司法書士法 第80条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十五条第二項若しくは第三項又は第七十七条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第80条は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第80条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十五条第二項若しくは第三項又は第七十七条から前条までの違反行為を…」で始まります。
- 司法書士法第80条は第十一章 罰則に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第80条の前の条は司法書士法第79条の2です。
- 司法書士法第80条の次の条は司法書士法第81条です。
- 司法書士法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法80条は両罰規定で、従業者等が業務に関し同法の罰則に違反すると、行為者に加えて法人や事業主にも各本条の罰金刑が科される。
Q · 社員が勝手に登記書類を作っていたら、会社も処罰されるの?
はい。業務上の違反なら会社にも罰金刑が科されます
司法書士法80条は両罰規定です。法人の代表者や従業者等が、その法人又は人の業務に関して同法の所定の罰則規定に違反したとき、行為者本人が罰せられるほか、法人や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。判例上、事業主には従業者の選任・監督上の過失が推定されるため、注意を尽くしていたことを事業主側で証明できなければ責任を免れません。
解説
違反したのが社員一人でも、司法書士法はその社員だけで終わらせない。社員が「会社の業務として」無資格で登記申請書類を作れば、本条によって行為者本人が罰せられ、それとは別に会社にも罰金が科される。これを両罰規定という。法人を刑務所に入れることはできないので、会社に科されるのは各本条の罰金だけだ。経営者がよく持ち出す「現場が勝手にやった」は、ほとんど通らない。判例は、事業主には従業者の選任・監督に過失があったと推定されるとしている(最大判昭和32.11.27、法人については最判昭和40.3.26)。免れるには、注意を尽くしていたと会社の側で証明しなければならない。不動産会社、相続手続の代行業者、士業法人で、サービスの一部として登記を引き受けているところは、その業務の流れそのものが本条の射程に入っているかもしれない。
法的な位置づけ
司法書士法第80条の両罰規定とは、法人の代表者、法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して同法所定の罰則規定に違反した場合に、行為者本人を処罰するとともに、業務主体である法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すことを定めた規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは?
従業者が業務に関して違反したとき、行為者本人とあわせて、業務主体である法人や個人事業主も処罰する規定です。法人に科されるのは罰金刑です。
Q2司法書士法80条の対象になる違反は?
条文が引用する第75条第2項・第3項と第77条から第79条までの違反行為です。非司法書士による登記書類作成などの罰則が中心ですが、現行の条番号は e-Gov で確認してください。
Q3司法書士法違反 会社 罰金 いくら?
法人には「各本条の罰金刑」が科されるため、額は違反した罰則ごとの法定刑の上限によります。行為者本人の法定刑と同じ枠が会社に適用されます。
Q4無資格で登記申請を代行するのは違法?
司法書士でない者が業として登記申請書類を作ったり申請を代理したりすることは、司法書士法で制限されています。業務として行えば会社も両罰の対象になりえます。
Q5社内規程で禁止していれば会社は免責される?
規程があるだけでは足りません。判例は事業主の選任・監督上の過失を推定するため、教育やチェック体制で実際に監督していたことを会社側で示す必要があります。
Q6個人事業主も両罰規定の対象?
対象です。条文は「法人又は人」としており、個人で事業を営む者の代理人や使用人が業務に関して違反した場合も、事業主本人に罰金刑が科されえます。
Q7司法書士法違反の時効は何年?
罰金刑だけが科される法人・事業主の公訴時効は、原則として行為終了時から3年です(刑訴法250条2項6号)。行為者本人は各本条の法定刑の上限で決まります。
Q8登記代行を業務にしたい会社はどうすれば?
登記部分は司法書士・司法書士法人に正式に委任する体制にします。自社スタッフが申請書類を作る運用は、サービスを売り出す前に必ず切り分けてください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの社員がやったことで、なんで会社まで罰金なんですか?
司法書士法80条が両罰規定だからです。従業者が会社の業務に関して違反したとき、行為者本人とは別に会社にも罰金刑が科されます。判例上、事業主の選任・監督の過失が推定されます。実務のポイント:「本人の独断だった」という弁解は、社内の研修記録や監査の記録が付いて初めて効きます。記録のない社内規程は、捜査ではほとんど評価されません
Q2無料サービスで登記書類を作ってあげただけなら、セーフですよね?
司法書士でない者の業務制限(司法書士法73条)は、業として行うことを問題にしており、報酬の受け取り方が独立していなくても、本来業務の対価に実質的に含まれていれば問題になりえます(具体的な事案での判断は解釈が分かれます)。実務のポイント:「無料」と言いつつ仲介手数料に上乗せしていた例は、実質的な報酬と見られやすいです
間違えやすい点 AI による整理
- 「処罰されるのは手を動かした社員だけ」と思われがちだが、本条は行為者を罰したうえで、法人や個人事業主にも各本条の罰金刑を科す。現場の担当と会社は、刑事責任を別々に負う
- 会社に科されるのが罰金だけだと聞いて軽く見る経営者が多い。しかし罰金でも刑事罰であり、法人として処罰された事実は入札参加資格、許認可の審査、金融機関の審査で問われうる。帳簿上の金額は小さくても、事業への打撃は桁が違う
- 「社内規程で禁止していたから会社は無関係」という発想は、問いの立て方からずれている。判例は事業主の過失を推定するので、問われるのは規程があったかではなく、教育、チェック体制、是正の記録で実際に監督していたことを会社の側で示せるかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 司法書士法80条:法人・事業主にも罰金刑を及ぼす両罰規定 | 司法書士法73条:司法書士でない者の業務を制限する行為規範 司法書士法77条:違反行為者に対する罰則規定(現行効力を要確認) |
| 処罰される者 | 行為者に加え、業務主体である法人又は人 | それ自体は処罰規定ではなく、禁止の内容を定める 違反行為をした者本人 |
| 科される刑 | 法人・事業主には各本条の罰金刑のみ | 違反は罰則規定を通じて処罰される 各本条所定の自由刑又は罰金刑 |
| 免責の余地 | 選任・監督に過失がなかったことを事業主側で証明 | 業務範囲に当たらない行為なら制限の対象外 構成要件・故意の有無で判断 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾では登記代理を地政士の業務として規律し、非地政士の業務に罰則を設ける。法人処罰の構造は個別法の両罰規定による
韓国も法務士の業務独占と両罰規定を持つ。事業主が相当の注意・監督を尽くした場合の免責を条文で明示する方式が一般的
中国は「単位犯罪」として法人自体の犯罪を刑法総則で認め、単位に罰金、責任者に刑罰を科す双罰制を原則とする
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料と監督義務違反で対応する点で日本の罰金刑とは性質が異なる
フランスは1994年新刑法以降、法人の刑事責任を一般的に認め、機関又は代表者による行為を法人に帰属させる
米国連邦法は使用者責任(respondeat superior)により、従業員の職務上の犯罪を広く法人に帰属させる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不動産仲介会社の営業担当が「サービスです」と言って、買主の所有権移転登記の申請書を代わりに作り、手数料に上乗せして報酬を受け取っていた。本人だけでなく、会社にも罰金が科されうる
- あなたが相続手続代行サービスの経営者だとして、スタッフが相続登記の申請書類を作って法務局に出していたと後から知ったらどうなる?「知らなかった」と言うだけでは、選任・監督上の過失の推定は崩れない
- 行政書士法人の補助者が、許認可の延長線で会社設立登記の申請書類まで作っていた。行政書士の業務範囲は登記申請に及ばないとした最高裁判例(最判平成12.2.8)がある。法人単位で業務フローを見直す必要が出てくる
- 顧客から「登記の手続、前回の業者は無資格だったらしい」とクレームが入った。次の取締役会まであと3日。社内でまだ同じことが続いていないか、今すぐ止めて事実を確かめないと、件数が積み上がるほど処罰リスクも大きくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無資格業者に登記を頼んで不備や損害が出たら、契約書、領収書、やり取りの記録を保全する2. 登記の内容をすぐ確認し、必要な補正や更正は司法書士に依頼する3. 損害は契約責任(民法415条)や不法行為(民法709条)で請求を検討する。業者が法人なら、本条で法人自体も処罰対象になりうることが交渉の材料になる4. 地元の司法書士会や法務局に情報提供できる
訴えられた側:1. 違反が疑われる業務をただちに止め、件数、担当者、報酬の有無を社内で洗い出す2. 研修、マニュアル、チェック体制など、事前に監督していた証拠を集める。過失の推定を崩すための材料になる3. 刑事弁護に詳しい弁護士に早い段階で相談し、捜査対応と顧客対応の窓口を一本化する4. 提携司法書士への委任体制に切り替え、再発防止策を書面にまとめる
時効(請求できる期限):罰金刑だけが科される法人・事業主の公訴時効は、原則として犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。行為者本人は、各本条の法定刑の上限によって時効期間が決まる(実務上の解釈を含め、最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例):事業主処罰は従業者の選任・監督上の過失を推定したものと解し、事業主が無過失を証明すれば免責される。責任主義と違反抑止の調和を図る立場。
純過失説:事業主処罰には検察官が事業主の過失を積極的に立証すべきとする立場。責任主義をより厳格に貫くが、抑止効果が弱まるとの批判がある。
無過失責任説:事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず処罰されるとする立場。責任主義に反するとして、現在の判例・多数説は採らない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:司法書士法制定(昭和25年法律第197号)。本条の条番号および引用する罰則条項は、その後の改正で変動しているため現行条文は e-Gov で確認を要する
- 司法書士法 第3条司法書士の業務範囲の画定
- 司法書士法 第73条非司法書士の業務制限(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第77条両罰の対象となる罰則規定(現行効力を要確認)
- 弁護士法 第72条非弁行為禁止、隣接する業務独占
- 刑法 第8条刑法総則の他の法令の罪への適用
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