建築基準法 第2条(用語の定義)
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- この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一建築物土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
- 二特殊建築物学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。
- 三建築設備建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
- 四居室居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
- 五主要構造部壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
- 六延焼のおそれのある部分隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線(ロにおいて「隣地境界線等」という。)から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、次のイ又はロのいずれかに該当する部分を除く。
- 一防火上有効な公園、広場、川その他の空地又は水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分
- 二建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分
- 七耐火構造壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
- 2.7_2 準耐火構造壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロ及び第二十六条第二項第二号において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
- 八防火構造建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
- 九不燃材料建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
- 3.9_2 耐火建築物次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
- 一その主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分以外の部分(以下「特定主要構造部」という。)が、(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
- 二その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。
- 4.9_3 準耐火建築物耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に前号ロに規定する防火設備を有するものをいう。
- 一主要構造部を準耐火構造としたもの
- 二イに掲げる建築物以外の建築物であつて、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの
- 十設計建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第六項に規定する設計をいう。
- 十一工事監理者建築士法第二条第八項に規定する工事監理をする者をいう。
- 十二設計図書建築物、その敷地又は第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。
- 十三建築建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
- 十四大規模の修繕建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
- 十五大規模の模様替建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。
- 十六建築主建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
- 十七設計者その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、建築士法第二十条の二第三項又は第二十条の三第三項の規定により建築物が構造関係規定(同法第二十条の二第二項に規定する構造関係規定をいう。以下同じ。)又は設備関係規定(同法第二十条の三第二項に規定する設備関係規定をいう。第五条の六第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)に適合することを確認した構造設計一級建築士(同法第十条の三第四項に規定する構造設計一級建築士をいう。以下同じ。)又は設備設計一級建築士(同法第十条の三第四項に規定する設備設計一級建築士をいう。第五条の六第三項及び同号において同じ。)を含むものとする。
- 十八工事施工者建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。
- 十九都市計画都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第一項に規定する都市計画をいう。
- 二十都市計画区域又は準都市計画区域それぞれ、都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。
- 二十一第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区それぞれ、都市計画法第八条第一項第一号から第六号までに掲げる第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区をいう。
- 二十二地区計画都市計画法第十二条の四第一項第一号に掲げる地区計画をいう。
- 二十三地区整備計画都市計画法第十二条の五第二項第一号に掲げる地区整備計画をいう。
- 二十四防災街区整備地区計画都市計画法第十二条の四第一項第二号に掲げる防災街区整備地区計画をいう。
- 二十五特定建築物地区整備計画密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画をいう。
- 二十六防災街区整備地区整備計画密集市街地整備法第三十二条第二項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。
- 二十七歴史的風致維持向上地区計画都市計画法第十二条の四第一項第三号に掲げる歴史的風致維持向上地区計画をいう。
- 二十八歴史的風致維持向上地区整備計画地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号。以下「地域歴史的風致法」という。)第三十一条第二項第一号に規定する歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。
- 二十九沿道地区計画都市計画法第十二条の四第一項第四号に掲げる沿道地区計画をいう。
- 三十沿道地区整備計画幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号。以下「沿道整備法」という。)第九条第二項第一号に掲げる沿道地区整備計画をいう。
- 三十一集落地区計画都市計画法第十二条の四第一項第五号に掲げる集落地区計画をいう。
- 三十二集落地区整備計画集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項に規定する集落地区整備計画をいう。
- 三十三地区計画等都市計画法第四条第九項に規定する地区計画等をいう。
- 三十四プログラム電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。
- 三十五特定行政庁この法律の規定により建築主事又は建築副主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項若しくは第二項又は第九十七条の三第一項若しくは第二項の規定により建築主事又は建築副主事を置く市町村の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。
この条文の基本情報
用語の定義とは何ですか?
定義用語の定義とは、建築基準法第2条に定められた規定で、「この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第2条(用語の定義)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第2条の条文原文は「この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」で始まります。
- 建築基準法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第2条の前の条は建築基準法第1条です。
- 建築基準法第2条の次の条は建築基準法第3条です。
- 建築基準法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法2条は同法の用語を定義する規定で、1号は建築物を「土地に定着し屋根及び柱若しくは壁を有する工作物」と定め、14号は主要構造部の過半の修繕を大規模の修繕とする。
Q · 庭に物置を置いたら、それも法律上の「建築物」になるんですか?
屋根と柱または壁があり土地に定着していれば建築物です
建築基準法2条1号は、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定義します。基礎で固定していなくても、継続的に同じ場所に置かれていれば定着と判断されることが多く、プレハブ物置やカーポートも建築物に当たりえます。既存住宅の敷地に置けば増築扱いとなり、防火地域・準防火地域の外で床面積10平方メートル以内なら確認申請は不要ですが(6条2項)、建蔽率などの実体規定は10平方メートル以内でも適用されます。
解説
ホームセンターで買った組立式の物置を庭に置く。その瞬間、それは法律上の「建築物」になりうる。建築基準法2条1号がいう建築物とは、土地に定着する工作物のうち屋根と柱または壁を持つもの。基礎に固定していなくても、継続的に同じ場所に置かれていれば「定着」と判断されることが多い(実務上、個別事情で判断が分かれる領域でもある)。防火地域・準防火地域の外で床面積10平方メートル以内なら確認申請は不要だが(6条2項)、それを超えれば申請義務が生じ、無視すれば違反建築物として是正命令の対象になる。2条が恐ろしいのは、ここがこの法律全体の改札口だという点だ。建築物に当たるか、居室に当たるか、主要構造部の過半を触るか。この三つの判定だけで、確認申請の要否も、売却時の値段も、火災保険の扱いも変わる。退屈に見える定義条文が、実際にはあなたの財布に直結している。
法的な位置づけ
建築基準法2条は、同法における用語の意義を号ごとに定める定義規定である。建築物(1号)、特殊建築物(2号)、建築設備(3号)、居室(4号)、主要構造部(5号)、延焼のおそれのある部分(6号)、耐火構造(7号)、建築(13号)、大規模の修繕(14号)等を規定し、同法各条の適用範囲を画定する基礎概念を提供する。
よくある質問 AI による整理
Q1建築物の定義とは?
建築基準法2条1号は、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するものを建築物と定義します。附属する門や塀、地下・高架の工作物内の店舗等も含み、建築設備も建築物の一部として扱われます。
Q2カーポートは建築物に当たりますか?
屋根と柱があり土地に定着していれば2条1号の建築物です。建築面積に算入され建蔽率の計算対象になります。10平方メートル以内で確認申請が不要でも、建蔽率や高さ制限などの実体規定は適用されます。
Q3主要構造部と構造耐力上主要な部分の違いは?
主要構造部は2条5号の壁・柱・床・はり・屋根・階段で、防火避難の観点から定義されます。構造耐力上主要な部分は施行令1条3号の概念で、基礎や筋かいを含み構造安全の観点から定義されます。別物です。
Q4大規模の修繕はどこから?
2条14号は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕を大規模の修繕とします。屋根の葺き替えが全面なら該当し、半分以下なら該当しません。面積比など過半の判定基準は特定行政庁の運用を確認してください。
Q5納戸は居室に当たりますか?
2条4号の居室は居住・執務・作業・集会・娯楽等のため継続的に使用する室です。住宅の居室には28条1項の採光開口が必要で、これを満たせない部屋は居室と扱えないため納戸や「S」と表示されます。
Q6特殊建築物とは何ですか?
2条2号が列挙する学校、病院、劇場、百貨店、旅館、共同住宅、工場、倉庫、自動車車庫などの用途に供する建築物です。ただし確認申請や耐火要求の対象となる別表第一(い)欄の範囲とは一致しません。
Q7延焼のおそれのある部分はどこまで?
2条6号は、隣地境界線・道路中心線・同一敷地内の建築物相互の外壁間中心線から、1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の距離にある部分とします。ただし書きで除外される部分があります。
Q8特定行政庁とはどこのことですか?
2条35号により、建築主事または建築副主事を置く市町村ではその市町村長、それ以外の区域では都道府県知事を指します。確認や是正命令の主体が誰かは、この定義で決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1庭にプレハブの物置を置くだけでも、役所に届け出が要るんですか?
屋根と柱または壁があって土地に定着していれば2条1号の建築物です。既存住宅の敷地に置けば増築扱いで、防火地域・準防火地域の外かつ10平方メートル以内なら確認申請は不要(6条2項)。実務のポイント:申請不要と法規制の適用なしは別物。10平方メートル以内でも建蔽率を超えれば違反建築物で、将来その家を増築しようとした瞬間に確認が下りず、物置の撤去を求められる
Q2リフォームって、どこから確認申請が必要になるんですか?
工事の呼び名では決まりません。壁・柱・床・はり・屋根・階段という主要構造部(2条5号)の一種以上を過半にわたって触れば「大規模の修繕・模様替」(2条14号・15号)です。実務のポイント:2025年4月から木造2階建て等も確認申請の対象になったため、「うちは今までこれで通してきた」という業者の実績は2025年3月までの話。屋根の葺き替えが全面か半分以下かで結論がひっくり返る
Q3間取り図の「納戸」とか「S」って、普通の部屋と何が違うんですか?
2条4号の居室は継続的に使用する室で、住宅の居室には床面積の7分の1以上の採光開口が必要です(28条1項。2023年4月から一定の照明設備等があれば10分の1まで緩和)。満たせない部屋は納戸や S と書くしかない。実務のポイント:窓を後付けして居室化できるかは隣地境界までの距離と採光補正係数で決まる。内見では窓の有無ではなく、窓の外の空き幅を測る
間違えやすい点 AI による整理
- 「物置やカーポートも建築物らしい」と聞いたことはあっても、その深刻度まで知っている人は少ない。違反建築物になると、住宅ローンの借換え審査、売却時の重要事項説明、火災保険の引受け、そして将来の増築確認まで連鎖的に詰まる。是正命令に従わなければ3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(98条、2025年6月1日から懲役と禁錮は拘禁刑に統合)。一個の物置が、家全体の流動性を止める
- 「うちは特殊建築物じゃないから関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。2条2号が列挙する特殊建築物(学校、病院、旅館、共同住宅、工場、倉庫など)の範囲と、確認申請や耐火性能を要求する別表第一(い)欄の範囲は一致しない。どちらの土俵で話しているのかを先に確定しないと、専門家に聞いても噛み合わない答えしか返ってこない
- あなたから見れば日当たりの悪い6畳間、法律から見れば居室ですらない納戸。この落差が、広告の「3LDK」か「2LDK+S」かを決め、査定価格を動かす。部屋の使い方を決めるのはあなたでも、部屋の名前を決めるのは2条4号と28条だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 2条:用語の定義(建築物・居室・主要構造部等) | 6条:確認申請の要否と手続を規律 9条:違反建築物への是正命令の権限 |
| 効果の発生 | 単独では義務を生じない。他条の適用範囲を画定 | 着工前の確認申請義務が発生 工事停止・除却等の命令が発生 |
| 判断の主体 | 建築主事・建築副主事・指定確認検査機関が定義該当性を判断 | 建築主事・建築副主事・指定確認検査機関 特定行政庁(2条35号) |
| 典型的な争点 | 物置が建築物か、納戸が居室か、修繕が過半か | 10平方メートル以内か、用途変更が200平方メートル超か 既存不適格(3条2項)か違反建築物か |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築法4条で建築物を定義し、8条で「主要構造」(基礎、主壁、柱、小屋組、屋根版、樓地板)を列挙する。日本の主要構造部が基礎を含まないのに対し、台湾の主要構造は基礎を含む点が異なる
韓国建築法2条も建築物・主要構造部・居室等を号ごとに定義する構成で、日本法と条文構造が近い。主要構造部の列挙内容も類似する
ドイツは連邦の Musterbauordnung をモデルに各州が Landesbauordnung を制定する。建築規制権限が州に属するため、定義も州ごとに差異が生じうる点が日本の全国一律の建築基準法と大きく異なる
米国は民間団体 ICC が作成するモデルコードを州・自治体が条例として採択する方式。定義の内容も採択自治体ごとに修正されうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築30年の実家の屋根を全面葺き替えたい。工事は来週着工予定。だがこれは主要構造部の過半に手を入れる「大規模の修繕」(2条14号)に当たらないか。木造2階建てでも2025年4月からは確認申請の対象になった(いわゆる新2号建築物)。着工後に発覚すれば工事は止まり、設計費と足場代が二重にかかる。判断できる時間は残り7日
- 庭のデッドスペースに屋根付きの駐輪場を自作した。柱を立て、屋根を張り、土台をコンクリートで固定した。その瞬間、あなたの敷地の建築面積は増え、建蔽率の計算が変わっている
- 一階の空きテナントを、前の飲食店からデイサービス事業所に変えたい。内装しか触らないから工事の話ではないと思っていたが、用途変更だけで確認申請が要る場合がある。2条2号の特殊建築物のうち別表第一(い)欄の用途で、その部分の床面積が200平方メートルを超えるときだ(87条、6条1項1号)。開業日を先に決めてしまうと、ここで全部が崩れる
- 友人から「中古の戸建てを買うんだけど、この間取り図どう思う?」と相談された。図面には6畳の部屋が「納戸(S)」と書いてある。売主は「実質は洋室ですよ」と言っている。あなたはその一語が採光基準を満たせなかった証拠であることに気付き、次に検査済証の有無を聞く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 買った建物に違反の疑いがあるなら、確認済証と検査済証の有無を確認する。手元になければ特定行政庁で建築計画概要書を閲覧できる2. 重要事項説明で違反状態が告げられていなかったなら、宅地建物取引業法上の説明義務違反と契約不適合責任(民法562条以下)の両面で追及する3. 隣地の違反建築が原因なら、特定行政庁の建築指導部局へ違反申告し9条の是正命令を促す4. 行政が動かなくても、日照や生活妨害は人格権に基づく民事の差止めという別軌道がある
訴えられた側:1. まず「どの条文のどの定義に当たると判断したのか」を書面で特定させる。2条のどの号の話かで防御は全く変わる2. 建築当時は適法で、その後の法改正で不適合になった既存不適格(3条2項)なら、そもそも違反建築物ではない。この区別が生死を分ける3. 是正命令の前には通知と意見聴取の機会がある(9条2項以下)。ここで設計者と反論書を用意する4. 命令が出たら建築審査会への審査請求(94条)か取消訴訟を選ぶ
時効(請求できる期限):建築確認は着工前に受けるのが原則で、事後に追認する制度はない(6条)。違反建築物に対する是正命令(9条)には期間制限がなく、数十年前の違反でも対象になりうる。特定行政庁の処分に不服があるときは、処分を知った日の翌日から3か月以内に建築審査会へ審査請求(94条、行政不服審査法18条)、または6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)。無確認建築の罰則(99条、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)の公訴時効は3年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)改正、平成12年施行 性能規定化。耐火構造・準耐火構造・防火構造・不燃材料の定義を、材料や工法の列挙から「性能に関する政令の技術的基準に適合し、国土交通大臣が定めた構造方法または大臣認定を受けたもの」へと転換した
- 平成30年(2018年)改正 「延焼のおそれのある部分」(6号)にただし書きが置かれ、防火上有効な空地や水面に面する部分等を除外できるようになった(改正年次は要検証)
- 令和4年(2022年)改正、令和7年(2025年)4月1日施行 特定行政庁の定義(35号)に「建築副主事」が加わり、建築主事の業務範囲区分が見直された。同時期の確認申請対象の見直しにより、木造2階建て等の大規模の修繕・模様替も確認申請の対象となった
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