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外国為替及び外国貿易法 第10条

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  1. 我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、対応措置(この項の規定による閣議決定に基づき主務大臣により行われる第十六条第一項、第二十一条第一項、第二十三条第四項、第二十四条第一項、第二十五条第六項、第四十八条第三項及び第五十二条の規定による措置をいう。)を講ずべきことを決定することができる。
  2. 2.政府は、前項の閣議決定に基づき同項の対応措置を講じた場合には、当該対応措置を講じた日から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置を講じたことについて国会の承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならない。
  3. 3.政府は、前項の場合において不承認の議決があつたときは、速やかに、当該対応措置を終了させなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 外国為替及び外国貿易法第10条は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
  2. 外国為替及び外国貿易法第10条の条文原文は「我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、対応措置(この項の規定による閣議決定に基づき主務大臣により行われる第十六条第一項、第二十一条…」で始まります。
  3. 外国為替及び外国貿易法第10条は第二章に置かれています。
  4. 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
  5. 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 外国為替及び外国貿易法第10条の前の条は外国為替及び外国貿易法第9条です。
  7. 外国為替及び外国貿易法第10条の次の条は外国為替及び外国貿易法第11〜15条です。
  8. 外国為替及び外国貿易法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第10条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228
  • 本サイト収録外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点外為法10条は、我が国の平和と安全の維持に特に必要なとき、閣議決定で送金・投資・輸出入の規制を発動できると定める。措置後20日以内に国会承認を求める必要がある。

Q · 日本は国連決議がなくても、独自に経済制裁を発動できるの?

できる。外為法10条により閣議決定で発動し、事後に国会承認を得る

外為法10条1項により、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、国連決議や他国との合意がなくても、閣議決定で対応措置(16条1項の支払規制、21条1項の資本取引規制、48条3項の輸出承認、52条の輸入承認など)を講じることができます。政府は措置を講じた日から20日以内に国会承認を求める義務があり(2項)、不承認の議決があれば速やかに終了させなければなりません(3項)。

解説

日本の港に北朝鮮産の品物が一つも並ばないのは、国連の決議だけで決まったことではない。日本政府が独自の判断で「取引を止める」と決めたからだ。その根拠が外為法10条である。我が国の平和と安全を守るために特に必要なときは、国連決議や他国との合意がなくても、閣議決定(首相と全大臣が集まる会議での正式な決定)によって、送金の制限(16条)、資本取引の許可制(21条)、輸出の承認制(48条3項)、輸入の承認制(52条)などをまとめて発動できる。ここで見落とされがちなのが第2項だ。政府は措置を講じた日から20日以内に国会の承認を求めなければならず、不承認の議決があれば速やかに措置を終わらせなければならない。つまり制裁は内閣の独断でいつまでも続けられるものではなく、国会の関与を受けるスイッチでもある。あなたの会社が海外の取引先と送金や物品のやり取りをしているなら、ある日の閣議決定で、昨日まで合法だった取引が今日から無承認輸出(許可を取らずにした輸出)になりうる。この仕組みを知っているかどうかで、情勢が緊迫したときに打つ手の速さが変わる

法的な位置づけ

外国為替及び外国貿易法第10条は、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要がある場合に、閣議決定に基づき主務大臣が支払、資本取引、対外直接投資、役務取引、輸出及び輸入に関する規制措置を講じることを認める規定である。措置後20日以内の国会承認と、不承認時の速やかな終了を義務づけ、独自制裁の発動権限とその事後的な民主的統制を併せて定める。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.閣議決定と告示の内容を確認 独自制裁の閣議決定が報じられたら、財務省・経済産業省の告示や公表資料で、対象国・対象者・品目・取引類型(送金、資本取引、輸出、輸入)と発動日を確認する
  2. 2.自社取引の影響範囲を洗い出す 取引先リスト、仕向地・原産地、最終需要者、送金予定を照合し、発動日以降に実行予定の取引のうち対象となるものを特定する。第三国経由の取引も実質的な仕向先で確認する
  3. 3.対象取引を停止し取引先へ通知 対象となる取引の実行を止め、取引先に履行できない旨を書面で通知する。契約書の不可抗力条項に法令変更が含まれるかを確認する
  4. 4.必要な取引は事前に許可・承認を申請 どうしても必要な取引は、実行前に所管省庁へ相談し、許可・承認を申請する。相談記録は社内で保存し、コンプライアンス体制の証拠とする
  5. 5.国会承認と措置の延長・終了を追跡 措置後20日以内の国会付議と承認の可否、その後の延長の閣議決定を追跡し、社内の取引制限リストを更新し続ける

よくある質問 AI による整理

Q1外為法10条とは何ですか?

我が国の平和と安全のため特に必要なとき、閣議決定で送金・資本取引・輸出入などの規制を一括して発動できるとする規定です。いわゆる日本独自制裁の根拠条文です。

Q2日本独自の経済制裁は何を根拠に発動される?

我が国の平和及び安全の維持を理由とする場合は外為法10条の閣議決定が根拠です。国際約束の履行や国際平和への寄与を理由とする措置は、16条などを直接使う別ルートです。

Q3独自制裁の国会承認はいつまで?

措置を講じた日から20日以内に国会に付議して承認を求めます。国会閉会中や衆議院解散中は、その後最初に召集される国会で速やかに承認を求めます。

Q4国会が不承認にしたら制裁はどうなる?

政府は速やかに措置を終了させなければなりません(10条3項)。ただし遡って無効になるわけではなく、それまでの無承認取引の違法性は残ると解されます。

Q5閣議決定で規制できる取引の範囲は?

支払等(16条1項)、資本取引(21条1項)、対外直接投資(23条4項)、特定資本取引(24条1項)、役務取引等(25条6項)、輸出(48条3項)、輸入(52条)です。

Q6制裁対象国との取引は違法?

対応措置が発動された後に、許可・承認を得ずに対象の取引をすれば外為法違反です。措置の発動前に完了した取引は処罰されません。

Q7制裁違反をしたらどんな処分を受ける?

刑事罰のほか、経済産業大臣による一定期間の輸出入禁止などの行政制裁(外為法53条)を受けることがあります。処分を受けるのは日本国内の事業者です。

Q8個人の海外送金も独自制裁の対象になる?

なり得ます。10条に基づき16条1項の支払規制が発動されれば、特定の国や人物への送金は金額にかかわらず許可制となる場合があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1国会が承認しなかったら、それまでの取引制限はなかったことになるんですか?

なりません。第3項は不承認の議決があったとき「速やかに終了させる」と定めているだけで、さかのぼって無効にするとは書いていません。承認を待つ間も措置は有効で、その間の無承認取引は違反のままです。実務のポイント:実務では「国会で覆るかもしれない」と賭けて取引を続けるのが最悪の選択で、措置がこれまで国会で否決された例は見当たりません

Q2第三国の会社に売っただけなのに、なぜ制裁違反になるんですか?

10条に基づく輸出承認制(48条3項)は、形式上の仕向地ではなく、実質的に制裁対象国へ届くかどうかを問題にするからです。最終需要者が対象国だと知りながら第三国経由で送れば、迂回輸出として違反を問われえます。実務のポイント:摘発の起点は、取引量が不自然に大きい、代金が相場とかけ離れている、支払人が第三者になっている、といった書類上の違和感であることが多い

Q3ロシア制裁も、この10条を使っているんですか?

主にそうではありません。ロシアに対する措置の多くは、主要国と足並みをそろえる「国際平和のための国際的な努力への寄与」を根拠に、16条などを直接使って発動されています。10条は「我が国の平和及び安全」を理由にした単独発動のルートで、国会承認が必要になる点が違います。実務のポイント:根拠条文によって国会承認の要否が違うので、どちらのルートの措置なのかは告示の冒頭で見分けられる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「経済制裁は国連決議がないと発動できない」と思われがちだが、逆である。外為法には国際的な約束の履行や国際平和への寄与を理由とする措置の根拠もあるが、10条はそれとは別の「我が国の平和及び安全の維持」だけを理由にした単独発動のルートだ。北朝鮮に対する全面的な輸出入禁止のような日本独自の措置は、この条文を足場にしている
  • 国会承認の規定は知っていても、その重みを軽く見ている人が多い。第3項は不承認なら「速やかに」終了させると定めており、国会の議決がいわば緊急停止ボタンになっている。逆に言えば、承認を得た措置は民主的な正統性まで得ることになり、延長のたびに承認を積み重ねる運用が、措置が長く続く理由の一つになっている
  • 企業から見れば「政府が相手国を罰しているだけ」に見えるが、法律から見れば、規制を受けるのは日本国内で取引をするあなたの側である。相手国に罰則は及ばない。承認なしに取引すれば、刑事罰と、経済産業大臣による一定期間の輸出入禁止処分(外為法53条)を受けるのは日本の事業者だ。この落差を知らない中小企業が、真っ先に摘発される
比較の観点この条文ほかの条文
発動の理由10条:我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるとき16条1項等の直接発動:条約等の国際約束の誠実な履行、国際平和のための国際的な努力への寄与
53条:違反者個人・法人への行政制裁
決定主体閣議決定に基づき主務大臣が措置主務大臣が直接措置
経済産業大臣
国会の関与措置後20日以内に国会承認が必要、不承認なら速やかに終了国会承認は不要
国会承認は不要
規制を受ける者対象取引を行う日本国内の事業者・個人対象取引を行う日本国内の事業者・個人
無承認輸出入などの違反をした事業者

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
貿易法第5条

国家安全を目的に、主務官庁が関係機関と共同で行政院の核定を得て、特定国・地域との貿易を禁止または管制できる。立法院による事後承認の仕組みは日本ほど明示されていない

韓国
대외무역법 제5조

産業通商資源部長官が、国際平和や安全保障などを理由に輸出入の制限・禁止措置をとれる。国会の事後承認は要件とされていない

ドイツ
AWG § 4

公共の安全や対外関係を守るため、法規命令で対外取引を制限できる。制裁の多くは EU 規則によるため、国内独自措置の余地は限られる

アメリカ
IEEPA, 50 U.S.C. § 1701 ff.

大統領が国家緊急事態を宣言して取引規制を発動する。国家緊急事態法に基づく議会の審査・終了手続があり、行政先行・議会事後統制の構造が日本と近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 中国の商社から「日本製の中古重機を大連まで送ってほしい、最終的な行き先は聞かないでくれ」と頼まれたら、どうなる? 仕向地が中国でも、実質的な最終需要者が制裁対象国なら、10条に基づく措置の迂回として外為法違反に問われうる。第三国を経由した迂回輸出で経営者が逮捕された事例は、実際に報道されている
  • あなたは輸入雑貨店の仕入れ担当。安く手に入った海産物の原産地証明を詳しく見なかった。後から、原産地が制裁対象国と疑われる品だったと判明する。承認を受けていない輸入として、税関と経済産業省から事情を聞かれるのはあなたの会社だ
  • 閣議決定のニュースが朝9時に流れた。取引先への送金は午後3時に予定している。残された時間は6時間。その送金が新しい措置の対象になるのかどうか、財務省の告示と自社の送金銀行の案内を確かめないうちに実行してはいけない
  • 友人が「国会が承認しなかったら制裁はすぐ終わるんでしょ、だったら待てばいい」と言ってきた。承認を求めるまでの20日間も、措置はすでに効力を持っている。待っている間の取引は違反になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 閣議決定が報じられたら、経済産業省と財務省が出す告示・公表資料で対象の国・品目・取引の種類を確認する2. 自社の既存契約のうち影響を受けるものを洗い出し、取引先に履行できない旨を書面で通知する。契約書の不可抗力条項に法令変更が含まれているかを確かめる3. どうしても必要な取引は、事前に承認申請や当局への相談をする4. 不許可などの処分に不服があるなら、審査請求や取消訴訟の期限を管理する

訴えられた側:1. 税関や経済産業省から事情聴取の連絡を受けたら、すぐに弁護士へ相談する。独断で書類を修正・廃棄してはいけない2. 取引の経緯、原産地・仕向地の確認記録、社内審査の記録を時系列で整理する3. 措置が発動された日と取引した日の前後関係を特定する。措置の発動前の行為は処罰されない4. 自主申告や再発防止策の提出が、刑事処分と行政制裁(53条の輸出入禁止)の重さに影響することがある

時効(請求できる期限):政府には、措置を講じた日から20日以内に国会承認を求める義務がある(国会閉会中や衆議院解散中は、その後最初に召集される国会で速やかに)。事業者向けの特定の時効はないが、不許可などの行政処分に対する審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)が原則(最新の改正状況をご確認ください)

学説

一般的な理解:10条は、国際約束や国際協調を前提としない単独措置の発動根拠であり、国民の経済活動の自由を広く制約するため、国会の事後承認という民主的統制を組み込んでいると理解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)改正 議員立法による改正で、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときに、閣議決定で単独の対応措置を講じ、事後に国会承認を求める仕組みが設けられたとされる。条文の新設か全部改正かの区別と、その後の改正の有無は人の手で検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:議員立法による外為法改正により、我が国の平和及び安全の維持のため閣議決定で対応措置を講じ、事後に国会承認を求める仕組みが設けられたとされる(公布日と条文の変遷は e-Gov の改正履歴で要確認)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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