法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。
要点労働組合法 31 条は両罰規定で、従業者が業務に関し前条の違反をすると行為者に加え法人や事業主も処罰される。ただし監督過失がなければ免責される。
Q · 従業員が違反したら、会社まで罰金を払わないといけないの?
原則そう。ただし監督過失なしを証明できれば免れる
労働組合法 31 条の両罰規定により、従業者が業務に関して前条(30 条)の違反行為をしたときは、行為者本人だけでなく、その法人または個人事業主にも同じ刑が科されます。ただし最高裁(最大判昭和 32.11.27)は、この両罰規定を無過失責任ではなく過失責任と解釈し、会社が選任・監督について過失がなかったことを立証すれば免責されると判断しました。立証責任は会社側にあるため、平時のコンプライアンス記録の有無が結果を分けます。
従業員一人がやらかした違反で、なぜ会社そのものまで罰金を科されるのか。労働組合法 31 条がその答えだ。代表者、代理人、使用人その他の従業者が会社の業務に関して前条(30 条)の違反をしたとき、実際に手を動かした行為者を罰するだけでなく、その会社(法人)または事業主個人にも同じ刑を科す。これを両罰規定と呼ぶ。ここで多くの経営者が見落とすのが、最高裁が読み込んだ隠し扉だ。条文の字面は会社が自動的に連帯責任を負うように見えるが、最高裁は「会社が選任、監督について過失がなかったことを証明すれば、会社は罰を免れる」と判断した(最大判昭和 32.11.27)。つまり立証責任は会社側にあるが、逃げ道はゼロではない。日頃から従業員教育や内部統制の記録を残しているかどうかが、その一線を分ける。
両罰規定とは、従業者が法人または人の業務に関して違反行為をした場合に、現実の行為者を罰するだけでなく、その法人または事業主本人にも同一の刑罰を科す規定をいう。労働組合法 31 条はこれを定め、判例上は事業主の選任監督上の過失を推定する規定と解されている。
従業者の違反について、行為者本人だけでなく雇用する法人や事業主にも同じ刑を科す規定です。労働組合法 31 条が代表例で、組織的違反を実効的に抑止する狙いがあります。
いいえ。最高裁(最大判昭和 32.11.27)は過失責任と解釈し、会社が選任監督に過失がなかったと証明すれば免責されるとしました。問題は立証責任が会社側にある点です。
従業者の選任・監督に過失がなかったことを会社側が立証する必要があります。就業規則、コンプライアンス研修記録、内部統制の運用実績を平時から残しておくことが鍵です。
前条(30 条)の法定刑を基準に決まります。罰金のみの罪なら公訴時効は 3 年(刑訴 250 条 2 項)、起算点は違反行為が終わった時です。最新の改正状況をご確認ください。
従業者の職務行為やそれと密接に関連する行為が含まれます。純粋に私的な逸脱行為は「業務に関して」に当たらず、両罰の前提を欠く場合があります。
同意する前が分水嶺です。一度受け入れると会社の防御は終わります。監督過失なしで正式裁判を争う実益があるか、罰金額と前科の波及効果を弁護士と検討すべきです。
実際に手を動かしたのが自社の従業者なら、業務との関連性が認められる限り発注元の会社が問われる場面があります。丸投げが免責を意味するわけではありません。
公共工事の入札参加資格制限、許認可の更新審査、取引先のコンプライアンス審査で不利に働くことがあります。罰金額より波及効果のダメージが大きい場合があります。
労働組合法 31 条の両罰規定により、行為者と会社の双方が処罰対象になるからです。ただし最高裁(最大判昭和 32.11.27)は、会社が選任、監督に過失がなかったと証明すれば免責されると判断しました。業界裏話ヒント:検察は会社の過失を立証しなくてよく、会社側が「過失なし」を立証する側に回る。だから平時のコンプライアンス記録の有無が、起訴前の段階で勝負を決める。事件が起きてから作った書類は日付で見抜かれる
労働組合法 31 条で会社に有罪が確定すると、公共工事の入札参加資格制限、許認可の更新審査、取引先のコンプライアンス審査で不利に働くことがあります。罰金額そのものより、この波及効果が痛い。業界裏話ヒント:だからこそ略式命令に安易に同意せず、正式裁判で「監督過失なし」を争う実益があるか見極める弁護士は多い。目先の罰金を払って終わらせる判断が、数年後の入札で大きな機会損失を生むことがある
なります。労働組合法 31 条は「法人若しくは人」と定め、法人だけでなく個人事業主(人)も対象です。雇ったアルバイトや従業員が業務に関して前条の違反をすれば、雇い主個人が罰金を科されます。業界裏話ヒント:「うちは法人じゃないから関係ない」という思い込みが一番危ない。個人事業主こそ、雇用契約書と業務指示の記録で「監督していた」証拠を残しておくべき
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 31 条:両罰規定(行為者+法人・事業主を処罰) | — |
| 処罰の対象 | 現実の行為者+その法人または個人事業主 | — |
| 免責・防御の余地 | 法人側が選任監督の無過失を立証すれば免責(最大判昭和 32.11.27) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。