労働組合法 第1条(目的)
クイックジャンプ
- この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
- 2.刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、労働組合法第1条に定められた規定で、「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第1条(目的)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第1条の条文原文は「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代…」で始まります。
- 労働組合法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第1条の次の条は労働組合法第2条です。
- 労働組合法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法1条は団結権・団体交渉権・団体行動権の擁護を目的とし、2項で正当な組合活動に刑法35条を適用して刑事免責を認める。ただし暴力の行使は正当と解されない。
Q · 正当なストライキで会社の業務が止まっても、犯罪にならないの?
正当な争議行為なら刑法35条で免責されます
労働組合法1条2項は、刑法35条(正当行為)が組合の正当な団体交渉・争議行為に適用されると定めます。そのため正当な範囲のストライキは業務を止めても犯罪になりません。さらに労組法8条で民事の損害賠償責任も免れます。ただし但書により、いかなる場合も暴力の行使は正当な組合活動と解されず、その瞬間に免責の盾は失われます。
解説
ストライキで工場のラインを止めれば、普通なら威力業務妨害罪(刑法234条、力ずくや威圧で他人の仕事を妨げる罪)に問われてもおかしくない。だが組合員が正当な範囲でそれをやっても逮捕されない。その理由が、労働組合法のたった一条目に埋まっている。1項は「労働者が使用者と対等の立場に立つ」ことを国が後押しすると宣言し、団結・団体交渉・団体行動という三つの権利を守る枠組みを示す。そして2項が本当の武器だ。刑法35条(正当な行為は罰しないという免責規定)が、組合の正当な団体交渉や争議行為に適用されると明記している。つまり正当な範囲のストライキは、業務を止めても犯罪にならない。ただし但書がある。どんな場合でも暴力の行使は正当な組合活動とは認められない。あなたが知るべきは、ここで言う「正当」の線をどこに引くかが、保護される側と逮捕される側を分けるという一点だ。
法的な位置づけ
労働組合法1条は本法全体の目的規定であり、1項で労働者の地位向上・自主的団結の擁護・団体交渉の助成を宣言し、2項で刑法35条の正当行為規定が組合の正当な行為に適用される旨を定める。但書は、いかなる場合も暴力の行使を正当な組合活動から除外する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.組合活動を理由とする不利益を証拠化する 解雇・降格・賃下げなど組合活動を理由とする不利益を受けたら、日時・発言者・内容・文書をその場で記録・保全する。不当労働行為(労組法7条)の立証材料になる
- 2.団体交渉を書面で申し入れる 「労働組合法に基づく団体交渉の申し入れ」と明記した書面を会社に提出する。これで会社に正当な理由のない団交拒否を禁じる義務(労組法7条2号)が発生する
- 3.都道府県労働委員会に救済を申し立てる 団交拒否や不利益取扱いが続く場合、都道府県労働委員会に不当労働行為救済を申し立てる。費用は基本的にかからず、弁護士なしでも手続できる
- 4.争議行為の正当性を事前に点検する ストライキ前に、目的が労働条件の維持改善にあるか、手段が平和的説得の範囲か、暴力に当たる行為が一つもないかを点検する。暴力があれば刑事免責が崩れる
よくある質問 AI による整理
Q1労働組合法1条とは何ですか?
本法全体の目的を定める規定です。労働者の地位向上と団結の擁護を掲げ、2項で正当な組合活動への刑法35条適用(刑事免責)を明記します。
Q2争議行為の刑事免責とは何ですか?
正当な団体交渉・争議行為には刑法35条が適用され、業務を止めても威力業務妨害罪などに問われない仕組みです。労組法1条2項が根拠です。
Q3ストライキの民事免責はどの条文ですか?
労組法8条です。正当な争議行為で会社に損害が出ても、組合や組合員は損害賠償責任を負いません。1条が刑事、8条が民事の免責を担います。
Q4ピケッティングは違法ですか?
平和的な説得の範囲なら正当な争議行為として保護されます。通行を物理的に実力で阻止すると正当性の線を越え、刑事免責が外れます。
Q5ストライキ中の給料は支払われますか?
原則ノーワーク・ノーペイで、労務提供しない時間分の賃金は支払われません。免責は刑事・民事責任の話で、賃金請求権とは別問題です。
Q6不当労働行為の救済はいつまでに申し立てますか?
行為の日から1年以内です(継続する行為はその終了日から1年、労組法27条2項)。期間を過ぎると労働委員会の救済を受けられません。
Q7公務員もストライキできますか?
一般職の公務員は争議行為が禁止されています(地方公務員法37条・国家公務員法98条)。労組法1条の刑事免責は民間労働者が中心です。
Q8争議行為で暴力をふるうとどうなりますか?
1条2項但書により、いかなる場合も暴力は正当な組合活動と解されません。要求が正しくても傷害罪などが独立して成立します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは二人しかいないんですが、それでも労働組合になれますか?
なれます。労働組合法に組合員数の下限はなく、二人でも団結すれば、労組法2条の要件を満たす限り労組法上の労働組合になりえます。会社は正当な理由なく団体交渉を拒めません(7条2号)。実務のポイント:会社は「そんな少人数は組合と認めない」と言いがちですが、これは法的根拠のない牽制です。さらに社外の地域合同労組(ユニオン)に一人で加入して団体交渉を申し入れる手もある。一人でも組合の力は使える
Q2ストライキで会社の前に座り込んだら、業務妨害で捕まりますか?
正当な範囲の争議行為なら、本条2項の刑事免責で罪に問われません。平和的な説得やピケッティングは正当とされやすい。ただし通行を物理的に実力で阻止したり、設備を壊したりすれば線を越え、免責は消えます。実務のポイント:会社が「警察を呼ぶ」と脅すのは、多くが心理的牽制です。正当な争議行為への刑事告訴は、それ自体が不当労働行為と評価されるリスクを会社も抱えている。線を越えなければ、脅しに怯む必要はない(最新の判例状況をご確認ください)
Q3フリーランスや業務委託でも、団体交渉できるんですか?
できる可能性があります。労組法上の「労働者」は労基法より広く、企業に経済的に従属して働く個人事業主も含まれうると判断されています。実際、ギグワーカーの労働者性を認めた労働委員会の命令も出ています。実務のポイント:契約書が「業務委託」でも、実態として指揮命令を受け報酬で生活していれば労組法上の労働者になりうる。会社は「あなたは個人事業主だから交渉義務はない」と言いますが、それは実態判断であって契約の名目では決まらない
Q4正当な組合活動かどうかは、誰がどう決めるんですか?
最終的には裁判所や労働委員会が、目的・手段・態様を総合して判断します。目的が労働条件の維持改善にあり、手段が社会通念上相当な範囲なら正当とされます。実務のポイント:実務で正当性を分ける最大のポイントは「暴力の有無」です。1条2項但書が「いかなる場合も」暴力を排除しているため、要求の正しさとは無関係に、暴力行為があった瞬間に正当性が崩れる。逆に言えば、非暴力を徹底すれば保護の傘は広い
間違えやすい点 AI による整理
- 「ストライキは会社に迷惑をかけるから違法だ」と思っている人が多いが、実は逆。正当な争議行為は刑法35条で犯罪にならず、民事でも損害賠償責任を負わない(労組法8条)。違法になるのは正当性の線を越えたときだけだ
- 「暴力はダメ」は誰でも知っているが、その深刻度を理解している人は少ない。1条2項但書は「いかなる場合においても」暴力を正当な組合活動から排除する。要求がどれほど正しくても、一発殴った瞬間に刑事免責の盾は消え、傷害罪が独立して成立する。正当性は行為全体ではなく、線を越えた部分から崩れる
- 「自分は会社員ではなくフリーランスだから関係ない」という問いの立て方が、そもそもずれている。労組法上の「労働者」は労基法より広く、実態として企業に従属して働く個人事業主も含まれうる。自分は労働者ではないと思い込んでいること自体が、保護の外に自分を置いている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の内容 | 労組法1条:目的宣言+正当な組合活動への刑事免責(刑法35条適用) | 労組法8条:正当な争議行為への民事免責(損害賠償責任なし) 労組法7条:不当労働行為の禁止(使用者側の妨害を規制) |
| 守る相手 | 刑事責任を問われそうな組合員 | 損害賠償を請求されそうな組合・組合員 会社から不利益を受けた組合員 |
| 効果の限界 | 暴力の行使は但書で一切免責されない | 正当性を欠く争議行為は免責の対象外 救済申立ては行為から1年以内(27条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は勞資爭議處理法55条で正当な争議行為の刑事・民事免責を明文化。日本の労組法1条2項+8条に対応する構造を一条にまとめる点が特徴
韓国も正当な団体行動に刑法20条(正当行為)を適用する規定を置き、日本法と近い構造。暴力・破壊行為を免責から除く点も共通
ドイツは争議権を基本法9条3項の団結の自由から導き、争議行為法の大半を判例法(Richterrecht)が形成。明文の刑事免責規定ではなく違法性阻却の解釈で処理する
米国はワグナー法7条で団結・団体交渉を保護し、ノリス・ラガーディア法で労働争議への差止命令を制限。日本の刑事免責とは異なり差止制限が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ストライキで会社の入口に座り込み、出勤を妨げた。会社は「業務妨害だ、警察を呼ぶ」と脅してくる。だが正当な争議行為なら本条2項の刑事免責の対象で、平和的な説得やピケッティングの範囲なら罪に問えない。物理的に通行を実力で阻止すれば、そこで線を越える
- もし会社が「組合に入ったら人事評価を下げる」と言ってきたら、どうなる? それは不当労働行為(労組法7条)であり、その背景にある団結権保護の理念がこの1条にある。都道府県労働委員会に救済を申し立てられる
- 宅配のフリーランスドライバーが団体を作り、プラットフォーム企業に団体交渉を求めた。会社は「個人事業主だから交渉義務はない」と拒否。だが労組法上の労働者性は労基法より広く、従属して働く個人事業主も射程に入りうる
- 会社から「明日までにストを中止しなければ全員懲戒解雇する」と通告された。残り時間で確認すべきは、自分たちの争議行為が正当な範囲に収まっているか、暴力に当たる行為が一つもなかったか。正当なら、その解雇は無効を争える
- 同僚と二人で賃上げの団体交渉を申し入れたら「たった二人で組合と言えるのか」と一蹴された。労組法に組合員数の下限はない。二人でも団結すれば保護対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会社から組合活動を理由に不利益(解雇・降格・賃下げ)を受けたら、不当労働行為(労組法7条)の可能性が高い。日時・発言・文書をその場で記録する2. 都道府県労働委員会に救済を申し立てる。費用は基本的にかからず、弁護士なしでも手続できる3. 団体交渉を拒否されたら、申し入れの書面と拒否の事実を保全する4. 並行して不当労働行為は民事の不法行為(民法709条)としても争える。労働委員会ルートと裁判ルートのどちらが速いかを事案で選ぶ
訴えられた側:1. 争議行為で刑事告訴・逮捕された場合、まず本条2項の刑事免責を主張し、行為が正当な団体行動の範囲だったと立証する2. 正当性の判断材料は、目的(労働条件の維持改善か)、手段(平和的説得の範囲か、実力阻止に至ったか)、暴力の有無3. 但書に注意。暴力が一つでもあれば免責は崩れるので、暴力に及んだ個人と組合全体を切り分ける4. 労働事件に強い弁護士と、労働委員会の不当労働行為救済を同時並行で検討する
時効(請求できる期限):不当労働行為の救済申立ては、行為の日から1年以内(継続する行為はその終了日から1年、労組法27条2項)。刑事免責の主張自体に期間制限はないが、争議行為の刑事責任を問う公訴時効は罪名により異なる(威力業務妨害は3年、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:労組法1条2項の刑事免責は、目的の正当性と手段の相当性を満たす団体行動に及ぶ。正当性は行為全体で一律に決まるのではなく、暴力等の違法部分から崩れると解される。但書の暴力排除は絶対的な限界線である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和20年(1945年) 新設:戦後最初の労働組合法(旧法)が制定され、団結権・団体交渉権の保護枠組みが初めて法定された
- 2.昭和24年(1949年) 改正:現行労働組合法が全面改正で成立。目的規定と刑事免責(刑法35条適用)・但書の暴力排除を含む現在の1条の構造が整備された
- 労働組合法 第2条本法上の労働組合の定義と要件
- 労働組合法 第6条団体交渉を行う権限の根拠
- 労働組合法 第7条不当労働行為の禁止、目的を担保する実体規定
- 労働組合法 第8条正当な争議行為に対する民事免責
- 労働組合法 第27条不当労働行為の救済手続と申立期間
- 刑法 第35条正当行為として違法性を阻却する一般規定、本条2項が組合活動への適用を明示
- 労働関係調整法 第7条争議行為の定義と労働争議の調整手続を定める特則
- 地方公務員法 第37条職員の争議行為を禁止し団体行動権を制限する特則
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める