刑事訴訟法 第216条
クイックジャンプ
現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第216条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第216条の条文原文は「現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第216条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第216条の前の条は刑事訴訟法第215条です。
- 刑事訴訟法第216条の次の条は刑事訴訟法第217条です。
- 刑事訴訟法第216条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第216条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第216条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/216
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法216条は、現行犯逮捕にも逮捕状による逮捕(199条)の後続手続を準用すると定める。逮捕から48時間・通算72時間の時間制限や黙秘権は令状逮捕と変わらない。
Q · 現行犯逮捕は令状がないけど、その後の手続や権利は普通の逮捕より弱いの?
ほぼ同じ。48・72時間の制限も権利も変わらない
刑事訴訟法216条により、現行犯逮捕には逮捕状による逮捕(199条)の後続手続がそのまま準用されます。司法警察員は逮捕から48時間以内に検察官へ送致し(203条)、検察官は受領から24時間以内かつ逮捕時から通算72時間以内に勾留請求するか釈放しなければなりません(205条)。黙秘権も弁護人との接見交通権も令状逮捕と同一です。違うのは令状の要否という入口だけで、出口の時間制限と権利保障は一切減りません。
解説
電車で痴漢と決めつけられ駅員に腕をつかまれた、コンビニで万引きを疑われレジ裏に連れて行かれた、居酒屋の喧嘩で相手を殴ったとして取り押さえられた。これらはすべて現行犯逮捕であり、令状なしで誰でもあなたを逮捕できる(刑事訴訟法213条)。だが多くの人が知らないのは、その後だ。216条は、現行犯で捕まった人にも、令状で逮捕された人とまったく同じ後続手続を準用すると定める。つまり、警察はあなたを無制限に拘束できない。逮捕から48時間以内に検察官へ送致し、そこから24時間以内(逮捕時から通算72時間以内)に勾留請求するか、さもなくば釈放しなければならない。令状がなかったからといって、あなたの権利が一段下がるわけではない。黙秘権も、弁護人を呼ぶ権利も、時間の壁も、すべて同じだ。現行犯逮捕は入口が緩いだけで、その先の防御線はあなたの側にもきちんと引かれている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法216条は、現行犯逮捕の後続手続を定める準用規定であり、現行犯人が逮捕された場合に、逮捕状による逮捕(199条)に関する後続手続をそのまま適用する旨を規定する。司法警察員の送致義務(203条)や検察官の勾留請求期限(205条)など、身柄拘束に関する時間制限と権利保障が令状逮捕と同一に及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逮捕された時刻を正確に記憶する 身柄拘束が始まった時刻が48時間・72時間の起算点になる。パトカーに乗せられた時刻、署に着いた時刻を頭の中で固定し、後で弁護人に伝えられるようにする
- 2.黙秘権を行使し署名押印を留保する 取調室では黙秘権を行使する。供述調書への署名押印は、弁護人と相談するまで応じない。不用意な発言が調書に残ると後で覆しにくくなる
- 3.当番弁護士・弁護人選任を要求する 当番弁護士制度で初回無料の接見を要求する。警察に弁護人を呼びたい旨を明確に伝え、48時間の送致前に必ず一度は弁護人と話す
- 4.送致前(48時間内)に弁護人と接見し方針を固める 送致前の供述が取り調べの方向を決める。弁護人と現行犯の要件(犯行を現認されたか、犯人として明白か)に争点がないか確認し、黙秘や供述の方針を立てる
- 5.勾留質問で逮捕の違法・勾留の必要性を争う 検察官が勾留請求した場合、裁判官の勾留質問の場で、弁護人を通じ現行犯の要件不備や逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを主張する。これが通れば早期釈放もありうる
よくある質問 AI による整理
Q1現行犯逮捕とは何ですか?
犯罪を現に行っている、または行い終わった直後の者を、令状なしで逮捕できる制度です(刑訴212条・213条)。警察官だけでなく何人でも逮捕できます。
Q2刑事訴訟法216条は何を定めていますか?
現行犯人が逮捕された場合に、逮捕状による逮捕(199条)の後続手続を準用する規定です。送致義務や勾留請求の時間制限が令状逮捕と同一に及びます。
Q3現行犯逮捕で警察に拘束される時間はどれくらいですか?
司法警察員は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は逮捕時から通算72時間以内に勾留請求するか釈放します。起算点は身柄拘束の開始時刻です。
Q4現行犯逮捕に逮捕状は必要ですか?
不要です。憲法33条の令状主義の例外として、犯行が明白な現行犯には令状なしの逮捕が認められます。ただし後続手続は令状逮捕と同じです。
Q5現行犯逮捕されたら弁護士はいつ呼べますか?
逮捕直後から弁護人選任を求められます。当番弁護士制度なら初回無料で接見でき、48時間の送致前に必ず一度は弁護人と話すのが重要です。
Q6現行犯逮捕後に勾留されるとどうなりますか?
勾留請求が裁判官に認められると、最長10日間、延長でさらに最長10日間、合計最大20日間身柄を拘束されます。逮捕分と合わせ最長23日間です。
Q7私人による現行犯逮捕は違法になりますか?
要件を満たす取り押さえ自体は適法ですが(213条)、直ちに警察へ引き渡す義務があり(214条)、過剰な実力行使や長時間拘束は逮捕監禁罪・傷害罪になりえます。
Q8痴漢冤罪で現行犯逮捕されたらどうすればいいですか?
取調室では黙秘権を行使し、署名押印は弁護人と相談するまで応じないこと。当番弁護士を呼び、48時間の送致前に防御の筋道を立てるのが分水嶺です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1現行犯逮捕って令状がないけど、普通の逮捕と扱いは違うんですか?
ほとんど違いません。216条が令状逮捕(199条)の後続手続をそのまま準用するので、48時間・72時間の時間制限も、黙秘権も接見交通権も同じです。違うのは入口(令状の要否)だけ。実務のポイント:警察は現行犯だと『もう逃げられない』という空気を作りがちですが、時間制限は厳格です。48時間以内に送致がなければ、その手続違反自体が後の勾留・公判で防御材料になる。逮捕された時刻をまず記憶しておく
Q2一般人が万引き犯を捕まえたあと、警察が来るまで店の事務所に閉じ込めていいんですか?
現行犯逮捕(213条)として取り押さえること自体は適法ですが、214条で『直ちに』警察へ引き渡す義務があります。必要を超えて長時間拘束したり暴行を加えれば、逮捕監禁罪や傷害罪になりうる。実務のポイント:『直ちに』の解釈は厳しく、通報を怠って自分で詰問を続けると、捕まえた側が加害者に転落する。取り押さえたら証拠確保より先に110番、が鉄則
Q3現行犯で逮捕されたら、48時間後には必ず釈放されますか?
いいえ。48時間は検察官への送致期限、通算72時間は勾留請求の期限です。期限内に検察官が勾留請求し裁判官が認めれば、さらに最長20日間(10日+延長10日)拘束されます。実務のポイント:72時間以内に釈放されるか勾留に移るかが勝負です。この間に弁護人が勾留の必要性なし(逃亡・証拠隠滅のおそれが低い)と主張できれば、勾留請求が却下され早期釈放もありうる。最初の三日間に弁護人がどれだけ動けるかが全て
間違えやすい点 AI による整理
- 現行犯は令状なしで捕まるのだから、その後の手続も簡略で権利も弱いと思われがちだ。実際は逆で、216条が令状逮捕とまったく同じ後続手続を準用する。48時間・72時間の時間制限も、黙秘権も、接見交通権も一切減らない
- 現行犯逮捕されうることは誰でも知っている。だがその深刻さは知られていない。一度逮捕されれば勾留で最長23日間身柄を拘束されうる。たった一発の喧嘩、たった一個の万引き疑いが、三週間社会から隔離される入口になりうる
- 「現行犯で捕まったらもう言い逃れできない」という問いの立て方が、そもそも誤っている。現行犯逮捕は身柄確保の手続にすぎず、有罪を確定させるものではない。捕まった後にどう供述し、いつ弁護人を呼ぶかで、起訴・不起訴の分岐が決まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 逮捕の根拠と令状 | 216条:現行犯逮捕(213条)された者への後続手続の準用。逮捕自体に令状不要 | 199条:逮捕状による逮捕。事前に裁判官の令状が必要 213条:現行犯人を何人でも令状なしで逮捕できる根拠 |
| 後続手続 | 199条逮捕の後続手続をそのまま準用(送致・勾留請求・権利保障が同一) | 203〜205条の送致・勾留請求手続が本来適用される条文群 214条:私人逮捕の場合は直ちに警察へ引致する義務が加わる |
| 時間制限 | 逮捕から48時間以内送致・通算72時間以内勾留請求(令状逮捕と同一) | 203条:司法警察員48時間 / 205条:検察官24時間かつ通算72時間 214条:『直ちに』引致(時間的猶予はほぼ認められない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も現行犯を何人でも逮捕でき、私人逮捕後は即時に司法警察官等へ引致する点で日本と同構造。後続手続の時間制限も法定される
韓国も現行犯人は何人でも令状なしで逮捕でき、私人逮捕後の引致義務を定める。逮捕後の手続的保障の枠組みは日本と類似
ドイツは現行犯の仮逮捕(vorläufige Festnahme)を何人にも認めるが、逮捕後は遅滞なく裁判官の面前に引致する手続(§ 128)に接続する
米国はコモンロー上、重罪の現行犯について令状なし逮捕・私人逮捕を認めるが、逮捕後は迅速に治安判事へ引致する(prompt presentment)原則が及ぶ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし駅のホームで痴漢と名指しされ、駅員に事務室へ連れて行かれたら、警察はいつまであなたを留め置けるのか。答えは216条が準用する時間制限の中にある。逮捕から48時間、そして通算72時間。この二つの数字を知っているかどうかで、その夜あなたが家に帰れるかが変わる
- 居酒屋で胸ぐらをつかみ合い、相手を一発殴ったところで他の客に取り押さえられ、駆けつけた警官に引き渡された。あなたは現行犯逮捕された側だ。だが216条のおかげで、警察はあなたを無期限に拘束できない。最初の48時間で送致がなければ、手続違反を後の勾留・公判で突ける
- 目の前でひったくりを見た。犯人を追って取り押さえた。だがその後、あなたが犯人を殴り続けたり店に閉じ込めたりはできない。直ちに警察へ引き渡す義務がある(214条)。
- 万引きの濡れ衣を着せられ現行犯逮捕された。あなたに残された時間は最大72時間。この間に勾留請求が通れば、さらに最長20日間拘束されうる。送致までの48時間で弁護人と接見し、防御の筋道を立てられるかが分水嶺だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 犯人を現認した直後であれば誰でも逮捕できる(213条)が、必要最小限の有形力にとどめる。殴る蹴るは逆にあなたが傷害罪になりうる2. 取り押さえたら直ちに警察へ引き渡す(214条)。自分で取り調べたり長時間閉じ込めたりはできない3. 逮捕の状況(日時、場所、現認した行為)を記録し、目撃者の連絡先を確保4. 引き渡し時に被害状況も申告し、後の被害届・告訴につなげる
訴えられた側:1. 取調室では黙秘権を行使し、署名押印を求められても弁護人と相談するまで応じない2. 当番弁護士制度で初回無料の接見を要求し、48時間の送致前に必ず弁護人と話す3. 現行犯の要件(あなたが犯行を現認されたか、犯人として明白か)に争点があれば、勾留質問の場で弁護人を通じ逮捕の違法を主張4. 家族・勤務先への連絡は弁護人経由で慎重に行い、不用意な発言が供述調書に残らないようにする
時効(請求できる期限):現行犯逮捕後も令状逮捕と同じ時間制限を準用する(216条)。司法警察員は逮捕から48時間以内に検察官へ送致(203条)、検察官は受領から24時間以内かつ逮捕時から通算72時間以内に勾留請求するか釈放する(205条)。起算点は身柄拘束の開始時刻
学説
通説:216条は現行犯逮捕に逮捕状逮捕(199条)の後続手続を全面的に準用する技術的規定であり、令状審査を入口で省いた代償として、送致義務・勾留請求の時間制限・黙秘権・接見交通権を令状逮捕と同一に及ぼすことで身柄拘束の適正を担保すると解される。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める