建設業法 第16条(下請契約の締結の制限)
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- 特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の各号の一に該当する下請契約を締結してはならない。
- 一その下請契約に係る下請代金の額が、一件で、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上である下請契約
- 二その下請契約を締結することにより、その下請契約及びすでに締結された当該建設工事を施工するための他のすべての下請契約に係る下請代金の額の総額が、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上となる下請契約
この条文の基本情報
下請契約の締結の制限とは何ですか?
定義下請契約の締結の制限とは、建設業法第16条に定められた規定で、「特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の各号の一に該当する下請契約を締結してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第16条(下請契約の締結の制限)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第16条の条文原文は「特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の各号の一に該当する下請契約を締結してはならない。」で始まります。
- 建設業法第16条は第三節 特定建設業の許可に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第16条の前の条は建設業法第15条です。
- 建設業法第16条の次の条は建設業法第17条です。
- 建設業法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法16条は、発注者から直接請け負った工事で下請代金が1件または総額5,000万円(建築一式8,000万円)以上となる下請契約を、特定建設業許可のない者に禁じる。
Q · 一般建設業許可しかない会社が、大きな工事を元請で受けても違法にならないの?
受注額に上限はなく、下請総額が基準以上なら特定許可が必要
建設業法16条が制限しているのは元請の受注額ではなく、下請に出す金額です。発注者から直接請け負った工事について、下請代金が1件で、または同じ工事の下請契約の合計で政令の金額(現在5,000万円、建築一式工事は8,000万円)以上になる場合、特定建設業の許可がなければその下請契約は結べません。追加発注で合計が基準を越えた時点でも違反になります。金額は最新の施行令をご確認ください。
解説
建設業法には「一般建設業の会社が元請で受注できる金額の上限」という規定がない。一般建設業許可しか持たない工務店でも、施主から3億円の工事を直接受けること自体は違法ではない。線が引かれているのは受注額ではない。元請として下請に出す金額である。発注者から直接請け負った工事について、下請代金が1件で、または同じ工事の下請契約を全部足して、政令の金額以上になる場合、特定建設業の許可がなければその下請契約は結べない。政令の金額は現在5,000万円、建築一式工事は8,000万円である(建設業法施行令2条、最新の改正状況をご確認ください)。危ないのは2号の「総額」で数える仕組みだ。最初の契約が基準を下回っていても、追加工事を1本発注して合計が線を越えた時点で違反になる。違反すると3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(47条)、法人には1億円以下の罰金(53条)が科される。さらに罰金刑を受けると役員が欠格事由に当たり、許可そのものを失うおそれがある。気を付けるべきは見積書の合計欄ではなく、下請発注の合計欄である。
法的な位置づけ
建設業法16条は下請契約の締結制限を定める規定であり、発注者から建設工事を直接請け負った者が、1件または当該工事の下請契約の総額で同法3条1項2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結するには、特定建設業の許可を要する旨を規定する。元請の受注額ではなく下請発注額を基準とする点に特徴がある。
手順
- 1.自社と取引先の許可区分を確認する 許可通知書または国土交通省の企業情報検索で、自社(または元請候補)の許可が「特定」か「一般」か、どの業種で受けているかを確認する
- 2.見積段階で下請総額を試算する 施主と請負契約を結ぶ前に、下請に出す予定の工事をすべて洗い出し、追加工事の余地も含めた下請総額を試算する。建築一式は8,000万円、それ以外は5,000万円が基準
- 3.基準を越えそうなら契約前に構成を見直す 一般建設業許可のまま基準を越えそうなら、施主に一部工事の分離発注を依頼するか、自社施工の割合を増やす。継続的に大型案件を扱うなら特定建設業許可の申請を準備する
- 4.追加・変更発注のたびに総額を足し直す 着工後の追加発注を承認する手順に「当該工事の下請総額の確認」を組み込み、本社の許可担当が合算額を確認してから発注書に押印する
よくある質問 AI による整理
Q1特定建設業許可が必要になるのはどんなとき?
元請として、1つの工事の下請代金の合計が5,000万円(建築一式8,000万円)以上になる下請契約を結ぶときです。建設業法16条が根拠です。
Q2下請5000万 超えたら違法?
一般建設業許可しかない元請が下請総額5,000万円以上の下請契約を結ぶと16条違反です。特定建設業許可があれば適法です。
Q3建設業法16条違反の罰則は?
3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(47条)、法人には1億円以下の罰金(53条)です。営業停止などの監督処分も別に科され得ます。
Q4下請契約を分割すれば特定許可なしでいける?
できません。16条2号は同じ工事のすべての下請契約の代金を合算して判断するため、契約を分けても基準を免れられません。
Q5孫請に出す一次下請にも16条は適用される?
適用されません。16条の対象は発注者から直接請け負った元請だけです。ただし一括下請負の禁止(22条)などは別途適用されます。
Q6建築一式工事の下請基準額はいくら?
現在は8,000万円とされています(建設業法施行令2条)。建築一式以外の工事は5,000万円です。改正があり得るため最新の施行令を確認してください。
Q7相手の建設業許可が特定か一般か調べる方法は?
国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、許可番号や会社名から許可区分(特定・一般)を確認できます。
Q816条違反の下請契約は無効になる?
本条は取締規定と解されるのが一般的で、下請契約の私法上の効力までは当然に否定されないとされます。ただし個別事情により争いはあり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うち一般許可なんですけど、1億円の工事を元請で受けても大丈夫ですか?
受注すること自体は問題ありません。16条が制限しているのは下請に出す金額で、元請としての受注額は制限していません。自社施工が中心で、下請総額が5,000万円(建築一式8,000万円)未満に収まれば適法です。実務のポイント:一般建設業許可の会社が大型案件で失敗するのは、受注の時点ではありません。着工後の追加工事で下請総額が基準を越えたときです。見積の段階で、追加の余地まで含めた下請総額を試算しておく会社は少ないのが実情です
Q2最初は4,000万円で発注して、あとから追加で増えた分も足すんですか?
足します。2号は、その工事のためにすでに結んだすべての下請契約の総額で判断します。追加や変更の契約を結んで合計が基準以上になる時点で、その追加契約が違反になります。実務のポイント:現場の担当者が追加発注をその場で決め、本社の許可担当が後で知る、という順番が違反の典型的な原因です。追加発注を承認する手順に「下請総額の確認」を1行入れるだけで、ほとんどの事故は防げます
Q3下請代金に、うちが支給した材料費も入るんですか?消費税は?
国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、元請が支給する材料の価格は下請代金に含めず、下請契約の請負代金(消費税込み)で判断する扱いになっています。実務のポイント:無許可で施工できる軽微な工事の判定(3条1項ただし書)では支給材料も合算するため、2つの計算方法を混同して誤る会社が多い。どの条文の判定なのかで、足す項目が変わります(最新のガイドラインをご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「大きい工事を受けるには特定建設業許可が必要」と思われがちだが、それは誤りである。一般建設業許可でも元請受注額に上限はない。基準は下請に出す額であり、すべて自社で施工するなら10億円の工事でも本条に違反しない
- 「契約をどう分ければ1件5,000万円未満に収まるか」と考える時点で、問いの立て方が間違っている。2号は同じ工事の下請契約をすべて合算するので、分割は意味をなさない。考えるべきは、どの工事を施主の分離発注に回すか、どこまで自社で施工するかである
- 違反のリスクが罰金程度だと思っているなら、重さを読み違えている。法人には最高1億円の罰金(53条)があり、罰金刑が確定すると役員が5年間欠格事由に当たり得る(8条)。行政処分としての営業停止(28条)も別に科され得る。下請契約1本の判断ミスが、会社の許可を失うことにつながりかねない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を規律するか | 16条:元請が結べる下請契約の範囲(下請総額による制限) | 3条:建設業の許可制度と一般・特定の区分 26条:現場に置く技術者(主任・監理技術者) |
| 金額基準の使われ方 | 下請総額が政令額以上なら特定許可がない限り下請契約不可 | 同じ政令額で特定建設業許可の要否を区分 同じ政令額以上の下請総額で監理技術者の配置が必要 |
| 違反時の効果 | 刑事罰(47条)・両罰規定(53条)・監督処分 | 無許可営業として刑事罰(47条) 監督処分(28条)の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は営造業を綜合・専業・土木包工業に分級し、等級と資本額で承攬できる工事規模を制限する。日本のように下請総額で元請許可を区分する仕組みとは設計が異なる。
韓国は下請の範囲・一括下請の禁止などを建設産業基本法で規律し、元請の下請発注に直接制限をかける点で日本と問題意識が近い。
中国は総請負業者が相応の資質を持つ単位にのみ分包でき、主体構造の分包を禁止するなど、資質(許可)基準で分包を規律する。
フランスは下請業者の承認と代金の直接支払・保証を中心に規律し、許可区分ではなく下請保護の仕組みで連鎖倒産リスクに対応する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一般建設業許可の内装会社が、店舗改装を元請で7,000万円受注した。電気と空調の下請契約は合わせて4,800万円で、基準より下だったので安心していた。ところが着工後に施主から照明の追加依頼があり、電気業者へ300万円の追加発注を出した。この時点で下請代金の総額は5,100万円になる。追加の発注書1枚で16条2号違反が成立する
- もし一次下請のあなたが、元請から受けた1億円の工事のうち6,000万円を孫請に出したらどうなるか。16条の対象は「発注者から直接請け負った」元請だけなので、一次下請のあなたは本条の制限を受けない。ただし一括下請負の禁止(22条)と主任技術者の配置義務(26条)は別に適用される
- 社長であるあなたは、設備工事の下請契約を2,400万円ずつ3本に分け、「1件5,000万円未満だから問題ない」と考えた。2号は同じ工事の下請契約をすべて合算するため、合計7,200万円で違反になる。契約を分けても免れることはできない
- 着工まであと3週間というところで、施主から「設計変更で設備をグレードアップしたい」と言われた。下請総額が5,000万円を超えることが確実になったが、自社は一般建設業許可しか持っていない。特定建設業許可の審査期間は許可行政庁によって異なり、1か月以上かかることも多いので、今から申請しても着工には間に合わない可能性が高い。残る選択肢は、施主に分離発注を頼むか、自社施工の割合を増やすかである
- 施主として2億円の社屋建設を地元の工務店に任せようとしている。許可通知書を見ると「一般」とある。その工務店が躯体と設備のほとんどを下請に出す予定なら、16条違反の工事に施主が資金を出すことになる。さらに監理技術者(26条)も置かれないまま工事が進むおそれがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 施主または下請として相手の許可種別に疑問があれば、国土交通省の建設業者検索で「特定」か「一般」かを確認する。2. 元請の許可が「一般」で下請総額が基準を超えていれば、許可行政庁(国土交通省の地方整備局または都道府県)に情報提供できる。3. 下請代金の請求は契約に基づいて通常どおり行う。本条は取締規定と解されるのが一般的だが、個別の事情によっては争いがあり得る。4. 工事の品質に不安があれば、監理技術者が置かれているかも確認する
訴えられた側:1. 工事ごとの下請総額表を今すぐ作り、追加・変更契約も含めて合算する。2. 基準を超えそうなら、着工前に施主へ分離発注を頼むか、自社施工の割合を見直す。3. 継続的に大型案件を扱うなら、財産要件と1級技術者を揃えて特定建設業許可を申請する(15条)。4. 違反がすでに疑われる場合は、自己判断で是正を装う書類を作らず、弁護士に相談したうえで許可行政庁への対応方針を決める
時効(請求できる期限):16条違反の罪(47条、3年以下の拘禁刑)の公訴時効は、下請契約を締結した時から3年である(刑事訴訟法250条2項6号)。監督処分(28条、29条)には時効の定めがない。特定建設業許可の有効期間は5年で、更新申請は期間満了の30日前までに行う必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
取締規定説(通説的理解):16条は建設工事の適正な施工と下請保護を目的とする行政上の取締規定であり、違反した下請契約の私法上の効力は当然には否定されないと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 昭和46年(1971年)改正 登録制から許可制へ移行し、一般建設業と特定建設業の区分が設けられたことに伴って、下請契約締結制限の枠組みが導入されたとされる。条文の文言の変遷は人による確認が必要
- 政令改正(令和5年・令和7年施行) 条文本体ではなく施行令2条の金額が段階的に引き上げられ、現在は5,000万円・建築一式8,000万円とされる。施行日と金額は最新の官報で確認が必要
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:建設業法制定。当初は登録制であり、現行の特定建設業による下請制限の枠組みはまだ置かれていなかったとされる。
- 2.昭和46年(1971年) 改正:登録制から許可制へ移行し、一般建設業と特定建設業の区分が導入されたことに伴い、下請契約締結制限の枠組みが整備されたとされる。条文文言の変遷は要確認。
- 建設業法 第3条一般・特定の許可区分と政令金額の根拠
- 建設業法 第15条特定建設業の財産的基礎と技術者要件
- 建設業法 第26条同じ金額基準で監理技術者の配置を義務付け
- 建設業法 第24条の6特定建設業者の下請代金支払期日の特則
- 建設業法 第47条本条違反の下請契約締結に対する刑事罰
- 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条公共工事の施工体制台帳提出義務(現行効力を要確認)
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