建設業法 第18条(建設工事の請負契約の原則)
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建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。
この条文の基本情報
建設工事の請負契約の原則とは何ですか?
定義建設工事の請負契約の原則とは、建設業法第18条に定められた規定で、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第18条(建設工事の請負契約の原則)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第18条の条文原文は「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。」で始まります。
- 建設業法第18条は第一節 通則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第18条の前の条は建設業法第17条の3です。
- 建設業法第18条の次の条は建設業法第19条です。
- 建設業法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法18条は、建設工事の請負契約の当事者に、対等な立場での合意に基づく公正な契約の締結と、信義に従った誠実な履行を求める原則規定である。直接の罰則はない。
Q · 建設業法18条って守らなくても何も起きない努力目標なの?
罰則はないが、監督処分の判断材料になりうる
建設業法18条は、請負契約の当事者に対等な立場での公正な契約締結と誠実な履行を求める理念規定で、違反そのものへの直接の罰則はありません。ただし、元請による一方的な減額や追加工事の無償強要などは、28条1項の「請負契約に関し不誠実な行為」として指示処分や営業停止の対象になりえます。さらに19条の書面化義務、19条の3の不当に低い請負代金の禁止など、18条を具体化した個別規定の違反として扱われることもあります。
解説
「対等」「公正」「信義」「誠実」。建設業法18条は抽象語ばかりで、一読すると業界向けのお説教にしか見えない。だが実務では、この一文が建設業法の契約ルールを束ねる背骨になっている。19条の書面契約、19条の3の不当に低い請負代金の禁止、19条の5の著しく短い工期の禁止、24条の3以下の下請代金の支払期限。いずれも「対等な立場で公正に」という18条の理念を具体化したルールである。しかも条文の名宛人は建設業者に限られない。条文が書いているのは「請負契約の当事者」だ。自宅のリフォームを頼む施主であるあなたも、元請から仕事を受ける一人親方のあなたも、同じ土俵に立っている。18条違反そのものに直接の罰則はない。それでも元請が下請に一方的な値引きや追加工事のタダ働きを押し付ければ、28条1項の「請負契約に関し不誠実な行為」として、許可行政庁による指示処分や営業停止の入口になりうる。「業界の慣習だから」と飲み込んできた理不尽の多くは、法律が想定していない状態なのである。
法的な位置づけ
建設業法18条は、建設工事の請負契約に関する基本原則を定める規定であり、注文者と請負人を含む契約の当事者に対し、各々の対等な立場における合意に基づく公正な契約の締結と、信義に従った誠実な履行を求める。罰則を伴わない理念規定であるが、同法19条以下の契約適正化規定や28条の監督処分の解釈指針として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1建設業法18条とは?
建設工事の請負契約の当事者に、対等な立場での合意に基づく公正な契約締結と、信義に従った誠実な履行を求める基本原則の規定です。
Q2建設業法18条に違反したら罰則はある?
18条違反そのものに直接の罰則はありません。ただし28条1項の「不誠実な行為」として、指示処分や営業停止の判断材料になりえます。
Q3建設業法18条は個人の施主にも適用される?
適用されます。条文の名宛人は建設業者に限らず「請負契約の当事者」であり、リフォームを依頼する個人の注文者も含まれます。
Q4請負契約の「対等な立場」とはどういう意味?
発注側が価格や工期を一方的に決めるのではなく、双方が交渉し合意して契約内容を決めることを指します。力の差を背景にした押し付けを戒める趣旨です。
Q5建設業法28条の「不誠実な行為」とは?
請負契約の締結や履行で詐欺・脅迫・横領など法律に違反する行為や、契約違反などの不誠実な行為を指します。許可行政庁による指示処分の対象です。
Q6元請の指値発注は違法?
元請が一方的に代金を決めて下請に押し付ける指値発注は、国土交通省のガイドラインで建設業法上問題となりうる行為として挙げられています。
Q7建設業法違反はどこに通報できる?
国土交通省の建設業法違反通報窓口(駆け込みホットライン)や、当該業者の許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)に通報できます。
Q8元請が一方的に工期を短くするのは違法?
通常必要と認められる期間に比べて著しく短い工期での契約締結は、建設業法19条の5で禁止されています。工期の押し付けは18条の理念にも反します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約書なしで始まったリフォームって、契約自体が無効なんですか?
無効ではない。請負契約は口頭の合意でも成立する(民法632条)。ただし建設業法19条は当事者に書面化を義務付けており、書面を欠いた工事では業者側が監督処分の対象になりうる。実務のポイント:契約書のない現場で最後にものを言うのは、着工前の見積書と、施主と業者のLINEである。日付と金額が入ったメッセージ一本が、追加費用の争いでは契約書の代わりとして読まれる
Q2元請に「次も仕事回すから今回は泣いて」って言われたんですけど、これ違法じゃないんですか?
取引上の地位を不当に利用して、原価に満たない代金で契約させれば、19条の3の不当に低い請負代金の禁止に当たりうる。許可行政庁による勧告や、公正取引委員会への措置請求(42条)につながる場合もある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:「次の仕事」の約束は、法的にはほとんど何の保証にもならない。見返りの約束ほど書面に残らないことを、元請側はよく知っている
Q3工事が終わってから施主が文句をつけて残金を払ってくれません。裁判するしかないですか?
裁判以外に、建設工事紛争審査会(25条)がある。国土交通省と各都道府県に置かれ、法律家と建築の専門家があっせん・調停・仲裁を行う。実務のポイント:施主の「不具合」の主張が技術的に妥当かどうかを、裁判官ではなく技術系の委員が見てくれる点が大きい。主張が言いがかりにすぎなければ、手続の場で専門家に否定されることも少なくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「18条は努力目標にすぎず、破っても何も起きない」と思われがちだが、実態は異なる。直接の罰則こそないものの、28条1項の「請負契約に関し不誠実な行為」として監督処分の判断材料になる。国土交通省の建設業法令遵守ガイドラインも、対等で公正な取引関係を前提に、違反となりうる行為を具体的に例示している
- 「下請を守る法律だから、施主の自分には関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。18条の名宛人は注文者を含む「当事者」であり、19条の書面契約の義務も個人施主との契約に及ぶ。施主が業者を叩きすぎる場面も、業者が素人の施主を言いくるめる場面も、同じ条文の射程に入る
- あなたから見れば「長年の付き合いだから口約束で回る」関係である。法律から見れば、それは書面のない変更契約の積み重ねであり、揉めた瞬間に立証手段を持たない側が負ける構造である。信頼関係が深いほど記録は薄くなる。この落差こそが危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 18条:対等・公正・信義誠実を求める理念規定 | 19条:契約内容の書面化と相互交付の義務 19条の3:取引上の地位を不当に利用した原価割れ契約の禁止 |
| 名宛人 | 請負契約の当事者(注文者・請負人の双方) | 請負契約の当事者(個人施主を含む) 注文者(取引上の地位を利用する側) |
| 違反時の効果 | 直接の罰則なし。28条の監督処分の判断材料になりうる | 建設業者に対する指示処分などの監督処分の対象 許可行政庁の勧告、公正取引委員会への措置請求(42条)の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建設請負を民法の承攬で規律し、信義誠実は民法の一般原則で担保する。日本の18条のような業法上の理念規定は置かれていない
韓国は建設産業基本法に、対等な立場での合意と信義誠実な履行を求める規定を置いており、日本の18条とほぼ同趣旨である
ドイツは2018年施行の改正でBGBに建設契約の規定を設け、信義誠実は§242の一般条項で担保する
米国では契約全般に誠実かつ公正な取引の黙示義務が認められ、建設契約もその射程に入る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 元請の現場監督として、工期が押したからと下請の鉄筋業者に「追加分は次の現場で色をつける」と口頭で済ませた。その約束が反故になれば、あなたの会社は書面のない追加発注と実質的な減額の両方を問われうる立場になる
- もし施主として、着工直前に業者から「見積書があれば十分、契約書は要らない」と言われたらどうなる? 19条は契約の締結に際して書面を相互に交付するよう当事者に求めている。契約書のない工事は、追加費用をめぐる争いで言った言わないの泥沼になりやすい
- 一人親方のあなたに、元請から「来週月曜着工、単価は前回の8割で」とLINEが届いた。返事の期限は今夜。断れば次の仕事が来ないかもしれない。だが取引上の地位を利用して原価に満たない代金を押し付ける行為は、19条の3の問題になりうる。今夜返す前に、そのLINEを保存しておくべきである
- 資材が高騰し、赤字が確定した現場。契約書に価格変動時の協議条項はなかった。それでも、信義誠実を定める18条と、2024年改正で整備された変更協議のルールが協議を求める足場になる(最新の改正状況をご確認ください)
- 工務店を営む友人から「施主が完成後に難癖をつけて残金を払わない」と相談された。信義誠実の義務は施主の側にもかかる。裁判以外に建設工事紛争審査会という選択肢があると教えられるかどうかで、友人の数か月が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書・見積書・注文書と、LINEやメールでの指示の履歴を時系列でまとめる2. 一方的な減額や支払いの遅れがあれば、下請代金の支払期限(24条の3。特定建設業者には24条の6)を確認し、書面で請求する3. 許可業者による違反は、国土交通省の駆け込みホットラインや許可行政庁に通報できる4. 金銭の解決は、建設工事紛争審査会のあっせん・調停・仲裁か民事訴訟から選ぶ。仲裁に合意すると裁判には戻れない点に注意する
訴えられた側:1. 指摘された取引について、契約書と変更書面があるかをまず確認する2. 書面のない追加・変更は、今からでも双方が確認した合意書で整理する3. 単価や工期を一方的に決めたのではないことを、見積依頼と協議の記録で示す4. 監督官庁の報告徴収や立入検査(31条)には誠実に応じる。28条の指示処分で止まるか営業停止まで進むかは、是正の速さで変わりうる
時効(請求できる期限):18条自体に特定の時効はない。請負代金債権には一般消滅時効(民法166条。権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。契約不適合は、注文者が不適合を知った時から1年以内に通知が必要(民法637条)。元請は、注文者から支払を受けた日から1か月以内に下請代金を支払わなければならない(24条の3)
学説
通説:18条は罰則を伴わない理念規定(訓示的規定)と解されるが、19条以下の具体的規定の解釈指針となり、28条1項の「不誠実な行為」の判断を通じて監督処分に実効性が与えられるとされる
改正沿革 AI による整理
- 昭和24年(1949年) 建設業法の制定時から置かれた請負契約の基本原則規定。「基いて」「従つて」という旧表記が残っており、文言が大きく改められていない可能性があるが、改正履歴は未検証
- 令和元年(2019年)・令和6年(2024年)の周辺改正 本条の文言ではなく、著しく短い工期の禁止(19条の5)や、労務費の確保・価格変動時の変更協議など、本条の理念を具体化する周辺規定が整備された(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:建設業法の制定に伴い、建設工事の請負契約の基本原則として置かれた。「基いて」「従つて」の旧仮名遣いが残り、文言は制定当時の形をとどめているとみられる
- 建設業法 第19条請負契約の書面化義務
- 建設業法 第19条の3不当に低い請負代金の禁止
- 建設業法 第19条の5著しく短い工期の禁止
- 建設業法 第24条の3下請代金の1か月以内支払義務
- 建設業法 第28条不誠実な行為への指示・営業停止
- 民法 第1条信義則の一般原則を建設請負に具体化
- 民法 第632条請負契約の一般規定に対する特則
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条優越的地位の濫用規制と交錯
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