建築基準法 第9条(違反建築物に対する措置)
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- 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
- 2.特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
- 3.前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
- 4.特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
- 5.特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
- 6.第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
- 7.特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
- 8.前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
- 9.特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をすることができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
- 10.特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
- 11.第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
- 12.特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
- 13.特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
- 14.前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
- 15.第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
違反建築物に対する措置とは何ですか?
定義違反建築物に対する措置とは、建築基準法第9条に定められた規定で、「特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第9条(違反建築物に対する措置)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第9条の条文原文は「特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事…」で始まります。
- 建築基準法第9条は第一章 総則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第9条の前の条は建築基準法第8条です。
- 建築基準法第9条の次の条は建築基準法第9条の2です。
- 建築基準法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法9条は、特定行政庁が違反建築物の除却や使用禁止を命じられる規定。名宛人には違反に関与していない所有者や占有者も含まれ、交付から3日以内に公開の意見聴取を請求できる。
Q · 違反建築の是正命令って、違反を作った人じゃなくて今の持ち主に来るんですか?
来ます。所有者・管理者・占有者も名宛人です
建築基準法9条1項は、命令の相手方として建築主、工事の請負人(下請人を含む)、現場管理者に加えて、当該建築物または敷地の所有者、管理者、占有者を並列で挙げています。違反行為者であることは要件ではありません。したがって前所有者が建てた無確認増築でも、賃借しているだけの店舗でも、現に建物を支配している人が除却や使用禁止を命じられます。ただし2項で意見書と有利な証拠を出す機会が保障され、3項により通知書の交付を受けた日から3日以内に請求すれば、公開による意見の聴取に切り替えられます。
解説
中古で買った戸建ての離れ、テナントとして借りた雑居ビルの一室、相続した実家の増築部分。この三つに共通する落とし穴が建築基準法9条1項にある。是正命令の名宛人は「違反を作った人」ではない。建築主、工事の請負人(下請人を含む)、現場管理者、そして建物や敷地の所有者・管理者・占有者。つまり違反に一切関与していないあなたが、除却や使用禁止を命じられる側に立つ。しかも命令が出れば13項により標識が立ち公示され、買い手も銀行も引く。ただし役所は無条件で命令できるわけではない。2項はあなたに意見書と有利な証拠を出す機会を与える義務を課し、3項は通知書の交付を受けた日から3日以内に請求すれば、密室の書面審査を公開の意見聴取に切り替えられると定める。6項では証人まで出せる。15項で行政手続法第3章(聴聞・弁明の手続)が適用除外なのは、本条が独自の防御手続を持つからであって、あなたに手続がないという意味ではない。
法的な位置づけ
建築基準法9条は、違反建築物に対する是正命令を定める規定である。特定行政庁は、建築基準法令または許可条件に違反した建築物・敷地について、建築主、工事の請負人、現場管理者、所有者、管理者、占有者に対し、工事施工の停止または相当の猶予期限を付した除却、移転、改築、使用禁止その他の是正措置を命ずることができる。命令に先立つ意見書提出および公開による意見の聴取、緊急時の仮命令、行政代執行、命令の公示までを一体として規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の交付日を確定する 封筒を開けたその場で、通知書の交付を受けた日を記録する。3項の意見聴取請求期間はこの日から3日以内という極端な短期間であり、引き出しにしまった数日間がそのまま権利の放棄になる
- 2.3日以内に公開による意見の聴取を請求する 書面審査で終わらせず、3項に基づき公開による意見の聴取を請求する。請求があれば特定行政庁は4項により公開の聴取を行う義務を負い、5項で期日と場所を2日前までに通知・公告しなければならない
- 3.意見聴取で証人と有利な証拠を出す 6項により証人を出席させ、自己に有利な証拠を提出できる。設計者、建築士、施工当時の関係者を証人として立て、確認済証・検査済証・図面・現況測量図で違反の範囲を争う
- 4.命令書の理由提示を精査する 15項は行政手続法第3章を適用除外とするが、括弧書きで12条(処分基準)と14条(理由の提示)は除外していない。どの規定のどの部分に、どの範囲で違反するのかが特定されていない命令書は、理由不備を争う余地がある
- 5.是正計画を出しつつ審査請求・取消訴訟を検討する 除却以外の選択肢(改築、修繕、用途の是正)を自分から具体案として提出する。並行して94条の建築審査会への審査請求と取消訴訟を検討し、代執行が先に完了しないよう執行停止の申立ても併せて判断する
よくある質問 AI による整理
Q1是正命令が出たら建物は必ず壊されますか?
必ずしも除却とは限りません。9条1項は除却のほか移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他必要な措置を選べる構造で、違反の程度に応じた是正で足りる場合があります。
Q2違反建築に時効はありますか?
是正命令の権限に時効の定めはありません。30年前の無確認増築でも現在の所有者に命令が出ます。年月の経過は違反を治癒せず、適法に建てた後に法令が変わった既存不適格とは法的な位置が異なります。
Q3違反建築物は売却できますか?
売買自体は可能ですが、9条の命令が13項で公示されると重要事項説明で違反建築物と示され、住宅ローンの審査が止まるのが通例です。買い手が現れても融資が通らず、実質的に流通が止まります。
Q4是正命令の公示はどこで確認できますか?
13項により標識の設置その他国土交通省令で定める方法で公示され、標識は14項で当該建築物や敷地内に設置できます。所有者や占有者は標識の設置を拒めません。情報公開請求でも確認できます。
Q5近隣の違反建築を役所に申告できますか?
特定行政庁の建築指導部局に書面で申告し、9条1項の措置命令の発動を求められます。ただし命令を出すかは行政の裁量で、写真や測量図など客観証拠を添えないと調査が進まないのが実務です。
Q6賃借人も是正命令の相手方になりますか?
なります。1項は占有者を名宛人に明記しており、違反に関与していない賃借人でも使用禁止命令を受けます。オーナーへの損害賠償請求と命令への不服申立てを同時に進めることになります。
Q7使用禁止命令が出たら営業はどうなりますか?
命令に従う限り営業できません。違反すれば98条の罰則対象です。開店直前でも用途変更の確認申請漏れで命令は出るため、内装着手前に用途変更の要否を確認しておく必要があります。
Q8所有者が分からない違反建築はどうなりますか?
11項により、過失なく命令の相手方を確知できず違反の放置が著しく公益に反するときは、特定行政庁が本人の負担で自ら措置できます。事前に期限と措置内容を公告する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1前の持ち主がやった違法増築なのに、どうして私が命令されるんですか?
9条1項が名宛人として「所有者、管理者若しくは占有者」を明記しているためです。違反行為者かどうかは要件になっていません。売主に対しては契約不適合責任(民法562条以下)や説明義務違反で追及する余地がありますが、役所との関係ではあなたが当事者です。実務のポイント:売買前に建築計画概要書と検査済証の有無を役所の窓口で閲覧できます。検査済証がない物件は、それだけで違反建築とは限りませんが、将来の増改築の確認が下りにくく、9条リスクを抱えたまま次の買い手に渡せない物件になります
Q2命令を無視したら、結局は罰金で済む話じゃないんですか?
済みません。建築基準法98条により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象で、法人には別途重い罰金が科されます(最新の改正状況をご確認ください)。さらに12項で行政代執行法に基づき役所が自ら除却し、その費用は国税滞納処分の例で強制徴収されます。実務のポイント:代執行の費用は解体業者への発注額そのままで、自分で手配するより高くつくのが通例です。しかも工事内容にあなたの意向は反映されません。払う金額を自分で決められる最後の機会が、命令に応じた自主是正です
Q3事前の通知もなく工事を止められました。そんなことが許されるんですか?
許されます。10項は、違反が明らかな工事中の建築物について、緊急の必要があって2項から6項の手続を踏めない場合に限り、手続を省略した工事停止命令を認めています。7項の仮の使用禁止・使用制限も同じ構造です。実務のポイント:この場合でも8項で、命令を受けた日から3日以内に公開の意見聴取を請求できます。聴取の結果、仮命令が不当と判断されれば役所は直ちに取り消す義務を負う(9項)。「緊急だから仕方ない」と黙って受け入れると、この巻き戻し装置を自分から手放すことになります
Q4命令に納得できません。どこに文句を言えばいいんですか?
建築基準法94条により、当該市町村または都道府県の建築審査会に審査請求ができます。審査会は建築の専門家を含む合議体で、通常の行政不服申立てより技術的な争点に踏み込みます。取消訴訟という選択肢もあります。実務のポイント:命令の適法性を争うのと並行して、執行停止の申立てを検討してください。争っている間に代執行が終わってしまえば、後から命令が違法と判断されても建物は戻りません。勝ち筋があるほど、時間との勝負になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「誰が違反したのか」を先に問うのは筋が違う。1項の名宛人は建築主・請負人・下請人・現場管理者に加え、所有者・管理者・占有者まで並列で並んでいる。違反を作った者と命令を受ける者が別人でよい構造になっている。責任の所在ではなく、今その建物を現実に支配しているのは誰か、で決まる
- 命令に従わなければ罰則があることは知られている(建築基準法98条、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金。最新の改正状況をご確認ください)。知られていないのはその先だ。12項により行政代執行法に従って役所が自ら除却工事を行い、その費用は国税滞納処分の例により強制徴収される。判決を待たずに預金が差し押さえられる世界に入る
- あなたから見れば「昔から建っている物置」、法律から見れば「無確認の増築部分」。この落差が効いてくるのは売却のときだ。9条の命令は建物を物理的に壊すだけでなく、公示によって取引と融資の入口を閉じる
- 行政手続法の聴聞を受けられると考える人がいるが、15項で第3章は適用除外である。ただし括弧書きで12条(処分基準)と14条(理由の提示)は除外から外されている。つまり理由提示義務は生きている。「建築基準法に違反するため」としか書かれていない命令書は、理由不備を争う余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる建築物 | 建築基準法9条:法令または許可条件に違反した建築物・敷地(違反建築物) | 建築基準法10条:適法に建てられたが保安上危険となった既存不適格建築物 建築基準法9条の2:違反が明らかな工事中の建築物 |
| 命令権者 | 特定行政庁 | 特定行政庁 建築監視員(9条10項の工事停止命令を行使) |
| 事前手続 | 2項の通知書交付と意見書提出、3項から6項の公開意見聴取(緊急時は7項・10項で省略可、8項で事後聴取) | 10条所定の手続(9条2項から6項等を準用する構造) 緊急の必要がある場合に限り2項から6項の手続を省略 |
| 不履行のときの帰結 | 12項で行政代執行法による代執行、費用は国税滞納処分の例により強制徴収。98条の罰則 | 命令不履行は罰則の対象。危険除去が目的で違反の有無は問わない 工事停止命令違反は罰則の対象。現場作業員への作業停止命令も可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管建築機関が停工・修改・拆除を命じる構造で日本と近い。ただし違章建築処理辦法により既存違建と新違建を分けて運用する実務があり、一律の除却ではない点に特徴がある
韓国は是正命令に加えて이행강제금(履行強制金)を反復賦課する仕組みを持ち、金銭的圧力で自主是正を促す設計。日本が代執行に直行するのと対照的
ドイツは建築警察法の伝統から Zustandsstörer(状態責任者)と Handlungsstörer(行為責任者)の選択を明示的に論じ、比例原則による名宛人選択の統制が判例上確立している
米国は州法・条例レベルで規律され、違反通知の後に行政審判(administrative hearing)を経る構造。除却には財産権保護の観点から裁判所の関与を要する自治体が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の離れが、父が30年前に確認申請なしで建てたものだったら? 名宛人は今の所有者であるあなただ。年月の経過は違反を治癒しない。適法に建てた後で法令が変わった「既存不適格」とは、見た目が同じでも法的な位置が正反対にある
- テナントビルの改装工事の最中、ヘルメットの職員が現れて工事を止めた。事前の通知書はない。10項の緊急工事停止命令であれば、それは口頭でも法的な命令であり、従わなければ罰則の対象になる。あなたに残された手は、その日のうちに設計者を連れて役所へ行き、どの規定のどこに違反しているのかを特定させることだ
- 開店三日前。内装が仕上がったその日に、使用禁止命令の通知書が届いた。倉庫から飲食店への用途変更の確認申請を、誰も出していなかった
- 借りている店舗に使用禁止命令が来た。あなたは違反を作っていない。だが占有者として堂々と名宛人になる。オーナーへの損害賠償請求と、命令そのものへの不服申立てを、同時に走らせることになる
- 隣地に建った建物が明らかに斜線制限を越えていて、あなたの家の日照が消えた。あなたにできるのは特定行政庁に9条の措置命令の発動を求めることだが、命令を出すかどうかには行政の裁量がある。役所が動かなかったときの次の一手を、申告する前に用意しておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の違反建築で被害を受けている場合、まず特定行政庁の建築指導課に違反の内容を書面で申告し、9条1項の措置命令の発動を求める2. 写真、測量図、日影の記録など客観証拠を添える。口頭の苦情は記録に残らない3. 命令が出たかどうかは13項の公示(標識)と、行政への情報公開請求で確認できる4. 役所が長期間動かない場合、その不作為を争う行政訴訟や、被害が現実化していれば民法709条・国家賠償法1条の検討に進む
訴えられた側:1. 通知書を受け取ったら交付日を確定させ、3日以内に公開による意見の聴取を請求するか判断する(3項)。この期間は極端に短く、過ぎれば書面審査だけになる2. 意見聴取では証人を出席させ、有利な証拠を提出できる(6項) 3. 命令書が届いたら理由の記載を精査する。15項でも行政手続法14条は適用除外になっていない4. 並行して設計者・建築士と是正計画を作る。除却以外の選択肢(改築、修繕、用途の是正)を自分から具体案として出せるかどうかが分岐点5. 命令に不服なら建築審査会への審査請求(建築基準法94条)と取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):意見聴取の請求は通知書の交付を受けた日から3日以内(3項)、緊急の仮命令に対しては命令を受けた日から3日以内(8項)。意見聴取の期日と場所は2日前までに通知・公告(5項)、仮命令の場合の聴取は請求日から5日以内(8項但書)。命令に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説(状態責任と行為責任の併存):9条1項が建築主・請負人・現場管理者という行為責任側と、所有者・管理者・占有者という状態責任側を並列に置いているのは、危険の除去を最も確実に実現できる者に義務を負わせる趣旨と解される。誰に命ずるかの選択には裁量があるが、比例原則による制約を受ける
手続保障に関する理解:15項が行政手続法第3章を適用除外としつつ12条と14条を除外の対象から外しているのは、本条2項から6項が同法の聴聞に代わる独自の手続を備えているためであり、処分基準と理由提示の規律は維持される趣旨と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成5年(1993年)行政手続法制定に伴う整備 行政手続法の制定に合わせ、本条独自の意見聴取手続との重複を避けるため、同法第3章(処分基準を定める12条と理由提示を定める14条を除く)の適用除外規定が置かれた。改正年次と各項の追加時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法(昭和25年法律第201号)の制定により、市街地建築物法を引き継ぐ形で違反建築物に対する是正命令が置かれた。各項の追加時期の詳細は人的検証が必要
- 2.平成5年(1993年) 改正:行政手続法の制定に伴う整備として、本条独自の意見聴取手続との重複を避けるため、同法第3章(12条および14条を除く)の適用除外規定が置かれた。改正年次は人的検証が必要
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