生活保護法 第80条(返還の免除)
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保護の実施機関は、保護の変更、廃止又は停止に伴い、前渡した保護金品の全部又は一部を返還させるべき場合において、これを消費し、又は喪失した被保護者に、やむを得ない事由があると認めるときは、これを返還させないことができる。
この条文の基本情報
返還の免除とは何ですか?
定義返還の免除とは、生活保護法第80条に定められた規定で、「保護の実施機関は、保護の変更、廃止又は停止に伴い、前渡した保護金品の全部又は一部を返還させるべき場合において、これを消費し、又は喪失した被保護者に、やむを得ない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第80条(返還の免除)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第80条の条文原文は「保護の実施機関は、保護の変更、廃止又は停止に伴い、前渡した保護金品の全部又は一部を返還させるべき場合において、これを消費し、又は喪失した被保護者に、やむを得ない…」で始まります。
- 生活保護法第80条は第十二章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第80条の前の条は生活保護法第79条です。
- 生活保護法第80条の次の条は生活保護法第80条の2です。
- 生活保護法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法80条は、保護の変更・廃止・停止で前渡しの保護金品を返還させるべき場合でも、消費・喪失にやむを得ない事由があれば、実施機関が返還を免除できると定める。
Q · 保護が月の途中で廃止されたら、もう使ってしまった保護費も返さないといけないの?
やむを得ない事由があれば返還免除の余地がある
生活保護費は原則1か月分以内が前渡しされるため(生活保護法31条2項)、月の途中で保護が変更・停止・廃止されると、その後の部分が返還の対象になりえます。ただし同法80条により、保護金品を消費または喪失したことにやむを得ない事由があると実施機関が認めれば、返還させないことができます。免除は裁量によるため、使い道と理由を裏付け資料とともに自分から説明することが重要です。
解説
生活保護費は月初にまとめて振り込まれる。つまりあなたの手元にあるのは「これから一か月分の生活費」を先払いで受け取ったお金である(生活保護法31条2項、原則1か月分以内の前渡し)。月の途中で就職が決まった、入院した、転居したとなれば、保護は変更・停止・廃止され、残りの日数分は「もらいすぎ」として返還の対象になりうる。ところが、そのお金はとっくに家賃や食費に消えていることが多い。財布が空っぽになった後に返還を求められる不安、ここを受け止めるのが80条である。保護の実施機関(福祉事務所を置く自治体の長など)は、受給者が前渡しの保護金品を使い切ったり失ったりしたことに「やむを得ない事由」があると認めれば、返還させないことができる。見落とせないのは「できる」という書き方だ。自動的に免除されるわけではなく、役所の判断(裁量)に委ねられている。だから、何も言わなければ返還の話だけが淡々と進む。いつ、何に使ったのか、なぜ使わざるを得なかったのかを自分から具体的に説明した人だけが、この条文の存在を実際に使える
法的な位置づけ
生活保護法80条は前渡し保護金品の返還免除を定める規定であり、保護の変更・廃止・停止に伴い返還させるべき保護金品について、被保護者がこれを消費または喪失したことにやむを得ない事由があると保護の実施機関が認める場合に、返還させないことができる旨を定める。免除の可否は実施機関の裁量に属する。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護法80条とは何ですか?
前渡しされた保護費を使い切ったり失ったりしたことにやむを得ない事由があるとき、実施機関が返還を免除できると定めた規定です。
Q2生活保護 廃止 前渡し分 返還 いつまで?
80条自体に期限はありません。ただし返還決定に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求をする必要があります。
Q3生活保護費を盗まれたら返還は免除される?
盗難は「喪失」の典型で、やむを得ない事由として主張しやすい類型です。被害届の受理番号など、裏付け資料を必ず確保してください。
Q4生活保護の返還免除は自動的に受けられる?
受けられません。80条は「返還させないことができる」という裁量規定のため、使い道と理由を自分から説明し、検討を求める必要があります。
Q5生活保護 返還免除 申請書の書き方は?
その月の保護費の使い道を日付・金額ごとに書き出し、使わざるを得なかった理由を記載し、レシートや振込記録を添付して提出します。
Q6受給者が亡くなった場合、遺族が返還する必要はある?
廃止に伴い前渡し分の返還が問題になることがあります。葬儀前の支払いなどで消費していれば、80条の免除を求める余地があります。
Q7生活保護 返還決定 不服申立ての方法は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求します。裁決に不服があれば厚生労働大臣への再審査請求や取消訴訟も検討できます。
Q8生活保護 返還 分割にできる?
免除されない場合でも、生活状況に応じて分割返済を相談できることがあります。ただし誓約書へのサイン前に80条の検討の有無を確認しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1月の途中で就職したら、その月の保護費って全部返さなきゃダメなんですか?
全額返還が当然というわけではない。保護費は原則1か月分以内を前渡しする(生活保護法31条2項)ため、変更・廃止の後に当たる部分が返還の対象になりうる。さらに、すでに使い切っていることにやむを得ない事由があれば、80条で返還を免除される余地がある。実務のポイント:実際には「翌月以降の支給で調整」「63条で返還決定」など自治体ごとに処理が違う。自分がどの枠組みで返還を求められているのかを最初に確認すると、話の筋が見えてくる
Q2「やむを得ない事由」って具体的にどんなことが認められるんですか?
法律に一覧があるわけではなく、実施機関が個別に判断する(80条)。盗難・災害による紛失や、廃止を知る前に家賃・医療費など生活に欠かせない支出に充てた場合は、主張しやすい類型である。実務のポイント:判断の決め手になるのは「理由」よりも「裏付け」である。同じ家賃の支払いでも、振込記録がある人とない人では結論が変わりうる。支出の記録を月単位で残しておくことが、最も安上がりな備えになる
Q3もう返還の誓約書にサインしちゃったんですけど、今からでも何とかなりますか?
返還決定という処分に対しては、知った日の翌日から3か月以内なら審査請求ができる(行政不服審査法18条)。期間内なら、80条の検討がされていないことを理由に争う道は残る。実務のポイント:期間が過ぎていても、返済が生活を圧迫しているなら、返済額の減額や猶予を相談する余地はある。黙って払い続けるより、支援団体経由で交渉した方が条件が緩むことは珍しくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「月の途中で働き始めたら、その月の保護費を全額返さなければならない」と思い込んでいる人が多い。実際に返還の対象になりうるのは、変更・停止・廃止の後に当たる部分であり、そこから80条の免除が検討される余地もある。そもそも全額返還が当然という話ではない
- 免除の規定があることを知っている人でも、その「重さ」は見落としがちである。80条は「返還させないことができる」という裁量規定であり、申し出も説明もしなければ、福祉事務所が自分から理由を探してくれる保証はない。規定があることと実際に使えることの間には、あなたの説明というすき間がある
- 受給者から見れば「生活費として普通に使っただけ」でも、制度の側から見れば「前渡しされた保護金品を消費した」という事実が残るだけで、その使い道が「やむを得ない」かどうかは別に審査される。レシートも経緯のメモもなければ、同じ支出でも免除されにくくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 生活保護法80条:保護の変更・廃止・停止に伴う前渡し保護金品の返還 | 生活保護法63条:資力があるにもかかわらず保護を受けた場合の費用返還 生活保護法78条:不実の申請その他不正な手段による保護の費用徴収 |
| 受給者の帰責性 | 問わない(制度上の前渡しの結果として生じる) | 不正の意図は要件ではない(資力の存在が問題) 不正な手段による受給が前提 |
| 減免の手がかり | 消費・喪失にやむを得ない事由があれば返還させないことができる(裁量) | 返還額は実施機関が定める額(受けた保護金品に相当する金額の範囲内) 本条のような免除規定はなく、80条の検討と混同しない |
他国ではどう定めているか 2 か国
韓国も給付の変更・中止に伴う過払い分の返還を命じつつ、すでに消費した場合など、やむを得ない事由があるときは返還を免除できる構造を持つ
米国の SSI では、受給者に過失がなく、回収が制度の目的を損なう場合などに過払い金の回収を免除(waiver)できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 月初に7万円の生活扶助を受け取り、家賃の滞納分と子どもの給食費を払った。10日後に派遣の仕事が決まり、ケースワーカーから「今月分は日割りで返してもらう」と言われる。手元に残っているのは8千円。ここで黙って分割返済の書類にサインするか、80条の免除を検討してほしいと申し出るか。その一言で、この先の数か月の生活が変わる
- もし保護費を下ろした帰り道にひったくりに遭い、同じ月に入院で保護が停止されたら、どうなる? 盗難は典型的な「喪失」にあたる。ただし、被害届の受理番号がなければ「やむを得ない」と証明する手段がほとんどない
- あなたは福祉事務所の新任ケースワーカー。廃止決定を出した世帯の前渡し分を機械的に返還請求しようとしたら、係長から「80条の検討記録は残したか」と聞かれた。免除するかどうかを判断した経緯を書面に残していないと、審査請求(役所の判断に対する不服申立て)で説明がつかなくなる
- 一人暮らしの父親が月の半ばに亡くなり、保護が廃止された。父親の口座の保護費は葬儀前の支払いで消えている。遺族のもとに返還の通知が来たら、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求をするかどうか決める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保護の変更・停止・廃止の連絡を受けたら、その月に受け取った保護費の使い道をすぐ書き出す(家賃、光熱費、医療、滞納分の支払いなど) 2. レシート、振込記録、盗難の被害届の受理番号など、使い切ったことや失ったことの裏付けを集める3. 「やむを得ない事由」の説明書を作って福祉事務所に提出し、80条による返還免除を検討してほしいと書面で求める4. 返還決定が出たら、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事への審査請求を検討する。法テラスや生活保護に詳しい支援団体に相談するのも一つの手
訴えられた側:(実施機関の立場から)1. 前渡し分の返還を決める前に、被保護者の消費・喪失の経緯と「やむを得ない事由」の有無を聴き取る2. 免除する場合もしない場合も、判断の理由を記録に残す。審査請求や訴訟でまず問われるのはこの記録である3. 不正受給が疑われる事案は78条の徴収という別の枠組みで扱い、80条の検討と混同しない4. 返還させる場合も、世帯の自立を妨げない返済方法を一緒に検討する
時効(請求できる期限):80条そのものに特定の期限はない。ただし返還決定などの処分に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)。裁決にも不服があれば、厚生労働大臣への再審査請求(生活保護法66条)や取消訴訟を検討する(取消訴訟は審査請求の裁決を経ることが前提、同法69条)。自治体の返還金債権の消滅時効は、一般に地方自治法236条により5年とされる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定。前渡し保護金品の返還について、やむを得ない事由がある場合に実施機関が返還させないことができる旨を定めた
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