労働組合法 第31条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第31条は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第31条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し…」で始まります。
- 労働組合法第31条は第五章 罰則に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第31条の前の条は労働組合法第30条です。
- 労働組合法第31条の次の条は労働組合法第32条です。
- 労働組合法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法31条は両罰規定で、従業者が業務に関し前条の違反をすると行為者に加え法人や事業主も処罰される。ただし監督過失がなければ免責される。
Q · 従業員が違反したら、会社まで罰金を払わないといけないの?
原則そう。ただし監督過失なしを証明できれば免れる
労働組合法31条の両罰規定により、従業者が業務に関して前条(30条)の違反行為をしたときは、行為者本人だけでなく、その法人または個人事業主にも同じ刑が科されます。ただし最高裁(最大判昭和32.11.27)は、この両罰規定を無過失責任ではなく過失責任と解釈し、会社が選任・監督について過失がなかったことを立証すれば免責されると判断しました。立証責任は会社側にあるため、平時のコンプライアンス記録の有無が結果を分けます。
解説
従業員一人がやらかした違反で、なぜ会社そのものまで罰金を科されるのか。労働組合法31条がその答えだ。代表者、代理人、使用人その他の従業者が会社の業務に関して前条(30条)の違反をしたとき、実際に手を動かした行為者を罰するだけでなく、その会社(法人)または事業主個人にも同じ刑を科す。これを両罰規定と呼ぶ。ここで多くの経営者が見落とすのが、最高裁が読み込んだ隠し扉だ。条文の字面は会社が自動的に連帯責任を負うように見えるが、最高裁は「会社が選任、監督について過失がなかったことを証明すれば、会社は罰を免れる」と判断した(最大判昭和32.11.27)。つまり立証責任は会社側にあるが、逃げ道はゼロではない。日頃から従業員教育や内部統制の記録を残しているかどうかが、その一線を分ける。
法的な位置づけ
両罰規定とは、従業者が法人または人の業務に関して違反行為をした場合に、現実の行為者を罰するだけでなく、その法人または事業主本人にも同一の刑罰を科す規定をいう。労働組合法31条はこれを定め、判例上は事業主の選任監督上の過失を推定する規定と解されている。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者の違反について、行為者本人だけでなく雇用する法人や事業主にも同じ刑を科す規定です。労働組合法31条が代表例で、組織的違反を実効的に抑止する狙いがあります。
Q2両罰規定は無過失責任ですか?
いいえ。最高裁(最大判昭和32.11.27)は過失責任と解釈し、会社が選任監督に過失がなかったと証明すれば免責されるとしました。問題は立証責任が会社側にある点です。
Q3両罰規定で会社が免責されるにはどうすればいいですか?
従業者の選任・監督に過失がなかったことを会社側が立証する必要があります。就業規則、コンプライアンス研修記録、内部統制の運用実績を平時から残しておくことが鍵です。
Q4両罰規定の公訴時効は何年ですか?
前条(30条)の法定刑を基準に決まります。罰金のみの罪なら公訴時効は3年(刑訴250条2項)、起算点は違反行為が終わった時です。最新の改正状況をご確認ください。
Q5「業務に関して」とはどこまで含まれますか?
従業者の職務行為やそれと密接に関連する行為が含まれます。純粋に私的な逸脱行為は「業務に関して」に当たらず、両罰の前提を欠く場合があります。
Q6略式命令が来たら罰金を払うべきですか?
同意する前が分水嶺です。一度受け入れると会社の防御は終わります。監督過失なしで正式裁判を争う実益があるか、罰金額と前科の波及効果を弁護士と検討すべきです。
Q7下請けに任せていれば両罰規定は適用されませんか?
実際に手を動かしたのが自社の従業者なら、業務との関連性が認められる限り発注元の会社が問われる場面があります。丸投げが免責を意味するわけではありません。
Q8両罰規定で会社に前科がつくとどんな影響がありますか?
公共工事の入札参加資格制限、許認可の更新審査、取引先のコンプライアンス審査で不利に働くことがあります。罰金額より波及効果のダメージが大きい場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1従業員が勝手にやった違反なのに、なぜ会社が罰金を払うんですか?
労働組合法31条の両罰規定により、行為者と会社の双方が処罰対象になるからです。ただし最高裁(最大判昭和32.11.27)は、会社が選任、監督に過失がなかったと証明すれば免責されると判断しました。実務のポイント:検察は会社の過失を立証しなくてよく、会社側が「過失なし」を立証する側に回る。だから平時のコンプライアンス記録の有無が、起訴前の段階で勝負を決める。事件が起きてから作った書類は日付で見抜かれる
Q2会社に罰金の前科がつくと、どんな実害がありますか?
労働組合法31条で会社に有罪が確定すると、公共工事の入札参加資格制限、許認可の更新審査、取引先のコンプライアンス審査で不利に働くことがあります。罰金額そのものより、この波及効果が痛い。実務のポイント:だからこそ略式命令に安易に同意せず、正式裁判で「監督過失なし」を争う実益があるか見極める弁護士は多い。目先の罰金を払って終わらせる判断が、数年後の入札で大きな機会損失を生むことがある
Q3個人事業主でも両罰規定の対象になりますか?
なります。労働組合法31条は「法人若しくは人」と定め、法人だけでなく個人事業主(人)も対象です。雇ったアルバイトや従業員が業務に関して前条の違反をすれば、雇い主個人が罰金を科されます。実務のポイント:「うちは法人じゃないから関係ない」という思い込みが一番危ない。個人事業主こそ、雇用契約書と業務指示の記録で「監督していた」証拠を残しておくべき
間違えやすい点 AI による整理
- 「違反したのは従業員個人だから、会社は関係ない」と思っている経営者が多い。だが両罰規定は会社そのものを処罰対象にする。行為者と会社の両方が罰せられる、だから「両罰」だ
- 「会社が罰せられるなら、それは無過失責任(やったら必ず罰)だろう」という前提自体が誤り。最高裁は両罰規定を過失責任と読み替えた(最大判昭和32.11.27)。問うべきは「会社に責任があるか」ではなく「会社は監督の過失がなかったと証明できるか」だ
- 両罰規定の存在は知っていても、その立証責任が会社側にひっくり返っている深刻さを見落としている。通常の刑事裁判では検察が有罪を立証するが、両罰規定では会社が「過失なし」を証明できなければ有罪になる。この一点が会社の防御を根本から難しくする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 31条:両罰規定(行為者+法人・事業主を処罰) | 30条:本体の違反行為(行為者の処罰根拠) 28条:確定救済命令違反の罰則 |
| 処罰の対象 | 現実の行為者+その法人または個人事業主 | 違反行為をした者 確定した救済命令に従わない使用者 |
| 免責・防御の余地 | 法人側が選任監督の無過失を立証すれば免責(最大判昭和32.11.27) | 構成要件該当性・違法性阻却で争う 命令の確定の有無・不履行の有無で争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も労働法分野に両罰規定を置き、行為者のほか法人・自然人事業主にも各該条の罰金を科す。構造は日本と酷似する。
韓国の양벌규정も日本型を継受。憲法裁判所の決定を受け、事業主が相当の注意・監督を尽くした場合の免責規定を明文化する立法的修正が進んだ。
ドイツは法人自体の刑事責任を原則認めず、秩序違反法上の過料(Geldbuße)と監督義務違反(§ 130)で組織責任を捕捉する。
米国は respondeat superior の法理で、従業者が職務の範囲内で会社の利益のために行った犯罪について法人自体に刑事責任を認める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社の労務担当者が、労働委員会の調査に対して虚偽の報告をした。担当者本人が罰金を科されるのは当然として、会社にも同額の罰金通知が届く。「担当者が勝手にやったこと」では済まない。会社は選任、監督に落ち度がなかったことを自ら証明しなければならない
- もし、現場の管理職が独断で前条の違反に当たる行為をしたら、どうなる。行為者個人だけでなく、会社が両罰規定で起訴される。経営陣が知らなかったとしても、監督の過失が推定されるところから話が始まる
- 個人事業主のあなたが雇ったアルバイトが業務中に違反行為をした。両罰規定は法人だけでなく「人」、つまり個人事業主にも適用される。雇い主であるあなた自身が罰金の対象だ
- 略式命令の通知が届き、異議申立ての期限まであと14日。罰金を払って終わらせるか、正式裁判で「選任監督に過失はなかった」と争うか。ここで黙って払うと、争う道は永久に閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが行為者本人(従業員)として罰せられる立場なら。1. まず「業務に関して」行ったか否かを確認、純粋に私的な行為なら両罰の前提を欠く2. 会社の指示や黙認があったなら、その証拠(メール、指示書)を保全、量刑や会社との求償関係で効く3. 会社と利害が対立する場面では、会社の顧問弁護士に任せず自分の弁護人を立てる
訴えられた側:あなたが法人、事業主として両罰規定で問われたら。1. 最優先は「選任、監督に過失がなかった」の立証(最大判昭和32.11.27)、就業規則、研修記録、内部統制の運用実績を時系列で整理2. 行為者の行為が真に「業務に関して」なされたか、私的逸脱でないかを精査3. 略式命令に同意する前に、正式裁判で争う実益(罰金額、前科記録、取引への影響)を弁護士と試算4. 再発防止策を速やかに策定し、量刑、情状で示す
時効(請求できる期限):両罰規定の公訴時効は、前条(30条)の法定刑を基準に決まる。罰金のみの罪は公訴時効3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は違反行為が終わった時(同253条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定は事業主の選任監督上の過失を推定する規定であり、事業主は無過失を立証すれば免責される。責任主義(無過失処罰の禁止)と組織的違反の実効的抑止を両立させる解釈として、最高裁が採用し通説化している。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行労働組合法(昭和24年法律第174号)の制定に伴い、前条の違反行為について行為者のほか法人・事業主をも処罰する両罰規定として置かれた。
- 労働組合法 第30条前条、両罰規定が適用される本体の違反行為
- 労働組合法 第28条確定救済命令違反の罰則、本章の他の刑罰規定
- 刑法 第8条刑法総則の他法令への適用、両罰規定はその特則
- 労働基準法 第121条労働法分野の同型両罰規定、解釈の先例を共有
- 労働安全衛生法 第122条同型両罰規定、過失推定の解釈が共通
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