保健師助産師看護師法 第32条
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准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法第32条は、日本の保健師助産師看護師法に含まれる条文です。
- 保健師助産師看護師法第32条の条文原文は「准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。」で始まります。
- 保健師助産師看護師法第32条は第四章 業務に置かれています。
- 保健師助産師看護師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 保健師助産師看護師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 保健師助産師看護師法第32条の前の条は保健師助産師看護師法第31条です。
- 保健師助産師看護師法第32条の次の条は保健師助産師看護師法第33条です。
- 保健師助産師看護師法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203 - 本サイト収録
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000203/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保健師助産師看護師法32条は、准看護師でない者が療養上の世話や診療の補助を業として行うことを禁じる。医師・歯科医師が自らの資格で行う場合は例外となる。
Q · 医師に指示されたら、免許がなくても点滴の補助をしていいの?
いいえ。免許がなければ医師の指示があっても違法になりえます
保健師助産師看護師法32条は、准看護師でない者が第6条の業(医師・歯科医師・看護師の指示を受けて行う療養上の世話や診療の補助)を行うことを禁じています。指示を受けて業務を行う資格そのものが免許で決まるため、医師の指示は無資格者の免責理由になりません。違反すると第43条により2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科となります。指示した側も共犯として責任を問われるおそれがあります。
解説
病院や介護施設で白衣を着て患者の体に触れている人が、全員看護職の免許を持っているとは限らない。保健師助産師看護師法32条は、准看護師の免許(都道府県知事が与えるもの)を持たない者が、第6条の業、つまり医師・歯科医師・看護師の指示を受けて行う「療養上の世話」と「診療の補助」を業として行うことを禁じている。看護師・保健師・助産師は、より広い第5条の業として同じ行為ができると解されている。医師・歯科医師が自分の資格で行う場合は、ただし書で除外される。違反すると第43条により2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその両方が科される。ここで押さえるべきなのは、「医師の指示があったから大丈夫」は無資格者の言い訳にならないという点だ。指示を受ける資格そのものが免許で決まっている。逆に、家族が自宅で行うケアは「業」(反復継続の意思をもって行うこと)に当たらず、介護福祉士の喀痰吸引のように別の法律が明文で風穴を開けている行為もある。どこまでが合法でどこからが違法か、その境界線を知っている人だけが、自分と家族の体を守る側に立てる
法的な位置づけ
保健師助産師看護師法第32条は、准看護師の業務独占を定める規定である。准看護師の免許を有しない者が、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて療養上の世話又は診療の補助を業として行うことを禁止し、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合を適用除外とする。違反者には同法第43条により刑事罰が科される。
よくある質問 AI による整理
Q1准看護師とは何ですか?
都道府県知事の免許を受け、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて療養上の世話や診療の補助を行う者です(保健師助産師看護師法6条)。
Q2准看護師と看護師の違いは?
看護師は厚生労働大臣免許で自らの判断で業務を行えますが、准看護師は都道府県知事免許で、医師・看護師等の指示を受けて業務を行う点が異なります。
Q3無資格で医療行為をしたら罰則は?
准看護師の業務を無資格で行うと、同法43条により2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科となります。
Q4エステで無資格者が針を使う施術は違法?
注射や点滴など診療の補助に当たる行為を業として行えば、本条や医師法17条違反となりえます。施術内容ごとに医行為該当性が判断されます。
Q5介護職員はインスリン注射できる?
注射は医行為とされ、介護職員が業として行うことは原則できません。本人が自己注射する際の見守りなどは別途整理されています。
Q6准看護師の免許は誰が与えますか?
都道府県知事が与えます。准看護師試験に合格した者が対象で、看護師(厚生労働大臣免許)とは免許権者が異なります。
Q7無資格医療行為の時効はいつまで?
本条違反の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。業として継続していた場合は最後の行為が終わった時から数えます。
Q8無資格者による医療行為はどこに通報する?
医療機関の所在地を管轄する保健所に相談できます。保健所は医療法25条に基づき立入検査を行う権限があります。悪質なら警察への告発も可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院の看護助手さんって、どこまでやっていいんですか?
食事の配膳、シーツ交換、移送の補助などは、看護師の指示のもとで行われるのが実務の一般的な運用です。ただ「療養上の世話」そのものが第5条・第6条の業務とされているため、どこまでを無資格者に任せられるかは実務上、解釈が分かれています。採血・注射・点滴の操作は明確に32条の領域です。実務のポイント:病院の業務分担表(タスク・シフト表)を見れば、その病院が線をどこに引いているかが分かります
Q2介護士さんに痰の吸引を頼んだら違法ですか?
一定の研修を修了し都道府県に登録された介護福祉士等が、登録事業者で行う場合は合法です。社会福祉士及び介護福祉士法48条の2が、本条の「規定にかかわらず」喀痰吸引等を認めています。研修も登録もない職員が業として行えば違法の可能性があります。実務のポイント:対象行為は口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の吸引と経管栄養に限られ、気管カニューレ内部はさらに別の研修区分が要ります。「吸引できます」の一言で安心せず、どの区分かを確認します
Q3家族の私が毎日インスリンを打っているのは問題ないですか?
家族が本人のために行う行為は、反復継続して他人のために行う「業」に当たらないため、32条違反にはならないと解されています。医師から手技の指導を受けていれば通常は問題ありません。ただし報酬をもらって他人の家で同じことをすれば話は別です。実務のポイント:近所の高齢者に善意で注射を手伝い始め、謝礼を受け取るようになった時点が、法的に一番危ない分岐点です
間違えやすい点 AI による整理
- 「医師が指示したなら、誰がやっても合法」と思われがちだが、これは逆である。第6条が想定しているのは、免許を持った准看護師が医師等の指示を受ける場面だ。無資格者がいくら正確な指示を受けても、32条違反になりうることに変わりはない。指示した医師の側も、無資格者に業務をさせた共犯として責任を問われるおそれがある
- 無資格で医療行為をした人は「注意で終わる軽い話」と思われているが、深刻度が違う。第43条により2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科である。看護師等に紛らわしい名称を使っていれば、さらに重い刑(4年以下の拘禁刑等)が予定されている(最新の改正状況をご確認ください)。さらに医療機関側には、医療法上の行政処分や保険医療機関の指定取消しという、刑罰より重い経営リスクが連鎖する
- 「介護職員は体に触るケアなら何でもできるのか、何もできないのか」という問い自体が二択として誤っている。体温測定、自動血圧計による測定、軟膏の塗布、一包化された内服薬の介助などは、原則として医行為に当たらないと厚生労働省の通知が整理している。喀痰吸引と経管栄養は、研修を修了し登録した者に限って法律が明文で許している。線は三層に引かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 独占される業務 | 保助看法32条:第6条の業(指示を受けて行う療養上の世話・診療の補助) | 保助看法31条:第5条の業(看護師業務。療養上の世話・診療の補助) 医師法17条:医業(医師のみ) |
| 業務を行える者 | 准看護師(看護師・保健師・助産師も第5条の業として可能と解される) | 看護師(保健師・助産師も可) 医師 |
| 免許権者 | 都道府県知事 | 厚生労働大臣 厚生労働大臣 |
| 違反時の罰則 | 43条1項:2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金又は併科 | 43条1項:2年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金又は併科 医師法31条:3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金又は併科 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は護理師と護士の資格を区分し、無資格で護理業務を行った本人と雇用主の双方に行政罰(罰鍰)を科す構造。日本の刑事罰中心と対照的
韓国は간호조무사(看護助務士)を医療法上の資格として位置づけ、無免許医療行為は医療法27条で包括的に禁止される
ドイツは2020年施行の看護職法で看護過程の計画・評価などを有資格者に留保する「留保業務」を導入。補助業務の線引きは日本より限定的
米国は州ごとに LPN/LVN の業務範囲と無免許業務の禁止を定め、州看護委員会(Board of Nursing)が監督する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜の介護施設で入居者のインスリン注射の時間がきたが、夜勤は介護職員だけ。施設長から電話で「いつもの量を打っておいて」と指示された。もし打ってしまったら、責任を負うのは誰になる? 注射は医行為であり、介護職員が業として行えば32条や医師法17条の問題になりうる。指示した施設長も共犯として問われる可能性がある
- 美容クリニックで受付として採用されたのに、繁忙期になると点滴の針を抜いたり、施術後の患部処置を任されるようになった。断れば職場に居づらく、続ければ自分が刑事責任の当事者になる。あなたが「行為者」になってしまっているのに気付くのは、たいてい摘発のニュースを見たときだ
- 父の在宅療養で、毎晩あなたが痰の吸引をしている。家族なので業には当たらず、違法ではない。ところが訪問ヘルパーに同じことを頼もうとした瞬間、話が変わる
- 来週、親を入れる有料老人ホームの契約がある。あと数日で、看護職員が夜間に何人いるか、介護職員の喀痰吸引の研修修了状況はどうかを確認しなければならない。サインした後では聞きにくい。契約前の見学のときが最後のチャンスである
- 院長の親族が「看護助手」の肩書で採血をしているクリニックに気付いた。患者として何ができるのか、職員として何をすべきか。黙っていることも一つの選択だが、針刺し事故や感染が起きたときに最初に疑われるのは、現場にいたあなたかもしれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無資格者による処置で被害を受けた疑いがあれば、日時・処置内容・担当者の名前と肩書を記録し、患部の写真を残す2. 医療機関にカルテ等の開示を求め、処置者の記録を確認する3. 所在地を管轄する保健所に相談する。保健所には医療機関への立入検査の権限がある(医療法25条) 4. 損害賠償は民法709条・715条で請求でき、使用者である医療法人も相手にできる5. 刑事告発も選択肢になる
訴えられた側:1. 行為の内容が本当に医行為・診療の補助に当たるかを確認する。平成17年の厚生労働省通知で原則医行為に当たらないとされる行為もある2. 喀痰吸引等の研修修了・登録の有無を書類で確認する3. 上司の命令で行った場合は、その指示の記録を保全する4. 捜査機関から連絡が来たら、供述前に弁護士へ相談する。施設の顧問弁護士は施設側の利益を優先しうる点に注意
時効(請求できる期限):本条違反(第43条1項1号)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑等)。起算点は犯罪行為が終わった時。継続的に業として行っていた場合は最後の行為から数える。被害の損害賠償は、損害及び加害者を知った時から5年(人の生命・身体の侵害、民法724条の2)
学説
通説(業の意義):本条の「業」は反復継続の意思をもって行うことをいい、報酬の有無を問わない。家族による介護行為は通常これに当たらないため、本条の禁止の外に置かれると解されている
医行為の範囲の行政解釈:平成17年の厚生労働省医政局長通知は、体温測定、自動血圧計による測定、軟膏塗布、一包化された内服薬の介助などを原則として医行為に当たらないと整理し、介護現場での線引きの基準となっている
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)公布、平成14年(2002年)施行 法律名が保健婦助産婦看護婦法から保健師助産師看護師法に改められ、本条の「准看護婦」も「准看護師」に改正された
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴い、本条違反の罰則(第43条)の懲役が拘禁刑に改められた(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:保健婦助産婦看護婦法の制定により、准看護婦でない者による准看護婦業務を禁止する規定として新設
- 2.平成13年(2001年) 改正:法律名が保健師助産師看護師法に改められ、本条の「准看護婦」が「准看護師」に改正(平成14年施行)
- 保健師助産師看護師法 第6条准看護師の定義、本条の禁止対象
- 保健師助産師看護師法 第5条看護師の業務、療養上の世話と診療の補助
- 保健師助産師看護師法 第31条看護師業務の独占、本条と対をなす規定
- 保健師助産師看護師法 第43条本条違反の罰則
- 社会福祉士及び介護福祉士法 第48条の2介護福祉士の喀痰吸引等の例外
- 救急救命士法 第43条救急救命処置を本条の例外として許容
- 医師法 第17条医業独占、本条ただし書の前提
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