消防法 第16条の6
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- 市町村長等は、第十条第一項ただし書の承認又は第十一条第一項前段の規定による許可を受けないで指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つている者に対して、当該貯蔵又は取扱いに係る危険物の除去その他危険物による災害防止のための必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
- 2.第十一条の五第四項及び第五項の規定は前項の規定による命令について、第十六条の三第五項の規定は前項の規定による必要な措置を命じた場合について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第16条の6は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第16条の6の条文原文は「市町村長等は、第十条第一項ただし書の承認又は第十一条第一項前段の規定による許可を受けないで指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つている者に対して、当該貯蔵又…」で始まります。
- 消防法第16条の6は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第16条の6の前の条は消防法第16条の5です。
- 消防法第16条の6の次の条は消防法第16条の7です。
- 消防法第16条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第16条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第16条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/16_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法16条の6は、許可や仮貯蔵承認なしに指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う者に対し、市町村長等が危険物の除去などの措置を命じられると定める。命令は公示される。
Q · 許可なしでガソリンや軽油を大量に置いていたら、消防に何をされるの?
市町村長等から危険物の除去などを命じられる
消防法16条の6により、仮貯蔵の承認も製造所等の許可もなく指定数量以上の危険物(ガソリンなら200リットル以上)を貯蔵・取り扱っている者には、市町村長等が危険物の除去などの措置を命じることができます。命令は標識の設置などの方法で公示されます(11条の5第4項の準用)。従わない場合や期限までに完了する見込みがない場合は、16条の3第5項の準用により、行政代執行法の定めるところにより消防職員または第三者が措置をとり、その費用は命令を受けた者が負担します。
解説
ガソリンは200リットル、灯油と軽油は1,000リットル、アルコール類は400リットル。これが消防法の「指定数量」である。この量を超えて危険物を置くには、市町村長等の許可(11条)か、消防長・消防署長による10日以内の仮貯蔵承認(10条1項ただし書)が要る。許可も承認もないまま貯蔵・取扱いを続けている者に対して、市町村長等は危険物の除去などの措置を命じることができる。これが本条である。ここで押さえておくべき点は三つある。第一に、命令が出ると現場に標識が立つなどの方法で公示される(11条の5第4項を準用)。近所にも取引先にも知られることになる。第二に、従わなければ行政代執行法の通常の要件よりも緩い条件で、消防職員や第三者が危険物を運び出し、その費用はあなたに請求される(16条の3第5項を準用)。第三に、無許可で貯蔵していることそれ自体がすでに罰則の対象である。命令は「最後の警告」ではない。刑事責任は別の線で並行して進む。倉庫の隅の携行缶やドラム缶が何リットルになっているか、合計を一度も計算したことがないなら、今が計算するときである
法的な位置づけ
消防法16条の6は、無許可貯蔵等に対する措置命令を定める規定である。仮貯蔵の承認または製造所等の設置許可を受けずに指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う者に対し、市町村長等が危険物の除去その他災害防止のための必要な措置を命じる権限を定め、命令の公示および代執行の特例を準用する。
手順
- 1.品目ごとの貯蔵量を棚卸しする 同じ場所にある危険物を品目ごとに洗い出す。携行缶、ドラム缶、発電機や農機のタンク内の残量も含めて数える。容器単位ではなく合計量で把握する
- 2.指定数量の倍数を計算する 品目ごとに貯蔵量を指定数量で割り、その値を合計する。合計が1以上なら許可または仮貯蔵承認が必要、5分の1以上なら少量危険物として条例上の届出を確認する
- 3.所轄の消防署予防課へ相談する 倍数が1以上なら、立入検査の前に自分から所轄の消防署へ相談する。仮貯蔵承認の申請、製造所等の許可申請、保管量の削減のどれを選ぶかを確認する
- 4.命令を受けたら履行計画を書面で出す 命令書の期限と措置の内容を確認し、危険物の引取業者を手配する。業者名、搬出日、数量を記した履行計画を書面で提出し、進捗を記録する
- 5.除去完了を報告し記録を保存する 搬出完了後、マニフェストや引取証明を添えて消防署へ完了を報告する。事業上必要な量は、並行して11条の許可申請を進める
よくある質問 AI による整理
Q1危険物の指定数量とは何ですか?
消防法上、許可が必要になる危険物の量の基準です。ガソリン200リットル、灯油・軽油1,000リットル、アルコール類400リットルなどと、危険物の規制に関する政令の別表で品目ごとに定められています。
Q2消防法の無許可貯蔵とは?
製造所等の設置許可も仮貯蔵の承認もないまま、指定数量以上の危険物を貯蔵または取り扱うことです。消防法10条1項に違反し、16条の6の措置命令の対象になります。
Q3複数の危険物を置いている場合の計算方法は?
品目ごとに「貯蔵量÷指定数量」で倍数を出し、合計します。合計が1以上なら指定数量以上として扱われ、許可または仮貯蔵承認が必要です。
Q4危険物の仮貯蔵承認はどこで申請する?
所轄の消防長または消防署長に申請します。承認を受ければ、10日以内に限り、許可を受けた施設以外の場所で指定数量以上の危険物を仮に貯蔵・取り扱えます。
Q5危険物の除去命令に期限はある?
命令書には通常、履行期限が付されます。期限までに完了する見込みがない場合も代執行の対象になりうるため、受け取ったらすぐに期限と措置の内容を確認してください。
Q6代執行の費用は誰が払う?
措置を命じられた者が負担します。16条の3第5項の準用により、消防職員や第三者が行った除去などの費用は、行政代執行法に基づいて命令を受けた者に請求されます。
Q7消防の除去命令に不服があるときは?
命令は行政処分なので、審査請求(原則として知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(知った日から6か月以内)で争えます。争っている間も安全措置は先に講じておくべきです。
Q8指定数量未満なら規制はない?
ありえます。指定数量の5分の1以上、指定数量未満の少量危険物は、消防法9条の4に基づき市町村の火災予防条例で届出や貯蔵基準が定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ガソリンの携行缶、何本までなら家に置いても大丈夫なんですか?
指定数量はガソリン200リットルで、それ以上は許可が必要です(10条・11条)。ただし200リットル未満でも、5分の1の40リットル以上は少量危険物として市町村の火災予防条例で届出などが求められます(9条の4)。実務のポイント:消防の現場で実際に問題になるのは、本人が把握していない「発電機や農機のタンク内の残量」と「物置の古い缶」です。合計すると思ったより多いことがよくあります
Q2除去命令に従わなかったら、本当に勝手に持っていかれるんですか?
持っていかれます。本条2項が16条の3第5項を準用しているため、履行しない場合や期限までに完了する見込みがない場合には、行政代執行法の定めるところにより消防職員または第三者が措置をとれます。費用は命令を受けた者の負担です。実務のポイント:代執行で使われる業者の費用は、自分で手配する場合より高くなることが多いです。期限内に自分で業者を選ぶほうが、ほぼ確実に安く済みます
Q3命令が出ると、ご近所にバレますか?
かなりの確率で知られます。本条2項は11条の5第4項・第5項を準用しており、市町村長等は標識の設置などの方法で命令を公示しなければならず、その標識の設置を拒んだり妨げたりすることはできません。実務のポイント:公示制度の目的は、危険を周辺に知らせることにあります。取引先の信用調査で発見される例もあるので、命令が出る前の自主是正の価値は、罰則よりもむしろ評判の面で大きいと言えます
間違えやすい点 AI による整理
- 「小分けにして置けば一つ一つは少量だから問題ない」という発想は、そもそも問いの立て方が違う。指定数量は容器ごとではなく、同じ場所での貯蔵量の合計で判断される。品目が複数あれば、品目ごとに指定数量で割った値(倍数)を合計し、1以上になれば許可が必要になる。缶を何本に分けても、法律から見た量は変わらない
- 措置命令は「危険物を片付ければ終わる話」だと思われがちだが、それで済むのは行政上の手続だけである。無許可で指定数量以上を貯蔵したことは、命令とは別に罰則の対象であり、法人の場合は両罰規定(45条)により会社にも罰金が科されうる。片付けても過去の違反は消えない(罰則の額は最新の改正状況をご確認ください)
- 経営者から見れば「火事が起きていないのだから実害はない」。消防から見れば「起きたら周囲を巻き込む量が、許可された設備なしで置かれている」。この認識のずれがあるまま立入検査の場で言い訳をすると、即時の除去命令と公示につながりやすい。事故が起きていないことは、法律上何の免罪符にもならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 16条の6:許可・仮貯蔵承認なしに指定数量以上を貯蔵・取扱う者 | 11条の5:許可を受けた製造所等の所有者等 9条の4:指定数量未満(少量危険物)を貯蔵・取扱う者 |
| 規制の手段 | 危険物の除去その他災害防止措置の命令 | 貯蔵・取扱基準に従うべきことの命令 市町村の火災予防条例による届出・基準 |
| 命令の公示 | あり(11条の5第4項・第5項を準用) | あり(同条第4項・第5項が直接適用) 条例の定めによる |
| 不履行時の強制 | 代執行の特例(16条の3第5項を準用) | 罰則・許可の取消し等 条例上の罰則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公共危険物品の「管制量」を基準に貯蔵場所を規制し、違反には過料・停業処分などを科す。日本の指定数量制度とよく似た数量基準の仕組み
韓国も「지정수량」の概念を採用し、指定数量以上を許可施設以外で貯蔵することを原則禁止する。臨時貯蔵の承認制度(90日以内)もある
ドイツは許可が必要な施設を無許可で運転した場合に、官庁が施設の除去を命じられる。危険物の数量より施設の許可要件を軸に組み立てられている
米国は州・自治体が採用するモデル消防規範で可燃性液体の最大許容量を定め、超過時は消防当局が是正命令を出す。連邦法ではなく地方規範が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 燃料価格の高騰が続き、運送会社の社長が自社倉庫に軽油のドラム缶を6本(1,200リットル)買いだめした。消防の立入検査で見つかり、翌週には除去命令が出て、門の前に公示の標識が立った。取引先の担当者が写真を撮って帰った
- 工務店を営むあなたの資材置き場には、発電機用のガソリン携行缶が20リットル缶で12本ある。合計240リットルで、指定数量の200リットルを超えている。本人にとっては「小分けの缶」でも、法律が見るのは同じ場所にある量の合計である
- もし大口の受注に合わせて、塗料用のシンナーと消毒用アルコールを一時的に大量入荷しなければならなくなったら、どうする? 搬入の前に所轄の消防署で仮貯蔵の承認を取れば、10日以内なら適法に置ける。順番を逆にした瞬間、本条の対象になる
- 除去命令の期限まであと5日。業者の手配が間に合わない。黙って期限を過ぎると、消防側が第三者に撤去させ、その費用請求があなたに届く。期限前に消防署へ行き、履行計画と期限延長を書面で相談することが、まだ打てる一手である
- 隣のガレージから毎晩ガソリンの臭いがする。持ち主は中古車のレストアを趣味にしていて、ドラム缶も見える。あなたにできるのは、所轄の消防署に相談すること。調査で無許可貯蔵が確認されれば、本条の命令が出る可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣で危険物の大量保管が疑われるなら、日時と状況(臭い、ドラム缶の数、出入りの車両)を写真付きで記録する2. 直接本人を責めずに、所轄の消防署の予防課へ相談する。情報提供だけで調査のきっかけになる3. 賃貸物件の貸主なら、借主の用途違反として賃貸借契約上の是正請求も並行して検討する4. 火災で被害を受けた場合は、無許可貯蔵の事実が民法709条の過失認定で有力な材料になる
訴えられた側:1. 品目ごとの貯蔵量を正確に棚卸しし、指定数量で割った倍数の合計を出す。1未満なら命令の前提を争える2. 命令書の期限と内容を確認し、すぐに危険物の引取業者を手配して履行計画を書面で提出する3. 事業上どうしても必要な量なら、除去と並行して製造所等の許可申請(11条)を準備する4. 前提事実に誤りがある場合は、審査請求または取消訴訟を検討する。ただし争っている間も危険は残るので、安全措置は先に講じておく
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。命令(行政処分)に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、または処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を提起できる。命令に付された履行期限が実務上最も差し迫った締切である
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