法人である労働組合が代表者の債務を保証することその他代表者以外の者との間において法人である労働組合と代表者との利益が相反する事項については、代表者は、代表権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
要点労働組合法 12 条の 5 は、組合と代表者の利益が相反する事項について代表者の代表権を否定し、利害関係人の請求により裁判所が特別代理人を選任すると定める。
Q · 委員長が組合に自分の借金を保証させた契約は有効なの?
代表権がないため組合に効力は及びません
労働組合法 12 条の 5 により、組合と代表者の利益が相反する事項では代表者は代表権を持ちません。委員長が自分の債務を組合に保証させる契約は、無権代理として組合に効力が及ばないのが原則です。組合員などの利害関係人は裁判所に特別代理人の選任を請求でき、その中立の代理人を介してはじめて適正な取引が可能になります。総会の承認だけでは代表権の欠缺は治りません。
組合の委員長が自分の事業の借金のために、組合名義で保証契約を結ぶ。一見ありふれた話に見えるが、この行為には法的な効力がない。労働組合法 12 条の 5 は、法人である労働組合と代表者の利益が衝突する場面で、代表者から代表権を奪う。つまり委員長は組合を代表してその契約を結ぶ権限を持たず、結ばれた保証契約は無権代理として組合に効力が及ばない。なぜこんな仕組みがあるのか。代表者が組合の財布を自分のために使う誘惑を、構造のレベルで断ち切るためだ。さらに条文は、利害関係人(組合員や取引相手など、その取引に法律上の利害を持つ人)が裁判所に請求すれば、裁判所は特別代理人(その一件だけ組合を代表する中立の人)を選任しなければならないと定める。組合員であるあなたには、代表者の自己取引を止め、中立の代理人を立てさせる申立権がある。
労働組合法 12 条の 5 は、法人である労働組合と代表者との利益が相反する事項について代表者の代表権を否定する規定である。代表者が組合に自己の債務を保証させる行為などが対象となり、利害関係人の請求に基づき裁判所が特別代理人を選任する。民法 108 条の自己契約禁止を法人の代表に及ぼした特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
団体とその代表者の利益が衝突する取引のことです。労働組合法 12 条の 5 では、代表者が組合に自分の債務を保証させる行為などが典型例で、代表者は代表権を持ちません。
利害関係人が裁判所に選任を請求します。労働組合法 12 条の 5 後段により、請求があれば裁判所は特別代理人を選任しなければなりません。多くは中立の弁護士が選ばれます。
原則無効です。利益相反のため代表者に代表権がなく、無権代理として組合に効力が及びません。特別代理人を介した手続を踏んでいなければ保証は効力を持ちません。
代理権のない者がした代理行為のことです。本人(組合)が追認しない限り効力が生じません。代表権を欠く代表者の利益相反取引も同様に扱われます。
民法 108 条は自己契約・双方代理を一般的に禁じる規定、労働組合法 12 条の 5 はそれを法人である組合の代表に及ぼし、特別代理人選任を義務づけた特則です。
履行前なら支払いや登記を差し止め、利害関係人として裁判所に特別代理人選任を請求します。履行後は無権代理を理由に組合への不効力を主張します。
行為の外形から客観的に判断されるのが基本です。代表者本人やその親族・関連会社が取引相手なら利益相反に当たる可能性が高くなります。
12 条の 5 は法人である組合が対象です。法人格のない組合には直接適用されませんが、民法 108 条の自己契約禁止が同様に働きます。
そう単純ではありません。労働組合法 12 条の 5 は代表権そのものを否定しているため、総会の承認があっても、代表者本人が組合を代表して契約を結ぶ構造は認められません。原則として特別代理人を立てる必要があります。業界裏話ヒント:実務では「総会承認さえ取れば大丈夫」という思い込みで自己取引を進める組合が少なくありません。後で争われたとき、承認の議事録は代表権の欠缺を治しません。手続の入口で特別代理人を立てたかどうかが、契約の生死を分けます
12 条の 5 は「法人である労働組合」が対象なので、法人格のない組合には直接適用されません。ただし利益相反の取引が許されないという法理自体は、民法 108 条(自己契約・双方代理の禁止)として法人格の有無を問わず働きます。業界裏話ヒント:法人化していない組合でも、代表者の自己取引は民法 108 条で無権代理扱いになり得ます。「法人じゃないから自由」ではなく、むしろ規律が曖昧な分トラブルが表面化しやすい。法人化の有無にかかわらず、代表者と団体の取引は第三者を介すのが鉄則です
裁判所が選任します。多くは弁護士などの中立な専門家が選ばれ、その一件についてだけ組合を代表します。報酬は組合の負担となるのが通常です。業界裏話ヒント:特別代理人の報酬を惜しんで手続を省くと、結局その取引が丸ごと宙に浮き、はるかに大きな損失を被ります。選任コストは、組合財産の流出リスクに対する保険と考えるべきです(最新の運用は管轄裁判所にご確認ください)
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| 規律の内容 | 労働組合法 12 条の 5:利益相反事項で代表権を否定 + 特別代理人選任 | — |
| 適用対象 | 法人である労働組合と代表者の利益相反取引 | — |
| 違反時の効果 | 代表権なし → 無権代理として組合に不効力 | — |
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