司法書士法 第83条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、司法書士法人の社員又は清算人は、三十万円以下の過料に処する。
- 一この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。
- 二第四十五条の二第二項又は第五項の規定に違反して合併をしたとき。
- 三第四十五条の二第六項において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して同条の調査を求めなかつたとき。
- 四定款又は第四十六条第二項において準用する会社法第六百十五条第一項の会計帳簿若しくは第四十六条第二項において準用する同法第六百十七条第一項若しくは第二項の貸借対照表に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
- 五第四十六条第三項において準用する会社法第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠つたとき。
- 六第四十六条第三項において準用する会社法第六百六十四条の規定に違反して財産を分配したとき。
- 七第四十六条第三項において準用する会社法第六百七十条第二項又は第五項の規定に違反して財産を処分したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第83条は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第83条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、司法書士法人の社員又は清算人は、三十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 司法書士法第83条は第十一章 罰則に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第83条の前の条は司法書士法第82条です。
- 司法書士法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法83条は、司法書士法人の登記懈怠、帳簿の虚偽記載、破産申立ての懈怠、債務弁済前の財産分配などについて、社員又は清算人個人に30万円以下の過料を科す。
Q · 司法書士法人が登記を怠ったら、過料を払うのは法人ですか?
いいえ。過料を科されるのは社員又は清算人個人です
司法書士法83条は、過料の名宛人を「司法書士法人の社員又は清算人」と定めています。法人自体ではなく、義務を負う個人が30万円以下の過料を科されます。対象は登記懈怠、債権者保護手続を欠く合併、帳簿・貸借対照表の不記載や虚偽記載、破産申立ての懈怠、債務弁済前の財産分配などの7類型です。過料は刑罰ではないため前科にはなりませんが、同じ事実が懲戒手続の判断材料になりえます。
解説
他人の登記を代行するプロ集団が、自分の法人の登記を放置すると罰を受ける。司法書士法83条はそういう条文である。過料の上限は30万円で、会社法976条の100万円より軽く見える。ただし見落としやすい点が二つある。第一に、過料(行政上の秩序を守るための金銭罰で、刑罰ではない)を科されるのは法人ではなく、社員(司法書士法人の出資者兼経営者)または清算人という個人である。第二に、7つの号はどれも「法人を閉じる・合併する・お金を数える」場面に集中している。どれも債権者や依頼者の財産が法人から流れ出す瞬間である。登記を怠る、合併で債権者保護の手続を飛ばす、帳簿や貸借対照表に嘘を書く、債務超過なのに破産を申し立てない、借金を返す前に社員で残りの財産を分ける。過料自体は前科にならない。それでも、同じ事実は法人や個人への懲戒手続の材料になりうる。本当に痛いのは30万円ではなく、資格者としての信用である。
法的な位置づけ
司法書士法83条は、司法書士法人の社員又は清算人に対する過料の規定である。政令に基づく登記の懈怠、同法45条の2に違反する合併、会計帳簿・貸借対照表の不記載又は虚偽記載、破産手続開始申立ての懈怠、会社法準用規定に違反する財産の分配・処分など7類型の行為を対象とし、30万円以下の過料を科す行政上の秩序罰を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士法人の過料とは何ですか?
司法書士法83条が定める、社員又は清算人個人に科される30万円以下の金銭罰です。刑罰ではない行政上の秩序罰で、非訟手続により裁判所が科します。
Q2司法書士法人の変更登記 いつまで?
組合等登記令により、変更が生じた日から原則2週間以内に変更登記をする必要があります。期限を過ぎると司法書士法83条1号の過料対象になりえます。
Q3司法書士法人の過料は誰が決めるのですか?
過料は地方裁判所が非訟事件手続法に基づいて決定します。登記懈怠の場合、登記官からの通知をきっかけに手続が始まるのが一般的です。
Q4司法書士法人の清算人になったら何に注意すべき?
債務を弁済する前に残余財産を社員へ分配しないこと、債務超過が判明したら直ちに破産申立てをすることです。違反すると83条5号・6号の過料対象になります。
Q5司法書士法人の合併で必要な手続は?
官報公告と知れている債権者への個別催告による債権者異議手続が必要です(司法書士法45条の2)。これを欠いて合併すると83条2号の過料対象です。
Q6司法書士法人の決算書を税理士任せにしても大丈夫?
作成を委託すること自体は可能ですが、貸借対照表の不記載や虚偽記載の責任は社員が負います。内容を確認せず署名すると83条4号のリスクが残ります。
Q7司法書士法人の過料に不服がある場合どうする?
過料の裁判に対しては即時抗告で争う余地があります。決定前であれば、遅延の事情や是正済みの事実を裁判所に書面で述べることが重要です。
Q8司法書士法人の過料と懲戒処分は別物?
別の制度です。過料は裁判所が科す秩序罰、懲戒は司法書士法に基づく資格者への処分です。ただし同じ事実が両方の判断材料になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記をちょっと遅れただけで、本当に過料って来るんですか?
来る可能性は十分にある。司法書士法83条1号は損害の有無を問わず、登記を怠った事実だけで成立する。登記官が懈怠に気付けば管轄の裁判所に通知する運用があり、裁判所が非訟手続(公開の法廷で争う訴訟とは別の簡易な裁判手続)で金額を決める。実務のポイント:遅延期間が長いほど金額が上がる傾向があると言われる。だから「どうせ遅れたなら、いつ出しても同じ」は誤りである。気付いた時点ですぐ申請するのが最も安い
Q2過料を払ったら、司法書士の資格に傷がつきますか?
過料は刑罰ではないので前科にならず、司法書士法5条の欠格事由にも当たらない。ただし、同じ事実が法人への懲戒(同法48条)の判断材料になりうる。帳簿の虚偽記載のように悪質な号ほど、その可能性は高い。実務のポイント:懲戒処分は官報で公告され、検索すれば誰でも見られる。30万円より、依頼者に検索されたときのダメージのほうが長く残る
Q3法人を解散するとき、借金が残っていても社員で分けちゃダメなんですか?
だめである。司法書士法46条3項が準用する会社法664条により、債務を弁済した後でなければ残余財産を社員に分配できない。違反すると、本条6号で清算人個人が過料の対象になる。実務のポイント:過料より怖いのは、分配を受けた元社員が債権者から返還を求められる流れである。円満に別れたつもりの共同経営者同士が、清算後に揉め直す典型パターンになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料は法人が払うもの」と思われがちだが、条文が名指ししているのは「社員又は清算人」という個人である。一人法人なら、その一人がすべてを背負う
- 過料は前科にならないので軽い、と理解している人は多い。それ自体は正しいが、効き方の深刻さが見落とされている。登記懈怠も帳簿の虚偽記載も、司法書士法上の懲戒(同法48条)の判断材料になりうる。金額より、記録に残ることのほうが重い
- 「登記を忘れていたが、誰にも迷惑をかけていないので問題ない」という発想は、問いの立て方が誤っている。本条は損害の有無を要件にしていない。期限内に登記しなかったという事実だけで成立する、形式的な秩序罰である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 司法書士法83条:行政上の秩序罰(過料) | 司法書士法48条:司法書士法人に対する懲戒処分 司法書士法45条の2:合併時の債権者異議手続(義務規定) |
| 名宛人 | 社員又は清算人個人 | 司法書士法人 合併する司法書士法人 |
| 効果 | 30万円以下の過料(前科にならない) | 戒告・業務停止・解散等の処分(現行規定を要確認) 違反すると本条2号の過料の前提となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の地政士は登記代理の専門職だが、日本の司法書士法人に相当する専門職法人制度は一般的でない。登記懈怠には行政上の罰鍰で対応する点が類似する。
韓国の법무사は日本の司法書士に近い職能で、법무사법인 制度と過料(과태료)規定を持つ。条番号は要確認。
ドイツでは商業登記義務の懈怠に対し登記裁判所が強制金(Zwangsgeld)を科す。制裁というより履行強制の性格が強い点で日本の過料と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事務所を隣の市へ移した。依頼者には案内状を出し、ホームページも直したが、自分の法人の変更登記だけ後回しにした。数か月後、地方裁判所から過料の通知が届く。名宛人は法人ではなく、代表社員のあなた個人である
- 共同経営していた法人を解散して清算人になった。早く手仕舞いしたい一心で、未払いの家賃とリース料を残したまま、残りの預金を元社員二人で分けた。会社法664条準用違反の典型であり、債権者から個人責任を追及される入口にもなる
- 清算中、帳簿を締めてみたら、未払い報酬の返還請求を含めると債務が資産を上回っていた。破産申立てまでの猶予は「直ちに」であって、何か月ではない。来月まで様子を見るつもりでいる間も、違反状態は続いている
- 合併で隣の事務所を吸収するとき、官報公告と知れている債権者への個別催告を省いたら、どうなるか? 合併の効力を争われるおそれに加え、社員個人が過料の対象になる
- 知人の司法書士から「法人の決算書は税理士に丸投げで、中身を見たことがない」と打ち明けられた。貸借対照表に載せるべき事項が抜けていれば、責任を問われるのは署名した社員である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 司法書士法人の清算で未払い報酬や預り金が返ってこない場合、まず清算人が誰かを登記事項証明書で確認する2. 清算手続中であれば、債権を書面で届け出て記録を残す3. 返済前に社員間で財産が分けられていた形跡があれば、664条準用違反を指摘し、清算人個人への責任追及(民法709条等)を弁護士と検討する4. 依頼業務の処理に問題があれば、所属の司法書士会への苦情申出や法務局への懲戒申出も並行して検討する
訴えられた側:1. 過料の通知が届いたら、まず登記の遅延日数と原因を時系列で整理する2. 未了の登記があれば直ちに申請して違反状態を解消する3. 裁判所に対し、遅延の事情(病気、社員の急な脱退など)と是正の事実を書面で述べる4. 過料の裁判に不服があれば即時抗告を検討する5. 懲戒手続に波及しそうなら、早めに所属司法書士会へ相談する
時効(請求できる期限):変更登記は変更が生じた日から原則2週間以内(組合等登記令3条)。合併時の債権者異議期間は1か月以上(司法書士法45条の2)。債務超過が明らかになった清算人の破産申立ては「直ちに」。過料には公訴時効のような制度がなく、懈怠を発見されれば遅れて通知されることもある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条の過料は形式的な秩序違反に対する行政上の秩序罰であり、損害の発生を要件としない。上限を会社法より低く抑えつつ、実質的な抑止は懲戒制度と民事責任に委ねる二層構造と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:司法書士法改正により司法書士法人制度が創設され、法人の社員・清算人を名宛人とする過料規定が整備された(条番号は後の改正で変動している可能性あり)。
- 2.令和元年(2019年) 改正:司法書士法改正により社員1人の司法書士法人の設立が可能となり、一人法人では本条の義務違反の名宛人が単独の社員に集中することになった。
- 司法書士法 第45条の2合併時の債権者異議手続(2号の前提)
- 司法書士法 第46条会社法の帳簿・清算規定の準用元
- 司法書士法 第31条法人の登記義務(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第48条司法書士法人への懲戒(現行効力を要確認)
- 会社法 第976条会社役員等の過料、上限100万円の対比
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄裁判所
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