建築士法 第19条(設計の変更)
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一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、他の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士、二級建築士又は木造建築士の承諾を求めなければならない。ただし、承諾を求めることのできない事由があるとき、又は承諾が得られなかつたときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。
この条文の基本情報
設計の変更とは何ですか?
定義設計の変更とは、建築士法第19条に定められた規定で、「一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、他の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士、二級建築士又は…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第19条(設計の変更)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第19条の条文原文は「一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、他の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士、二級建築士又は…」で始まります。
- 建築士法第19条は第四章 業務に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第19条の前の条は建築士法第18条です。
- 建築士法第19条の次の条は建築士法第19条の2です。
- 建築士法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法19条は、他の建築士が設計した設計図書の一部を変更する建築士に、元の設計者の承諾を求める義務を課す。承諾が得られない場合は自己の責任で変更できる。
Q · 他の建築士が描いた図面を直すとき、元の設計者の承諾は絶対に必要ですか?
求める義務はあるが、断られても自己責任で変更できる
建築士法19条により、建築士が他の建築士の設計した設計図書の一部を変更するときは、元の設計者に承諾を求めなければなりません。ただし、元の設計者に連絡がつかないなど承諾を求めることのできない事由があるとき、または承諾が得られなかったときは、変更する建築士が自己の責任において一部変更できます。承諾は拒否権ではなく、変更部分の責任を誰が負うかを決める手続です。承諾を求める手続自体を省けば、同法10条の懲戒の対象となりえます。
解説
「承諾を求めなければならない」と書いてあるのに、承諾がなくても変更はできる。建築士法19条はこの二重構造でできている。他の建築士が描いた設計図書(工事に必要な図面と仕様書)の一部を変えたい建築士は、まず元の設計者に承諾を求める。ここまでは礼儀の話に見える。重要なのはただし書だ。元の設計者が連絡を絶った、廃業した、または断った。こうした場合でも、変更する建築士は「自己の責任において」図面を変えられる。つまり、元の設計者の承諾は拒否権ではない。承諾を求める手続を通したかどうかで、責任の所在が決まるのだ。施主として設計者を途中で替えたい人は、元の設計者に断られても計画が止まらないことを知っておけばよい。変更を引き受ける建築士は、承諾を得ずに変えた部分の構造や法適合の責任を、自分ひとりで負うことになる。承諾を求めた記録すら残さなければ、10条の懲戒(戒告、業務停止、免許取消し)の対象にもなりうる
法的な位置づけ
建築士法19条は、一級建築士、二級建築士又は木造建築士が、他の建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとする場合に、当該設計者の承諾を求める義務を定める規定である。承諾を求めることのできない事由があるとき、又は承諾が得られなかったときは、変更する建築士が自己の責任において一部変更できる。
手順
- 1.変更範囲を図面番号単位で特定する 変更しようとする設計図書の図面番号、変更箇所、変更理由を一覧化し、元の設計者に示せる形に整理する
- 2.元の設計者に承諾依頼を書面で送る 変更範囲と回答期限を明記した承諾依頼を、書面またはメールなど送信記録が残る方法で元の設計者に送付する
- 3.回答に応じて変更手続を判断する 承諾が得られればその記録を保存する。期限内に回答がない、連絡がつかない、または拒否された場合は、その経緯を時系列で記録したうえで自己の責任において変更する
- 4.変更図面に記名し差分を残す 変更した設計図書に建築士である旨の表示と記名を行い(建築士法20条)、変更前後の差分を図面番号ごとに保存する。計画変更の確認申請の要否も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1建築士法19条とは?
他の建築士が設計した設計図書の一部を変更するとき、元の設計者に承諾を求める義務を定めた条文です。承諾が得られなくても、自己責任で変更できるただし書があります。
Q2設計変更の承諾 断られたらどうなる?
承諾が得られなかったときは、変更する建築士が自己の責任において一部変更できます。変更部分の構造や法適合の責任は、変更した建築士が単独で負います。
Q3「承諾を求めることのできない事由」とは?
元の設計者の死亡、廃業、所在不明などで、承諾を求めること自体が不可能な場合を指すと解されます。連絡を試みた記録を残すことが実務上重要です。
Q4設計変更は施主の同意だけで足りる?
足りません。本条が承諾を求める相手は図面を描いた建築士本人であり、施主の同意は建築士同士の承諾手続の代わりになりません。
Q5設計図書とは何を指す?
建築士法2条により、建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図等を除く)と仕様書を指します。本条の変更対象もこの設計図書です。
Q6設計変更した図面に記名は必要?
必要です。建築士法20条は、設計図書の一部を変更した場合も、建築士である旨の表示と記名を求めています。変更者を図面上で明確にする仕組みです。
Q7設計変更は建築確認のやり直しが必要?
変更内容によっては、建築基準法6条に基づく計画変更の確認申請が必要になります。軽微な変更に当たるかどうかを事前に確認してください。
Q8設計図を無断で変更すると著作権侵害になる?
設計図や建築物の著作物性、建築物の改変に関する著作権法20条2項2号の例外の扱いは解釈が分かれます。個別事案は弁護士への相談が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1前の設計事務所とケンカ別れしたんですけど、別の建築士さんに図面を直してもらっても大丈夫ですか?
大丈夫である。後任の建築士は19条に基づき元の設計者に承諾を求める必要があるが、承諾が得られなかった場合でも、自己の責任において一部変更できる。施主が気をつけるべきは、前の事務所との報酬精算を別に片付けておくことだ。実務のポイント:承諾依頼と未払い報酬の精算を一通の書面で同時に申し入れると、元の設計者は承諾に応じやすくなる
Q2承諾を求めずに図面を変えたら、罰金とかあるんですか?
19条違反を直接罰する刑罰規定はない。ただし建築士法違反として10条の懲戒(戒告、1年以内の業務停止、免許取消し)の対象になりうる。実務のポイント:懲戒処分は国土交通省のサイトなどで公表される運用がある。発注者が設計者選びで処分歴を調べることもあり、一度の手抜きが長く営業に響く(最新の公表運用をご確認ください)
Q3元の設計者に承諾料を払えと言われました。払わないといけないんですか?
19条は承諾を求める義務を定めているだけで、承諾料の支払いを義務づけてはいない。承諾が得られなければ、ただし書により自己責任で変更できる。実務のポイント:それでも承諾料を払って承諾を得る建築士がいるのは、元の設計者の知見を引き継ぎ、責任を共有できるからだ。構造が複雑な案件ほど、その価値は大きくなる
Q4同じ会社の中で担当が替わった場合も、前任者の承諾がいるんですか?
条文は、他の建築士が設計した設計図書の変更と定めており、所属が同じかどうかで区別していない。前任者が退職していて連絡がつかなければ、ただし書の承諾を求めることのできない事由として扱う余地がある。実務のポイント:社内引継ぎでは手続が省かれがちだ。引継書に前任者の承諾欄を設けておくと、後の責任争いを防げる
間違えやすい点 AI による整理
- 「元の設計者が承諾しなければ設計変更はできない」と考えて計画を止めてしまう施主や建築士がいる。だが、ただし書は承諾が得られなかった場合にも、変更する建築士の自己責任で一部変更することを認めている。承諾は求める義務であって、得る義務ではない
- 承諾を求める義務があることは知っていても、その手続を省いた代償の重さが知られていない。19条違反には直接の刑罰はないが、建築士法違反として10条の懲戒の対象になり、業務停止になれば事務所の仕事が止まる。さらに後で欠陥が見つかったとき、どこまでが自分の変更だったかを証明できなくなる。この不利益のほうが大きい
- 施主から見れば、設計料を払った図面は「自分のもの」であり、誰に手直しさせても自由だと思える。法律から見ると、本条が承諾を求めさせる相手は施主ではなく、図面を描いた建築士本人だ。施主の許可は、建築士同士の手続の代わりにならない。この視点のずれが、後任の建築士を懲戒リスクに引き込む
- 元の設計者は「自分の図面を勝手に変えられたら著作権侵害で止められる」と考えがちだが、話はそれほど単純ではない。設計図が著作物にあたるか、建築物の改変に対して同一性保持権を主張できるか(著作権法20条2項2号の例外)は、実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 建築士法19条:他の建築士の設計図書の一部変更 | 建築士法20条:設計図書への建築士である旨の表示と記名 建築士法18条:業務全般の誠実義務 |
| 課される義務 | 元の設計者に承諾を求める義務(得る義務ではない) | 設計・一部変更した図面への記名義務 誠実に業務を行い、建築物の質の向上に努める義務 |
| 責任の所在との関係 | 承諾なしの変更は変更者の自己責任 | 記名により図面上の作成・変更責任者を特定 個別手続の背後にある一般的な職業倫理 |
| 違反時の帰結 | 直接の刑罰規定なし、10条の懲戒対象となりうる | 10条の懲戒対象となりうる 10条の懲戒対象となりうる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾にも建築師の業務責任を定める法制があるが、他の建築師の設計を変更する際の承諾手続に直接対応する条項は要確認
原則として原設計単位が修正し、原設計単位の書面同意を得れば他の設計単位に修正を委託でき、修正した単位が責任を負う構造。日本の自己責任型ただし書と比べ、書面同意を要件とする点が異なる
ドイツでは資格法上の承諾手続ではなく、建築著作物に対する著作者人格権と所有者の利益の衡量として議論される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 設計料の追加請求をめぐって施主と元の設計事務所がこじれ、実施設計の途中で別の建築士に引き継ぐことになった。後任のあなたが最初にやるべきなのは、図面を開くことではない。元の設計者に、変更の承諾を求める書面を送ることだ
- ゼネコンが VE 提案(コストを下げるための仕様変更)で、鉄骨の梁せいと外装材を変えたいと言ってきた。施工側の建築士が図面に手を入れるなら、元の設計者の承諾が要る。施主が「いいよ」と言っただけでは足りるのか?
- 元の設計者に承諾を求めて送ったメールに、二週間返信がない。着工まであと10日。待ち続けるか、承諾が得られなかったものとして自己責任で変更に踏み切るか。どちらを選ぶにしても、問い合わせの記録を残しておくことが判断の土台になる
- あなたは元の設計者で、ある日竣工した建物を見に行ったら、外観が自分の図面とまるで違っていた。承諾を求められた覚えはない。黙って変えられたこの状況で、何を主張できるのか?
- 注文住宅の打ち合わせ中、ハウスメーカーの担当建築士が退職し、後任が間取りを変え始めた。社内の引継ぎであっても、図面を描いた建築士が別人なら、本条の承諾手続は同じように問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の設計図書が無断で変更されたことを、竣工写真、確認申請の変更記録、施工図などで確認し保存する2. 変更した建築士を特定し、承諾を求められた事実がないことを時系列で整理する3. 必要に応じて、免許を与えた行政庁(一級は国土交通大臣、二級・木造は都道府県知事)へ懲戒の申出を検討する4. 変更部分に起因する不具合について自分の責任ではないことを、施主や第三者に書面で伝えておく5. 著作権に基づく主張や報酬請求は解釈が分かれるため、弁護士に相談して見通しを確かめる
訴えられた側:1. 変更前に、元の設計者へ変更範囲と回答期限を明記した承諾依頼を書面またはメールで送る2. 連絡がつかない、または拒否された場合は、その経緯を記録したうえでただし書に基づき自己の責任で変更する3. 変更した図面には自分の記名を行い(20条)、変更前と変更後の差分を図面番号ごとに残す4. 構造や法適合に関わる変更であれば、計画変更の確認申請(建築基準法6条)の要否も確認する5. 懲戒の申出を受けた場合は、承諾を求めた記録を提出して手続の履行を示す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、懲戒手続にも明文の期間制限はない。報酬など契約上の請求には一般消滅時効(民法166条、知った時から5年または行使できる時から10年)が、無断変更による損害賠償には不法行為の時効(民法724条、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 昭和58年(1983年)改正(要確認) 木造建築士制度の創設に伴い、本条の対象に木造建築士が加えられたとみられる。改正年と条文変更の範囲は人的検証が必要
- 建築士法 第2条設計図書と設計の定義
- 建築士法 第18条業務を誠実に行う義務
- 建築士法 第20条変更した設計図書への記名義務
- 建築士法 第10条法令違反に対する懲戒処分
- 建築士法 第22条の3の3設計受託契約の書面化義務(現行効力を要確認)
- 著作権法 第20条設計図・建築物の同一性保持権と改変の例外
- 建築基準法 第6条設計変更時の計画変更確認申請
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