受講中の講座ブックマーク無料で登録

外国為替及び外国貿易法 第65条(公正取引委員会の権限)

クイックジャンプ

この法律のいかなる条項も、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の適用又は同法に基づき公正取引委員会がいかなる立場において行使する権限をも排除し、変更し、又はこれらに影響を及ぼすものと解釈してはならない。

この条文の基本情報

公正取引委員会の権限とは何ですか?

定義公正取引委員会の権限とは、外国為替及び外国貿易法第65条に定められた規定で、「この法律のいかなる条項も、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の適用又は同法に基づき公正取引委員会がいかなる立場において行…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 外国為替及び外国貿易法第65条(公正取引委員会の権限)は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
  2. 外国為替及び外国貿易法第65条の条文原文は「この法律のいかなる条項も、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の適用又は同法に基づき公正取引委員会がいかなる立場において行…」で始まります。
  3. 外国為替及び外国貿易法第65条は第八章に置かれています。
  4. 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
  5. 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 外国為替及び外国貿易法第65条の前の条は外国為替及び外国貿易法第57〜64条です。
  7. 外国為替及び外国貿易法第65条の次の条は外国為替及び外国貿易法第66条です。
  8. 外国為替及び外国貿易法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第65条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228
  • 本サイト収録外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/65

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点外為法65条は、外為法のどの条項も独占禁止法の適用や公正取引委員会の権限を排除・変更しないと定める。外為法上の許可を得ても、独禁法違反の責任は免れない。

Q · 外為法の許可や届出審査を通った取引なら、独占禁止法の問題はもう起きない?

いいえ。外為法の許可は独禁法違反を免責しません

外為法65条は、外為法のいかなる条項も独占禁止法の適用や公正取引委員会の権限を排除・変更・影響しないと解釈すべきことを定めています。対内直接投資の事前届出(外為法27条)や輸出許可(外為法48条)を得ていても、企業結合審査(独禁法10条等)やカルテル規制(独禁法3条)は別途及びます。二つの審査は目的が異なる並行手続です。

解説

経済産業省や財務省の許可は、公正取引委員会(独占禁止法を運用する独立の監視機関)に対しては何の盾にもならない。外為法65条はそう明記している。外為法の手続で役所の審査を通っても、「国が認めたのだから独禁法上も問題ない」という理屈は使えない。対内直接投資の事前届出で問題なしとされた外資による買収が、独禁法の企業結合審査(合併や買収で競争が減らないかの審査)で止まることは理屈の上で十分ありうる。輸出許可を得た商品の輸出価格を同業者と申し合わせれば、それはカルテル(事業者同士の価格や数量の申し合わせ)である。二つの法律はそれぞれ別の目で同じ取引を見ている。読み終えたあなたは、「許可が下りた」という報告を受けても、もう一つの審査が残っていないかを確かめる側に立つことになる。

法的な位置づけ

外国為替及び外国貿易法65条は、同法と独占禁止法との関係を定める解釈規定である。外為法のいかなる条項も、独占禁止法の適用または公正取引委員会の権限行使を排除し、変更し、または影響を及ぼすものと解釈してはならないとし、外為法上の規制・許可と独禁法上の競争規制が独立して並行適用されることを明確にする。

よくある質問 AI による整理

Q1外為法65条とは何ですか?

外為法と独占禁止法の関係を定める条文です。外為法のどの規定も、独禁法の適用や公正取引委員会の権限を狭めないと解釈すべきことを定めています。

Q2外為法の事前届出と独禁法の企業結合届出は両方必要ですか?

要件を満たせば両方必要です。外為法の対内直接投資届出と独禁法の株式取得届出は根拠も窓口も別で、一方の完了は他方を代替しません。

Q3輸出許可を得た商品の価格を同業者と揃えると違法?

違法となりえます。輸出許可は外為法上の適法性を示すだけで、同業者間の価格の申し合わせは不当な取引制限(独禁法3条)に当たりえます。

Q4行政指導に従ったカルテルは違法になりますか?

原則として違法になりえます。石油カルテル刑事事件で最高裁は、適法な行政指導への協力の範囲を超えた価格協定を独禁法違反としました。

Q5外為法の審査と独禁法の審査はどちらが先ですか?

法律上の先後関係はなく、並行して進みます。実務では両方の待機期間を同じ工程表に載せ、クロージング日を逆算して管理します。

Q6公正取引委員会は外為法の許可を覆せますか?

外為法の許可自体を取り消す権限はありませんが、同じ取引を独禁法の観点から審査し、排除措置命令や課徴金納付命令を出すことはできます。

Q7外資による買収は独禁法の対象になりますか?

なります。買収者が外国企業でも、国内市場の競争に影響する株式取得等は独禁法の企業結合規制の対象で、外為法の届出とは別に審査されます。

Q8外為法65条に違反するとどうなりますか?

本条は義務規定ではなく解釈規定なので、本条自体への違反や罰則はありません。問題になるのは独禁法違反そのもので、その制裁は独禁法に従います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1外為法の審査に通った買収なら、公取委はもう何も言ってこないですよね?

言ってくる可能性は残ります。外為法65条は、外為法のいかなる条項も公正取引委員会の権限に影響しないと定めています。企業結合審査は独禁法10条等に基づく別手続です。実務のポイント:実務では外為法の審査期間と独禁法の待機期間を別々に数えて、クロージングが遅れる案件が珍しくない。最初の工程表で二本を並べるだけで防げる

Q2役所に言われて業界で出荷を調整したら、違反になるんですか?

なりうる。石油カルテル刑事事件(最判昭和59.2.24)で最高裁は、行政指導を背景にした価格協定を独禁法違反と判断した。適法な行政指導に従い協力する範囲なら違法性が否定される余地も示したが、その枠を超えた申し合わせは違法とされた。実務のポイント:指導の内容を文書でもらい、事業者同士で数字を決めず各社が個別に役所へ回答する形にするのが、実務上の防御線になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 政府が審査して許可を出した取引なら、他の役所も文句は言えないと考えがちである。実際は逆で、65条は外為法のどの条項も公正取引委員会の権限を排除し、変更し、影響を与えるものと解釈してはならないと明言している。許可は外為法上の適法性を示すにとどまる
  • 「独禁法は大企業の話」と思っている人は、深刻度を見誤っている。カルテルには売上額に一定率を掛けた課徴金が課され、悪質な場合は刑事罰(独禁法89条)の対象にもなる。さらに被害を受けた取引先は、排除措置命令等の確定後、無過失損害賠償(独禁法25条)を請求できる。規模の小さい会社ほど一撃で経営が傾く
  • 経営陣は「どちらの役所の審査が厳しいか」を問いがちだが、問いの立て方がずれている。二つの審査は目的が違う。外為法は国の安全や対外取引の均衡を、独禁法は市場の競争を守る。片方で有利な事情が、もう片方では不利な事情になることすらある
比較の観点この条文ほかの条文
規定の性格外為法65条:独禁法との関係を定める解釈規定外為法27条:対内直接投資等の事前届出・審査
外為法48条:輸出の許可
守る利益市場競争秩序(独禁法の権限を縮めない)国の安全・公の秩序等
国際的な平和・安全の維持等
手続を通過した場合の効果外為法上の許可・受理は独禁法上の適法性を意味しない外為法上は投資の実行が可能になる
外為法上は輸出が可能になる

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
公平交易法第46条

台湾は競争に関する行為について公平交易法の優先適用を定め、他の法律の特則は同法の立法趣旨に反しない限りで認める。独禁法の優位を確保する点で本条と発想が近い

韓国
독점규제 및 공정거래에 관한 법률 제116조

韓国は他法令に基づく正当な行為に独占規制法を適用しない規定を置く。本条とは逆に適用除外の枠を定める設計で、対照として有用

アメリカ
Webb-Pomerene Act(15 U.S.C. §§ 61-66)

米国は輸出組合に一定の反トラスト法適用除外を認める。日本の本条が外為法による独禁法の後退を否定するのとは対照的なアプローチ

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 海外ファンドが国内の部品メーカーを買収する。外為法の事前届出は審査期間を経て無事クリア。社内では祝杯ムードだが、合算した国内売上高が独禁法の届出基準を超えていれば、公正取引委員会への届出と待機期間が別に走る。片方だけ見ていた担当者は、クロージング日を守れない
  • 輸出規制の強化で、同じ品目を扱う国内メーカー数社が経済産業省の説明会に集まった。帰りの喫茶店で「海外向け価格はこのラインで揃えよう」と一言。許可制度の話をしていたつもりが、その瞬間に不当な取引制限(価格カルテル)の入口に立っている
  • もし役所の担当者から業界全体での出荷調整を求められたら、応じれば安全か? 行政指導に従っただけという弁明は、独禁法の前では原則として通らない。石油カルテル刑事事件(最判昭和59.2.24)で最高裁は価格協定を違法とした
  • 公正取引委員会の立入検査が明朝あると弁護士から連絡が入った。社内には「経産省の了解済み」と書かれたメールが残っている。今夜できるのは、それを免罪符と思い込まず、課徴金減免制度(リニエンシー)の申請順位を争うかどうかを決めることだ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 取引先や競合が「国の許可済み」を盾に価格や数量を揃えていると感じたら、見積書、メール、業界会合の資料を日付入りで保存する2. 公正取引委員会へ申告する(独禁法45条、匿名でも可能) 3. 排除措置命令等が確定すれば、無過失損害賠償請求(独禁法25条)の道が開ける4. 民法709条による請求と並行できるか、弁護士と比較検討する

訴えられた側:1. 「経産省の了解済み」「行政指導に従った」は原則として抗弁にならない前提で動く2. 社内のメール、会合記録を保全し、証拠隠滅と誤解される削除は絶対にしない3. カルテルの疑いがあれば、課徴金減免制度(リニエンシー)は申請順位で減免幅が変わるため、弁護士と即日判断する4. M&A であれば、外為法と独禁法の届出状況を一覧化し、未了の手続を洗い出す

時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。独禁法違反の課徴金納付命令は、違反行為の終了から7年を経過すると命じられない(令和元年(2019年)改正で5年から延長、最新の改正状況をご確認ください)。無過失損害賠償請求権(独禁法25条)は排除措置命令等の確定日から3年で消滅する(独禁法26条)

学説

通説:外為法65条は独禁法の一般法的地位を確認する解釈規定であり、外為法上の許可・届出受理は独禁法上の違法性を阻却しない。外為法による取引管理と独禁法による競争秩序の維持は、目的を異にする並行規制と理解される

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和24年(1949年) 新設:外国為替及び外国貿易管理法(昭和24年法律第228号)として法律全体が制定された(本条の当初の位置・文言は要確認)
  2. 2.平成9年(1997年) 改正:法律全体の改正により題名が「外国為替及び外国貿易法」に改められ、対外取引の原則自由化が進んだ(平成10年施行)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

外国為替及び外国貿易法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›