受講中の講座ブックマーク無料で登録

外国為替及び外国貿易法 第9条(取引等の非常停止)

クイックジャンプ
  1. 主務大臣は、国際経済の事情に急激な変化があつた場合において、緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、政令で定める期間内において、この法律の適用を受ける取引、行為又は支払等の停止を命ずることができる。
  2. 2.前項の規定により命ずる停止は、その停止の時までにこの法律により認められている支払を不可能とするものではなく、その停止による支払の遅延は、政令で定める期間内に限られるものとする。

この条文の基本情報

取引等の非常停止とは何ですか?

定義取引等の非常停止とは、外国為替及び外国貿易法第9条に定められた規定で、「主務大臣は、国際経済の事情に急激な変化があつた場合において、緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、政令で定める期間内において、この法律の適用…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 外国為替及び外国貿易法第9条(取引等の非常停止)は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
  2. 外国為替及び外国貿易法第9条の条文原文は「主務大臣は、国際経済の事情に急激な変化があつた場合において、緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、政令で定める期間内において、この法律の適用…」で始まります。
  3. 外国為替及び外国貿易法第9条は第一章 総則に置かれています。
  4. 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
  5. 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 外国為替及び外国貿易法第9条の前の条は外国為替及び外国貿易法第8条です。
  7. 外国為替及び外国貿易法第9条の次の条は外国為替及び外国貿易法第10条です。
  8. 外国為替及び外国貿易法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第9条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228
  • 本サイト収録外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/9

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点外為法9条は、国際経済の急変で緊急の必要があるとき、主務大臣が政令で定める期間内に取引・支払等の停止を命じられると定める。既に認められた支払は遅延にとどまる。

Q · 外為法の取引停止命令が出たら、予定していた海外送金は消えてしまうの?

消えない。認められていた支払は期間内の遅延にとどまる

外国為替及び外国貿易法9条1項により、主務大臣は国際経済の急変時に、政令で定める期間内に限り取引・行為・支払等の停止を命ずることができます。ただし同条2項は、停止の時までに同法で認められていた支払を不可能とするものではないと定め、支払の遅延も政令で定める期間内に限っています。したがって、停止時点で契約・許可・支払指図が整っていたことを記録で示せるかが、遅延で済むかどうかの分かれ目になります。

解説

日本の国境を越えるお金とモノの流れには、非常用の遮断スイッチが一つ付いている。外為法9条である。国際経済の事情に急激な変化があり、緊急の必要があると主務大臣(取引を所管する大臣、例:財務大臣や経済産業大臣)が判断したとき、政令で定める期間に限り、この法律の対象となる取引・行為・支払等の停止を命じることができる。対象には海外送金、外国との資本取引、輸出入などが含まれる。平時は原則自由化されている外為取引が、一片の命令で止まりうるということだ。ただし2項に重要な歯止めがある。停止の時点ですでにこの法律上認められていた支払を「不可能」にはできず、許されるのは政令で定める期間内の「遅延」だけである。つまり、あなたが海外と取引しているなら問うべきは「止まるかどうか」ではない。「止まった時点で、自分の支払はすでに認められていた側にいるか」である。停止前に契約・許可・支払指図を済ませたことを証拠で示せるかどうかで、同じ停止命令でも受けるダメージが大きく変わる。

法的な位置づけ

外国為替及び外国貿易法第9条は取引等の非常停止を定める規定であり、国際経済の急激な変化に際し緊急の必要があるとき、主務大臣が政令の定めにより、政令で定める期間内に限って同法の適用対象である取引・行為・支払等の停止を命ずる権限を付与する。停止時までに認められていた支払は不可能とされず、遅延にとどまる。

よくある質問 AI による整理

Q1外為法9条とは?

国際経済の急激な変化で緊急の必要があるとき、主務大臣が政令で定める期間内に限り、外為法の対象となる取引・行為・支払等の停止を命じられる規定です。

Q2外為法の取引停止命令が出たら海外送金はできる?

停止期間中は原則として実行できません。ただし停止時までに外為法上認められていた支払は不可能とはされず、政令で定める期間内の遅延にとどまります。

Q3外為法の取引停止はいつまで続く?

停止期間も支払遅延が許される期間も、発動時の政令で定められます。条文は無期限の停止を認めておらず、期間を区切ることが前提です。

Q4外為法の停止命令は輸出入にも及ぶ?

対象は「この法律の適用を受ける取引、行為又は支払等」であり、外為法が規律する貿易取引も文言上含まれえます。具体的な範囲は発動時の政令で決まります。

Q5外為法の停止命令はどこで確認できる?

停止は政令で定める形をとるため、官報で公布されます。あわせて財務省・経済産業省の公表資料や取引銀行からの案内で、対象取引と期間を確認します。

Q6外為法9条の発動に国会の承認は必要?

本条の文言上、国会の承認は要件とされていません。期間は政令で定めるため内閣が関与します。これに対し、同法10条の閣議決定による対応措置には国会承認の手続が置かれています。

Q7外為法の取引停止は憲法違反にならない?

営業の自由(憲法22条)や財産権(29条)への制約となりますが、期間の限定と、既に認められた支払を消さない2項の歯止めにより、一時的な制約にとどまるよう設計されています。

Q8外為法の停止で個人の仕送りも止まる?

留学中の家族への仕送りなど個人の海外送金も、外為法上の支払に当たるため停止の対象となりえます。対象範囲は政令次第なので、銀行窓口で確認が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1これって実際に使われたことあるんですか?

外為法9条による全面的な取引停止が発動された例は、一般には知られていない。ロシア関連などの経済制裁は、支払の許可制(16条)や資本取引の許可制(21条)、閣議決定による対応措置(10条)など別の条文で行われてきた。実務のポイント:制裁実務で本当に効くのは9条より16条などの個別許可制である。自社の取引先が資産凍結の対象リストに載っていないか、定期的に照合する体制のほうが先に必要になる

Q2止められた送金のせいで取引先に違約金を払うことになったら、国に請求できますか?

9条は停止命令による損失の補償を定めておらず、国に損失補償を求めるのは難しいと考えられる。実務では、取引先との契約の不可抗力条項で損失の負担を振り分けることになる。実務のポイント:不可抗力条項に「政府の命令」とだけ書かれていても、外国法を準拠法とする契約では解釈が争われる余地がある。「為替管理措置、取引・支払の停止命令」まで具体的に書き込んでおくと、争われる余地がかなり小さくなる

Q3停止命令の前日に振り込み依頼を出していたら、どうなりますか?

2項により、停止時点までに外為法上認められていた支払は不可能にはならず、政令で定める期間内の遅延にとどまる。ただし「依頼を出した」ことが「認められていた支払」に当たるかは、取引類型と許可の要否によって変わる。実務のポイント:銀行の受付記録や支払指図書のタイムスタンプが、そのまま証拠になる。ネットバンキングの受付完了画面はスクリーンショットで保存しておく

間違えやすい点 AI による整理

  • 「外為法の緊急停止が出たら、送るはずだった支払は全部無効になる」と考えるのは誤りである。2項は、停止時点までにこの法律で認められていた支払を不可能にしないと明記している。起きるのは政令で定める期間内の遅延であり、支払そのものが消えるわけではない
  • 問いの立て方そのものがずれていることが多い。「この条文は実際に発動されるのか」ばかりが気にされるが、発動例が知られていないからといって、契約上のリスクがゼロになるわけではない。取引先との契約に国の命令による遅延をどう扱うかを書いていなければ、発動されたときの損失を誰が負うかは交渉と訴訟で決まることになる
  • 企業の側から見れば、停止命令は「国が勝手に止めたこと」である。だが海外の取引先から見れば「日本の会社が払わなかったこと」にすぎない。準拠法が外国法の契約だと、日本の停止命令が免責事由として当然に認められるとは限らない。この見え方の差が、違約金請求という形で跳ね返ってくる
比較の観点この条文ほかの条文
発動の要件外為法9条:国際経済の事情の急激な変化+緊急の必要外為法10条:我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるとの閣議決定
外為法16条:条約等の誠実な履行、国際平和への寄与などのため必要なとき
措置の形対象取引・行為・支払等の一律停止(政令で定める期間内)閣議決定に基づき16条等の許可制などの対応措置を講じる
特定の支払等について事前の許可を義務付ける
既存取引への配慮停止時までに認められていた支払は不可能とされず、遅延のみ(2項)講じる措置の内容による
許可を得た支払等は実行可能
実務で目にする場面全面的な発動例は一般に知られていない非常用の規定特定国への制裁措置の根拠として用いられてきた
資産凍結など経済制裁の実務で中心となる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
管理外匯條例 第19條之1

突発的な重大事件や国内外の経済失調の際に、行政院が外匯市場の閉鎖や外匯支払の停止・制限を決定できる。日本の9条と同じく危機時の非常措置だが、発動主体は内閣レベルに置かれている

韓国
외국환거래법 제6조

天災・戦時や国内外の経済情勢の重大かつ急激な変化の際に、企画財政部長官が外国為替取引を一時停止できる。日本の9条と構造がよく似ている

ドイツ
Außenwirtschaftsgesetz(AWG)§ 4

安全保障や対外関係の保護を理由に、法規命令で対外取引を制限できる。資本移動についてはEU法の枠組みが上位にあり、単独で停止できる範囲は日本より狭い

アメリカ
IEEPA, 50 U.S.C. § 1701 ff.

大統領が国家緊急事態を宣言したうえで、外国との取引や支払を規制・禁止できる。発動例は多く、経済制裁の中核を担う点で日本の9条とは運用実態が大きく異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 海外の仕入先に明日3万ドルを送金する予定だった。今朝、為替市場が大混乱し、取引停止の命令が出たと銀行から連絡が来た。代金は消えるのか、それとも遅れるだけなのか? 答えは2項にある。停止時点ですでに認められていた支払なら、政令で定める期間の遅延にとどまる
  • あなたの会社が輸出契約の納期違反で海外の取引先から違約金を請求された。原因は国による取引停止命令だ。契約書に不可抗力条項があり、そこに「政府の命令」が含まれているかどうかで結論が変わる
  • 停止期間の終わりまであと5日。遅れていた支払をいつ実行できるのか、取引先へ説明する文書を今週中に出さなければ信用を失う
  • 取引停止命令が出ているのに、経理担当が「前から決まっていた送金だから」と独断で海外送金を実行してしまった。命令違反を疑われる側になったとき、送金がいつ、どういう根拠で認められていたかを示す記録がすべてになる
  • 留学中の子どもへ仕送りしようとしたが、銀行の窓口で手続が止まった。何が起きているのか分からない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 停止命令が出たら、まず官報と財務省・経済産業省の公表で、対象の取引類型と停止期間を定める政令を確認する2. 自社の各取引について、停止時点で契約・許可・支払指図がどこまで進んでいたかを記録で固める。2項の保護が及ぶかどうかの分かれ目になる3. 取引先には命令の根拠と見込み期間を文書で通知し、不可抗力条項を援用する4. 取引銀行に遅延後の実行手順を確認する

訴えられた側:1. 命令違反を疑われたら、送金・取引の実行日時と、それが停止時点ですでに認められていたことを示す証拠(契約書、許可書、銀行への指図記録)をそろえる2. 独断で実行した担当者がいれば社内調査で経緯を確定させる3. 当局からの照会には、国際取引・外為法に詳しい弁護士を通じて一貫した説明で回答する。罰則の有無と内容は最新の改正状況をご確認ください

時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。停止そのものの期間と支払遅延が許される期間は、いずれも発動時の政令で定められる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成9年(1997年) 改正:法律全体の改正により、題名を「外国為替及び外国貿易管理法」から現在の「外国為替及び外国貿易法」に改め、外為取引の原則自由化を進めた(1998年4月施行)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

外国為替及び外国貿易法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›