司法書士法 第16条
クイックジャンプ
- 司法書士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本司法書士会連合会は、その登録を取り消すことができる。
- 一引き続き二年以上業務を行わないとき。
- 二心身の故障により業務を行うことができないとき。
- 2.司法書士が心身の故障により業務を行うことができないおそれがある場合として法務省令で定める場合に該当することとなつたときは、その者又はその法定代理人若しくは同居の親族は、遅滞なく、当該司法書士が所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出るものとする。
- 3.日本司法書士会連合会は、第一項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該司法書士に書面により通知しなければならない。
- 4.第十条第一項後段の規定は、第一項の規定による登録の取消しに準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第16条は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第16条の条文原文は「司法書士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本司法書士会連合会は、その登録を取り消すことができる。」で始まります。
- 司法書士法第16条は第三章 登録に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第16条の前の条は司法書士法第15条です。
- 司法書士法第16条の次の条は司法書士法第17条です。
- 司法書士法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法16条は、二年以上業務を行わないときや心身の故障で業務を行えないとき、日本司法書士会連合会が登録を取り消すことができると定める。取消しは裁量で書面通知を要する。
Q · 司法書士が二年休業したら、登録は自動的に消えるの?
自動ではない。日司連が裁量で取り消せるだけ
司法書士法16条1項は、引き続き二年以上業務を行わないとき、または心身の故障で業務を行えないとき、日本司法書士会連合会が登録を「取り消すことができる」と定めます。取消しは義務ではなく裁量で、同条4項により登録審査会の議決が必要です。取り消した場合は理由を書面で通知しなければなりません(3項)。登録が取り消されても資格自体は残るため、再登録による復帰が可能です。
解説
司法書士試験に合格した事実と、司法書士として名乗って仕事ができる状態は、法律上は別物である。後者は日本司法書士会連合会(以下、日司連)の名簿に「登録」されて初めて生まれる。本条は、その登録を日司連が自らの判断で消せる場面を二つ定めている。ひとつは、二年以上続けて業務をしていないとき。もうひとつは、心身の故障で業務ができないときである。条文の文言は「取り消さなければならない」ではなく「取り消すことができる」。登録が自動的に失われるわけではなく、日司連が裁量で判断する。さらに4項が10条1項後段を準用しているので、取消しは登録審査会(日司連とは別に置かれた審査機関)の議決に基づいて行わなければならない。押さえておくべき点は二つある。第一に、登録を取り消されても試験合格で得た資格そのものは消えない。登録をやり直せば、司法書士として戻れる道が残る。懲戒で処分を受けた場合とは扱いがまったく違う。第二に、3項により取消しは理由を書いた書面で通知される。その書面が、不服を申し立てるときの出発点になる。
法的な位置づけ
司法書士法16条は、登録の任意的取消しを定める規定である。司法書士が引き続き二年以上業務を行わない場合、または心身の故障により業務を行うことができない場合に、日本司法書士会連合会が登録審査会の議決に基づき登録を取り消すことができる旨、心身の故障のおそれに関する届出義務、および理由を付した書面通知義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.休業期間と業務実績を記録する 最後に業務を行った日、受任記録、業務日誌を整理し、「引き続き二年」の起算点を把握しておく。休業に入る際は理由と復帰予定もメモに残す
- 2.所属の司法書士会に復帰計画を書面で伝える 休業が二年に近づいた時点で、復帰時期と準備状況(研修受講、事務所確保など)を所属の司法書士会へ書面で連絡し、登録審査会の判断材料となる記録を残す
- 3.心身の故障がある場合は届出と案件引継ぎを並行する 法務省令で定める場合に該当したら、本人・法定代理人・同居の親族が所属の司法書士会を経由して日司連へ遅滞なく届け出る。同時に、進行中の登記・後見案件の引継ぎ先を確保する
- 4.取消通知を受けたら理由と証拠を突き合わせる 通知書の到達日を記録し、理由欄の記載を業務記録や主治医の意見書と照合する。食い違いがあれば、審査請求期間内に不服申立てを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士の登録取消しとは何ですか?
日本司法書士会連合会の名簿から登録を抹消することです。16条の取消しは懲戒ではなく、長期休業や心身の故障を理由とする裁量的な措置で、資格そのものは残ります。
Q2司法書士 休業 何年で登録取消し?
引き続き二年以上業務を行わない場合に取消しの対象になりえます(16条1項1号)。ただし「できる」規定なので、二年経過で自動的に消えるわけではありません。
Q3司法書士 登録取消し 再登録できる?
できます。16条の取消しは資格を失わせるものではないため、欠格事由(5条)に当たらなければ改めて登録を申請できます。試験の受け直しは不要です。
Q4司法書士が病気になったら誰が届け出る?
法務省令で定める場合に該当すると、本人、法定代理人または同居の親族が、所属の司法書士会を経由して日司連へ遅滞なく届け出るものとされています(16条2項)。
Q5司法書士 登録取消し 通知は来る?
来ます。16条3項により、日司連は取消しの旨と理由を当該司法書士に書面で通知しなければなりません。この書面が不服申立ての出発点になります。
Q6司法書士の登録取消しに不服を申し立てられる?
法務大臣への審査請求や取消訴訟が考えられます。審査請求は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内です。準用関係は現行条文で確認してください。
Q7司法書士 心身の故障 届出しないと違法?
16条2項は「届け出るものとする」という規定で、届出を怠った場合の罰則は置かれていません。ただし放置すると依頼者の案件停滞による責任問題が生じえます。
Q8司法書士 登録取消し 懲戒と違う?
違います。16条の取消しは長期休業や心身の故障に対する名簿整理の措置で、非行を理由とする懲戒(47条)とは性質も効果も異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会費はちゃんと払ってます。それでも二年休んだら登録を消されるんですか?
可能性はある。16条1項1号が要件にしているのは「業務を行わない」状態が二年以上続くことで、会費を納めているかどうかは要件ではない。ただし規定は「できる」であり、取消しは裁量で行われ、登録審査会の議決も必要になる(同条4項、10条1項後段)。実務のポイント:休業していても、復帰の意思と準備を書面で示しておいた人と、何も連絡しなかった人とでは、審査の場での印象がまったく違う。連絡を一本入れるだけで済む防御である
Q2父が認知症になったみたいで…家族が届け出ないといけないんですか?
16条2項は、法務省令で定める心身の故障に当たる場合、本人、法定代理人または同居の親族が、所属の司法書士会を経由して日司連に届け出るものと定めている。届け出なかったことへの罰則規定はない。実務のポイント:届出より急ぐべきなのは、依頼者の登記期限や後見事務を止めないことだ。同じ地域の司法書士会に相談すれば、案件の引継ぎ先を紹介してもらえる場合がある。家族が抱え込むほど、損害賠償のリスクが膨らんでいく
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録を取り消されたら、もう司法書士には戻れない」という思い込みは誤りである。本条の取消しは懲戒処分ではなく、試験合格や認可で得た資格はそのまま残る。欠格事由(5条)に当たらない限り、改めて登録を申請すれば復帰の道は開いている。登録免許税や入会金はもう一度かかるが、試験を受け直す必要はない(最新の改正状況をご確認ください)
- 休業中の司法書士が悩むのは「会費を払っていれば登録は守られるか」という点だが、問いの立て方がずれている。1項1号が見ているのは会費を払ったかどうかではなく、業務を行ったかどうかである。会費をきちんと納めていても、二年以上業務がなければ取消しの対象になりうる。反対に、取消しはあくまで裁量なので、二年を超えたからといって自動的に名簿から消えるわけでもない
- 家族から見れば、2項の届出は父の名誉を傷つける告げ口のように感じられる。だが法律は、依頼者の登記や後見事務が止まるのを防ぐための連絡路としてこの届出を置いている。届出をためらって放置すると、その間に依頼者の期限が過ぎ、損害賠償の問題が家族の側に回ってくるおそれがある。なお2項は「ものとする」という規定で、届け出なかったことへの罰則は置かれていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取消しの性質 | 16条:任意的取消し(「取り消すことができる」=裁量) | 15条:必要的取消し(業務廃止・死亡・資格喪失等で取り消さなければならない) 10条:登録の拒否(登録段階での審査) |
| 主な事由 | 二年以上の業務不実施、心身の故障による業務不能 | 業務の廃止、死亡、資格を有しないことの判明、欠格事由該当など 業務を適正に行うことができない者等への登録拒否 |
| 手続 | 登録審査会の議決(4項で10条1項後段を準用)+理由付き書面通知(3項) | 事由が生じれば日司連が取り消す 登録審査会の議決に基づく拒否 |
| 資格への影響 | 資格は残り、再登録が可能 | 事由次第(欠格事由該当なら解消まで再登録不可) 登録されないが資格自体は残る |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾で不動産登記代理を担う地政士は、開業執照と所属公会による管理を受ける。日本の司法書士登録と機能的に近いが、取消事由の構造は要確認
韓国の法務士も大韓法務士協会への登録制を採る。日本の司法書士制度と沿革上の近さがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の介護のために事務所を閉め、会費だけ払い続けて二年半が過ぎた。もし日司連から登録取消しの手続が始まったら、どうなる? 会費を払っていても、業務をしていない事実は消えない。ただし取消しは裁量によるので、業務を再開する予定と準備の実態を記録で示せるかどうかが分かれ目になる
- 司法書士である父が脳梗塞で倒れ、後見や登記の依頼を抱えたまま意識が戻らない。2項は、同居の家族にも所属の司法書士会を経由して日司連へ届け出るよう求めている。依頼者の登記期限は待ってくれない。家族がまず動くべきなのは、届出と並んで、進行中の案件を引き継ぐ先を確保することだ
- 登録取消しの通知書が届いた。理由欄には「心身の故障」とある。だが本人は治療を続けながら、すでに業務を再開している。通知を受け取った日から審査請求の期間が動き出す。主治医の意見書を早めに用意できるかどうかで、結果が変わりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消通知を受け取ったら、到達日をメモし、通知書の原本を保管する2. 理由欄に書かれた事実(業務をしていない期間、心身の状態)を、業務日誌・受任記録・主治医の意見書と突き合わせる3. 理由に誤りがあれば、法務大臣への審査請求を検討する(17条による12条の準用。現行効力を要確認) 4. 争わない場合でも、資格は残るので、回復した後に再登録する計画を立てる
訴えられた側:立場を「取り消される側」と読み替えて記す。1. 休業に入る前に、休業する理由と復帰予定を所属の司法書士会に書面で届けておく2. 心身の不調があれば、家族と2項の届出の段取りを共有し、受任中の案件を引き継ぐ先を決めておく3. 復帰の見込みが立たない場合は、自分から登録取消しを申請し(15条)、再登録の道を残すほうが穏当なこともある
時効(請求できる期限):1項1号の基準は、業務をしていない期間が引き続き二年以上であること。取消処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)に行う。2項の届出は「遅滞なく」とされ、日数の定めはない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:司法書士法(昭和25年法律第197号)の制定。登録制度が整備される
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等の権利制限に係る措置の適正化を図る関係法律整備により、心身の故障を基準とする個別判断の枠組みと届出の規定が整備された(施行日・改正範囲は現行条文で要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める