建設業法 第53条
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 一第四十七条1一億円以下の罰金刑2
- 二第五十条又は前条1各本条の罰金刑2
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第53条は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第53条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰…」で始まります。
- 建設業法第53条は第八章 罰則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第53条の前の条は建設業法第52条です。
- 建設業法第53条の次の条は建設業法第54条です。
- 建設業法第53条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第53条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第53条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法53条は、従業者等が業務で47条・50条・52条に違反したとき、行為者に加え法人や事業主にも罰金を科す両罰規定。47条違反では法人の罰金上限が一億円になる。
Q · 社員が無許可で工事を請けたら、会社も刑事罰を受けるの?
原則として会社も罰金。47条違反なら最大一億円
建設業法53条により、代表者や従業者が会社の業務として47条・50条・52条に違反した場合、行為者本人に加えて法人や個人事業主にも罰金刑が科されます。無許可営業などの47条違反では、法人の罰金上限は一億円です。判例上、従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしたことを事業主側が示せば免責されうるとされますが、規程の存在だけでは足りず、運用の記録が問われます。
解説
現場で無許可の工事を引き受けたのは営業部長一人でも、罰金の請求書は会社にも届く。建設業法53条は、いわゆる「両罰規定」である。代表者、従業員、代理人が会社や個人事業主の業務として違反をしたとき、実際に違反した本人を罰するだけでなく、雇い主である法人や個人にも罰金刑を科す。しかも、無許可営業や営業停止命令の無視など47条の違反では、本人の罰金上限が300万円であるのに対し、法人への罰金は「一億円以下」まで引き上げられる。会社の財布の大きさに合わせて罰の重さを変える「法人重科」という仕組みだ。怖いのはその先である。法人が建設業法違反で罰金刑を受けると、許可の欠格要件(8条)に当たり、許可の取消し(29条)につながる。罰金を払えば終わり、という発想が通用しない。社長は「現場が勝手にやった」と言いたくなるだろうが、判例では、選任と監督に落ち度がなかったことを会社側が示せない限り、責任は免れないとされている。
法的な位置づけ
建設業法第53条は、法人の代表者または法人・人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務または財産に関して同法47条、50条または52条の違反行為をした場合に、行為者のほか法人または事業主たる人にも罰金刑を科す両罰規定である。47条違反については、法人に対する罰金の上限が一億円に引き上げられている。
よくある質問 AI による整理
Q1建設業法の両罰規定とは何ですか?
従業者や代理人が業務に関して建設業法の一定の罪を犯したとき、行為者本人だけでなく、雇い主である法人や個人事業主にも罰金刑を科す仕組みです(53条)。
Q2建設業法 法人重科 一億円はどの違反が対象?
47条の罪(無許可営業、営業停止命令違反など)を従業者等が業務に関して犯した場合です。50条・52条の違反では、法人にも各本条の罰金刑が適用されます。
Q3両罰規定で会社が免責される条件は?
判例は過失推定説をとり、事業主が従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしたことを示せば免責されうるとします。研修記録や点検記録など、平時の運用の証拠が鍵になります。
Q4建設業法違反の罰金で許可は取り消される?
罰金刑を受けると許可の欠格要件(8条)に当たりうるため、許可の取消し(29条)につながります。刑の執行終了等から5年間は再取得も制限されます。
Q5建設業法違反 公訴時効は何年?
罰金や長期5年未満の拘禁刑にあたる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。法人への罰金の扱いには解釈上の論点があるため、個別に確認が必要です。
Q6工事を分割して契約すると違法?
500万円未満の軽微な工事に見せるため実質一体の工事を分割しても、合算して判断されます。許可がなければ無許可営業(47条)となり、会社も両罰規定の対象になります。
Q7建設業法違反 役員が罰金になったら会社はどうなる?
役員が建設業法違反で罰金刑を受けると本人が欠格者となり、その者を役員に置く会社も欠格要件に当たりうるため、許可の存続に直結します。
Q8建設業法の立入検査を拒否するとどうなる?
報告拒否や虚偽報告、検査拒否などは罰則の対象となりうる行為で、従業者が業務に関して行えば53条により会社も罰金刑の対象になります。現行条文の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことでも、会社が罰金を払わなきゃいけないんですか?
原則として会社も処罰されます(53条)。判例は、法人が従業者の選任や監督に必要な注意を尽くしたことを証明すれば免責されるという立場をとっています(過失推定説)。実務のポイント:免責を実際に勝ち取るには「規程がある」だけでは足りず、運用した記録が要ります。研修の出席簿や、決裁の差戻し記録を日頃から残している会社は意外に少ないです。
Q2罰金を払えば、建設業の許可はそのまま続けられますか?
続けられない可能性が高いです。建設業法違反で罰金刑を受けると、許可の欠格要件(8条)に当たり、許可の取消し(29条)の対象になります。実務のポイント:行為者本人が役員である場合、その役員一人の罰金刑が会社全体の欠格につながります。事件が起きたら、刑事弁護と並行して役員体制と許可への影響をすぐに確認するのが実務の定石です。
Q3一人親方でも、この両罰規定にひっかかることはありますか?
あります。条文の「人」は個人事業主を指し、雇った従業者や代理人が業務に関して違反をすれば、事業主本人にも各本条の罰金刑が科されます(53条)。一億円の重科は法人だけの話です。実務のポイント:応援で来てもらった職人に見積や契約を任せている場合、その人が自分の「代理人・従業者」と認定されうることを見落としがちです。
間違えやすい点 AI による整理
- 「違反したのは社員個人だから、会社は関係ない」と考えがちだが、法人と個人事業主は、従業者の違反について選任・監督上の注意を尽くしたことを示さない限り罰せられる(過失推定説、最判昭和40.3.26)。ただし、証明責任を会社側に負わせると読むかどうかについては学説の議論がある
- 罰金の額ばかりが気にされる。実際に致命的なのは、法人が建設業法違反で罰金刑を受けると許可の欠格要件(8条)に当たり、許可取消し(29条)と、刑の執行終了から5年間の再取得制限につながる点だ。100万円の罰金でも、会社の存続を揺るがしかねない
- 「一億円」は社長個人の罰金の上限だと思われることがあるが、そうではない。一億円以下が適用されるのは47条違反の場合の「法人」だけで、行為者本人や個人事業主には各本条の罰金刑がそのまま適用される。人を雇う個人事業主に一億円が科されるわけではないが、罰を免れるわけでもない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰の対象 | 53条:行為者に加え、法人・事業主(業務・財産に関する違反に限る) | 47条:違反行為をした本人 50条:違反行為をした本人 |
| 法人への罰金上限 | 47条違反は一億円以下、50条・52条違反は各本条の罰金刑 | 法人重科(一億円以下)の対象となる罪 各本条の罰金刑(法人重科なし) |
| 典型的な違反 | 従業者等による下記各罪の違反 | 無許可営業、営業停止命令違反など 虚偽申請、届出義務違反など |
| 許可への波及 | 法人が罰金刑→欠格(8条)→取消し(29条)の連鎖 | 行為者が役員なら欠格を通じて会社の許可に波及 行為者が役員なら欠格を通じて会社の許可に波及 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも行政刑法に法人併罰の規定が多く置かれるが、営造業の規律は行政罰(罰鍰)が中心で、日本のような法人重科の構造とは異なる
韓国も両罰規定を広く採用し、憲法裁判所の判断を受けて事業主が注意・監督を怠らなかった場合の免責ただし書を置く形式が一般化している
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法による法人への過料と監督義務違反の制度で対応する
米国は respondeat superior により、従業員の職務上の犯罪について法人の刑事責任を広く認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 500万円未満なら許可は不要だからと、営業担当者が工事を「450万円と120万円」の二本の契約に分けて受注した。実質一本の工事とされれば無許可営業(47条)になり、担当者と同時に会社も一億円以下の罰金の対象になる
- 営業停止処分中なのに、現場責任者が得意先からの頼みを断れず、別名義の見積書で工事を進めていた。社長は知らなかったと言う。だが、そう言うだけでは会社の罰金を止められないとしたら、次の打ち手は何になる?
- 一人親方として独立した翌月、昔の仲間を雇って現場に出した。その仲間が許可申請書類の記載をごまかしていた。法人でなくても、雇い主である「人」として罰金を科される
- 所管の行政庁から立入検査の通知が届き、検査日まであと10日しかない。過去の技術者配置の記録や変更届の控えがそろっていない。報告拒否や虚偽報告は、担当者個人の問題では済まず、会社名義の前科に直結する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無許可業者に工事を頼んで被害に遭った発注者は、契約書、見積書、名刺など、業者を特定できる資料を保存する2. 国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで許可の有無を確認する3. 許可行政庁(地方整備局または都道府県の建設業担当課)に情報提供する4. 損害賠償は刑事とは別に、民法415条・709条で請求する。従業員の行為であれば、法人に使用者責任(民法715条)も問える
訴えられた側:1. 社内調査で、違反の範囲、関与した人、期間を時系列にまとめる2. 従業者の選任や監督の実態(研修、決裁規程、点検記録)を示す資料を確保する。免責の主張はこれにかかっている3. 早い段階で刑事事件と建設業法に詳しい弁護士へ相談し、行政処分(28条、29条)と刑事手続の見通しを並行して検討する4. 再発防止策を文書化し、行政庁への説明に備える
時効(請求できる期限):公訴時効は、罰金や長期5年未満の拘禁刑にあたる罪で3年(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から起算する。法人への罰金について時効期間をどう考えるかは解釈上の論点があるため、最新の改正状況と実務の扱いを確認すること。罰金刑を受けた場合の許可の欠格期間は、刑の執行を終わった日などから5年(8条)
学説
過失推定説(判例・多数説):事業主処罰の根拠を、従業者の選任・監督上の過失の推定に求める。注意を尽くしたことを証明すれば免責される余地を残し、責任主義との調和を図る。
純過失説:事業主の過失は検察官が積極的に立証すべきとする立場。推定による証明責任の転換は無罪推定・責任主義に反するおそれがあると批判する。
無過失責任説:事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする旧来の立場。責任主義に反するとして現在は支持が少ない。
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