴212条)を判断する。確信が持てなければ自分で取り押さえず、特徴を記録して通報に徹する
- 2.確保したら直ちに110番 現行犯と確信できる場合のみ確保し、すぐ110番通報する。駅なら駅員、店なら警備担当へ引き渡す。これが刑訴214条の「直ちに引き渡し」
- 3.質問・説教・弁償交渉は一切しない 相手への事情聴取、自白の要求、示談・弁償の取り立てはすべて権限外。やった瞬間に逮捕監禁罪(刑法220条)の火種になる。「何もしない」が最強の一手
- 4.力は逃走を防ぐ最小限まで 馬乗りや首の圧迫、長時間のうつ伏せ制圧は避ける。過剰な実力行使で死傷させれば、相手が犯人でも暴行・傷害罪に問われうる
- 5.映像・目撃者を確保し記録を残す 防犯カメラ映像、周囲の目撃者、自分の対応の時系列を残す。後日「適法な市民逮捕だった」ことを立証する材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1現行犯逮捕とは何ですか?
目の前で罪を行い、又は行い終わった直後の犯人を、令状なしに逮捕することです(刑訴212条・213条)。私人でも逮捕でき、捕まえたら直ちに引き渡す義務があります(刑訴214条)。
Q2私人逮捕はできますか?
できます。現行犯人は何人でも令状なく逮捕できます(刑訴213条)。ただし許されるのは確保と即時の引き渡しまでで、それ以上の留置や尋問は権限外です。
Q3現行犯逮捕したら警察にいつ引き渡しますか?
刑訴214条が「直ちに」と定めます。固定時間はありませんが、合理的に必要な範囲を超えない即時を意味し、説教や交渉のための引き延ばしは違法となります。
Q4万引き犯を捕まえたら何をすればいいですか?
すぐ110番、又は駅員・警備担当に引き渡します。相手への質問・説教・弁償交渉は一切しないこと。良かれと思った事情聴取が逮捕監禁罪の火種になります。
Q5逮捕監禁罪とはどんな罪ですか?
人を不法に逮捕・監禁する罪です(刑法220条)。現行犯を捕まえても引き渡しを怠って長時間留め置くと、捕まえた側がこの罪に問われうる。
Q6現行犯逮捕の要件は何ですか?
現に罪を行い、又は行い終わった者であること(刑訴212条1項)。犯人と犯罪の明白性が必要で、判定を誤れば違法逮捕となり責任を負います。
Q7私人が逮捕するとき怪我をさせたらどうなりますか?
逃走防止のための必要最小限なら刑法35条で正当化されますが、過剰な制圧で死傷させれば、たとえ相手が犯人でも暴行・傷害罪に問われた裁判例があります。
Q8準現行犯とは何ですか?
罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる者で、刑訴212条2項が定める一定の徴憑(贓物所持、犯行の痕跡等)がある場合に、現行犯人とみなして逮捕できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1万引き犯を捕まえたんですが、警察が来るまで事務所で話を聞いてもいいですか?
おすすめしません。214条は『直ちに引き渡し』を求めており、許されるのは確保して即通報するまでです。長時間の事情聴取や弁償の取り立ては逮捕監禁罪(刑法220条)に問われうる。実務のポイント:警察や防犯の実務では「捕まえたら何も聞かず110番、あとは待つだけ」が鉄則。良かれと思った事情聴取が、店側を加害者に変える一番の落とし穴です
Q2間違えて犯人じゃない人を捕まえてしまったら、どうなりますか?
相手が現行犯でなければ逮捕自体が違法となり、逮捕監禁罪・暴行罪のほか民事の損害賠償も背負いうる。現行犯かどうかの判定は212条が厳格に定めます。実務のポイント:実務では「現行犯と信じる相当な理由」があったかが争点になり、解釈が分かれている論点です。確信が持てないなら自分で取り押さえず、特徴を記録して通報に徹する方が安全
Q3取り押さえるとき、どのくらいまで力を使っていいんですか?
逃走や抵抗を抑えるための必要最小限までです。市民逮捕に伴う実力行使は刑法35条(法令による正当行為)で正当化されますが、過剰になれば暴行・傷害罪になる。実務のポイント:相手が犯人であっても、馬乗りで首を圧迫した、長時間うつ伏せで押さえ続けたといった過剰な制圧で死傷させ、捕まえた側が重い刑事責任を負った裁判例があります。『捕まえた正しさ』は『使った力の正しさ』を保証しません
間違えやすい点 AI による整理
- 「現行犯なら市民でも捕まえていい、だから捕まえた後どうしようと自由」と思われているが、214条は逆を言う。逮捕できる権利と、その後の身柄をどう扱えるかは別物。あなたに許されるのは即時引き渡しまでで、留置も尋問も弁償交渉も権限の外にある
- 市民逮捕ができること自体は知っていても、その「現行犯」判定を誤ったときの自分のリスクの重さを知らない人が多い。相手が犯人でなければ、あなたは逮捕監禁罪・暴行罪・民事の損害賠償を同時に背負う。捕まえる側こそ、一瞬で被告人になりうる
- 「犯人を捕まえたのだから感謝されて当然」という前提そのものがずれている。法律から見れば、あなたは国家の身柄拘束権を一時的に代行しているにすぎず、その代行は『直ちに国家へ返す』ことで初めて正当化される。返さなければ、代行は私的拘束に堕ちる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 逮捕の主体・根拠 | 刑訴214条:私人が現行犯人を逮捕した後の引渡義務 | 刑訴213条:現行犯人は何人でも令状なく逮捕可 刑訴199条:令状による通常逮捕(捜査機関) |
| 前提となる定義 | 現行犯人(刑訴212条)を逮捕済みであること | 現行犯人・準現行犯人の該当性(刑訴212条) 裁判官の発する逮捕状の存在 |
| 捕まえた後の処理 | 直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡す | (逮捕の可否のみを定める) 刑訴203条:48時間以内に送致など捜査機関内の手続 |
| 違反・濫用時のリスク | 引渡し懈怠・過剰拘束 → 逮捕監禁罪(刑法220条) | 人違い → 違法逮捕・損害賠償 令状の要件不備 → 逮捕の違法 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も現行犯は何人でも逮捕でき、私人が逮捕したときは即時に検察官・司法警察官へ送致する義務を課す点で日本と同じ構造をとる
韓国も現行犯人は何人でも逮捕でき、捜査機関でない者が逮捕したときは直ちに引き渡すべきものとする点で日本と類似する
ドイツも、現行犯につき逃走のおそれ等がある場合に何人も暫定的逮捕(vorläufige Festnahme)ができるが、速やかに官憲へ引き渡すことを要する
米国は州ごとに私人逮捕の要件が分かれ、重罪と軽罪で扱いが異なる。捕らえた者を遅滞なく官憲へ引き渡す義務がある点は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 満員電車で痴漢の手をつかみ、次の駅で引きずり下ろした。ここまでは適法だ。だが駅事務室で「示談しろ、金を出せ」と詰め寄った瞬間、あなたの立場は逮捕者から加害者へ傾く。やるべきは駅員に引き渡し、110番、それだけ
- コンビニ店員のあなたが万引き犯を捕まえ、バックヤードで2時間問い詰めて防犯カメラ映像を見せ続けた。相手が「不当に閉じ込められた」と訴えれば、逮捕監禁罪・損害賠償の対象になりうる。捕まえた正しさと、留め置いた長さは別問題だ
- もし、あなたが取り押さえた相手が実は犯人ではなかったら? 現行犯と言えるかは212条が厳しく定める。確保した数分のうちに「本当に今、目の前で罪を犯したか」を見極められなければ、あなたの善意は違法逮捕に化ける
- 路上でひったくり犯を取り押さえた通行人。警察到着まで地面に押さえ続けた。過剰な力で相手が怪我をすれば、たとえ相手が犯人でも、あなたが暴行・傷害を問われうる。力は逃走を防ぐ最小限まで
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取り押さえるのは「現行犯」と確実に言える場合だけ、目の前で罪を犯した、または罪を犯し終えた直後(212条)かを一瞬で判断2. 確保したら直ちに110番、駅なら駅員、店なら警備担当に渡す3. 相手への質問・説教・弁償交渉は一切しない、それは権限外で逮捕監禁罪の火種になる4. 力は逃走を防ぐ最小限まで、馬乗りや長時間の制圧で怪我をさせれば暴行・傷害になりうる5. 周囲の映像・目撃者を確保し、自分の対応が適法だった記録を残す
訴えられた側:1. 私人に捕まえられたら、それが本当に現行犯逮捕の要件を満たすか確認、人違いや要件不備なら違法逮捕を主張できる2. 相手が警察をすぐ呼ばず長時間留め置いたら、その遅延は『直ちに引き渡し』違反として後の争点になる3. その場では過剰に抵抗せず(過剰抵抗は別罪になりうる)、警察到着後に黙秘権を行使し弁護人を呼ぶ4. 違法な私的拘束で怪我や精神的損害を受けたら、逮捕監禁罪の告訴・損害賠償請求を検討する
時効(請求できる期限):私人の引渡しに固定時間の定めはないが、「直ちに」とは合理的に必要な範囲を超えない即時を意味し、説教や交渉のための引き延ばしは違法となる。引渡し後、司法警察員は48時間以内に検察官へ送致(203条)、検察官は24時間以内に勾留請求(205条)という時計が動き出す(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:刑訴214条の「直ちに引き渡し」とは合理的に必要な範囲を超えない即時を意味し、私人に許されるのは確保と引渡しに限られる。引渡しの遅延や尋問・交渉は引渡義務違反として、逮捕監禁罪(刑法220条)の評価対象となりうる。
通説:私人逮捕に伴う実力行使は刑法35条(法令による行為)により違法性が阻却されるが、逃走・抵抗の抑止に必要な最小限を超える過剰な制圧は正当化されず、暴行・傷害罪を構成しうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、令状主義の例外としての現行犯逮捕(213条)とともに、私人が逮捕した現行犯人の引渡義務(214条)を明文化した。
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