建設業法 第21条(契約の保証)
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- 建設工事の請負契約において請負代金の全部又は一部の前金払をする定がなされたときは、注文者は、建設業者に対して前金払をする前に、保証人を立てることを請求することができる。但し、公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和二十七年法律第百八十四号)第二条第四項に規定する保証事業会社の保証に係る工事又は政令で定める軽微な工事については、この限りでない。
- 2.前項の請求を受けた建設業者は、左の各号の一に規定する保証人を立てなければならない。
- 一建設業者の債務不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害金の支払の保証人
- 二建設業者に代つて自らその工事を完成することを保証する他の建設業者
- 3.建設業者が第一項の規定により保証人を立てることを請求された場合において、これを立てないときは、注文者は、契約の定にかかわらず、前金払をしないことができる。
この条文の基本情報
契約の保証とは何ですか?
定義契約の保証とは、建設業法第21条に定められた規定で、「建設工事の請負契約において請負代金の全部又は一部の前金払をする定がなされたときは、注文者は、建設業者に対して前金払をする前に、保証人を立てることを請求することが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第21条(契約の保証)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第21条の条文原文は「建設工事の請負契約において請負代金の全部又は一部の前金払をする定がなされたときは、注文者は、建設業者に対して前金払をする前に、保証人を立てることを請求することが…」で始まります。
- 建設業法第21条は第一節 通則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第21条の前の条は建設業法第20条の2です。
- 建設業法第21条の次の条は建設業法第22条です。
- 建設業法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法21条は、請負契約に前金払の定めがある場合、注文者が支払前に建設業者へ保証人を立てるよう請求でき、立てなければ前払を拒めると定める。
Q · 工務店に着工金を払う前に、保証人を立ててと言っていいの?
支払前なら請求でき、業者は保証人を立てる義務がある
建設業法21条1項により、請負契約に前払いの定めがあれば、注文者は前金払をする前に保証人を立てるよう請求できます。請求を受けた建設業者は、損害金の支払を保証する保証人か、代わりに工事を完成させる他の建設業者のどちらかを立てなければなりません(同条2項)。立てない場合、注文者は契約の定めにかかわらず前払いを拒めます(同条3項)。ただし保証事業会社の保証がある公共工事と、政令で定める軽微な工事は対象外です。
解説
「着工前に代金の三割を振り込んでほしい」。注文住宅でも店舗の改装でも、業者からこう言われるのは珍しくない。だが振り込んだ翌月に業者が倒産すれば、そのお金は工事にも資材にもならず、全額戻ってくる保証もない。建設業法21条は、注文者がいちばん無防備になるこの瞬間のために、一枚のカードを用意している。契約に前払いの定めがあれば、払う前に「保証人を立ててほしい」と請求できる。請求された建設業者は、遅延利息や違約金などの損害金を払う保証人か、代わりに工事を完成させると約束する別の建設業者か、どちらかを立てなければならない。立てなければ、契約書に「着工時三割払い」と書いてあっても払わなくてよい。ただし、このカードが使えるのは振り込む前だけである。また、公共工事の前払金保証事業会社が保証している工事と、政令で定める軽微な工事は対象外になる。
法的な位置づけ
建設業法21条は、前金払の定めがある建設工事請負契約において、注文者が前金払の前に建設業者へ保証人の選任を請求できる権利を定める規定である。保証人は損害金の支払保証人または工事完成を保証する他の建設業者のいずれかとされ、建設業者が保証人を立てない場合、注文者は前金払を拒絶できる。
手順
- 1.適用要件を確認する 契約書に前払い(着手金・着工金)の定めがあるか、相手が建設業の許可を受けた建設業者か、工事が軽微な工事や保証事業会社の保証対象でないかを確認する
- 2.支払前に保証人を書面で請求する 着工金の請求書が届いたら振り込む前に、建設業法21条1項に基づき保証人を立てるよう求める書面をメールまたは内容証明郵便で送り、回答期限を明記する
- 3.保証書の範囲と保証人の資力を確認する 提示された保証書に「前払金返還債務」が対象として含まれるか、保証限度額、保証人の資力または完成保証業者の許可を確認する
- 4.立たなければ支払を保留し通知する 建設業者が保証人を立てない場合、同条3項に基づき前払いを保留する旨を書面で通知し、出来高払いへの変更など代替案の協議に進む
よくある質問 AI による整理
Q1建設業法21条とは何ですか?
前金払の定めがある建設工事の請負契約で、注文者が支払前に建設業者へ保証人を立てるよう請求できると定めた条文です。
Q2着工金 払わないと違法?
保証人を請求したのに建設業者が立てない場合、建設業法21条3項により、契約書の定めにかかわらず前払いを拒んでも契約違反になりません。
Q3工務店 倒産 着工金は戻ってくる?
倒産すると前払金は破産債権などになり、全額回収は困難です。支払前に保証人を立てさせ、保証範囲に前払金返還を含めておくことが重要です。
Q4前払金 保証人 いつまでに請求する?
前金払をする前に請求する必要があります。振り込んだ後は建設業法21条による請求も、3項による支払拒絶もできなくなります。
Q5建設業法21条の保証人は誰がなれる?
損害金の支払を保証する保証人か、代わりに工事を完成させることを保証する他の建設業者のいずれかです(同条2項)。
Q6リフォーム工事でも保証人を請求できる?
相手が建設業の許可を持つ建設業者で、前払いの定めがあり、政令で定める軽微な工事に当たらなければ請求できます。
Q7公共工事の前払金に保証人は必要?
公共工事の前払金保証事業に関する法律に基づく保証事業会社の保証がある工事は、建設業法21条の請求対象から除外されています。
Q8保証人請求の書面はどう書く?
契約日・工事名・前払額を特定し、建設業法21条に基づき支払前に保証人を立てるよう求める旨と回答期限を記載し、メールや内容証明で送ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保証人を求めたら、業者に工事を断られたりしませんか?
契約が成立した後は、建設業者は請求を拒めず、保証人を立てる義務を負います(21条2項)。立てない場合、注文者は前払いを拒めます(同条3項)。実務のポイント:保証人の話を出しただけで態度が急に硬くなる業者は、資金繰りが苦しいことがある。反応そのものが与信判断の材料になる
Q2軽微な工事って、いくら以下のことですか?
本条1項ただし書は、建設業法施行令で定める軽微な工事を対象外にしています。請負代金500万円未満を基準とする理解が一般的です(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:工事を複数の契約に分けて基準額を下回らせても、実質が一つの工事であれば合算して判断されうる。分割契約を提案されたら、その理由を確認したい
Q3住宅完成保証に入っている工務店なら、保証人はいらないですか?
住宅完成保証は民間の制度で、本条1項ただし書の保証事業会社による保証とは別の仕組みです。注文者を保護する点では、2項2号の完成保証と近い働きをします。実務のポイント:保証される上限額と、前払金の超過分(工事の出来高を超えて払った分)がどう扱われるかを制度の規約で確認する。名前だけで安心すると、実際の補てん額との差に驚くことになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保証人の話は大企業の公共工事のことで、個人の家づくりには関係ない」と思われがちだが、逆である。公共工事は前払金保証事業会社の保証が付くのが通例なので、本条の請求はほとんど必要ない。保証の仕組みがなく、本条の請求権をいちばん必要としているのは、民間の注文者、特に住宅を建てる個人である
- 保証人を立てさせれば前払金は必ず戻ると思っていないか。2項1号の保証人が保証するのは、条文上「遅延利息、違約金その他の損害金」である。前払金そのものの返還まで保証の対象になるかは、保証契約の書き方で決まる。保証書の対象欄に「前払金返還債務」の一語があるかないかで、倒産時に回収できる額が大きく変わる
- 建設業者の側から見れば「信用されていないという侮辱」だが、法律の側から見れば、取引の当然の手順である。2項は「立てなければならない」と義務を定め、3項は立てなかった場合に注文者が支払を拒めると定めている。感情的に断れば、施主は着工金を払わないまま、契約も解除されないという状態になり、困るのは資金を確保したい業者のほうである
- そもそも相手が「建設業者」でなければ本条は直接適用されない。建設業法2条3項の建設業者とは、建設業の許可を受けた者を指す。許可を持たない小規模業者との契約では、本条の請求権を当然には主張できない。最初に確認すべきは許可番号である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 建設業法21条:注文者→元請の前金払の保証 | 建設業法24条の3:元請→下請への前払金配慮 建設業法19条:契約書面への前払い条件の記載 |
| 保護される者 | 注文者(施主) | 下請負人 契約当事者双方 |
| 法的効果 | 保証人選任義務と、立てない場合の前金払拒絶権 | 前払金を受けた元請の適切な配慮義務 前払いの時期・方法等を書面に記載する義務 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では民間工事の前払保証を直接定める業法規定はなく、公共調達で預付款還款保證を求める運用が中心。民間は契約で個別に約定する
消費者建築契約では、事業者は最初の分割払に際し完成のための担保を消費者に提供する義務を負い、消費者保護の発想が日本法と近い
連邦公共工事で履行保証・支払保証ボンドを義務づける。民間工事は契約や州法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の契約書に「契約時10%、着工時30%」とある。着工金の請求書が届いたら、振り込む前に保証人を求める書面を出せる。業者が応じなければ、着工金の支払を止めても契約違反にはならない(21条3項)
- もし着工金を振り込んだ直後に工務店が民事再生を申し立てたら、どうなる? 振り込む前に保証人を立てさせていたかどうかで、手元に戻る金額がまったく違ってくる
- あなたは工務店の社長で、施主から「前払いの前に保証人を」と言われた。法律上、断ることはできない。損害金を保証する保証人か、工事を代わりに完成させる同業者か、どちらを出すかを決めて、施主に提示しなければならない
- 飲食店を開業する友人が、内装業者から「来週までに着手金を入れないと職人を確保できない」と急かされている。残りは七日。振り込む前に保証人の請求を書面で出し、業者の返事を待つ。この順番を守れるかどうかで、友人が負うリスクの大きさは変わる
- 社内の小さな修繕工事なら、この条文はほぼ使えない。政令で定める軽微な工事は保証人を請求できる対象から外れている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書に前払いの定めがあるか、相手が建設業の許可を持つ建設業者かを確認する2. 支払前に、本条に基づいて保証人を請求する書面をメールまたは内容証明で送る3. 保証書の対象に「前払金返還債務」が含まれているか、保証人に資力があるかを確認する4. 保証人が立たなければ、3項に基づいて支払を保留し、その旨を書面で伝える
訴えられた側:1. 請求を拒むことはできないため、損害金を保証する保証人か、完成を保証する同業者かを選ぶ2. 個人に保証人を頼む場合は、民法465条の10に基づいて財産状況などを説明し、記録に残す3. 保証の範囲を書面で明確にし、施主に早めに提示して着工の遅れを防ぐ4. 施主が前払いをためらう場合は、出来高払いへの変更など、保証人以外の現実的な代わりの案も示す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条:債権は権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。保証人の請求は、前金払をする前に限られる。払った後は、本条による請求も支払拒絶もできない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:建設業法の制定により、前金払の定めがある請負契約における注文者の保証人請求権と前金払拒絶権が設けられた
- 建設業法 第2条建設業者の定義、本条の適用対象
- 建設業法 第18条対等な合意に基づく公正な契約原則
- 建設業法 第19条前払いの定めを含む契約書面の記載
- 建設業法 第24条の3元請による下請への前払金配慮
- 公共工事の前払金保証事業に関する法律 第2条保証事業会社の定義、適用除外の根拠
- 民法 第446条保証契約の書面要件
- 民法 第465条の10事業債務の個人保証の情報提供義務
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