生活保護法 第55条の10(子どもの進路選択支援事業等)
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- 保護の実施機関は、次に掲げる事業を実施することができる。
- 一被保護者である子どもの進路選択における教育、就労及び生活習慣に関する問題につき、訪問その他の適当な方法により当該子ども及び当該子どもの保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言をし、並びに関係機関との連絡調整を行う事業(以下「子どもの進路選択支援事業」という。)
- 二雇用による就業が著しく困難な被保護者に対し、厚生労働省令で定める期間にわたり、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業(以下「被保護者就労準備支援事業」という。)
- 三被保護者に対し、収入、支出その他家計の状況を適切に把握すること及び家計の改善の意欲を高めることを支援する事業(以下「被保護者家計改善支援事業」という。)
- 四居住の安定を図るための支援が必要な被保護者に対し、厚生労働省令で定める期間にわたり、訪問による必要な情報の提供及び助言その他の現在の住居において日常生活を営むのに必要な便宜として厚生労働省令で定める便宜を供与する事業(以下「被保護者地域居住支援事業」という。)
- 2.第五十五条の七第二項及び第三項の規定は、前項各号に掲げる事業を行う場合について準用する。
この条文の基本情報
子どもの進路選択支援事業等とは何ですか?
定義子どもの進路選択支援事業等とは、生活保護法第55条の10に定められた規定で、「保護の実施機関は、次に掲げる事業を実施することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第55条の10(子どもの進路選択支援事業等)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第55条の10の条文原文は「保護の実施機関は、次に掲げる事業を実施することができる。」で始まります。
- 生活保護法第55条の10は第九章 被保護者就労支援事業等に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第55条の10の前の条は生活保護法第55条の9です。
- 生活保護法第55条の10の次の条は生活保護法第55条の11です。
- 生活保護法第55条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第55条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第55条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/55_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法55条の10は、保護の実施機関が子どもの進路選択・就労準備・家計改善・地域居住の四つの支援事業を実施できると定める。実施は任意で自治体により異なる。
Q · 生活保護を受けていると、子どもの進路や家計の相談に乗ってもらえるの?
法定の支援事業だが任意実施で、自治体ごとに有無が違う
生活保護法55条の10により、保護の実施機関は、子どもの進路選択支援、就労準備支援、家計改善支援、地域居住支援の四つの事業を実施することができます。ただし「実施することができる」という任意規定のため、実施するかどうかは自治体の判断です。お住まいの自治体で実施されているかは、担当ケースワーカーに事業名を挙げて確認するのが確実です。委託先の職員にも守秘義務があります(同条2項、55条の7第3項準用)。
解説
福祉事務所の仕事を「保護費を渡して終わり」と見ているなら、地図の半分しか見えていない。本条によって、保護の実施機関(あなたの世帯を担当する福祉事務所)は四つの支援事業を行えるようになった。子どもの進路相談、すぐには働けない人向けの就労準備訓練、家計を見える化する支援、そして今の住まいで暮らし続けるための訪問支援である。ただし条文の言葉は「実施することができる」であり、義務ではない。そのため、住んでいる自治体によって実施している事業とそうでない事業がある。待っていても案内が来ないことはあり得る。知っている世帯は、自分から「この事業、うちの市ではやっていますか」と聞く。高校二年の子の進学費用、家賃滞納が迫る家計、施設を出てアパートで始めたばかりの一人暮らし。どれも、一人で抱えなくてよい問題として条文に書き込まれている。事業が民間に委託されても、委託先の職員には守秘義務がかかる(2項が55条の7第3項を準用)。相談した内容が外へ漏れる経路も、法律の上ではふさがれている。
法的な位置づけ
生活保護法第55条の10は、保護の実施機関が被保護者に対して任意に実施できる四つの自立支援事業を定める規定である。対象は、子どもの進路選択に関する相談・助言・連絡調整、雇用による就業が著しく困難な者への訓練、家計状況の把握と改善意欲の支援、現在の住居で日常生活を営むための便宜の供与である。
よくある質問 AI による整理
Q1子どもの進路選択支援事業とは?
生活保護世帯の子どもと保護者に対し、訪問などで進学・就労・生活習慣の相談に応じ、情報提供・助言や関係機関との連絡調整を行う事業です(生活保護法55条の10第1項1号)。
Q2被保護者就労準備支援事業とは何ですか?
雇用による就業が著しく困難な被保護者に、厚生労働省令で定める期間、就労に必要な知識・能力を高める訓練を行う事業です。生活リズムづくりなど就労の手前から支援します。
Q3被保護者家計改善支援事業 何をする?
収入・支出など家計の状況を適切に把握すること、家計改善の意欲を高めることを支援する事業です。家計表の作成などを一緒に進める伴走型の支援が中心です。
Q4被保護者地域居住支援事業とは?
居住の安定に支援が必要な被保護者に、訪問による情報提供・助言など、現在の住居で日常生活を営むのに必要な便宜を省令で定める期間供与する事業です。
Q5生活保護の支援事業 どこに申し込む?
実施主体は保護の実施機関なので、担当の福祉事務所(ケースワーカー)に申し出ます。事業が民間に委託されている場合も、窓口は通常福祉事務所です。
Q6生活保護 支援事業 全国どこでも受けられる?
受けられるとは限りません。本条は「実施することができる」と定める任意規定で、実施の有無や内容は自治体ごとに異なります。事前に実施状況を確認する必要があります。
Q7委託先の支援員に相談した内容は漏れない?
本条2項が55条の7第3項を準用し、委託を受けた者の役職員等に守秘義務を課しています。相談内容を正当な理由なく漏らすことは法律上禁じられています。
Q8生活保護 家計改善支援 義務?
義務ではありません。本条は実施機関が事業を行えることを定めるだけで、被保護者に参加を義務付ける規定は置かれていません。利用するかは本人が選べます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生活保護だと大学には行けないって本当ですか?
行けないわけではない。実務上、大学等に進学すると本人は世帯分離され、保護の対象から外れる扱いになる。その代わり、進学準備給付金(55条の5)があり、本条の子どもの進路選択支援事業で情報提供も受けられる。実務のポイント:世帯分離しても、残った家族の住宅扶助を減らさない取扱いが設けられている(最新の実施要領をご確認ください)。これを知らずに進学をあきらめる家庭がある
Q2就労準備支援を断ったら、保護を止められますか?
本条は事業を実施できると定めるだけで、参加を義務付けてはいない。保護の停止・廃止の根拠は62条であり、生活保護法施行規則19条により、書面による指導指示に従わなかった場合に限られる。実務のポイント:口頭での「行ってください」は、書面の指示ではない。求められたら、それが支援の案内なのか書面による指示なのかをその場で確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「支援を断ったら保護を切られるのでは」という心配は、問いの立て方がずれている。本条は事業を実施できると定めるだけで、被保護者に参加を義務付けてはいない。保護の停止・廃止は27条の指導指示と62条の軌道の話であり、支援事業への参加とは別の仕組みである
- 受給者から見れば「ケースワーカーが何も言わないのは、そんな支援はないから」となる。法律から見ると事情は違い、「実施することができる」という任意の事業なので、やるかどうかは自治体が決め、案内の有無も担当者によってまちまちになる。黙って待つ側だけが取り残される構造になっている
- 家計改善支援という名前から、浪費を叱られる場だと身構える人は多い。条文が掲げる目的は、家計の状況を「適切に把握すること」と「改善の意欲を高めること」への支援である。中心にあるのは、家計表を一緒に作る伴走である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 事業の内容 | 55条の10:進路選択・就労準備・家計改善・地域居住の四事業 | 55条の7:被保護者就労支援事業(就労に関する相談・情報提供・助言) 55条の5:進学準備給付金(進学時の一時金の支給) |
| 実施の性質 | 「実施することができる」任意事業 | 「実施するものとする」とされる事業 要件を満たす者への金銭給付 |
| 主な対象者 | 被保護者である子ども・保護者、就業が著しく困難な者、家計・居住に支援が必要な者 | 就労の支援を要する被保護者 大学等に進学する被保護者世帯の子ども |
| 委託・守秘義務 | 55条の7第2項・第3項を準用 | 本条2項・3項が準用元 規定なし(給付の支給) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も低所得世帯の就業支援や貧困脱却措置を法定しているが、具体的な事業設計は地方政府に委ねられる部分が大きい
韓国は自活給付として就労能力のある受給者への自活支援を給付の一種として位置付ける
ドイツは社会扶助における相談・支援を法定し、就労可能な者には求職者基礎保障で就労統合支援を行う二本立て
米国の TANF は就労要件と結び付いた支援が中心で、参加を義務としない日本の本条とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 「うちは生活保護だから、大学は無理だよね?」高校二年の娘にそう聞かれ、母親は返事ができなかった。こういうときに使うのが子どもの進路選択支援事業である。支援員が家庭を訪問し、進学準備給付金(55条の5)、奨学金、進学した場合に世帯の扱いがどう変わるかを、親と子の両方に説明できる
- あなたは福祉事務所のケースワーカーである。担当している世帯の家賃滞納が二か月目に入った。あと一か月放置すれば、大家から明渡しの話が出かねない。叱って終わるのではなく、被保護者家計改善支援事業や被保護者地域居住支援事業につなげられるかが、あなたの腕の見せどころになる
- 十年近く働いていない。いきなりハローワークに行けと言われても、体が動かない。被保護者就労準備支援事業は、その手前の生活リズムを整えるところから始める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担当ケースワーカーに、四つの事業のうちどれを自分の自治体が実施しているか確認し、日付と担当者名をメモしておく2. 子どもの進学は高校一、二年で相談を始め、進学準備給付金(55条の5)、奨学金、進学後の世帯の扱いを一度に並べて説明してもらう3. 家賃や公共料金の滞納が始まる前に、家計改善支援か地域居住支援を申し出る4. 事業が未実施なら、地域の学習支援 NPO や社会福祉協議会など、代わりに使える窓口を尋ねる
訴えられた側:1. 実施機関や委託先の職員は、委託先が厚生労働省令で定める者に当たるかを確認する(2項で55条の7第2項を準用) 2. 委託先の役職員には守秘義務がかかる(同第3項を準用)。記録の管理体制を整える3. 支援への参加を保護継続の条件であるかのように伝えない。27条の指導指示と支援事業を混同すると、紛争の火種になる4. 支援の経過は日付と内容を記録しておく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。実務上の期限としては、子どもの進路支援は奨学金の予約採用(通例は高校三年の春に開始)に間に合う時期までに相談を始める必要がある
改正沿革 AI による整理
- 令和6年(2024年)改正(要確認) 生活困窮者自立支援法等の一部改正により、それまで予算事業として行われていた子どもの進路支援・就労準備・家計改善・居住支援を法定事業として位置付けたとされる。条番号、施行日、新設か改正かの区別は人的検証が必要
- 生活保護法 第55条の7委託と守秘義務の準用元
- 生活保護法 第55条の5進学準備給付金、進路支援と一体運用
- 生活保護法 第27条の2要保護者からの相談と助言の一般規定
- 生活保護法 第62条指示違反時の停止廃止、支援事業とは別軌道
- 生活困窮者自立支援法 第7条困窮者向け就労準備・家計支援の並行制度(現行効力を要確認)
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