建設業法 第19条の6(発注者に対する勧告等)
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- 建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く。)が第十九条の三第一項又は第十九条の四の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。
- 2.建設業者と請負契約(請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに限る。)を締結した発注者が前条第一項の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。
- 3.国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の勧告を受けた発注者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
- 4.国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項又は第二項の勧告を行うため必要があると認めるときは、当該発注者に対して、報告又は資料の提出を求めることができる。
この条文の基本情報
発注者に対する勧告等とは何ですか?
定義発注者に対する勧告等とは、建設業法第19条の6に定められた規定で、「建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第19条の6(発注者に対する勧告等)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第19条の6の条文原文は「建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く。」で始まります。
- 建設業法第19条の6は第一節 通則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第19条の6の前の条は建設業法第19条の5です。
- 建設業法第19条の6の次の条は建設業法第20条です。
- 建設業法第19条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第19条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第19条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/19_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法19条の6は、原価割れの代金や著しく短い工期を発注者が押し付けた場合、業者の許可行政庁が発注者に勧告でき、工期の勧告に従わなければ公表できると定める。
Q · 無理な工期を押し付けた発注者は、建設業法で何か処分を受けるの?
勧告を受けうる。工期の勧告に従わなければ公表もある
建設業法19条の6により、政令で定める金額以上の請負契約で著しく短い工期(19条の5第1項)を設定した発注者には、業者の許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)が勧告できます。勧告に従わない場合はその旨が公表されることがあり、勧告のために報告や資料の提出を求められることもあります。勧告は行政指導であり、本条自体に罰金の定めはありません。
解説
建設業法は本来、許可を受けた建設業者を規制する法律である。ところが本条は、許可も登録も持たない発注者、つまり工事を依頼する施主側にも行政が直接関与できる経路を設けている。経路は二つある。一つ目は、原価割れの請負代金(19条の3第1項)や資材・機械の購入の押し付け(19条の4)があった場合である。この経路の対象は、独占禁止法上の「事業者」に当たらない発注者に限られる。事業者である発注者には、建設業法42条を通じて公正取引委員会が対応する。二つ目は、著しく短い工期(19条の5第1項)である。こちらは請負代金が政令で定める金額以上の契約に限られるが、事業者も含めてすべての発注者が対象となる。どちらの経路でも、勧告を出すのは発注者の所管官庁ではない。工事を請け負った業者に許可を与えた国土交通大臣または都道府県知事である。勧告は行政指導(強制力のない、役所からの「お願い」の形をとる働きかけ)なので、罰金はない。それでも、工期についての勧告に従わなければ、その旨が公表されることがある。デベロッパーにとっては、罰金より社名の公表の方が痛い。無理な工期を押し付けられた業者は、この条文を交渉で使える。
法的な位置づけ
建設業法19条の6は、発注者に対する勧告等を定める規定である。独占禁止法上の事業者に当たらない発注者による不当に低い請負代金または資材等の購入強制、および政令で定める金額以上の契約における著しく短い工期の設定について、建設業者の許可行政庁が発注者に勧告し、工期に関する勧告への不服従を公表し、報告または資料の提出を求めることができる旨を規定する。
手順
- 1.発注者とのやり取りを記録する 工期や代金を一方的に決められた経緯を、メール・議事録・見積書の修正履歴として保存する。口頭でのやり取りは、その日のうちに確認メールを送って書面化する
- 2.適正な工期を算定して書面で示す 中央建設業審議会の「工期に関する基準」をもとに、休日・天候・準備期間・時間外労働の上限を織り込んだ工程表を作り、押印前に「著しく短い工期にあたるおそれがある」と書面で指摘する
- 3.窓口を見極めて相談する 協議が決裂したら、国土交通省の駆け込みホットラインまたは自社の許可行政庁に相談する。発注者が事業者で代金や資材購入の押し付けが問題なら、公正取引委員会への申告も検討する
- 4.発注者側は報告要求に根拠資料で応じる 許可行政庁から報告・資料提出を求められた発注者は、工期設定の根拠と業者との協議記録をまとめて提出し、根拠が弱い場合は勧告前に工期延長や契約変更を自ら申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1建設業法 発注者 勧告とは
発注者が原価割れの代金や著しく短い工期を押し付けた場合に、工事を請け負った業者の許可行政庁が発注者に改善を求める行政指導です。建設業法19条の6が根拠です。
Q2発注者への勧告は誰が出す?
発注者の所管官庁ではなく、請け負った建設業者に許可を与えた国土交通大臣または都道府県知事が出します。業者の許可区分で窓口が決まります。
Q3勧告に従わないと罰金はある?
本条に罰金の定めはありません。ただし工期に関する勧告(2項)に従わない場合、その旨が公表されることがあります(3項)。
Q4著しく短い工期 勧告 対象になる契約は?
請負代金の額が政令で定める金額以上の契約に限られます。この経路では、独占禁止法上の事業者である発注者も対象から外れません。
Q5原価割れ 発注者 事業者の場合はどうなる?
1項の勧告は事業者を除外しています。事業者である発注者の原価割れ要求には、建設業法42条による公正取引委員会への措置請求が窓口になります。
Q6報告 資料提出 求められたら断れる?
4項は勧告のために必要な場合に報告や資料提出を求められると定めます。根拠のある説明資料を整えて対応するのが実務上の基本です。
Q7発注者 社名公表 されるのはいつ?
工期に関する勧告を受けた発注者がその勧告に従わない場合です(3項)。原価割れや購入強制に関する1項の勧告には公表の定めがありません。
Q8資材の購入を発注者に指定されたら違法?
発注者が取引上の地位を不当に利用し、特定の資材や機械の購入を強制して利益を害すると19条の4違反になり得ます。非事業者の発注者なら本条1項の勧告対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちみたいな小さい工務店が通報したら、もう仕事をもらえなくなりませんか?
その不安はもっともである。建設業法24条の5は、注文者が、下請負人が許可行政庁などに違反の事実を通報したことを理由に取引を停止するなどの不利益な扱いをすることを禁じている。もっとも、これは元請と下請の関係に関する規定である。発注者と元請の関係では、同じ保護がそのまま及ぶとは限らない。業界の事情として知っておきたいのは、国交省の駆け込みホットラインでは匿名での相談も受け付けている点である。通報する前に、まず相談として状況を伝え、行政がどう動きうるかを聞いておく業者は多い。
Q2工期が「著しく短い」って、何日短ければアウトなんですか?
日数で決まった基準はない。19条の5第1項は「通常必要と認められる期間に比して著しく短い」としか定めていない。判断の目安になるのは、中央建設業審議会が作成した「工期に関する基準」である。休日、天候、準備期間、後片付けの期間、法令上の労働時間の上限などを考慮しているかが見られる。業界の事情として知っておきたいのは、時間外労働の上限規制を守ると工期内に終わらない場合、それ自体が「著しく短い」ことを示す有力な根拠になる点である。
Q3個人で家を建てる施主でも、勧告を受けることがあるんですか?
理論上はありうる。1項は、独占禁止法上の事業者でない発注者を対象にしているからである。ただし、19条の3第1項の原価割れの禁止は「取引上の地位の不当な利用」を要件としている。個人の施主が工務店より優位な立場にあると認められる場面は限られる。また2項の工期についての勧告は、請負代金が政令で定める金額(建築一式工事以外は500万円、建築一式工事は1500万円)以上の契約に限られる(最新の改正状況をご確認ください)。業界の事情として知っておきたいのは、実務上この条文が主に向けられているのは、大規模な発注を繰り返す法人や公共の発注者だという点である。
間違えやすい点 AI による整理
- 「建設業法は業者を縛る法律で、発注者には関係ない」と思われがちだが、発注者も対象になる。工期についての勧告(2項)は独占禁止法上の事業者も対象で、従わなければ公表されうる(3項)。発注者である企業にとっては、取引先ではなく役所から自社名を名指しされるという性質のリスクになる
- 原価割れの代金について、許可行政庁がどんな発注者にも勧告できると考えるのは不正確である。1項は、独占禁止法2条1項の事業者を対象から外している。事業者である発注者に原価割れの代金を押し付けられた場合の窓口は、建設業法42条による公正取引委員会への措置請求になる。どの窓口に持ち込むかを間違えると、時間を無駄にする
- 「勧告は罰金ではないから無視してもよい」という見方は、企業から見ると一見合理的である。しかし法律の側から見ると、勧告は公表に向けた最初の段階にあたる。さらに、報告と資料の提出(4項)で、社内のやり取りが行政に把握される。発注者の側は痛みのない注意と受け取りやすいが、行政にとっては調査記録の始まりである。この認識の差が、発注者を不利な立場に追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 19条の6:違反した発注者への勧告・公表・報告徴収 | 42条:事業者である発注者について公正取引委員会へ措置請求 19条の5:著しく短い工期の禁止(行為規範) |
| 対象となる発注者 | 1項は非事業者の発注者のみ、2項は事業者を含む全発注者(政令額以上の契約) | 独占禁止法上の事業者である発注者 注文者全般 |
| 動く行政機関 | 業者の許可をした国土交通大臣または都道府県知事 | 許可行政庁が請求し、公正取引委員会が独占禁止法に基づき対応 本条自体は禁止規定で、執行は19条の6を通じる |
| 最終的な不利益 | 工期の勧告に従わない場合の公表 | 独占禁止法上の措置(排除措置命令等) 違反だけでは直接の制裁なし |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には発注者を直接名宛人とする建設業法上の勧告制度はなく、取引上の地位濫用は公平交易委員会の一般規制で対応する構造
韓国は建設業の基本法で対等な立場での契約締結と受注者に不当に不利な特約の無効を定め、私法的効果で対処する色彩が強い
ドイツは公共発注で十分な施工期間の設定を求めるが、民間発注者への行政勧告に相当する仕組みは一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 従業員20名の工務店が、500万円を超えるビル改修を受注した。発注元の不動産会社は「テナントの入居日が決まっているから」と言い、標準なら4か月かかる工事を7週間でやるよう求めてきた。断れば次の仕事はない。ただ、この工期は19条の5第1項の「著しく短い工期」に当たる可能性がある。工務店の許可行政庁が、この不動産会社に勧告を出す余地がある
- あなたがデベロッパーの工事担当で、上司の指示どおり短い工期を契約書に書かせたら、どうなるか。業者が国交省の「駆け込みホットライン」に通報し、許可行政庁から報告と資料の提出を求められる(本条4項)。工期を決めた経緯を説明する社内記録がなければ、勧告を受け、それに従わなければ社名が公表される段階まで進みうる
- 個人の施主が何度も値切った結果、工務店が赤字で工事を請けることになった。ただ、19条の3第1項は「取引上の地位の不当な利用」を要件としている。個人の施主にその地位が認められる場面は、実際にはかなり限られる
- 契約書への押印まであと3日。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されており、提示された工期では、現場の作業員に違法な残業をさせなければ間に合わない。今、中央建設業審議会の「工期に関する基準」を根拠に工期の算定を示して押し返さなければ、押印した後に違反を抱えるのは自社の側になる
- 自治体の担当課が、年度内に竣工させるために、明らかに無理な工期で学校の改修工事を発注してきた。公共発注者には「公共工事の品質確保の促進に関する法律」も適正な工期の設定を義務付けている。業者は、本条による勧告と品確法の責務の両方を示して、工期の変更を協議できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 発注者が工期や代金を一方的に決めた経緯を、メールや議事録で保存する。2. 中央建設業審議会の「工期に関する基準」をもとに適正な工期を算定し、書面で示して協議する。3. 決裂した場合は、国土交通省の駆け込みホットラインか、自社の許可行政庁に相談する。4. 発注者が独占禁止法上の事業者で、代金や資材購入の押し付けが問題になっている場合は、公正取引委員会に申告する。
訴えられた側:1. 許可行政庁から報告の要求(4項)が届いたら、工期を設定した根拠(工程の算定、業者との協議の記録)をまとめて提出する。2. 根拠が弱ければ、勧告を受ける前に工期の延長や契約の変更を自分から申し出る方が、損失は小さい。3. 社内の発注手続に、工期の妥当性を確認する段階を入れ、再発を防ぐ。4. 公共発注者の場合は、品確法上の責務もあわせて確認する。
時効(請求できる期限):本条の勧告には、特定の期限や時効はない。請負代金の増額など契約上の請求には、一般の消滅時効(民法166条。権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。工期は契約を締結した時点で決まるので、勝負は押印の前にある。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正(要検証) 著しく短い工期の禁止とあわせて、発注者に対する勧告と公表の仕組みが整備されたとみられる。従来の条番号との関係を含め、人による検証が必要である
- 令和6年(2024年)改正(要検証) 19条の3が項に分けられたことに伴い、引用が「第十九条の三第一項」に改められたとみられる。施行日を含め、人による検証が必要である
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 改正:著しく短い工期の禁止の新設にあわせ、発注者への工期に関する勧告と不服従時の公表の仕組みが整備されたとみられる。条番号の変遷を含め要検証
- 2.令和6年(2024年) 改正:19条の3の項分けに伴い、1項の引用が「第十九条の三第一項」に改められたとみられる。施行日を含め要検証
- 建設業法 第19条の3不当に低い請負代金の禁止
- 建設業法 第19条の4資材・機械等の購入強制の禁止
- 建設業法 第19条の5著しく短い工期の禁止、2項勧告の前提
- 建設業法 第42条事業者発注者は公取委へ措置請求
- 建設業法 第24条の5通報を理由とする不利益取扱いの禁止
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条優越的地位濫用規制との役割分担
- 公共工事の品質確保の促進に関する法律 第7条公共発注者の適正工期設定責務
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