建築基準法 第88条(工作物への準用)
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- 煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(以下この項において「昇降機等」という。)については、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、昇降機等については第一項第一号又は第二号の建築物に係る部分、その他のものについては同項第三号の建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条から第七条の四まで、第七条の五(第六条の四第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第八条から第十一条まで、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第五項から第十四項まで及び第三十八項から第四十項までを除く。)、第二十条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十二条、第三十三条、第三十四条第一項、第三十六条(避雷設備及び昇降機に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十八条、第四十条、第三章の二(第六十八条の二十第二項については、同項に規定する建築物以外の認証型式部材等に係る部分に限る。)、第八十六条の七第一項(第二十八条の二(同条第一号及び第二号に掲げる基準に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第八十六条の七第二項(第二十条に係る部分に限る。)、第八十六条の七第三項(第三十二条、第三十四条第一項、第三十六条(昇降機に係る部分に限る。)及び第三十七条に係る部分に限る。)、前条、次条並びに第九十条の規定を、昇降機等については、第七条の六、第十二条第一項から第四項まで、第十二条の二、第十二条の三及び第十八条第三十八項から第四十項までの規定を準用する。この場合において、第二十条第一項中「次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、当該各号に定める基準」とあるのは、「政令で定める技術的基準」と読み替えるものとする。
- 2.製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物で政令で指定するものについては、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、第一項第一号又は第二号の建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第七条、第七条の二、第七条の六から第九条の三まで、第十一条、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第五項から第十四項まで及び第二十八項から第三十七項までを除く。)、第四十八条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項、第六十八条の二第一項及び第五項、第六十八条の三第六項から第九項まで、第八十六条の七第一項(第四十八条第一項から第十四項まで及び第五十一条に係る部分に限る。)、第八十七条第二項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項並びに第六十八条の二第一項及び第五項に係る部分に限る。)、第八十七条第三項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで及び第六十八条の二第一項に係る部分に限る。)、前条、次条、第九十一条、第九十二条の二並びに第九十三条の二の規定を準用する。この場合において、第六条第二項及び別表第二中「床面積の合計」とあるのは「築造面積」と、第六十八条の二第一項中「敷地、構造、建築設備又は用途」とあるのは「用途」と読み替えるものとする。
- 3.第三条、第八条から第十一条まで、第十二条(第五項第三号を除く。)、第十二条の二、第十二条の三、第十三条、第十五条の二並びに第十八条第一項及び第四十一項の規定は、第六十四条に規定する工作物について準用する。
- 4.第一項中第六条から第七条の五まで、第十八条(第一項及び第四十一項を除く。)及び次条に係る部分は、宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第十二条第一項、第十六条第一項、第三十条第一項若しくは第三十五条第一項、都市計画法第二十九条第一項若しくは第二項若しくは第三十五条の二第一項本文、特定都市河川浸水被害対策法(平成十五年法律第七十七号)第五十七条第一項若しくは第六十二条第一項又は津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第七十三条第一項若しくは第七十八条第一項の規定による許可を受けなければならない場合の擁壁については、適用しない。
この条文の基本情報
工作物への準用とは何ですか?
定義工作物への準用とは、建築基準法第88条に定められた規定で、「煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第88条(工作物への準用)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第88条の条文原文は「煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(…」で始まります。
- 建築基準法第88条は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第88条の前の条は建築基準法第87条の4です。
- 建築基準法第88条の次の条は建築基準法第89条です。
- 建築基準法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法88条は、煙突・広告塔・擁壁・昇降機など政令指定の工作物に、建築確認や定期報告などの規定を準用する。建築物でなくても所有者に同等の義務が及ぶ。
Q · マンションのエレベーターや屋上の広告塔って、建物じゃないから建築基準法は関係ないですよね?
関係します。政令指定の工作物には建築確認と定期報告の義務が及びます
関係します。建築基準法88条は、煙突・広告塔・高架水槽・擁壁などや、昇降機・ウォーターシュート・飛行塔などのうち政令(施行令138条)で指定する工作物について、建築確認(6条)、完了検査(7条)、維持保全義務(8条)、是正命令(9条)、定期検査報告(12条)を準用すると定めています。さらに2項は製造施設・貯蔵施設・遊戯施設等に用途地域規制(48条から51条まで)を準用します。建築物でなくても、所有者・管理者は建築物とほぼ同じ手続と責任を負います。
解説
マンションの屋上にある高架水槽、駐車場のエレベーター式機械式駐車装置、遊園地のジェットコースター、道路脇の大型広告塔、擁壁。これらは「建築物」ではない。建物ではないから建築基準法は関係ない、多くの人がそう考える。88条はその思い込みを正面から破る条文である。建築物ではない「工作物」に対して、確認申請、完了検査、定期報告、違反是正命令、除却命令という建築基準法の主要な武器を丸ごと準用する。つまり、あなたのマンションのエレベーターも、テナントビルの広告塔も、宅地の擁壁も、建築物と同じ行政の監視下にある。所有者・管理者には維持保全義務(8条)が課され、定期検査報告を怠れば罰則が及ぶ。さらに製造施設や遊戯施設には用途地域の規制(48条以下)まで準用されるので、「建物じゃないから好きな場所に建てられる」も成り立たない。工作物には、建築物と同じ責任が乗っている。
法的な位置づけ
建築基準法88条は、工作物への準用を定める規定である。煙突・広告塔・高架水槽・擁壁等および昇降機・遊戯施設等のうち政令で指定するものについて、建築確認(6条)、維持保全(8条)、是正命令(9条)、定期検査報告(12条)等を準用し、製造施設・貯蔵施設・遊戯施設等には用途地域規制(48条以下)も準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.敷地内の工作物を棚卸しする 煙突、広告塔、高架水槽、擁壁、昇降機、機械式駐車装置、遊戯施設など建築物以外の設置物を台帳化し、それぞれの高さ・築造面積・設置年を実測して記録する
- 2.政令指定に該当するか判定する 建築基準法施行令138条の規模基準(煙突は高さ6メートル超、広告塔等は4メートル超、高架水槽等は8メートル超、擁壁は2メートル超など)と照合して該当工作物を抽出する。判断に迷うものは特定行政庁の建築指導課へ事前相談する
- 3.確認済証・検査済証を探す 該当工作物について確認済証と検査済証の原本を探す。見つからない場合は特定行政庁へ建築計画概要書の閲覧または台帳記載事項証明書の交付を請求し、手続の有無を公的記録で確認する
- 4.定期検査報告の体制を組む 昇降機・遊戯施設等は88条1項が準用する12条により、資格者による定期検査と特定行政庁への報告が必要になる。保守点検契約の業務範囲に定期検査報告業務が含まれているかを契約書で確認し、含まれていなければ別途発注する
- 5.不適合が見つかったら是正計画を先に出す 無確認・未報告が判明した場合、9条の命令が出る前に特定行政庁へ相談し、改善計画と工程表を提出して協議する。命令が出た後は弁明の機会と審査請求・取消訴訟の期限管理が必要になる
よくある質問 AI による整理
Q1工作物への準用とは何ですか?
建築物ではない工作物に、建築基準法の規定を条文単位で選んで及ぼす仕組みです。88条が準用する条文のリストを定めており、列挙されていない規定は工作物に適用されません。
Q2建築基準法で確認申請が必要な工作物には何がありますか?
建築基準法施行令138条が指定しており、高さ6メートル超の煙突、4メートル超の広告塔、8メートル超の高架水槽、2メートル超の擁壁、昇降機や遊戯施設などが代表例です。
Q3高架水槽にも定期報告の義務はありますか?
88条1項は12条5項以下を準用するため、特定行政庁が指定すれば報告や立入検査の対象になります。昇降機等はさらに12条1項から4項までが準用され、定期検査報告が必要です。
Q4機械式駐車装置は建築基準法の対象ですか?
政令で指定される工作物に該当すれば88条の準用対象です。所有者・管理者には維持保全義務が及び、事故時は民法717条の工作物責任とは別軌道で行政責任が問われます。
Q5工作物の是正命令に従わないとどうなりますか?
88条が準用する9条により除却・使用禁止等の命令が出され、従わない場合は建築基準法の罰則規定の対象になります。命令は設置業者ではなく所有者・管理者に向けられます。
Q6工作物の定期検査は誰が行うのですか?
昇降機等検査員など法定の資格者が検査し、所有者・管理者が特定行政庁へ報告します。保守点検業者に任せているだけでは報告義務を果たしたことになりません。
Q7建築基準法64条の工作物とは何ですか?
防火地域・準防火地域内の看板、広告塔、装飾塔等で、屋上設置のものや一定の高さを超えるものです。88条3項はこれらに維持保全や是正命令等の規定を準用します。
Q8中古物件の擁壁は何を確認すればよいですか?
確認済証・検査済証の有無、高さと構造、盛土規制法や都市計画法の許可の有無です。書類が出てこない擁壁は、建替え時に是正費用が買主負担になる可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのマンション、エレベーターの点検は業者に任せてるんですが、それで報告義務も果たしたことになりますか?
なりません。保守点検契約と、88条1項が準用する12条の定期検査報告は別物である。検査は資格者(昇降機等検査員等)が行い、報告書を特定行政庁へ提出して初めて義務が完了する。実務のポイント:保守契約の内容によって定期検査報告が含まれるものと含まれないものがあり、管理組合が「全部込み」と誤解しているケースが実務上非常に多い。契約書の業務範囲欄に「定期検査報告業務」の記載があるか、今夜のうちに確認する価値がある
Q2看板屋さんが「この広告塔は確認申請いらない」って言ってたんですが、信じていいですか?
規模次第である。88条1項は政令指定の工作物に6条(確認申請)を準用し、建築基準法施行令138条が広告塔等の高さ基準を定めている。基準を超えれば確認申請は必須で、無確認設置は違反工作物になる。実務のポイント:是正命令の名宛人は設置業者ではなく所有者である。業者の判断ミスで違反状態になっても、行政からの通知はあなたに来る。設置見積書に「建築確認申請の要否判定」を業者の責任で書面化させておくと、後の求償の足場になる
Q3擁壁って建築基準法と宅地造成の法律、どっちの管轄なんですか?
両方が場面ごとに切り替わる。88条4項は、宅地造成及び特定盛土等規制法や都市計画法などに基づく許可を受ける場合、建築確認に関する部分を適用除外とする。逆に言えば、それらの許可が不要な擁壁には建築基準法側の確認手続が残る。実務のポイント:古い擁壁は、どちらの手続も経ていない「出自不明」のものが少なくない。売買の重要事項説明で擁壁の適法性まで踏み込む業者は限られるため、買主側から明示的に書類提出を求めないと情報は出てこない
Q4遊園地のアトラクションって、建物じゃないのに用途地域の制限を受けるんですか?
受ける。88条2項は製造施設・貯蔵施設・遊戯施設等の政令指定工作物に、48条から51条まで(用途地域内の建築制限、特殊建築物等の位置)を準用する。読替規定により「床面積の合計」は「築造面積」と読み替えられる。実務のポイント:用途地域の適合性は、土地の取得契約を結ぶ前に特定行政庁へ事前相談するのが定石である。取得後に判明すると、設備投資計画そのものが立ち行かなくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築物ではないから建築基準法の対象外」という理解は、問いの立て方そのものが誤っている。正しい問いは「この工作物は政令で指定されているか」である。建築基準法施行令138条が指定リストを持っており、高さ6メートル超の煙突、4メートル超の広告塔、8メートル超の高架水槽、2メートル超の擁壁など、具体的な基準で線が引かれている。建築物かどうかは入口ですらない
- 昇降機に定期検査義務があることは知っている管理組合は多い。だがその義務の根拠が88条を経由した12条であり、同じ12条から特定行政庁の立入検査権、報告徴収権、そして違反時の罰則まで一続きで繋がっていることまで把握している組合は少ない。「報告書を出し忘れた」は事務ミスではなく、法定義務の不履行である
- 所有者から見れば工作物は「設置業者が全部やってくれたもの」だが、法律から見れば所有者・管理者こそが維持保全義務(8条準用)の名宛人である。業者が確認申請を怠っていても、是正命令は所有者に来る。この落差が、業者が倒産・撤退した後の所有者を直撃する
- 「擁壁は宅地造成の話だから建築基準法は関係ない」と思われがちだが、88条4項は逆の構造を定める。宅地造成及び特定盛土等規制法、都市計画法、特定都市河川浸水被害対策法、津波防災地域づくりに関する法律に基づく許可を受ける場合にのみ、建築確認の部分が適用除外される。つまり他法の許可がない擁壁は、建築基準法側の手続に戻ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 88条:政令で指定する工作物(煙突・広告塔・高架水槽・擁壁・昇降機・遊戯施設等) | 6条:建築物(土地に定着し屋根・柱または壁を有するもの) 87条:既存建築物の用途を特殊建築物等に変更する場合 |
| 手続の発動条件 | 政令の規模基準を超えたときに6条以下が準用される | 新築・増改築・大規模の修繕等で当然に適用 用途変更により200平方メートル超の特殊建築物になる場合に確認が必要 |
| 用途地域規制の及び方 | 2項の製造施設・貯蔵施設・遊戯施設等にのみ48条から51条までが準用され、床面積は築造面積と読み替える | 建築物には集団規定が原則として全面適用 変更後の用途について48条以下が適用される |
| 適用除外 | 4項:盛土規制法・都市計画法等の許可を受ける擁壁は確認手続に係る部分が不適用 | 防火地域・準防火地域外での10平方メートル以内の増築等は確認不要(6条2項) 政令で定める類似の用途相互間の変更は確認不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「雑項工作物」という独立の概念を条文で定義し、広告看板・水塔・煙突・囲牆・機械遊楽設施・昇降設備・機械停車設備等を列挙したうえで雑項執照という別建ての許可を要求する。日本の準用方式より名宛人にとって読みやすいが、列挙外の新型設備への対応は日本と同じく施行細則に依存する
韓国も日本と同じ準用方式を採り、施行令で規模基準(擁壁・広告塔・煙突等の高さ等)を定めて築造申告の対象を画する。日本統治期の建築法制の影響が残る典型例で、条文構造が88条と極めて近い
ドイツは「bauliche Anlage」の定義自体を広く取り、さらに「andere Anlagen und Einrichtungen」に法の要求が及ぶと定めるため、準用リストを作らずに包括的に規律する。建築許可を要しない手続免除(verfahrensfreie Vorhaben)のリストで裏側から範囲を絞る設計
米国はモデルコードを各州・自治体が採用する方式で、retaining wall、sign、elevator 等の許可要否と規模基準は自治体ごとに異なる。昇降機は ASME A17.1等の民間規格が実質的な技術基準として機能し、州の昇降機安全法で検査が義務づけられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 分譲マンションの管理組合理事になったあなたのもとに、特定行政庁から昇降機の定期検査報告が未提出だという通知が届く。エレベーターは建築物ではないが、88条1項が12条を準用しているため報告義務がある。報告を怠ると建築基準法101条の罰則対象になる。理事会は輪番制でも、義務は組合に残り続ける
- 自社ビルの屋上に設置した高さ5メートルの広告塔。設置業者は「看板だから確認申請は不要です」と言った。だが政令で指定される規模(工作物の種類ごとに高さ基準がある)を超えていれば、88条1項により6条の確認申請が準用される。無確認で設置すれば違反建築物として是正命令(9条)の対象になり、命令に従わなければ刑事罰まで射程に入る
- もしあなたが購入予定の中古住宅の裏手に、高さ3メートルの古い擁壁があったとしたら? その擁壁が確認申請を経て築造されたものか、検査済証はあるか。88条1項により擁壁も確認手続の対象であり、無確認の擁壁は将来の建替え時に是正を求められる爆弾になる。重要事項説明で触れられないことも多い
- 遊園地の運営会社が新しい大型遊戯施設を導入しようとしたところ、その敷地が用途地域の制限に引っかかった。88条2項は48条から51条まで(用途地域規制)を遊戯施設に準用する。建物を建てるわけではないのに、用途規制で止まる
- テナントとして入居しているビルの機械式駐車装置で事故が起きた。あなたは借主だが、工作物の所有者・管理者責任(88条経由の8条維持保全義務)と、民法717条の工作物責任、両方が同時に走る。あと3日で保険会社への事故報告期限。どちらの責任軸で組み立てるかで、求償先が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 工作物の倒壊・落下・昇降機事故などで被害を受けた場合、現場写真と工作物の外観(型式銘板、設置年、管理者表示)を即日確保2. 所在地の特定行政庁(市区町村の建築指導課)に、当該工作物の確認済証・検査済証・定期検査報告の提出状況を情報公開請求または窓口照会3. 未確認・未報告が判明したら、それを前提に民法717条の工作物責任と709条の不法行為責任を組み立てる4. 所有者と管理者が異なる場合、両者を相手方候補として資力を確認してから請求先を決める
訴えられた側:1. まず当該工作物が建築基準法施行令138条の指定工作物に該当するか、規模基準(高さ等)を実測して確認。非該当なら88条の準用自体が及ばない2. 該当する場合、確認済証・検査済証の有無を過去の設置業者と登記関係書類から探す。設置が古く書類が散逸しているケースは多い3. 特定行政庁から是正指導が来た段階なら、命令(9条)に至る前に改善計画を提出して協議する。命令が出た後は弁明の機会と審査請求の期限管理が必要4. 事故が絡む場合、行政手続と民事賠償と刑事責任は別軌道で進むので、供述内容の整合性を弁護士と事前に詰める
時効(請求できる期限):定期検査報告は特定行政庁が定める頻度(昇降機は原則として毎年、遊戯施設も同様)で提出。是正命令に対する審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。民法717条に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体を害する場合は5年)、不法行為時から20年(民法724条、724条の2)。なお政令指定の具体的な規模基準および報告頻度は改正されることがあるため、最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:88条の準用は列挙された条文に限って効力が及ぶ限定列挙であり、列挙されていない規定は工作物に適用されない。したがって所有者の義務の範囲は、施行令138条の指定と88条各項の準用リストを突き合わせて初めて確定し、条文本文だけを読んでも把握できない構造になっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定に伴い、前身の市街地建築物法を引き継ぐ形で、建築物以外の工作物に建築確認等の規定を準用する条文が置かれた
- 2.令和4年(2022年) 改正:宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)の制定に伴い、4項の擁壁に関する適用除外の引用法令および条項が改められた
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