建築基準法 第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)
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- 建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
- 一建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
- 二石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
- 三居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。
この条文の基本情報
石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置とは何ですか?
定義石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置とは、建築基準法第28条の2に定められた規定で、「建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第28条の2の条文原文は「建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。」で始まります。
- 建築基準法第28条の2は第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第28条の2の前の条は建築基準法第28条です。
- 建築基準法第28条の2の次の条は建築基準法第29条です。
- 建築基準法第28条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第28条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第28条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/28_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法28条の2は、建材への石綿等の添加と使用を禁止し、居室のある建築物には換気設備等の技術的基準適合を求める。既存建築物には原則遡及せず、増改築時に適合義務が発動する。
Q · 今住んでいる古い建物に石綿が残っていたら、それって違法なんですか?
既存建築物なら原則合法。増改築の瞬間に基準が切り替わります
建築基準法28条の2は、建築材料への石綿等の添加と石綿含有建材の使用を禁止し、居室のある建築物には建材と換気設備の技術的基準への適合を求めます。ただしこの規制は既に建っている建築物には原則として遡及せず、同法3条2項の既存不適格建築物として適法に存続できます。問題は増改築や大規模の修繕・模様替えを行う時点で、その建築物が現行基準へ引き込まれることです。違反があれば建築確認が下りないだけでなく、特定行政庁から是正命令(同法9条)を受ける対象になります。
解説
築20年の中古マンションをリノベーションしようとして、業者から「壁を壊す前に建材の分析調査が必要です、費用は20万円ほど」と言われて驚いた経験はないだろうか。その請求の根拠がこの条文である。建築基準法28条の2は、石綿(アスベスト)を添加した建材の使用を全面的に禁じ、さらに居室のある建物についてはホルムアルデヒドなど揮発性化学物質の規制まで及ぶ。ここで押さえるべきは、この条文が「建築基準法の単体規定」であるという事実だ。つまり違反建築物は、建築確認が下りないだけでなく、完成後であっても特定行政庁から是正命令(9条)を受ける対象になる。しかもこの規制は2006年の全面禁止以前に建てられた既存建築物には原則として遡及しない(法3条2項の既存不適格)。あなたが今住んでいる建物に石綿が残っていても、それは違法建築ではない。だが増改築をした瞬間、その部分は現行基準に引き込まれる。「触らなければセーフ、触れば全部やり直し」という構造が、中古不動産の価格に静かに織り込まれている。
法的な位置づけ
建築基準法28条の2は、建築材料に起因する石綿等の飛散・発散から衛生を確保するための単体規定であり、石綿等の添加禁止(1号)、石綿等を添加した建築材料の使用禁止(2号)、居室を有する建築物における政令所定の物質の区分に応じた建材及び換気設備の技術的基準への適合(3号)という三つの基準で構成される。
手順
- 1.建築確認年月日から規制の世代を逆算する 物件資料を受け取ったら間取り図より先に建築確認年月日を確認する。2006年9月以前の確認なら石綿含有建材が使われている可能性があり、2003年7月以前ならシックハウス規制(3号)も適用外の既存不適格である可能性が高い
- 2.石綿使用調査記録の開示を書面で求める 手付を打つ前に、売主または貸主へ石綿使用調査記録の開示を書面で請求する。分譲マンションなら大規模修繕時の調査記録が管理組合に残っていることが多く、区分所有者は議事録の閲覧を請求できる
- 3.改修計画が現行基準への引き込みに当たるか判定する 計画している工事が増築・大規模の修繕・大規模の模様替えに当たるかを建築士に判定させる。該当すれば当該部分は現行基準に適合させる義務が生じ、石綿除去費用が予算に上乗せされる。該当しなければ既存不適格のまま存続できる
- 4.事前調査と報告の履行を見積書で検証する 解体・改修工事の見積書に石綿事前調査費が計上されているか、調査者の資格名が明記されているかを確認する。調査費を無料にする業者は調査自体を省略しているか無資格者に行わせている可能性がある
- 5.換気設備の設置と稼働を引渡し時に実測する 居室を有する建築物では、24時間換気設備が設計図書どおりに設置され実際に稼働しているか、給気口が塞がれていないかを引渡し時に確認する。施主判断でスイッチを切る運用は基準適合の前提を崩す
よくある質問 AI による整理
Q1石綿等の衛生措置とは何ですか?
建築基準法28条の2が定める単体規定で、建材への石綿等の添加禁止、石綿含有建材の使用禁止、居室のある建築物での建材・換気設備の技術的基準適合の三本柱です。
Q2建築基準法28条の2に違反するとどうなりますか?
建築確認が下りず、完成後でも特定行政庁から是正命令(同法9条)の対象になります。是正命令には期間制限がなく、違反状態が続く限りいつでも発動しうる点が重い負担です。
Q3既存不適格建築物とは何ですか?
建築時は適法だったが、その後の法改正で現行基準に合わなくなった建築物です。建築基準法3条2項により適法に存続でき、増改築や大規模の修繕の時点で適合義務が発動します。
Q4アスベストはいつから全面禁止ですか?
吹付石綿は1975年に原則禁止され、石綿含有建材の使用禁止が建築基準法に明記されたのは2006年改正です。それ以前に建てられた建築物には原則として遡及しません。
Q524時間換気は義務ですか?
居室を有する建築物では本条3号と建築基準法施行令20条の7以下により機械換気設備の設置が求められます。建材を F☆☆☆☆にしても換気設備がなければ基準不適合です。
Q6リフォームで石綿調査は必要ですか?
一定規模以上の解体・改修工事では有資格者による事前調査と都道府県等への結果報告が大気汚染防止法・石綿障害予防規則で義務づけられています。調査を省く業者は違法施工です。
Q7賃貸物件で石綿が見つかったら誰が費用を負担しますか?
原状回復義務の範囲外である以上、貸主の使用収益させる義務(民法601条)と修繕義務(民法606条)を根拠に貸主負担を主張できる余地があります。契約前の説明内容が交渉の決め手です。
Q8中古住宅の重要事項説明に石綿は含まれますか?
宅地建物取引業法35条により、石綿使用調査の記録の有無が重要事項説明の対象です。記録が存在しないこと自体が将来の除去費用リスクとして価格交渉の材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのマンション、築30年なんですけど石綿って入ってますか?
吹付石綿は1975年に原則禁止、石綿含有建材の全面禁止は2006年です。築30年なら成形板(天井材・外壁材)に含有している可能性は十分あります。ただし成形板は固形化されており、壊さない限り飛散リスクは低い。実務のポイント:管理組合には大規模修繕の際の調査記録が残っていることが多く、区分所有者は閲覧を請求できます。仲介業者に聞くより管理組合の議事録を見た方が早い
Q2新築なのにシックハウスっぽい症状が出ます。文句言えますか?
本条3号と建築基準法施行令20条の7以下が建材の使用面積制限と機械換気設備を義務づけています。まず24時間換気が実際に稼働しているか、給気口が塞がれていないかを確認。基準適合でも発症する個人差があり、法違反がなければ賠償は難しくなります。実務のポイント:規制対象はホルムアルデヒドとクロルピリホスのみで、トルエン・キシレンなどは厚生労働省の指針値があるだけで建築基準法の規制外。「基準適合だから安全」は成り立ちません
Q3リフォーム見積もりに石綿調査費が入ってました。これ断れませんか?
断るべきではありません。2022年4月から一定の解体・改修工事では有資格者による事前調査と都道府県への結果報告が法令上の義務になっています(大気汚染防止法、石綿障害予防規則)。調査を省いた業者は違法施工をしていることになります。実務のポイント:「調査費サービスします」と言う業者は、調査自体を省略しているか無資格者にやらせている可能性がある。見積書で調査者の資格名を確認するのが安全な業者の見分け方です
間違えやすい点 AI による整理
- 「古い建物に石綿が使われていたら違法」と考えるのは前提が誤っている。問うべきは合法か違法かではなく、いつ現行基準に引き込まれるかである。既存不適格建築物(法3条2項)は適法に存続でき、増改築・大規模修繕の時点で初めて適合義務が発動する。この引き込みタイミングを知らずに改修計画を立てると、予算が倍になる
- 石綿規制は建築基準法だけの話だと思われがちだが、実際には労働安全衛生法(石綿障害予防規則)、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が同時並行で作業者・近隣住民・廃棄物処理に網をかけている。建築基準法だけクリアしても、作業員への保護具支給を怠れば別の法律で罰せられる。四つの法律が同じ工事現場を別の角度から監視している
- シックハウス対策は「ホルムアルデヒドを使わない建材を選べば済む」と理解されていることが多いが、条文の3号は建材規制と換気設備の両方を要求している。F☆☆☆☆の建材だけを使っていても、機械換気設備が設置されていなければ基準不適合である。建材選びで安心してしまう層が、この落とし穴に落ちる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 建築基準法28条の2:建築材料由来の石綿等・揮発性物質による衛生上の支障 | 建築基準法28条:居室の採光・換気という空間性能の一般規定 建築基準法37条:建築材料そのものの品質と大臣認定制度 |
| 既存建築物への適用 | 原則遡及せず、増改築・大規模修繕の時点で現行基準へ引き込まれる | 同じく3条2項の既存不適格の枠組みに服する 使用する建材ごとに判断、既存部分の建材は問われない |
| 違反時の帰結 | 建築確認の不交付、完成後は特定行政庁の是正命令(9条) | 同じく確認不交付・是正命令 不適格材料の使用停止、確認審査で排除 |
| 実務上の争点 | どの改修が「大規模の修繕」に当たり適合義務を発動させるか | 有効採光面積・換気量の算定方法 大臣認定の有無と認定内容の範囲 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は室内空気質を独立の法律で規律し、石綿は労働安全と製品禁止の側で処理する。建築法本体に衛生基準を置く日本とは条文の収容場所が異なる
韓国は石綿専門の単行法を制定し、建築物石綿調査と石綿地図の作成を義務づける。日本より既存建築物への調査義務が前倒しされている
ドイツは危険物質令で石綿の製造・使用・改修作業を包括規制し、建築規制は州建築令に委ねられる。連邦と州の二層構造が日本の単体規定と対照的
米国は連邦環境法で解体・改修時の飛散防止と学校建築物の石綿管理を規律し、建築基準は州・自治体の建築コードが担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古の店舗物件を借りて内装工事に入ったら、天井裏の吹付材から石綿が検出された。除去費用は数百万円。ここで争点になるのは、貸主と借主のどちらが負担するかだ。原状回復義務の範囲外である以上、通常は貸主負担と主張できる余地がある。契約前の重要事項説明(宅地建物取引業法35条)で石綿調査結果の説明があったかどうかが、交渉の決定打になる
- 新築の家に引っ越して数週間、家族が目の痛みと頭痛を訴え始めた。シックハウス症候群を疑うなら、まず確認すべきは3号の技術的基準、具体的には建築基準法施行令20条の7以下が定めるホルムアルデヒド発散建材の使用面積制限と、24時間換気設備の設置状況である。換気設備のスイッチが施主に無断で切られていた、というのは実務でよくある話だ
- もし、あなたが解体業者に「石綿はありません」と口頭で言われただけで工事を始めたとしたら? 2022年4月以降、一定規模以上の解体・改修工事では事前調査結果の都道府県への報告が義務化されている(大気汚染防止法)。報告なしに着工していれば、あなたが発注者であっても行政指導の対象に巻き込まれる
- 建売住宅を購入して3年、売主業者に「換気設備が基準を満たしていない」と指摘したい。契約不適合責任の期間はあと数か月。この条文違反は品確法上の瑕疵とは別枠だが、「建築基準法に適合しない建物」であることは契約不適合の有力な根拠になる。残された時間で建築士による適合調査を入れるかどうかを、今週中に決める必要がある
- 工務店の現場監督として、施主から「予算がないから24時間換気は付けなくていい」と言われた。これに応じれば建築確認と異なる施工になり、完了検査が通らない。あなたが線を踏む側になる場面である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 健康被害や粉じん飛散を疑ったら、まず特定行政庁(市区町村の建築指導課)に相談し、当該建築物の建築確認年月日を調査。2006年9月以前の確認なら既存不適格の可能性が高い2. 賃貸なら貸主へ書面で調査と是正を要求、使用収益義務・修繕義務を根拠にする3. 売買なら契約不適合責任(民法562条以下)と重要事項説明義務違反の二本立てで構成4. 建築士による現況調査報告書を確保、これが全ての交渉の土台になる
訴えられた側:1. 指摘を受けたら、まず当該建築物が既存不適格か現行基準適用かを確認、増改築の履歴を建築確認台帳で洗う2. 3号違反(シックハウス)を問われた場合、施工時の建材の F 等級証明と換気設備の設計図書を揃える3. 特定行政庁から是正命令(法9条)が出る前の行政指導段階であれば、自主的な改善計画の提示で命令を回避できる余地がある4. 発注者・設計者・施工者の間の責任分配は契約書と設計図書で決まる、口頭指示の記録を早期に保全する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし売買における契約不適合責任は不適合を知った時から1年以内の通知が必要(民法566条)、住宅の構造耐力上主要な部分等は引渡しから10年(住宅の品質確保の促進等に関する法律95条)。行政の是正命令には期間制限がなく、違反状態が続く限りいつでも発動しうる。石綿による健康被害の損害賠償は損害及び加害者を知った時から5年(民法724条の2、人の生命身体の侵害)
学説
通説(既存不適格の時間差設計):本条は新規使用を全面禁止する一方、既存建築物は建築基準法3条2項により存続を認め、増改築等を契機に現行基準へ引き込むという段階的除去の設計を採るとされる。経済的合理性と健康保護の折衷である
実務上の有力な指摘:本条3号の規制対象はホルムアルデヒドとクロルピリホスに限られ、トルエン・キシレン等は指針値があるにとどまる。したがって「建築基準法適合=室内空気が安全」とは言えず、規制の射程を超えた自主的配慮が必要とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正、平成15年(2003年)施行 シックハウス対策としてクロルピリホス使用禁止とホルムアルデヒド発散建材の使用制限、機械換気設備の設置義務を新設
- 平成18年(2006年)改正 石綿等の添加禁止および石綿含有建材の使用禁止を建築基準法本体に明記、単体規定として全面規制化
改正の年表
- 1.平成14年(2002年)改正・平成15年(2003年)施行 新設:シックハウス対策として、クロルピリホスの使用禁止、ホルムアルデヒド発散建材の使用面積制限、機械換気設備の設置義務を導入
- 2.平成18年(2006年)改正 改正:石綿等の添加禁止および石綿をあらかじめ添加した建築材料の使用禁止を建築基準法本体に明記し、単体規定として全面規制化
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