外国為替及び外国貿易法 第52条(輸入の承認)
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外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。
この条文の基本情報
輸入の承認とは何ですか?
定義輸入の承認とは、外国為替及び外国貿易法第52条に定められた規定で、「外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 外国為替及び外国貿易法第52条(輸入の承認)は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
- 外国為替及び外国貿易法第52条の条文原文は「外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又…」で始まります。
- 外国為替及び外国貿易法第52条は第六章に置かれています。
- 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
- 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 外国為替及び外国貿易法第52条の前の条は外国為替及び外国貿易法第51条です。
- 外国為替及び外国貿易法第52条の次の条は外国為替及び外国貿易法第53条です。
- 外国為替及び外国貿易法第52条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第52条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228 - 本サイト収録
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第52条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/52
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点外国為替及び外国貿易法第52条は、条約履行や国際平和、経済制裁の閣議決定の実施などのため、政令で定める貨物の輸入者に輸入承認を受ける義務を課すことができると定める規定。
Q · 海外から物を輸入するのに、国の承認がいるのはどんなとき?
政令と輸入公表が指定する品目・原産地に当たるとき
外国為替及び外国貿易法第52条により、政府は条約の履行や国際平和への寄与、経済制裁の閣議決定の実施などの目的で、特定の貨物の輸入に承認義務を課すことができます。具体的な対象は輸入貿易管理令と経済産業省の告示「輸入公表」で、品目と原産地・船積地域の組み合わせで指定されます。ワシントン条約の対象品、輸入割当の対象となる水産物、制裁対象国の原産品などが典型です。個人輸入でも対象品目なら承認が必要になる場合があります。
解説
日本の輸入は原則として自由である。ただ、その自由には一文だけの例外がある。第52条は、貿易と経済の健全な発展、条約の誠実な履行、国際平和への寄与、そして第10条第1項の閣議決定(北朝鮮やロシアへの経済制裁など)のいずれかを理由に、政府が政令で「この貨物は承認なしに輸入してはならない」と指定できると定める。実際の品目は輸入貿易管理令と、経済産業省の告示「輸入公表」に並んでいる。ワシントン条約対象の動植物とその製品、割当制の水産物、制裁対象国の原産品などが含まれる。見落とされやすいのは、この義務が商社だけでなく、個人輸入をする人や副業で EC 物販をする人にも同じように及ぶという点だ。税関で止められてから「知らなかった」と言っても通らない。発注する前に、輸入公表でその品目と原産地を確認しておけば、没収、刑事罰、最長1年の輸入禁止処分という三つのリスクを入口で避けられる。
法的な位置づけ
外国為替及び外国貿易法第52条は、輸入承認制度の根拠規定である。外国貿易と国民経済の健全な発展、国際約束の誠実な履行、国際平和への寄与、同法第10条第1項の閣議決定の実施という四つの目的のいずれかのため、政令の定めるところにより、貨物を輸入しようとする者に輸入の承認を受ける義務を課すことができる旨を定める。
手順
- 1.品目の HS コードと原産地を特定する 輸入予定の貨物について、HS コード(関税分類番号)と原産地・船積地域を特定する。素材(ワニ革、象牙など)や加工地も確認し、サプライヤーから書面で情報を取っておく
- 2.輸入公表で承認の要否を確認する 経済産業省の輸入公表で、特定した品目と原産地の組み合わせが輸入割当・輸入承認・事前確認・通関時確認のいずれかに該当するかを確認する。制裁関連の追加措置も同時に確認する
- 3.契約に承認取得を条件とする条項を入れる 承認が必要な場合、発注書や売買契約に「輸入承認の取得を停止条件とする」旨を入れ、承認が得られないときは代金を支払わない構造にしておく
- 4.輸入承認(または割当)を申請する 経済産業省の定める手続に従い、電子申請などで輸入承認を申請する。輸入割当の対象品目は、公表された受付期間内に割当申請を済ませてから承認申請に進む
- 5.通関時に承認を証明する 輸入申告の際に、輸入承認を受けていることを税関に証明する。食品衛生法や植物防疫法など他法令の手続が必要なものは、それらも揃えてから申告する
よくある質問 AI による整理
Q1輸入承認とは何ですか?
外為法52条に基づき、特定の貨物を輸入する前に経済産業大臣の承認を受ける制度です。対象品目は輸入貿易管理令と輸入公表で指定されます。
Q2輸入承認と税関の輸入許可の違いは?
輸入承認は外為法52条に基づく経済産業大臣の承認、輸入許可は関税法に基づく税関長の許可です。承認が必要な貨物は、承認を得たことを税関で証明しなければ許可されません。
Q3個人輸入でも輸入承認は必要ですか?
品目によっては必要です。旅行者の携帯品などには特例がありますが、ワシントン条約の対象品など特例から外れる品目もあり、個人用かどうかでは決まりません。
Q4輸入割当(IQ)とは何ですか?
一部の水産物などについて、輸入できる数量をあらかじめ割り当てる制度です。割当を受けたうえで輸入承認を得る二段階の手続になり、申請には受付期間があります。
Q5北朝鮮産の商品は輸入できますか?
外為法10条の閣議決定に基づく対応措置として、北朝鮮を原産地・船積地域とする貨物の輸入は承認制とされ、承認は原則として下りない運用です。最新の措置は経済産業省で確認してください。
Q6ロシア産の商品の輸入は規制されていますか?
制裁の閣議決定に基づき、一部のロシア原産品は輸入承認の対象とされています。対象品目は追加されることがあるため、発注前に輸入公表で品目と原産地を確認してください。
Q7ワシントン条約の対象品を輸入するには?
輸出国の管理当局が発給する CITES 許可書などが必要で、品目によっては外為法52条の事前確認や承認も求められます。書類がなければ通関できません。
Q8輸入承認が必要か事前に調べる方法は?
経済産業省の輸入公表で、HS コードと原産地・船積地域の組み合わせを確認します。判断に迷う場合は経済産業省の貿易管理窓口や税関の事前照会を利用できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外旅行のお土産で買ったものも、承認がいることがあるんですか?
あります。輸入貿易管理令は旅行者の携帯品などについて承認を不要とする特例を設けているが、ワシントン条約の対象品などは特例から外れる。ワニ、トカゲ、ヘビの革製品、象牙、一部の漢方薬原料などが典型だ。実務のポイント:同じワニ革でも、輸出国の CITES 許可書が付いていれば通関できる場合がある。有名ブランドの正規店ではこの書類を用意していることが多いので、買うときに「CITES の書類はありますか」と聞いておくとよい
Q2承認なしで輸入しちゃったら、どのくらい重い罰になりますか?
外国為替及び外国貿易法の罰則規定により、拘禁刑または罰金の対象になる。罰金は貨物価格に連動して引き上げられる仕組みがある。さらに第53条に基づき、経済産業大臣は最長1年の輸入禁止を命じられる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:事業者にとって本当に怖いのは罰金ではなく、この輸入禁止処分だ。1年間一切の輸入ができなければ、取引先を失う。刑事手続より先に行政処分の聴聞に備えるべきだ
Q3どの商品が規制されているか、どこで調べればいいですか?
第52条自体は品目を定めていない。具体的な品目は輸入貿易管理令と、経済産業省の告示「輸入公表」に掲載されている。制裁関連は閣議決定のたびに追加される。実務のポイント:輸入公表は品目だけでなく「原産地・船積地域」の組み合わせで規制している。同じ商品でも、どの国から来るかで承認の要否が変わる。HS コードと原産地を必ずセットで調べること
間違えやすい点 AI による整理
- 「個人で使う分なら規制は関係ない」と思っている人は多い。旅行者の携帯品などには承認を不要とする特例があるのは事実だが、ワシントン条約の対象品など、特例から外れる品目がある。自分用かどうかではなく、品目と原産地で決まる
- 無承認輸入のリスクを「税関で没収されて終わり」と軽く見がちだが、それは入口にすぎない。刑事罰(拘禁刑または罰金、貨物価格に連動して罰金が上がる規定もある)の対象になり、そのうえ経済産業大臣が最長1年、その者の輸入そのものを禁じる行政制裁を科せる。事業者にとっては後者が致命的だ(最新の改正状況をご確認ください)
- 「この商品は輸入していいか」と問う前に、問いを分けたほうがよい。第52条の承認、関税法上の輸入禁制品、食品衛生法や植物防疫法の検査は別々の関所で、一つを通っても他を通れる保証はない。税関はそのすべてが揃っているかを確認する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 外為法52条:貨物の輸入 | 外為法48条:特定地域・特定貨物の輸出 外為法10条:閣議決定による対応措置の発動 |
| 規制の形式 | 輸入の承認(政令で義務を課す) | 輸出の許可(国際的な平和及び安全の維持の観点が中心) 閣議決定で措置の実施を決め、52条・48条等を通じて具体化 |
| 発動の目的 | 貿易・経済の健全な発展、条約履行、国際平和への寄与、10条閣議決定の実施 | 国際的な平和及び安全の維持など 我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるとき |
| 違反時の行政制裁 | 53条により最長1年の輸入禁止等 | 53条により一定期間の輸出禁止等 直接の制裁規定ではなく、実施規定の違反として処理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も貨品の輸出入を原則自由とし、条約・国防・治安・生態保護等を理由に制限できる構造。特定国との貿易制限は第5条が別に定める
韓国も輸出入の制限・禁止を政令と告示(輸出入公告)に委ねる二段構えで、日本の輸入公表と近い仕組み
ドイツは原則自由を前提に、安全保障や対外利益の保護のため制限を課せる。輸入の共通規則や制裁は EU 規則が大きな比重を占める
米国は大統領の緊急経済権限法に基づき、国家緊急事態の宣言を経て特定国からの輸入を規制する。制裁の実施は OFAC が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- タイの市場でワニ革の財布を3万円で買って帰国した。羽田の税関で呼び止められ、ワシントン条約の対象品だと告げられる。輸出国の許可書もなく、事前の手続もしていない。その場で任意放棄の書類にサインするしかなかった
- 副業の EC 物販で、仕入れ値の安いロシア産の木製品をまとめて発注した。制裁措置の輸入規制対象品目が含まれていれば、輸入承認は下りない前提で考えるべきだ。代金を先払いしていたら、貨物は日本に入れず、お金も戻らないかもしれない
- あなたが商社の担当者で、割当制の水産物を扱っているとしよう。割当の申請は年度ごとに期間が決まっていて、締切を1日過ぎれば、その期は輸入できない。締切まであと5日。上司はまだ書類を見ていない
- 海外のサプライヤーが「日本向けに何度も出荷しているから問題ない」と言ってきたら、それを信じてよいのか? 輸入の承認義務を負うのは輸入者であるあなたで、相手の出荷実績は何の保証にもならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無承認を理由に貨物が税関で止まったら、まず理由が第52条の承認なのか、関税法上の禁制品なのか、他法令の検査なのかを税関に書面で確認する2. 承認が取得できる品目なら、経済産業省(または所管の窓口)に事後の申請が可能か問い合わせる3. 売主が規制を知っていながら告げなかった場合は、契約不適合責任や損害賠償の請求を検討し、やり取りの記録を保存しておく4. 任意放棄の書類には、内容を理解してからサインする
訴えられた側:1. 無承認輸入が発覚したら、関連書類(インボイス、発注記録、輸入公表の確認記録)をすぐに保全する2. 故意がなかったこと、事後の是正措置、再発防止体制を示す資料を用意し、早い段階で貿易管理に詳しい弁護士へ相談する3. 事業者の場合、行政制裁の輸入禁止期間が事業に直結するので、社内の輸入管理規程(品目チェック手順)の整備を急ぎ、聴聞の場で示せるようにする4. 自主的な申告は処分の判断で考慮されうる
時効(請求できる期限):第52条の違反に対する罰則(法定刑の長期が5年未満)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、輸入行為の時から起算する。輸入割当の申請には公表された受付期間があり、期間外の申請は受理されない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正 第10条の対応措置(閣議決定による独自の経済制裁)の新設に合わせて、「第十条第一項の閣議決定を実施するため」が承認義務の目的に加えられたとされる。改正の範囲と経緯は人の手による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:外国為替及び外国貿易管理法として制定。当時は対外取引を原則禁止とし、管理を前提とする体系の中で輸入の承認制が置かれた
- 2.昭和54年(1979年) 改正:対外取引を原則禁止から原則自由へ転換する大改正。輸入承認は必要最小限の管理の手段として位置づけ直された
- 3.平成9年(1997年) 改正:外国為替業務の自由化に伴い、題名から「管理」が削除され、外国為替及び外国貿易法に改称(1998年施行)
- 4.平成16年(2004年) 改正:第10条の対応措置(閣議決定による独自の経済制裁)の新設に合わせ、同条第1項の閣議決定の実施が承認義務の目的に加えられたとされる
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