使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。
要点労働組合法 8 条は、正当な争議行為によって使用者が損害を受けても、使用者が労働組合や組合員に損害賠償を請求できないと定める。保護されるのは「正当な」争議に限られる。
Q · ストライキで会社に損害が出たら、組合や組合員は賠償しないといけないの?
正当な争議なら賠償義務はない。鍵は「正当性」一点
労働組合法 8 条により、正当な同盟罷業その他の争議行為で使用者が損害を受けても、使用者は労働組合にも組合員個人にも損害賠償を請求できません。民法 709 条・415 条の一般原則に対する特則です。ただし免責されるのは「正当な」争議に限られ、目的が労働条件の維持改善にあり、手続が法に則り、暴力や生産設備の破壊を伴わないことが条件です。正当性の線を一歩越えると保護は消え、損害がそのまま個人の責任に変わります。
工場のラインを止めた。会社は出荷が間に合わず、取引先への違約金と売上減で数千万の損失を出した。普通なら、損を出した者は賠償する。民法709条も415条もそう言っている。だが労働組合法8条は、その大原則に風穴を開ける。正当な争議行為で会社が損害を受けても、会社は労働組合にも、参加した組合員一人ひとりにも、賠償を請求できない。あなたが知るべきは、この免責が「正当なもの」という一語にすべてを賭けている点だ。目的が労働条件の維持改善にあり、手続が法に則り、暴力や生産設備の破壊を伴わない。この線の内側にいる限り、あなたは会社の損失額を恐れる必要がない。だが線の外に一歩出た瞬間、保護は消え、その損失がそのままあなた個人の借金に変わる。ストライキの勝敗より前に、この一線をどこに引くかが勝負を決めている。
労働組合法 8 条は争議行為の民事免責を定める規定であり、正当な同盟罷業その他の争議行為によって使用者が損害を被った場合に、使用者が労働組合およびその組合員に対し損害賠償を請求することを認めないものである。民法 709 条・415 条の一般原則に対する特則として、団体行動権を実質的に保障する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
正当な争議行為で会社が損害を受けても、会社が組合や組合員に賠償請求できない仕組みです。労働組合法 8 条が根拠で、団体行動権(憲法 28 条)を実質化します。
主体・目的・手続・態様の各層で審査されます。組合が主体で、目的が労働条件の維持改善にあり、手続を踏み、暴力や設備破壊を伴わないことが必要です。どれか一つ欠けると免責が消えます。
免責が外れると、指令を出した組合役員も参加した組合員個人も、民法 709 条・415 条で不法行為・債務不履行責任を問われうります。組合という盾も一緒に消えます。
いいえ。8 条が免除するのは民事の損害賠償責任だけです。刑事責任の免責は別に労働組合法 1 条 2 項が定めており、両者は対をなしています。
原則として免責されません。8 条が守るのは労働条件の維持改善を目的とする争議です。労働条件と無関係な純粋な政治ストは正当性を欠き、保護の外になります。
労働者性が認められれば、一人で加入できる合同労組(ユニオン)を通じて団体交渉や争議に加わることで保護が及びうります。会社員でなくても射程に入る場合があります。
公務員は国家公務員法・地方公務員法で争議行為自体が禁止されているため、8 条の民事免責を語る前に、そもそもストライキが違法になります。
形式は有給でも、実質が業務阻害を狙った組合行動なら争議行為と評価されます。その正当性の有無で 8 条の保護が決まり、形だけ整えても中身で判断されます。
残業拒否も、組合の指令で主張を通すために一斉に行えば争議行為になりえます(労働関係調整法7条の定義)。それが正当なら8条で会社は賠償請求できません。ただし、個人が36協定範囲内の残業を断るのと、組合戦術としての一斉拒否は別物です。業界裏話ヒント:会社は「業務命令違反」として懲戒で攻めてくることがありますが、正当な争議行為への懲戒は無効になりうる。争議か個人の職務怠慢かの線引きが勝負所です
その争議が正当である限り、労働組合法8条により会社は組合にも組合員個人にも賠償請求できません。払う義務はなく、争点は「正当性」の一点だけです。業界裏話ヒント:会社が個人に内容証明を送るのは、金を取るためではなく、心理的に脅して組合から脱退させるのが本当の狙いであることが多い。一人で動揺せず組合に共有するだけで、相手の戦術は半分崩れます
いいえ。8条が免責するのは「使用者(会社)に対する」賠償責任だけです。取引先など第三者との関係は別問題で、第三者から組合への直接の不法行為責任が一律に消えるわけではありません(民法709条)。業界裏話ヒント:実務上、第三者が組合を直接訴える例は稀で、損害は会社が被るのが通常です。会社が「第三者への賠償分も払え」と組合に求償してきても、それは正当争議による会社自身の損害の一部であり、8条の免責射程内と整理されるのが一般的です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 免責の対象 | 労組法 8 条:正当な争議行為による民事(損害賠償)責任 | — |
| 保護の前提 | 争議が「正当」であること(主体・目的・手続・態様) | — |
| 免責が外れると | 民法 709 条・415 条が復活し組合・個人に賠償責任 | — |
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