地方税法 第72条の50(個人の事業税の賦課の方法)
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- 個人の行う事業に対し事業税を課する場合には、第四項に規定する場合を除き、道府県知事は、当該個人の当該年度の初日の属する年の前年中の所得税の課税標準である所得のうち第七十二条の四十九の十二第一項においてその計算の例によるものとされる所得税法第二十六条及び第二十七条に規定する不動産所得及び事業所得について当該個人が税務官署に申告し、若しくは修正申告し、又は税務官署が更正し、若しくは決定した課税標準を基準として、事業税を課するものとする。ただし、第七十二条の四十九の十二第一項ただし書の規定の適用を受ける第七十二条の二第十項第一号から第五号までに掲げる事業を行う個人若しくは事業税を課されない事業とその他の事業とを併せて行う個人又は当該申告若しくは修正申告において同法第二十六条若しくは第二十七条に規定する不動産所得若しくは事業所得を同法第二十三条から第三十五条までに規定する他の種類の所得としたため、当該申告若しくは修正申告に係る課税標準が第七十二条の四十九の十二第一項の規定により算定される課税標準と異なることとなる個人の行う事業に対し事業税を課する場合には、道府県知事は、その調査によつて、当該年度の初日の属する年の前年中の所得を決定して事業税を課するものとする。
- 2.道府県知事は、前項の個人が不動産所得及び事業所得に係る課税標準について税務官署に申告しなかつた場合において、税務官署が当該年度の初日の属する年の五月三十一日(第十三条の二第一項各号の一に掲げる事由が発生した場合には、その事由が発生した日)までに課税標準を決定しないときは、前項の規定にかかわらず、その調査によつて、個人の行う事業の所得を決定して事業税を課するものとする。所得税法第百二十条(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定により税務官署に申告したが、当該申告した所得から同法第七十二条から第八十四条の二まで及び第八十六条(同法第百六十五条第一項の規定により同法第七十二条、第七十八条及び第八十六条の規定に準ずる場合を含む。)に規定する控除額を控除することにより納付すべき所得税額がなくなる場合においても、また同様とする。
- 3.道府県知事は、個人が税務官署に申告し、若しくは修正申告し、又は税務官署が更正し、若しくは決定した不動産所得及び事業所得に係る課税標準が過少であると認めるときは、当該年の十月一日から十月三十一日までに、税務官署に対し、更正をすべき事由を記載した書類を添えて、更正をすべき旨を請求することができる。この場合において、正当な事由がなくて当該税務官署が当該更正の請求を受けた日から三月以内に更正をしないときは、道府県知事は、当該税務官署を監督する税務官署に更正をすべき旨を請求することができる。
- 4.年の中途において事業を廃止した個人の行う事業に対し事業税を課する場合には、第一項の規定によるほか、道府県知事は、その調査によつて、当該年度の初日の属する年の一月一日から事業の廃止の日までの期間に係る所得を決定して事業税を課するものとする。
この条文の基本情報
個人の事業税の賦課の方法とは何ですか?
定義個人の事業税の賦課の方法とは、地方税法第72条の50に定められた規定で、「個人の行う事業に対し事業税を課する場合には、第四項に規定する場合を除き、道府県知事は、当該個人の当該年度の初日の属する年の前年中の所得税の課税標準である所得のう…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第72条の50(個人の事業税の賦課の方法)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第72条の50の条文原文は「個人の行う事業に対し事業税を課する場合には、第四項に規定する場合を除き、道府県知事は、当該個人の当該年度の初日の属する年の前年中の所得税の課税標準である所得のう…」で始まります。
- 地方税法第72条の50は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第72条の50の前の条は地方税法第72条の49の18です。
- 地方税法第72条の50の次の条は地方税法第72条の51です。
- 地方税法第72条の50には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の50 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の50(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/72_50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法72条の50は、個人事業税を確定申告の事業所得・不動産所得を基準に課すと定める。所得区分の食い違いや無申告、年途中の廃業では知事が独自に調査して所得を決める。
Q · 確定申告だけしていれば、個人事業税はどう決まるの?
原則、確定申告の事業所得を基に県が自動で課税する
地方税法72条の50第1項により、都道府県知事は所得税の確定申告(修正申告、税務署の更正・決定を含む)の不動産所得・事業所得を基準に個人事業税を課します。ただし、事業所得を雑所得などで申告して計算が食い違う場合、無申告で税務署が5月31日までに決定しない場合、所得税額がゼロになる申告の場合、年の途中で廃業した場合は、知事が自ら調査して所得を決定します。
解説
個人事業税の申告書を自分で出した記憶がない人は多いはずだ。それで問題はない。都道府県知事は、あなたが税務署に出した所得税の確定申告から不動産所得と事業所得を拾い、その数字を基準に事業税を課す(第1項)。東京都も同じ仕組みである(地方税法1条2項)。ただし、確定申告の数字がそのまま使われるとは限らない。条文は、知事が自分で調べて所得を決め直す場面を三つ定めている。一つ目は、事業所得を雑所得など別の所得区分で申告し、事業税の計算と食い違う場合。二つ目は、確定申告をしておらず、税務署も5月31日までに決定しない場合(第2項)。三つ目は、年の途中で廃業した場合(第4項)。さらに、所得が少なすぎると知事が判断すれば、毎年10月中に税務署へ「更正(税務署が申告額を正しい額に直す処分)をせよ」と請求できる(第3項)。税務署と県税事務所は連動している。確定申告書に書いた所得区分の一行は、所得税と事業税の両方に効いてくる。
法的な位置づけ
地方税法第72条の50は、個人事業税の賦課方法を定める規定である。原則として所得税の申告・更正・決定に係る不動産所得および事業所得の課税標準を基準とし、所得区分の相違、無申告、納付税額のない申告、年の中途の事業廃止の場合には道府県知事の調査による所得決定を認め、さらに知事から税務官署への更正請求の手続を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確定申告書第二表の事業税欄を埋める 確定申告の際、第二表「住民税・事業税に関する事項」の事業税欄に、非課税所得、損失の繰越額、開廃業の日付などを記入する。空欄のままだと、県は記載された数字どおりに課税する
- 2.業種と所得区分を事前に整理する 自分の業種が地方税法72条の2の法定業種に当たるか、事業所得と雑所得のどちらが実態に合うかを、業務の継続性・規模・契約形態から整理し、根拠資料を保存しておく
- 3.県税事務所からの照会に書面で回答する 事業内容の照会文書が届いたら、期限内に業務内容、法定業種に当たらない理由、所得区分の根拠を書面で回答する。知事の決定が出る前のほうが数字を動かしやすい
- 4.課税通知の内容を確認し、必要なら審査請求する 届いた納税通知書の所得金額を確定申告書と照合し、事業主控除や業種区分の誤りがないか確認する。誤りがあれば県税事務所に説明し、解決しなければ通知を受けた日の翌日から3か月以内に知事へ審査請求する
- 5.廃業年の事業税見込額を経費に入れる 年の途中で廃業する場合、その年分の事業税の見込額を廃業年の確定申告で必要経費に算入する(所得税基本通達37-7)。翌年以降は差し引く所得がなくなるため、廃業年に処理する
よくある質問 AI による整理
Q1個人事業税とは何ですか?
一定の法定業種を営む個人に都道府県が課す地方税です。事業所得・不動産所得から事業主控除290万円などを引いた額に、業種ごとの税率をかけて計算します。
Q2個人事業税の通知はいつ届きますか?
多くの都道府県では8月ごろに納税通知書が届き、8月と11月の2回に分けて納めるのが一般的です。前年の確定申告の内容が基準になります。
Q3個人事業税の申告書は別に出さないといけない?
所得税の確定申告書を提出していれば、事業税の申告をしたものとして扱われるため、通常は別途の申告は不要です。第二表の事業税欄の記入は重要です。
Q4個人事業税の税率は何%ですか?
業種区分によって異なり、第一種事業(物品販売業など)と第三種事業の多くは5%、第二種事業(畜産業など)は4%、一部の第三種事業は3%です。
Q5個人事業税を払わないとどうなる?
納期限を過ぎると延滞金がかかり、督促状が届きます。それでも納めなければ、預金や売掛金などの財産が差し押さえられる滞納処分に進むことがあります。
Q6不動産所得にも個人事業税はかかる?
不動産貸付業や駐車場業として一定規模を超えると、第一種事業として課税対象になります。小規模な貸付であれば対象外になることもあります。
Q7年の途中で廃業したら個人事業税はどうなる?
1月1日から廃業日までの所得に事業税がかかり、知事が調査して所得を決めます(72条の50第4項)。廃業後の申告期限にも注意が必要です。
Q8県は税務署の申告内容を知っている?
知っています。本条は確定申告の数字をそのまま基準に使う設計で、県は過少と判断すれば10月中に税務署へ更正を請求することもできます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1確定申告しかしてないのに、なんで事業税の請求が来るんですか?
地方税法72条の50第1項により、知事は確定申告の不動産所得と事業所得を基準に事業税を課すからである。事業税のために別の申告をしなくても、確定申告が実質的にその役割を果たしている。実務のポイント:確定申告で使った青色申告特別控除65万円は、事業税の計算では引かれない。所得税の課税所得をもとに事業税を見積もると、実際の額との差に驚くことになる
Q2副業を雑所得で申告していれば、事業税はかからないんですよね?
そうとは限らない。第1項ただし書により、申告上の区分が事業税の計算と食い違えば、知事は自分で調べて所得を決める。規模や継続性から事業と判断されれば課税対象になる。実務のポイント:ただし事業税がかかるのは法定業種だけである。翻訳業や文筆業など、法定業種に含まれない仕事も実在する。所得区分の議論より先に、自分の業種が法定業種の列挙に入っているかを確かめるほうが早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「事業税の申告をしていないから払わなくていい」と考えるのは逆である。確定申告を出せば、その内容を基準に都道府県が自動で課税してくる。逆に、確定申告をしなかった人は、税務署が5月31日までに決定しなければ、知事が自分で調査して所得を決める
- 雑所得で申告すれば事業税を避けられる、という噂は知っていても、どこまで危ういかを知る人は少ない。第1項ただし書は、申告上の区分が実態と違う場合、知事が独自調査で所得を決め直すと定めている。所得区分は申告者が自由に選べるものではなく、実態で判断される
- 税務署と県は別の役所だから情報は伝わらない、という見方は出発点から誤っている。条文は最初から確定申告の数字をそのまま使う前提で作られている。そのうえ第3項により、県は税務署に対して更正を正式に請求することまでできる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 72条の50:誰がどの数字を基準に課税するか(賦課の方法) | 72条の49の12:課税標準をどう計算するか 72条の55:個人が事業税を申告する義務 |
| 主な行為者 | 道府県知事(課税・調査・税務署への更正請求) | 課税庁による所得計算(所得税の計算例による) 納税者である個人 |
| 確定申告との関係 | 確定申告の不動産所得・事業所得を基準として使う | 所得税の計算例によるが、青色申告特別控除などは引かない 確定申告書の提出で事業税の申告に代えられる扱いがある |
| 期間・期限 | 税務署決定の基準日5月31日、更正請求は10月1日〜31日 | 前年中の所得が対象 原則3月15日、廃業時は原則1か月以内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には個人事業税に相当する地方税がなく、独資・組合の事業所得は総合所得税で一体的に課税される。国税と地方税の連動という論点自体が生じにくい
韓国の個人地方所得税は国税の総合所得税の課税標準に連動して課される点で、国税申告に依拠する日本の設計と発想が近い
ドイツの営業税は所得税法上の利益を基準とし、税務署が税額基準額を決定して市町村が課税する。国の決定に地方課税が依拠する点で日本と類似する
米国では連邦レベルに同種の税はなく、ニューヨーク市の非法人事業税など一部の地方が独自に課税している。連邦申告の数字を出発点とする点は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 副業の Web 制作収入を「雑所得」で確定申告した。8月、県税事務所から事業内容の照会が届く。ただし書により、知事は申告の区分にしばられず、自分で調べて事業所得として決めることができる
- 所得控除で所得税額がゼロになったので、申告はもう済んだと思っていたフリーランス。第2項後段は、この「税額ゼロの申告」も知事が独自に調査・決定する対象にしている。税額ゼロの申告をしたからといって、事業税の調査の対象から外れるわけではない
- もし6月末で個人事業をたたみ、法人を作ったらどうなる? 1月1日から廃業日までの所得に事業税がかかり(第4項)、廃業届のあと原則1か月以内に事業税の申告も求められる。法人化で忙しいこの時期に、個人側の後始末を忘れやすい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた課税通知の所得金額を、確定申告書の事業所得・不動産所得と照らし合わせる2. 業種が法定業種(地方税法72条の2)に当たるか、事業主控除290万円(72条の49の14、期間に応じて按分)が引かれているかを確かめる3. 誤りがあれば、まず県税事務所に根拠資料を添えて説明する4. 解決しなければ、通知を受けた日の翌日から3か月以内に知事へ審査請求する(行政不服審査法18条)
訴えられた側:1. 県税事務所からの照会には期限内に書面で答え、業務内容・契約形態・所得区分の根拠を示す2. 雑所得として申告した理由(継続性や規模など)を客観的な資料で説明する3. 申告漏れが本当にあるなら、決定が出る前に自分から修正申告する4. 廃業した場合は、廃業日から原則1か月以内に事業税の申告をする(72条の55、最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):税務署が決定を出す期限の基準日は、その年の5月31日(第2項)。知事が税務署へ更正を請求できるのは10月1日から10月31日まで。税務署が3か月以内に更正しなければ、知事は監督する税務官署に請求できる(第3項)。知事が更正・決定できる期間は原則3年、偽りその他不正の行為があれば7年(地方税法17条の5、最新の改正状況をご確認ください)。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内
学説
実務・通説:個人事業税は賦課課税方式の税であり、本条は国税である所得税の申告・更正・決定に依拠して課税標準を把握する仕組みを採る。国税への依拠が不適切な場面に限り知事の独自調査を認める二段構造と理解されている
- 地方税法 第72条の49の12個人事業税の課税標準の算定方法
- 地方税法 第72条の49の14事業主控除290万円の控除
- 地方税法 第72条の2納税義務者と法定業種の範囲
- 地方税法 第72条の55個人事業税の申告義務・廃業時の申告
- 地方税法 第17条の5更正・決定の期間制限
- 所得税法 第27条基準となる事業所得の定義
- 所得税法 第120条基準となる確定申告の義務
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