司法書士法 第43条(法定脱退)
クイックジャンプ
- 司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
- 一司法書士の登録の取消し
- 二定款に定める理由の発生
- 三総社員の同意
- 四第二十八条第二項各号のいずれかに該当することとなつたこと。
- 五除名
この条文の基本情報
法定脱退とは何ですか?
定義法定脱退とは、司法書士法第43条に定められた規定で、「司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第43条(法定脱退)は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第43条の条文原文は「司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。」で始まります。
- 司法書士法第43条は第五章 司法書士法人に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第43条の前の条は司法書士法第42条です。
- 司法書士法第43条の次の条は司法書士法第44条です。
- 司法書士法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法43条は、司法書士法人の社員が登録取消し・定款事由・総社員の同意・欠格該当・除名の5つの理由で当然に脱退すると定める。業務停止の懲戒も脱退原因となる。
Q · 業務停止の懲戒を受けたら、司法書士法人の社員から外れてしまうの?
外れる。停止期間中は社員欠格となり法定脱退する
司法書士法43条4号により、社員が28条2項各号のいずれかに該当すると、その時点で法人から脱退します。28条2項には業務停止の処分を受けて停止期間を経過しない者が含まれるため、停止期間の長短に関係なく脱退の効果が生じます。停止が明けても自動で社員に戻る規定はなく、改めて加入の手続が必要です。社員が一人の法人では、社員がいなくなることで解散事由(44条)にも関わります。
解説
司法書士法人の社員(出資して経営を担う司法書士)は、辞表を出さなくても法人から外れることがある。本条はその「自動的に外れる」五つの理由を並べたものだ。登録の取消し、定款に書いた事由の発生、総社員の同意、第二十八条第二項各号への該当、除名である。見落とされやすいのは四つ目だ。第二十八条第二項は「社員になれない者」の条文で、懲戒による業務停止を受けて停止期間が終わっていない者などが該当する。つまり自分の法人の代表であっても、法務大臣から業務停止の懲戒(第四十七条)を受けた時点で社員の地位を失う。停止期間が一か月だけでも同じである。社員が一人だけの法人なら社員がいなくなり、解散事由(第四十四条)に直結する。共同経営者を迎えるとき、定款を作るとき、懲戒の調査が始まったとき、本条を知っているかどうかで打つ手が変わる。
法的な位置づけ
司法書士法第43条は、司法書士法人の社員の法定脱退を定める規定である。社員は、司法書士の登録の取消し、定款所定の理由の発生、総社員の同意、同法第28条第2項各号に定める社員欠格事由への該当、除名のいずれかにより、退社の意思表示を要せず法人から脱退する。持分会社の法定退社(会社法第607条)に対応する仕組みである。
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士法人の法定脱退とは何ですか?
司法書士法43条が定める五つの理由(登録取消し、定款事由、総社員の同意、欠格該当、除名)が生じたとき、本人の意思表示なしに社員の地位を失うことです。
Q2司法書士法人の社員が死亡したらどうなる?
死亡により司法書士の登録が取り消され、43条1号の登録取消しを経由して法人から脱退します。残った社員は社員の変更登記を申請する必要があります。
Q3司法書士法人の社員変更登記はいつまでに必要?
組合等登記令により、変更が生じてから2週間以内に申請するのが原則です。最新の改正状況は法務局で確認してください。
Q4司法書士法人の社員になれない人は?
司法書士法28条2項各号に該当する者で、業務停止の処分を受けて停止期間を経過しない者などが含まれます。該当すれば既存社員も43条4号で脱退します。
Q5一人法人の司法書士法人は社員が脱退したら解散する?
唯一の社員が脱退すると社員がいなくなり、社員の欠亡として解散事由(44条)に関わります。業務停止一つで法人を失うおそれがあります。
Q6定款に脱退事由を自由に書けますか?
43条2号により、定款に定めた理由の発生も脱退事由になります。年齢、長期の業務不従事など、設立時に具体的に定めておくと紛争予防になります。
Q7司法書士法人の社員は自分の意思で辞められる?
本条は法定脱退のみを定めています。本人の意思による退社は、定款の定めや準用される会社法の規定によることになるため、定款と準用条文の確認が必要です。
Q8脱退した社員の持分払戻しはどう決まる?
定款の定めと、準用される会社法の持分払戻しの規定に従って算定されます。設立時に計算方法を定款に書いておくと、脱退時の争いを減らせます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業務停止が終わったら、法人の社員に自動で戻れるんですか?
戻れない。第四十三条第四号による脱退は確定的で、停止期間が明けても社員の地位は自動的に復活しない。改めて社員として加入するには、定款に従い他の社員の同意を得るなど、新規加入と同じ手続を踏む必要がある。実務のポイント:一人法人の場合は、停止期間中に社員がいなくなり解散事由(第四十四条)に当たるので、戻る法人自体が残っていない可能性がある。処分前に誰を社員にしておくかが勝負になる
Q2相方と揉めてます。多数決で除名できますか?
第四十三条第五号の「除名」は、会社法の持分会社の除名の訴えの規定を準用して行う(第四十六条、要確認)。重大な義務違反などの事由があり、他の社員の過半数の決議を経たうえで、裁判所に訴えを起こす必要がある。社員総会の多数決だけでは決まらない。実務のポイント:除名訴訟は時間も費用もかかり、顧客の前で内紛が表に出る。設立時の定款に具体的な脱退事由(一定期間の業務不従事など)を書いておけば、第二号の定款事由として訴訟を経ずに処理できる余地がある
Q3脱退したあと、法人の借金について責任は残りますか?
残る可能性がある。司法書士法人の社員は、法人の財産で債務を完済できないときなどに連帯して弁済する責任を負い(第三十八条の二、要確認)、持分会社の退社社員の責任の規定も準用されるため、脱退登記をする前に生じた法人債務については、登記後一定期間責任が続く(第四十六条、会社法612条準用、要確認)。実務のポイント:法定脱退でも、変更登記が遅れればその分だけ責任の終期も後ろにずれる。脱退した側ほど、登記の申請を早く済ませるよう法人に催促すべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「脱退には退職届と承認の手続が必要」と考えがちだが、本条の五つの事由は該当した時点で法律上当然に脱退の効果が生じる。誰の承認も待たない。登記や届出はあとから事実を反映させる手続にすぎない
- 懲戒は個人の問題で、法人の経営には響かないと思われやすい。だが個人への業務停止は第二十八条第二項を通じて社員の地位を奪い、一人法人ならそのまま解散事由(第四十四条)につながる。個人の懲戒が法人の存続を左右する点まで見ている司法書士は少ない
- 「仲間割れしたら多数決で外せばいい」という発想は前提から外れている。本条が用意するのは総社員の同意(本人も含む全員)か除名であり、多数決で外す道は条文上ない。気に入らない社員を外す手段がほとんどない構造だからこそ、入口の定款で脱退事由を設計しておく必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 司法書士法43条:既存社員が脱退する五つの法定事由 | 司法書士法28条:社員となれる者の資格と欠格事由 司法書士法44条:司法書士法人の解散事由 |
| 業務停止の懲戒との関係 | 28条2項該当を通じて社員の地位を当然に失う(4号) | 停止期間中の者は社員になれない(入口の欠格) 社員がいなくなれば解散事由に関わる(一人法人で顕在化) |
| 発生のタイミング | 事由が生じた時点で当然に効果発生 | 社員加入・在任中の資格要件として常に作用 解散事由の発生時点 |
| 本人の意思の要否 | 不要(総社員の同意のみ本人を含む全員の同意が必要) | 不要(法定の資格制限) 事由により異なる(総社員の同意による解散等) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では士業法人の個別規定より、民法の合夥(組合)の法定退夥・開除が最も近い対照となる。死亡・破産・開除などが法定退夥事由とされ、構造は日本の法定脱退と類似する
韓国の合名会社でも定款事由・総社員の同意・死亡・除名などが退社原因として列挙され、日本の持分会社法理と同系統の構造をとる
ドイツのパートナーシャフト(自由業者の人的会社)では、パートナーが職業資格(Zulassung)を失うと当然に脱退するとされ、資格喪失と社員地位を連動させる点で本条と発想が近い
米国の統一パートナーシップ法はパートナーの離脱(dissociation)事由を列挙し、合意・除名・資格喪失等を含む。州ごとに採用状況が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一人法人の代表司法書士が、預り金の管理不備で業務停止一か月の懲戒を受けた。停止が明ければ戻れると思っていたが、処分を受けた時点で第二十八条第二項に該当し、法定脱退が生じる。社員が一人もいない法人は解散事由に当たる。一か月の休業で済むはずが、法人そのものを失うおそれがある
- 共同経営者と方針が合わず、追い出したいと考えているとしたら? 総社員の同意による脱退には、本人を含む全員の同意が要る。本人が拒めば残る手段は除名で、こちらは会社法の除名の訴えの規定を準用する手続になる(第四十六条、要確認)。感情的な締め出しは通らない
- 勤務司法書士として入った法人で、社員に昇格する話が出た。定款を見ると「満六十五歳到達」が脱退事由になっている。定款に定める理由が生じれば、本人の意思と関係なく脱退する。署名する前に脱退事由の欄を読んでおくこと
- パートナーが亡くなった。死亡すると日本司法書士会連合会が登録を取り消し(第十五条)、その結果として法定脱退が生じる。残った社員には、社員の変更登記を二週間以内に申請する期限がある(組合等登記令、最新の改正状況をご確認ください)。持分の払戻しを巡って遺族との話し合いも始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 共同経営者に不当に外されそうな場合、まず定款の脱退事由と、本条のどの号を根拠にしているかを確認する2. 総社員の同意が根拠なら本人の同意が要るので、同意しなければ成立しない3. 除名を持ち出されたら、会社法の除名の訴えの規定の準用(第四十六条、要確認)により裁判所の判断が必要になる4. 脱退が避けられない場合は、持分払戻しの計算根拠の開示を求め、司法書士会や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 懲戒の調査が始まったら、処分が出る前に他の社員の確保を検討する(一人法人の解散を避けるため) 2. 法定脱退が生じたら、社員の変更登記を期限内に申請し、所属の司法書士会へ届け出る3. 脱退した社員への持分払戻し額を定款の規定に沿って算定する4. 処分そのものに不服があれば、行政不服審査法に基づく審査請求または取消訴訟を検討する(期間制限に注意)
時効(請求できる期限):法定脱退そのものに時効はなく、事由が生じた時点で効果が生じる。社員の変更登記は変更から2週間以内(組合等登記令、最新の改正状況をご確認ください)。懲戒処分を争う場合は、処分があったことを知った日の翌日から審査請求3か月、取消訴訟6か月(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。持分払戻し請求権などの債権は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)
学説
通説:本条の五つの事由は持分会社の法定退社と同様に当然効を持ち、事由発生の時点で脱退の効力が生じる。登記は対抗・公示のための手続であり、脱退の効力発生要件ではないと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正 司法書士法人制度の創設に伴い、法人の社員の法定脱退事由を定める規定として設けられたとみられる。新設時の条番号・文言、および令和元年(2019年)改正(一人法人の容認、懲戒権者の法務大臣への変更)で参照条文の文言が改められたかについては人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:司法書士法の改正により司法書士法人制度が創設され、社員の法定脱退事由を定める規定が設けられた。新設時の文言と後の改正による参照条文の変化については人的検証が必要。
- 司法書士法 第28条社員資格と欠格者、第四号の参照先
- 司法書士法 第15条登録取消しの事由(死亡・業務廃止等)
- 司法書士法 第47条司法書士個人への懲戒、業務停止の根拠
- 司法書士法 第44条解散事由、社員の欠亡による解散(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第46条会社法の除名・退社規定の準用(現行効力を要確認)
- 会社法 第859条持分会社社員の除名の訴え、準用元
- 会社法 第612条退社した社員の責任、準用元(現行効力を要確認)
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