建築基準法 第86条の5(一の敷地とみなすこと等の認定又は許可の取消し)
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- 公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、当該公告対象区域内の建築物に係る第八十六条第一項若しくは第二項若しくは第八十六条の二第一項の規定による認定又は第八十六条第三項若しくは第四項若しくは第八十六条の二第二項若しくは第三項の規定による許可の取消しを特定行政庁に申請することができる。
- 2.前項の規定による認定の取消しの申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係る公告認定対象区域内の建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該申請に係る認定を取り消すものとする。
- 3.第一項の規定による許可の取消しの申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係る公告許可対象区域内の建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、市街地の環境の整備改善を阻害することがないと認めるときは、当該申請に係る許可を取り消すものとする。
- 4.特定行政庁は、前二項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
- 5.第二項又は第三項の規定による取消しは、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
- 6.前二項に定めるもののほか、第二項又は第三項の規定による認定又は許可の取消しについて必要な事項は、国土交通省令で定める。
この条文の基本情報
一の敷地とみなすこと等の認定又は許可の取消しとは何ですか?
定義一の敷地とみなすこと等の認定又は許可の取消しとは、建築基準法第86条の5に定められた規定で、「公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、当該公告対象区域内の建築物に係る第八十六条第一項若しくは第二項若しくは第八十六条…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第86条の5(一の敷地とみなすこと等の認定又は許可の取消し)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第86条の5の条文原文は「公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、当該公告対象区域内の建築物に係る第八十六条第一項若しくは第二項若しくは第八十六条…」で始まります。
- 建築基準法第86条の5は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第86条の5の前の条は建築基準法第86条の4です。
- 建築基準法第86条の5の次の条は建築基準法第86条の6です。
- 建築基準法第86条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/86_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法86条の5は、公告対象区域内の土地の所有権者・借地権者の全員の合意により、一団地認定等の取消しを特定行政庁に申請できると定める。取消しの効力は公告によって生じる。
Q · 団地の一団地認定って、みんなで決めれば外せるんですか?
所有権者と借地権者の全員が合意し、行政庁が支障なしと認めれば取り消せます
建築基準法86条の5第1項により、公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者の全員の合意があれば、一団地認定等の取消しを特定行政庁に申請できます。ただし全員合意は申請要件にすぎません。認定の取消しは2項で安全上・防火上・衛生上、許可の取消しは3項でこれに交通上と市街地の環境の整備改善が加わり、建蔽率・容積率・各部分の高さも審査されます。支障ありと判断されれば取り消されません。取消しの効力は4項の公告によって生じます(5項)。
解説
団地の建替えで住民の9割が賛成しても、区域の一角を借りて倉庫を建てている法人が首を縦に振らなければ、計画は法律上その場で止まる。86条や86条の2で複数の建物を「一の敷地」とみなす認定や許可を受けた区域は、公告されて土地の上に見えない枠として残り続ける。その枠を外す唯一の出口が本条だ。1項の要件は「所有権又は借地権を有する者の全員の合意」。区分所有法の建替え決議が5分の4で足りるのとは、要求水準がまるで違う。しかも全員が揃っても終わりではない。特定行政庁は2項(認定の場合は安全上・防火上・衛生上)または3項(許可の場合はこれに交通上と市街地環境の整備改善、さらに建蔽率・容積率・高さ)を実体審査し、支障があると判断すれば取り消さない。そして効力が生じるのは、申請でも内部決裁でもなく、4項の公告の時である(5項)。
法的な位置づけ
建築基準法86条の5は、一団地認定等の取消しに関する規定であり、公告対象区域内の土地の所有権者又は借地権者の全員の合意を申請要件とし、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上(許可の場合は交通上及び市街地の環境の整備改善を含む)支障がないと認めるときに取消しを行い、その効力は国土交通省令の定めによる公告によって生じる旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告の写しと区域図を取得し、区域の範囲を確定する 特定行政庁の建築指導部局で、86条・86条の2に基づく認定・許可の公告の写しと区域図を取得し、対象となる土地・建物を一筆単位で特定する。区域の外縁が曖昧なまま同意集めを始めると、後から同意権者が増える
- 2.同意権者(所有権者+借地権者)を漏れなく確定する 1項の同意権者は所有権者だけでなく借地権を有する者を含む。相続未登記の持分、所在不明の共有者、借地権の転貸を洗い出す。実務で最も多い漏れがここで、説得の前に「誰が同意権者か」の確定が先
- 3.同意書を配る前に2項・3項の実体要件を事前協議する 特定行政庁へ事前相談をかけ、取消し後に単独敷地となった各棟が建蔽率・容積率・各部分の高さ・接道で基準を満たすかを設計者に数値で出させる。ここで「支障あり」の見込みが立てば、同意集めの数年を節約できる
- 4.全員の同意書を添えて取消し申請を行う 1項に基づき、所有権者・借地権者全員の合意を証する書面を添付して特定行政庁に取消しを申請する。認定の取消しは2項、許可の取消しは3項で審査基準が異なるため、どちらの根拠条項に係る区域かを申請段階で明確にする
- 5.公告日を基準線に工程表を組み直す 取消しの効力は4項の公告により生じる(5項)。単独敷地を前提とした建築確認申請(6条)、融資実行、売買決済はすべて公告日以降に置く。同意取得完了日を基準線にすると工程全体がずれる
- 6.見込みが薄ければ86条の2ルートへ早期に切り替える 2項・3項の実体審査で支障ありと見込まれる場合、区域を維持したまま86条の2の認定・許可で建て替える設計へ舵を切る。取消しは唯一の出口ではなく、選択肢の一つにすぎない
よくある質問 AI による整理
Q1一団地認定の取消しとは?
複数の敷地を一の敷地とみなす86条の認定・許可を外す手続です。建築基準法86条の5に基づき、区域内の権利者全員の合意で特定行政庁に申請します。
Q2一団地認定の取消しに全員同意は必要?
必要です。1項は「その全員の合意により」と定め、多数決の余地はありません。区分所有法62条の建替え決議が5分の4で足りるのとは要件水準が異なります。
Q3借地権者も同意が必要ですか?
必要です。1項の対象は「所有権又は借地権を有する者」であり、区域内に借地して倉庫や店舗を建てている法人も同意権者として頭数に入ります。
Q4一団地認定の取消しはいつ効力が生じる?
4項の公告によって生じます(5項)。申請時でも行政庁内部の決裁時でもありません。公告前に単独敷地を前提とした建築確認申請は通りません。
Q5全員同意があれば必ず取り消される?
限りません。2項は安全上・防火上・衛生上、3項はこれに交通上と市街地環境が加わり、建蔽率・容積率・各部分の高さも審査対象です。支障ありなら取り消されません。
Q6一団地認定区域内の土地を売買するときの注意点は?
単独敷地としての容積率・建蔽率を前提に価格を組むと危険です。公告済みの区域内なら、買った土地だけで設計できず、枠を外すには区域全員の合意が要ります。
Q7取消しを拒否されたらどうすればいい?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)です。並行して代替設計の検討が現実的です。
Q8一団地認定区域かどうか調べる方法は?
特定行政庁の建築指導部局で公告の写しと区域図を取得します。重要事項説明書に「一団地認定区域内」と記載されている場合もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1全員の同意って、本当に一人も欠けちゃダメなんですか?
1項は「その全員の合意により」と定めており、多数決の余地はありません。対象は所有権者だけでなく借地権を有する者も含みます。建物の区分所有等に関する法律62条の建替え決議が5分の4で足りるのとは別次元の要件です。実務のポイント:実務で最初に詰まるのは説得ではなく、誰が同意権者かの確定です。相続未登記の持分、所在不明の共有者、借地権の転貸。ここを洗う前に同意書を配り始めた案件は、ほぼ確実に数か月を空費します
Q2全員がハンコを押したら、役所は必ず取り消してくれるんですよね?
そうとは限りません。2項は認定について安全上・防火上・衛生上、3項は許可についてこれに交通上と市街地の環境の整備改善を加え、しかも建蔽率・容積率・各部分の高さを明示的に審査対象にしています。実務のポイント:一団地認定は容積を区域全体で融通する制度なので、枠を外すと単独敷地では基準を割る棟が出ることがある。同意書より先に、残す棟の数値が単独で成立するかを設計者に検算させるのが順序です
Q3取消しの申請は出したのに、まだ効力が生じないと言われました。どういうことですか?
5項により、取消しの効力は4項の公告によって生じます。申請でも、行政庁内部の決裁でもありません。公告の方法やその他の細目は6項の委任で国土交通省令に定められています。実務のポイント:公告日が読めないと、単独敷地前提の建築確認、融資実行、売買の決済日をどれ一つ固定できない。工程表の基準線は、同意取得の完了日ではなく想定公告日に置くべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 全員同意が必要だという知識自体は広く共有されている。知られていないのは「全員」の射程の重さだ。所有権者だけでなく借地権を有する者も頭数に入る(1項)。区域の隅で店舗や倉庫を建てている借地人、相続登記が済んでいない持分の共有者、所在の分からない共有者。同意の説得力の問題ではなく、同意権者を確定できるかの問題として立ち上がる。
- 「どうやって全員から同意を取るか」という問いの立て方そのものがずれている。全員合意は申請を受け付けてもらうための条件にすぎず、取り消すかどうかは2項・3項の実体審査で決まる。同意集めに数年をかけた末に「支障あり」で取り消されない、という順序があり得ることを先に知っておく必要がある。
- 申請を出した時点で枠が外れると思われがちだが、取消しの効力は4項の公告によって生じる(5項)。公告前に単独敷地を前提とした建築確認を申請しても通らないし、金融機関の融資実行日も固定できない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 86条の5:公告済みの認定・許可を外す(出口) | 86条:複数敷地を一の敷地とみなす認定・許可(入口) 86条の2:区域を維持したまま新築等を認定・許可(迂回路) |
| 必要な合意水準 | 所有権者・借地権者の全員の合意(1項) | 申請に係る土地の権利者の合意(入口側の要件) 区域内の建築物に係る所定の手続(全員合意による取消しは不要) |
| 行政庁の審査基準 | 認定=安全上・防火上・衛生上(2項)/許可=これに交通上・市街地環境、建蔽率・容積率・高さ(3項) | 同様の基準で一体的な配置計画の適否を審査 区域全体の既存建築物を含めた適合性を審査 |
| 効力発生時点 | 4項の公告の時(5項) | 認定・許可とその公告の時 認定・許可とその公告の時 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も複数建物が一宗基地を共有する場合、法定空地の分割には主管建築機関の許可が必要で、分割後に各基地が建蔽率等を単独で満たすことが求められる。日本の2項・3項の実体審査と機能が近い
韓国は複数筆を一つの敷地とみなす範囲を施行令で類型化しており、日本のような個別認定+公告+全員合意による取消しという手続構造は持たない
ドイツは隣接地を一体の建築用地として扱う建築負担を土地登記外の Baulastenverzeichnis に登録し、公益上不要となったときに建築監督庁が放棄することで抹消する。全員合意ではなく行政庁の公益判断が主軸である点が日本と異なる
米国では区画図の廃止や PUD 計画の修正に区域内全所有者の同意と自治体の承認を求めるのが通例で、全員同意+行政審査という二段構えは日本の本条と構造的に類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建替え決議が5分の4で成立した団地に、一団地認定の取消しだけ同意しない区分所有者が一人いたら、どうなる? 区分所有法上の決議が有効でも、建築基準法上の枠は1ミリも動かない。事業協力者との協定期限まであと4か月、同意書が1通足りないだけで解体着手日が丸ごと吹き飛ぶ。
- 特定行政庁の建築指導部局の席に座ると、景色が反転する。全員の同意書が揃った申請が届いても、区域内に残る既存棟が単独敷地では容積率を超えるなら、3項の「支障がない」とは書けない。取り消してやりたくても取り消せない案件がある、と担当者は知っている。
- 区域の一角を借りて自社の倉庫を建てている法人がある。土地の所有者ではないが、借地権者として1項の「全員」に確実に入る。その一社の判断で、数百戸の再生計画が動かない。
- あなたがデベロッパーとして団地の一棟だけを買い取り、単独で建て替えようと考えたとする。登記簿も測量図も問題ない。だが公告済みの一団地認定区域に入っていれば、その一棟を切り離すには区域全員の合意が要る。買収後に気付けば、土地は買ったが設計できないという最悪の在庫を抱えることになる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 特定行政庁の建築指導部局で公告の写しと区域図を取得し、対象の土地・建物を一筆単位で確定する2. 所有権者だけでなく借地権者を漏れなくリスト化する、実務で最も多い漏れがここ3. 同意書を配る前に2項・3項の要件で事前協議をかけ、取消し後に単独敷地で基準を割る棟がないかを設計者に数値で出させる4. 見込みが薄ければ、区域を維持したまま86条の2の認定・許可で建て替える設計へ早期に切り替える
訴えられた側:取消しへの同意を求められた側なら、まず取消し後に自分の棟が単独敷地でどうなるかを計算する。容積率・建蔽率・接道・各部分の高さが単独で成立しないなら、同意は自分の建物を不利な側へ押し出す行為になり得る。反対の理由を感情ではなく数値で提示すれば、区域を維持したうえでの代替設計や補償の交渉テーブルに載せられる
時効(請求できる期限):本条に申請期限の定めはない。ただし取消しの効力は特定行政庁の公告の時に生じる(5項)ため、公告前を前提にした建築確認申請は受け付けられない。取消しを拒否する処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
実務通説:86条の5の全員合意は取消し申請の適法要件であり、合意があっても2項・3項の実体要件を欠けば特定行政庁は取消しをしない。当事者の総意では動かせない公益的審査領域が残されている点に本条の制度趣旨がある
- 建築基準法 第86条一の敷地とみなす認定・許可の根拠、取消しの対象
- 建築基準法 第86条の2公告対象区域内での新築等の認定・許可、取消しをしない代替ルート
- 建築基準法 第52条容積率、区域内で融通された数値の根拠
- 建築基準法 第53条建蔽率、3項の審査対象となる数値
- 建築基準法 第6条建築確認、取消し公告後に単独敷地で申請する起点
- 建物の区分所有等に関する法律 第62条建替え決議は5分の4、本条の全員合意との落差
- 建物の区分所有等に関する法律 第70条団地内建物の一括建替え決議の特則
- 行政不服審査法 第18条取消し拒否処分に対する審査請求期間
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