国籍法 第2条(出生による国籍の取得)
クイックジャンプ
- 子は、次の場合には、日本国民とする。
- 一出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
- 二出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
- 三日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
この条文の基本情報
出生による国籍の取得とは何ですか?
定義出生による国籍の取得とは、国籍法第2条に定められた規定で、「子は、次の場合には、日本国民とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国籍法第2条(出生による国籍の取得)は、日本の国籍法に含まれる条文です。
- 国籍法第2条の条文原文は「子は、次の場合には、日本国民とする。」で始まります。
- 国籍法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 国籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国籍法第2条の前の条は国籍法第1条です。
- 国籍法第2条の次の条は国籍法第3条です。
- 国籍法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000147 - 本サイト収録
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000147/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国籍法2条により、出生の時に父又は母が日本国民なら子は日本国民となる。親子関係は法律上のものに限られ、日本で生まれ父母が不明又は無国籍の場合も日本国民となる。
Q · 親のどちらかが日本人なら、子どもは自動的に日本国籍になるの?
出生時に法律上の父か母が日本国民なら日本国籍を取得する
国籍法2条1号により、出生の時に父又は母が日本国民であれば、子は生まれた時から日本国民となります。ここでいう親子関係は法律上のものです。婚姻していない日本人の父の場合、出生前に胎児認知をしていなければ2条は使えず、出生後の認知による3条の届出(18歳未満)という別ルートになります。また国外で生まれ外国籍も取得した子は、生後3か月以内に国籍留保の届出をしないと、出生時にさかのぼって日本国籍を失います(12条)。
解説
日本の国籍は、どこで生まれたかではなく、誰から生まれたかで決まる。アメリカで生まれた子には米国籍が付くが、東京の病院で生まれても、親が外国籍なら日本人にはならない。国籍法2条が見るのは、出生の瞬間に法律上の父または母が日本国民かどうか、その一点だけである。ここで効いてくるのが「法律上の」と「出生の時」という二つの言葉だ。結婚していない日本人男性の子は、血のつながった親子でも、生まれる前に胎児認知(生まれる前に父が自分の子と認める届出)をしていなければ、出生の時点では法律上の父がいない。生まれた後に認知しても2条の対象にはならず、3条の届出(18歳未満まで)という別ルートに回る。さらに、海外で生まれて外国籍も取った子は、3か月以内に国籍留保(日本国籍を持ち続ける意思を示す届出)をしなければ、生まれた時にさかのぼって日本国籍を失う(12条)。国籍は、妊娠中と生後3か月の手続でほぼ決まってしまう。
法的な位置づけ
国籍法第2条は、出生による日本国籍の取得要件を定める規定である。出生の時点で法律上の父又は母が日本国民である場合、出生前に死亡した父が死亡時に日本国民であった場合、及び日本で出生し父母がともに知れない又は国籍を有しない場合に、子は出生と同時に日本国民となる。
手順
- 1.出生時の法律上の親子関係を確認する 父母が婚姻しているか、日本人の父が胎児認知を済ませているかを戸籍で確認する。事実婚で未了なら、出生前に手当てが必要になる
- 2.出産前に胎児認知の届出をする 婚姻していない日本人の父は、母の承諾を得て、母の本籍地の市区町村に胎児認知届を出す(民法783条)。出産予定日の1か月前までに済ませるのが安全
- 3.国外出産なら出生届と国籍留保の書類を事前に準備する 在外公館から出生届(国籍留保欄付き)を出産前に入手し記入しておく。出生証明書の取り寄せと和訳の段取りも決めておく
- 4.生後3か月以内に出生届と国籍留保を届け出る 国外で生まれ外国籍も取得した子は、出生の日から3か月以内に在外公館又は本籍地の市区町村へ国籍留保の意思表示とともに出生届を提出する
- 5.期限を逃した場合は別ルートを検討する 出生後に認知した場合は18歳未満のうちに3条の届出、国籍留保を逃した場合は日本に住所を移して17条の届出、無国籍なら8条の簡易帰化を検討し、専門家に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1日本国籍の取得条件とは?
出生による取得は国籍法2条、出生後の認知による届出取得は3条、帰化は4条以下が定めます。出生時に父か母が日本国民であれば、生まれた時から日本国民です。
Q2血統主義とはどういう意味ですか?
生まれた場所ではなく、親の国籍によって子の国籍を決める考え方です。日本は国籍法2条1号で父母両系の血統主義を採っています。
Q3日本で生まれた外国人の子は日本国籍を取れる?
原則として取れません。日本で生まれたことで日本国籍が認められるのは、2条3号の父母がともに知れない場合か無国籍の場合に限られます。
Q4国籍留保の届出はいつまで?
出生の日から3か月以内に、出生届とあわせて在外公館又は本籍地の市区町村に届け出ます(国籍法12条、戸籍法104条)。
Q5母親が日本人なら子どもは日本国籍になる?
なります。1985年1月1日施行の改正で父母両系主義となり、出生の時に母が日本国民であれば、父の国籍にかかわらず2条1号で日本国民です。
Q6出生後に認知された子は日本国籍を取れる?
2条ではなく3条の届出で取得できます。子が18歳未満のうちに法務大臣へ届け出る必要があり、取得は届出の時からで出生時にはさかのぼりません。
Q7父親が出産前に亡くなったら子の国籍はどうなる?
婚姻中の父が死亡時に日本国民であれば、2条2号により子は日本国民として生まれます。事実婚で胎児認知がない場合は死後認知と3条の問題になります。
Q8無国籍の子どもは日本国籍を取れる?
日本で生まれ父母がともに無国籍なら2条3号で日本国民となります。父母が外国籍を持つのに子が無国籍になった場合は、8条4号の簡易帰化を検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本人とアメリカ人の夫婦でアメリカで産んだら、子どもはずっと二重国籍でいられるの?
国籍留保をすれば、生まれた時から日米の二重国籍になる。ただし国籍法14条によって、原則として20歳までにどちらかを選ぶ義務がある。実務のポイント:選択しない人への法務大臣の催告(15条)は、実務上ほとんど行われていないとされている。ただ、それで義務が消えるわけではない。本当に注意すべきなのは、日本国籍だけの人が大人になってから自分の意思で外国籍を取った場合で、このときは11条1項によって日本国籍を自動的に失う
Q2彼とは籍を入れてないけど、子どもを日本国籍にしたい。何をすればいい?
出産前に、日本人の父が胎児認知の届出をする(民法783条、母の承諾が必要)。そうすれば、子は国籍法2条1号によって生まれた時から日本国民になる。実務のポイント:母が他の男性と婚姻中の場合や、離婚して間もない場合は、嫡出推定(生まれた子を夫の子とみなすルール)によって胎児認知が受理されないことがある。この場合も、出生後すぐに嫡出推定を外す手続をとれば2条の適用が認められた判例がある(最判平成9.10.17)。迷わずすぐに動くことが大事だ
Q3親の分からない赤ちゃんって、本当に日本国籍がもらえるんですか?
国籍法2条3号によって、日本で生まれ、父母がともに分からない子は日本国民となる。実務のポイント:アンデレ事件の最高裁判決(最判平成7.1.27)は、母親らしい人物の手がかりがあっても、特定できなければ「知れない」にあたると判断した。立証も、国籍を主張する側が特定できない事情を示せば、国が反証しない限り認められる。発見時の状況を記録しておくことが決め手になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本で生まれたら日本人になれる」と考える人は多いが、日本は血統主義を採っている。生まれた場所が日本であることで日本国籍が認められるのは、2条3号の「父母がともに知れない、または無国籍」という限られた場合だけである
- 「父親が日本人なら子どもも日本人」という考え方は、問いの立て方がずれている。問うべきなのは、父親が日本人かどうかではなく、出生の時点で法律上の父子関係が成立していたかどうかである。結婚していない父親が胎児認知をしていなければ、DNA で親子関係が明らかでも2条1号は使えない
- 国籍留保の届出が必要だということは、海外で出産する人の多くが聞いている。見落とされがちなのはその重さである。期限を過ぎると「国籍を取れなかった」では済まず、生まれた時から日本人ではなかったことになる。日本のパスポートは出ず、戸籍にも載らない。取り戻すには、18歳未満のうちに日本に住所を移して届出をする(17条)しかない
- 「父母が知れない」の意味について、捨て子を見つけた側は「親が分からないのだから当然日本人だ」と考える。一方、法律の上では、国籍を主張する側が、父母を特定できないことをうかがわせる事情を示す必要がある(最判平成7.1.27)。発見したときの状況を記録しておかないと、この立証に苦労することになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取得の根拠 | 国籍法2条:出生による当然取得 | 国籍法3条:出生後の認知+届出による取得 国籍法17条:国籍留保をしなかった者の届出による再取得 |
| 取得の時点 | 出生の時(届出不要) | 届出の時(出生時にさかのぼらない) 届出の時 |
| 主な要件 | 出生時に法律上の父又は母が日本国民など | 日本国民の父母による認知、子が18歳未満 子が18歳未満で日本に住所を有する |
| 典型的な失敗パターン | 胎児認知をせず出生後に認知した | 18歳を過ぎて届出の機会を失う 海外在住のまま18歳を迎える |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も父母両系の血統主義を採り、出生時に父又は母が国民であれば国籍を取得する。台湾で生まれ父母がともに不明又は無国籍の場合を補充的に救済する構造も日本と近い
韓国も1998年改正で父系血統主義から父母両系主義に転換した。国内で生まれ父母が不明又は無国籍の子を国民とする補充規定を持つ
ドイツは血統主義を基本としつつ、一定期間合法的に居住する外国人の子にドイツ国内出生による国籍取得を認める条件付き生地主義を併用する
米国は国内出生者に市民権を認める生地主義を原則とし、国外で生まれた米国市民の子には法定の居住要件のもとで血統による取得を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 交際中の日本人男性の子を妊娠したフィリピン国籍の女性。二人は結婚していない。妊娠中に男性が役所で胎児認知をすれば、子は生まれた時から日本国民になる(2条1号)。出産後に「落ち着いてから認知しよう」と後回しにすると、2条ではなく3条の届出で取得することになり、生まれてから届出が受理されるまでの間、子は日本国籍を持たない
- ロサンゼルスで出産した。子には米国籍が自動で付く。あと3か月以内に、在外公館へ出生届と「日本国籍を留保する」旨の届出を出さなければ、子は生まれた日にさかのぼって日本国籍を失う(国籍法12条、戸籍法104条)。産後の慌ただしさで期限を過ぎる家庭は実際にある
- 病院の前に置き去りにされた赤ちゃんは、日本人になるのだろうか? 父母がともに分からなければ、国籍法2条3号によって日本国民となり、市町村長が戸籍を作る
- あなたは日本人の夫で、妻は外国籍。出産予定日の二か月前、あなたが事故で亡くなった。婚姻中であれば、子は2条2号によって日本国民として生まれる。ただし、事実婚で胎児認知をしていなかった場合、子の国籍は死後認知の訴え(民法787条)と3条の届出にかかってくる。亡くなる前の書類一枚が、子の国籍への道筋を変える
- 日本で生まれ育った子どもの両親は、どちらも無国籍ではなく外国籍を持っている。ところが、その国の法律が国外で生まれた子に国籍を与えないため、子は無国籍になった。父母が「国籍を有しない」わけではないので、2条3号の救済は届かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子の国籍が認められないと言われたら、まず出生の時点で法律上の親子関係があったかどうか(婚姻中だったか、胎児認知をしていたか)を戸籍で確認する2. 生まれた後に認知した場合は、18歳になる前に法務局で国籍法3条の届出をする3. 海外生まれで国籍留保の期限を過ぎた場合は、18歳未満のうちに日本に住所を移し、17条の届出を検討する4. 父母が分からない子や無国籍の子は、2条3号の主張を検討し、それが難しければ8条4号の簡易帰化を検討する。外国人の国籍問題に詳しい弁護士や行政書士に相談する
訴えられた側:国籍の取得を否定する側(役所の窓口など)と争う場面では、次の点が問題になる。1. 「父母が知れない」の立証は、最判平成7.1.27によって、国籍を主張する側が父母を特定できないことをうかがわせる事情を示せば足りるとされている。立証の負担は重くない2. 外国人の母が他の男性と婚姻中で胎児認知ができなかった場合でも、特段の事情があれば2条1号の適用を認めた判例(最判平成9.10.17)がある3. 不受理の処分に不服があるときは、法務局の判断の根拠を書面で求め、訴訟で国籍の確認を求めることも選択肢になる
時効(請求できる期限):国籍留保の届出は、出生の日から3か月以内(国籍法12条、戸籍法104条。天災などで届け出られなかった場合は、届出ができるようになってから14日以内)。国内での出生届は14日以内、国外では3か月以内(戸籍法49条)。3条の届出は子が18歳未満のうち。重国籍の場合は国籍の選択が必要で、18歳未満で重国籍になったときは20歳まで、18歳以後に重国籍になったときはその時から2年以内(14条、2022年4月の成年年齢引下げ後の基準。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:2条1号の「父又は母」は法律上の親子関係をいい、生物学上の親子関係だけでは足りない。国籍の早期確定と明確性を重視する趣旨であり、出生後の認知は3条の届出取得で扱う。
無国籍防止の要請を重視する見解:3号は無国籍の発生防止を目的とする規定であり、「知れない」の解釈や立証責任は、子の無国籍を避ける方向で柔軟に運用すべきとする。アンデレ事件判決の立場と親和的である。
改正沿革 AI による整理
- 昭和59年(1984年)改正、昭和60年(1985年)1月1日施行 1号の「父が日本国民であるとき」を「父又は母が日本国民であるとき」に改め、父系優先の血統主義から父母両系の血統主義に転換した。女子差別撤廃条約の批准に合わせた改正である。同じ改正で国籍選択制度が新設され、国籍留保制度の対象も広げられた。経過措置として、それ以前に日本人の母から生まれた一定の子に、届出による国籍取得の道が設けられた
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:明治32年の旧国籍法に代わり現行国籍法を制定。出生による国籍取得について父系優先の血統主義を維持した
- 2.昭和59年(1984年) 改正:1号を「父又は母が日本国民であるとき」に改め父母両系血統主義に転換(1985年1月1日施行)。女子差別撤廃条約の批准に対応し、国籍選択制度の新設や国籍留保の対象拡大もあわせて行われた
- 国籍法 第3条出生後の認知による届出取得
- 国籍法 第12条国外出生の子の国籍留保と遡及喪失
- 国籍法 第14条重国籍者の国籍選択義務
- 国籍法 第17条留保しなかった者の届出による再取得
- 国籍法 第8条無国籍で日本に生まれた者の簡易帰化
- 戸籍法 第104条国籍留保の届出の期限と方式
- 民法 第783条胎児認知の要件(母の承諾)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。