医師法 第18条
クイックジャンプ
医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第18条は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第18条の条文原文は「医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。」で始まります。
- 医師法第18条は第五章に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第18条の前の条は医師法第17条の3です。
- 医師法第18条の次の条は医師法第19条です。
- 医師法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法18条は、医師でない者が「医師」やこれと紛らわしい名称を使うことを禁じる。治療をしていなくても名乗るだけで違反となり、50万円以下の罰金の対象になる。
Q · 治療をしていなくても、医師じゃない人が「医師」と名乗ったら違法なの?
名乗るだけで違法、50万円以下の罰金の対象です
医師法18条は、医師でない者が「医師」またはこれに紛らわしい名称を用いることを禁じています。医業をしたかどうかは関係なく、名乗った時点で違反が成立し、33条の2により50万円以下の罰金の対象です。「ドクター」「Dr.」なども、医療や健康サービスの場で医師と誤認させる使い方なら対象になりえます。無資格で医業まで行い医師を名乗れば、31条2項により罰則はさらに重くなります。
解説
白衣を着ているか、名札に「Dr.」とあるか、院長と呼ばれているか。患者はこうした見た目で目の前の人が医師だと判断してしまう。医師法18条は、その思い込みにつけ込む余地を消すための条文である。医師免許を持ち、医籍(厚生労働省が管理する医師の登録簿)に登録された者でなければ、「医師」はもちろん、医師と見間違えるような名称も使ってはならない。医業そのものを独占するのは17条だが、名乗り方を独占するのが18条である。治療行為をしていなくても、名乗っただけで違反は成立し、50万円以下の罰金の対象になる(33条の2)。無資格で医業をしたうえで医師と名乗れば、31条2項で罰金の上限が200万円まで上がる。もう一つ大事なのは、自分で確かめる手段があることだ。厚生労働省の「医師等資格確認検索」に氏名を入れれば、その人が本当に医師かどうかは数分で分かる。
法的な位置づけ
医師法第18条は、医師の名称独占を定める規定であり、医籍に登録された医師でない者が「医師」の名称およびこれと紛らわしい名称を用いることを禁止する。医業独占を定める同法17条とは別個の禁止規定であり、医業の有無を問わず名称の使用自体が規制対象となる。違反には同法33条の2により50万円以下の罰金が科される。
手順
- 1.施術・契約の前に資格を照合する 「医師」「ドクター」を名乗る相手から施術や高額契約を勧められたら、その場で厚生労働省の「医師等資格確認検索」に氏名と性別を入力し、医籍登録の有無を確認する
- 2.名乗った事実を証拠化する 名刺、チラシ、看板、サイト、SNS で「医師」「ドクター」と表示された箇所を日付が分かる形で撮影・スクリーンショットし、照合結果の画面も保存する
- 3.保健所・消費生活センターに相談する 証拠を添えて管轄の保健所に情報提供する。契約や支払いが絡む場合は消費生活センターにも相談し、クーリング・オフや消費者契約法による取消しの可否を確認する
- 4.返金交渉・被害届の準備 返金を求める書面に、医師を名乗った事実が医師法18条違反に当たる旨を明記する。健康被害があれば診断書を取得し、警察への被害届と損害賠償請求を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1医師の名称独占とは何ですか?
医籍に登録された医師だけが「医師」という名称を使える制度です。医師法18条が根拠で、医師でない者が医師や紛らわしい名称を使うことを禁じています。
Q2医師免許なしで医師と名乗ると何罪になる?
医師法18条違反となり、33条の2により50万円以下の罰金の対象です。医業までしていれば17条違反として31条のより重い罰則が問題になります。
Q3医師と紛らわしい名称とは何ですか?
「医師」以外でも、受け手が医師と誤認しうる名称を指します。「ドクター」「Dr.」なども、医療や健康サービスの場面で使えば該当しうると考えられます。
Q4医師免許を取り消された後も医師と名乗れる?
名乗れません。免許取消しの時点で医師ではなくなるため、その後に「医師」と表示し続ければ18条違反になります。サイトや看板の表示も含まれます。
Q5医師国家試験に合格したらすぐ医師と名乗れる?
合格だけでは足りません。医師法上、医籍に登録されて初めて医師となるため、登録前に名刺などで「医師」と表示すると18条の問題になりえます。
Q6看護師が「先生」と呼ばれるのは違法?
呼ばれること自体で直ちに違反とは限りません。ただし自ら医師であるかのように名乗ったり説明したりすれば、紛らわしい名称の使用として問題になりえます。
Q7医師法18条違反の時効はいつまで?
刑事の公訴時効は3年で、名称の使用をやめた時から起算されます。被害者の民事上の損害賠償請求は、原則として損害と加害者を知った時から3年です。
Q8偽医者を見つけたらどこに通報すればいい?
まずは管轄の保健所に相談するのが一般的です。金銭トラブルがあれば消費生活センター、健康被害や詐欺の疑いがあれば警察への相談も並行して検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が本当に医師かどうか、患者が自分で確かめる方法ってあるんですか?
あります。厚生労働省の「医師等資格確認検索」に氏名と性別を入れれば、医籍に登録された医師かどうかを照合できる。18条が名称を独占させているのは、この登録制度があるからである。実務のポイント:検索結果には登録年も表示される。「ベテラン医師」をうたう人物の登録年が最近なら、経歴の説明と食い違っていないかを見るだけで、違和感に気づけることがある
Q2整体師やエステティシャンが「ドクター」と名乗るのは違法なんですか?
医療や健康のサービスの場で、利用者が医師と誤認しうる形で使えば、18条の「紛らわしい名称」に当たる可能性が高い。違反すれば50万円以下の罰金(33条の2)である。実務のポイント:摘発の多くは、通報を受けた保健所の行政指導から始まる。利用者が保健所に通報し、チラシやサイトの画像を添えると、指導は格段に動きやすくなる
Q3偽医者に施術されたらどうなるんですか?名乗っていただけの場合と罰則は違いますか?
違う。名乗っただけなら18条違反で50万円以下の罰金。医業までしていれば17条違反として3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(31条1項)、さらに医師を名乗っていれば上限が200万円に上がる(31条2項)。実務のポイント:告訴や被害相談では、施術を受けた事実と医師を名乗られた事実を分けて証拠化しておく。二つが揃っていれば、重い31条2項の適用を求める根拠になる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「治療さえしていなければ、医師と名乗るだけなら問題ない」と思われがちだが、18条は名称の使用そのものを禁じている。医業をしたかどうかに関係なく、名乗った時点で33条の2の罰金の対象になる。医業独占(17条)と名称独占(18条)は別々の禁止規定である
- 禁じられているのは「医師」という単語だけ、という理解は浅い。条文は「これに紛らわしい名称」まで含めており、「ドクター」「Dr.」「院長先生」といった表示も、使い方によっては対象になりうる。どこからが紛らわしいかは文脈、つまり医療・健康サービスの場面で患者が医師と誤認するかどうかで判断される。単語の形だけを見ても答えは出ない
- 「博士号を持っているから Dr. と名乗るのは自由」という主張は、問いの立て方がずれている。学位としての博士の表示自体が直ちに違法になるわけではない。しかし施術や健康相談の場で使えば、受け手が医師と誤認するかどうかが問われる。正当な学位でも、使う場所次第で紛らわしい名称に変わりうる。境界事例では実務上、解釈が分かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止の対象 | 医師法18条:医師またはこれに紛らわしい名称の使用 | 医師法17条:医師でない者による医業 医師法31条2項:無資格医業かつ医師名称の使用 |
| 成立に必要な行為 | 名乗るだけで成立(医業は不要) | 医行為を反復継続の意思で行うこと 無資格医業に加え、医師または類似名称を用いること |
| 罰則 | 50万円以下の罰金(33条の2) | 3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科(31条1項) 3年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、または併科 |
| 保護しているもの | 「医師」という肩書きへの患者の信頼 | 無資格者の医療行為から生命・身体を守ること 肩書きの偽装と危険な医療行為が重なった場合の加重保護 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は無資格での医療業務(いわゆる密醫)を刑事罰で規制しており、医療の担い手を資格者に限る点で日本の17条・18条と同じ方向性にある
韓国は医療人でない者が医師などの名称や類似名称を使うことを禁じており、日本の名称独占と構造が近い
ドイツは刑法典で職業名称の濫用を処罰しており、医師(Arzt)の名称も保護対象とされる
米国は州法で規律し、無免許者が医師であると示す名称や表示を用いることを禁じる例がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- フォロワー10万人の美容系インフルエンサーが「現役医師が教えるシミ消し」を発信している。プロフィールは「ドクター」だけで、所属先は書かれていない。そのアカウントが勧めるサプリや施術サロンにお金を払う前に、名前を厚生労働省の資格確認検索にかけてみたらどうなる?
- 整体院を開業したあなたが、海外のカイロプラクティック資格(D.C.)を根拠に、看板とチラシに「ドクター○○」と大きく書いた。患者から見て医師と区別がつかない表示であれば、紛らわしい名称として問題になりうる。保健所から指導を受けてから慌てて看板を作り直すと、印刷代が二重にかかる
- 国家試験の合格発表から1週間。医籍登録がまだなのに、親戚の集まりで配る名刺に「医師」と刷ってしまった。法律上、医師になるのは医籍に登録された時点である
- 勤務先の美容クリニックで、看護師のあなたが「先生」と呼ばれ、カウンセリングで「ドクター判断で大丈夫です」と自分を医師のように説明するよう上司から指示されている。違反の責任を問われるのは指示した上司だけではない。名乗ったあなた自身も当事者になる
- 高齢の親が「訪問の先生」に勧められて高額な健康器具を契約していた。調べると、その人物は医師ではなかった。クーリング・オフ期間はあと3日。医師を名乗った事実は、契約を取り消す理由と刑事告発の材料を同時に与える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 名刺、チラシ、サイトや SNS のスクリーンショット、領収書を保存し、「医師」「ドクター」と表示された箇所を日付付きで残す2. 厚生労働省の「医師等資格確認検索」で氏名を照合し、結果画面も保存する3. 管轄の保健所と消費生活センターに相談する。契約トラブルなら消費者契約法による取消しやクーリング・オフも並行して検討する4. 健康被害があれば医療機関で診断書を取り、警察への被害届と民法709条による損害賠償請求を準備する
訴えられた側:1. 指摘を受けた時点で、看板、名刺、サイト、SNS から「医師」「ドクター」「Dr.」など誤認を招く表示をただちに外し、外した日の記録を残す2. 学位や海外資格が根拠であれば、その正式名称と、医師ではないことを併記する形に改める3. 無資格の医療行為(17条)が疑われれば31条の重い罰則の問題になるため、早い段階で刑事弁護を扱う弁護士に相談する4. 保健所の行政指導には誠実に対応し、是正の経過を文書で残す
時効(請求できる期限):18条違反(33条の2、50万円以下の罰金)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。無資格医業と医師の名称使用が重なる31条2項(3年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその併科)も3年。どちらも名称の使用をやめた時から起算する。被害者の民事上の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的な理解:「紛らわしい名称」に当たるかは単語の形式ではなく、使用される場面や表示の方法から、一般の受け手が医師と誤認するおそれがあるかによって判断されるとする理解が一般的である
改正沿革 AI による整理
- 昭和23年(1948年)制定 医師法の制定時から名称独占規定として置かれている。その後の文言改正の有無・時期は人的検証を要する。罰則側(31条)は令和4年(2022年)刑法等改正により、令和7年(2025年)6月1日から懲役が拘禁刑に置き換わっている
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医師法の制定時から名称独占規定として置かれている。その後の文言改正の有無は要確認
- 医師法 第17条医業独占、名称独占と対をなす業務独占
- 医師法 第6条医籍登録による免許、医師となる時点
- 医師法 第33条の218条違反の罰金刑(50万円以下)
- 医師法 第31条無資格医業と医師名称使用の加重処罰
- 軽犯罪法 第1条学位・法定称号の詐称処罰(15号)
- 不当景品類及び不当表示防止法 第5条医師監修等の虚偽表示を優良誤認として規制
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める