建築基準法 第86条の4(一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する外壁の開口部に対する制限の特例)
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- 次の各号のいずれかに該当する建築物について第二十七条第二項若しくは第三項又は第六十七条第一項の規定を適用する場合においては、第一号イに該当する建築物は耐火建築物と、同号ロに該当する建築物は準耐火建築物とみなす。
- 一第八十六条第一項又は第三項の規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、次のいずれかに該当するもの
- 一第二条第九号の二イに該当するもの
- 二第二条第九号の三イ又はロのいずれかに該当するもの
- 二第八十六条第二項又は第四項の規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、前号イ又はロのいずれかに該当するもの(当該認定又は許可に係る公告対象区域内に現に存する建築物が、同号イ又はロのいずれかに該当するものである場合に限る。)
- 三第八十六条の二第一項から第三項までの規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、第一号イ又はロのいずれかに該当するもの(当該認定又は許可に係る公告対象区域内の他の一敷地内認定建築物又は一敷地内許可建築物が、同号イ又はロのいずれかに該当するものである場合に限る。)
この条文の基本情報
一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する外壁の開口部に対する制限の特例とは何ですか?
定義一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する外壁の開口部に対する制限の特例とは、建築基準法第86条の4に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する建築物について第二十七条第二項若しくは第三項又は第六十七条第一項の規定を適用する場合においては、第一号イに該当する建築物は耐火建築物…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第86条の4(一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する外壁の開口部に対する制限の特例)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第86条の4の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する建築物について第二十七条第二項若しくは第三項又は第六十七条第一項の規定を適用する場合においては、第一号イに該当する建築物は耐火建築物…」で始まります。
- 建築基準法第86条の4は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第86条の4の前の条は建築基準法第86条の3です。
- 建築基準法第86条の4の次の条は建築基準法第86条の5です。
- 建築基準法第86条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第86条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/86_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法八十六条の四は、一団地認定等を受けた建築物について、二十七条二項・三項と六十七条一項の適用場面に限り、開口部要件を欠いても耐火建築物とみなす特例である。
Q · 一団地認定を受けた建物は、開口部が防火設備でなくても耐火建築物として扱われるんですか?
限られた規定の適用場面だけ、耐火建築物とみなされます
建築基準法第八十六条の四により、第八十六条又は第八十六条の二の認定・許可を受けて建築する建築物は、第二十七条第二項・第三項又は第六十七条第一項を適用する場面に限り、主要構造部が第二条第九号の二イの要件を満たせば耐火建築物と、同条第九号の三イ又はロの要件を満たせば準耐火建築物とみなされます。開口部の防火設備要件を欠いても、その場面では耐火建築物として扱われます。ただし緩和は列挙された規定に限られ、防火地域の規制は残ります。さらに第二号・第三号では、公告対象区域内に現に存する建築物や他の一敷地内認定建築物が同じ要件に該当することが条件です。
解説
団地やマンション群を一体で設計すると、建築基準法上は複数の建物が一つの敷地にあるものとして扱われる(第八十六条、第八十六条の二の認定・許可)。ここに副作用がある。敷地境界線が消える代わりに、棟と棟の外壁間の中心線から「延焼のおそれのある部分」が引き直され(第二条第六号)、向かい合う窓のすべてに防火設備を求められかねない。第八十六条の四は、その副作用を打ち消すために置かれた装置である。第二十七条第二項・第三項(用途と規模による耐火要求)と第六十七条第一項(特定防災街区整備地区)を適用する場面に限り、主要構造部が耐火構造等の要件(第二条第九号の二イ)を満たす建築物は耐火建築物と、準耐火の要件(同条第九号の三イ又はロ)を満たすものは準耐火建築物とみなす。つまり開口部の防火設備要件を欠いても、その場面では耐火建築物として扱われる。ただし緩和が効くのは列挙された規定に限られ、防火地域の規制まで消えるわけではない。そしてもう一つ、公告対象区域内の既存棟が同じ要件を満たしていなければ、あなたの新棟はこのみなしを受けられない。
法的な位置づけ
建築基準法第八十六条の四は、一団地の総合的設計又は連担建築物設計の認定・許可を受けた建築物について、第二十七条第二項・第三項及び第六十七条第一項を適用する場面に限定して、主要構造部が耐火又は準耐火の要件を満たすものを耐火建築物又は準耐火建築物とみなす特例規定である。みなしの効果は列挙された規定の適用場面にのみ及ぶ。
よくある質問 AI による整理
Q1建築基準法86条の4とは何ですか?
一団地の総合的設計や連担建築物設計の認定・許可を受けた建築物を、特定の規定の適用場面に限って耐火建築物・準耐火建築物とみなす特例規定です。主要構造部の性能が条件になります。
Q2一団地の総合的設計制度とは何ですか?
建築基準法八十六条に基づき、複数棟を一体的に設計する場合に、それらを同一敷地内にあるものとみなして容積率や接道などを判定する制度です。八十六条の四のみなしはこの認定を前提にします。
Q3延焼のおそれのある部分はどう決まりますか?
隣地境界線や道路中心線からの距離で決まりますが、一の敷地とみなされた区域では、棟と棟の外壁間の中心線を基準に引き直されます。だから一体設計ほど開口部の負担が増えます。
Q486条の4はマンションの建替えに関係ありますか?
関係します。団地型マンションを一体で建て替える場合、一団地認定を前提に本条のみなしが働くかどうかで、窓やサッシの防火設備仕様と工事費が大きく変わります。
Q586条の4のみなしはどの条文に効きますか?
第二十七条第二項・第三項(用途と規模による耐火要求)と第六十七条第一項(特定防災街区整備地区)を適用する場面に限られます。防火地域の規制など他の規定には及びません。
Q6公告対象区域とは何ですか?
一団地認定や連担建築物設計の認定・許可がされた際に、特定行政庁が公告する範囲のことです。本条第二号・第三号は、この区域内の既存建築物の性能をみなしの条件にしています。
Q7検査済証がない既存棟でも耐火性能を証明できますか?
建築計画概要書や台帳記載事項証明書、当時の構造図、現地調査報告などで代替立証を試みる実務があります。ただし可否は特定行政庁の判断次第なので、早期に相談するのが安全です。
Q886条の4で開口部の防火設備は不要になりますか?
みなしが働く場面では、開口部の防火設備要件を欠いても耐火建築物として扱われます。ただし他の規定に基づく防火設備要求まで消えるわけではないため、適用場面の特定が不可欠です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一団地認定を取れば、防火の規制もまとめて緩くなるんですか?
いいえ。本条のみなしが働くのは、第二十七条第二項・第三項と第六十七条第一項を適用する場面に限られます。防火地域・準防火地域の規制(第六十一条)まで消えるわけではありません。実務のポイント:事前相談で「耐火建築物になりますよね」と聞くと話が噛み合わなくなります。「どの規定の適用場面の話か」を先に特定して聞ける人と、そうでない人とで、相談一回あたりに進む距離がまるで違います。
Q2隣の棟が古くて耐火構造じゃないんですが、うちの新棟だけ緩和を受けられませんか?
第二号・第三号のかっこ書きが、公告対象区域内に現に存する建築物や他の一敷地内認定建築物も同じ要件に該当することを条件にしています。既存棟が外れれば、新棟も外れます。実務のポイント:昭和期の団地は検査済証が残っていないことが珍しくありません。立証できずに緩和を落とす例があるので、構造の裏付け資料の捜索は、設計者を選ぶより前に着手するのが実務の順番です。
Q3認定が取り消されたら、もう建っている建物はどうなるんですか?
第八十六条の五により一の敷地とみなす前提が失われれば、各建築物は個別に法適合を判定され、本条のみなしも前提を失います。もっとも、その時点で直ちに全棟が違反扱いになるのか、既存不適格(第三条第二項)としてどこまで扱われるのかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:だからこそ、公告対象区域内の一棟だけを切り離す提案が出た段階で、区域全体の法的前提を洗い直す価値があります。
間違えやすい点 AI による整理
- 一団地認定でコストが下がることは広く知られている。だが下がるのは容積・接道・日影の側であって、防火はむしろ厳しくなりうるという副作用まで押さえている人は少ない。本条はその副作用を打ち消すために存在する。この順序を知らないまま条文だけ読むと、なぜ緩和規定が必要なのかが永久に腑に落ちない
- 「この建物は耐火建築物とみなされますか」という問いの立て方そのものが不正確である。本条のみなしは第二十七条第二項・第三項と第六十七条第一項を適用する場面に限定された局所的なみなしにすぎない。正しい問いは「どの規定を適用する場面で、みなされるのか」。この一語の違いが、事前相談での回答の精度を変える
- みなしは建物単体の性能の話だと受け取られがちだが、実体は関係の話である。第二号・第三号のかっこ書きは、公告対象区域内に現に存する建築物や他の一敷地内認定建築物が同じ要件に該当することを条件にしている。自分の設計だけでは完結しない構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 第八十六条の四:認定を受けた建築物を耐火建築物等とみなす特例 | 第八十六条:複数棟を一の敷地とみなす認定・許可(みなしの前提) 第二十七条:用途と規模に応じた耐火要求(みなしの適用先) |
| 効果の及ぶ範囲 | 第二十七条第二項・第三項と第六十七条第一項の適用場面に限定 | 容積率・接道・日影など敷地単位の規制全般 特殊建築物の主要構造部と開口部の性能要求 |
| 他棟の状態に左右されるか | 左右される。第二号・第三号は公告対象区域内の既存建築物等の要件該当が条件 | 左右される。区域全体の計画で判断 左右されない。当該建築物の用途と規模で決まる |
| 前提が崩れたときの影響 | 認定の前提が失われればみなしも失われる(第八十六条の五と連動) | 第八十六条の五により認定の取消し等が規定される 前提に依存せず単体で適用が続く |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一基地内に複数棟を配置する総合設計を認め、防火間隔と延焼範囲を技術規則で規律する。日本のような「耐火建築物とみなす」条文単位の特例ではなく、技術基準側で距離と構造を直接定める構成の違いがある
韓国は建築協定により複数の敷地を一体として建築基準を適用する特例を置く。日本の一団地認定に近い機能を持つが、防火性能のみなしを独立条文で切り出す構造は採っていない(現行条文は要確認)
ドイツは複数敷地にまたがる建築を Vereinigungsbaulast(敷地一体化の公法上の負担)で処理し、防火は Brandwand(防火壁)の設置義務で担保する。開口部側を緩和するのではなく、壁側の性能で解決する発想
米国モデルコードは同一敷地内に複数建築物がある場合、想定敷地境界線(imaginary line)を引いて外壁の耐火区画距離を判定する。日本の棟間中心線と同じ発想だが、用途規模ではなく距離と構造タイプの組合せで直接決まる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 向かい合う二棟の窓を、全部防火設備にしてくださいと言われたらどうなる? 二百戸規模の団地建替えで、開口部仕様の差額は容易に億単位へ届く。第八十六条の四が効く場面かどうかを確定させないまま実施設計に入ると、その差額はそのまま設計者の説明責任になる
- 既存五棟のうち一棟だけが古い構造。それだけで第二号・第三号のかっこ書きに引っかかる。新棟の設計前提が、条文の一行で崩れる
- 確認申請の事前相談まであと十日。主事から「棟間の延焼ラインはどう処理しますか」と問われた瞬間に、本条の適用場面の特定と既存棟の構造の立証資料を揃えられるかで勝負が決まる。検査済証が残っていない昭和期の棟なら、立証だけでさらに数週間が飛ぶ
- あなたが管理組合の理事で、一棟だけ先行して建て替える案に賛成票を投じようとしている。公告対象区域の認定が動けば、一の敷地とみなす前提そのものが動き(第八十六条の五)、本条のみなしもその上に乗っている。あなたの一票は、隣の棟の法的地位に触れている
取るべき行動
被害を受けた側:緩和を取りに行く側の手順。1. 公告対象区域内の既存建築物すべてについて、構造種別と耐火・準耐火の該当性を先に確定させる(第二号・第三号のかっこ書きの条件)。2. 検査済証がない棟は、建築計画概要書や台帳記載事項証明書で代替立証の可否を早期に確認する。3. 適用を求める規定を第二十七条第二項・第三項か第六十七条第一項かで特定し、その場面に限った主張として組み立てる。4. 特定行政庁との事前相談は、既存棟の資料を揃えてから一度で行う
訴えられた側:開口部が不適合だと指摘された側の手順。1. 指摘の根拠条文を書面で特定させる。本条のみなしが及ばない規定(防火地域の規制など)での指摘であれば、そもそも争点が違う。2. 認定・許可の公告内容と公告対象区域の範囲を再確認し、自らが第一号から第三号のどれに乗るかを整理する。3. 既存棟の要件該当性が争点なら、改修による要件充足という是正案を代替提案として出す。4. 是正命令等の処分がなされた場合は、行政不服審査法上の審査請求と取消訴訟の期限を最初に押さえる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法第百六十六条、債権は権利を行使できることを知った時から五年または行使できる時から十年)が損害賠償等の局面で適用される。実務上の時限は別にあり、是正命令などの行政処分を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から三か月(行政不服審査法第十八条第一項)、取消訴訟は処分を知った日から六か月(行政事件訴訟法第十四条第一項)が起算点となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正(要検証) 一団地の総合的設計制度における認定と許可の再編に伴い、第八十六条以下の一群が整備された際に置かれた条文と解されるが、新設年および新設か改正かの別は改正法附則による原典確認を要する
- 令和元年(2019年)6月25日施行分(要検証) 防火地域・準防火地域の規定統合により旧第六十七条の二が第六十七条へ繰り上がったことに伴い、本条の引用条文が整理されたと解される。引用先の条番号は必ず現行版で確認すること
- 建築基準法 第2条耐火建築物等の定義とみなしの基準
- 建築基準法 第27条特殊建築物の耐火要求、みなしの適用対象
- 建築基準法 第67条特定防災街区整備地区内の耐火要求
- 建築基準法 第86条一団地の総合的設計、みなしの前提となる認定・許可
- 建築基準法 第86条の2連担建築物設計制度、みなしの前提となる認定・許可
- 都市計画法 第8条特定防災街区整備地区の指定根拠
- 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律 第31条特定防災街区整備地区の都市計画基準(現行効力を要確認)
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