建築士法 第2条(定義)
クイックジャンプ
- この法律で「建築士」とは、一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう。
- 2.この法律で「一級建築士」とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。
- 3.この法律で「二級建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、二級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。
- 4.この法律で「木造建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、木造の建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。
- 5.この法律で「建築設備士」とは、建築設備に関する知識及び技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者をいう。
- 6.この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書を、「設計」とはその者の責任において設計図書を作成することをいう。
- 7.この法律で「構造設計」とは基礎伏図、構造計算書その他の建築物の構造に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの(以下「構造設計図書」という。)の設計を、「設備設計」とは建築設備(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三号に規定する建築設備をいう。以下同じ。)の各階平面図及び構造詳細図その他の建築設備に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの(以下「設備設計図書」という。)の設計をいう。
- 8.この法律で「工事監理」とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。
- 9.この法律で「大規模の修繕」又は「大規模の模様替」とは、それぞれ建築基準法第二条第十四号又は第十五号に規定するものをいう。
- 10.この法律で「延べ面積」、「高さ」又は「階数」とは、それぞれ建築基準法第九十二条の規定により定められた算定方法によるものをいう。
この条文の基本情報
定義とは何ですか?
定義定義とは、建築士法第2条に定められた規定で、「この法律で「建築士」とは、一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第2条(定義)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第2条の条文原文は「この法律で「建築士」とは、一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう。」で始まります。
- 建築士法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第2条の前の条は建築士法第1条です。
- 建築士法第2条の次の条は建築士法第2条の2です。
- 建築士法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法2条は、建築士を一級・二級・木造の三種と定め、工事監理を「その者の責任において工事を設計図書と照合し確認すること」と定義する。建築設備士は建築士に含まれない。
Q · 「工事監理」と「工事管理」って、同じ仕事じゃないの?
別物。監理は建築士による図面との照合、管理は施工者の業務
建築士法2条8項は、工事監理を「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」と定義しています。工程・品質・安全を回す施工者の「工事管理」とは別の行為です。一定の建築物では工事監理を建築士しか担えず(同法3条〜3条の3)、建築主は工事監理者を定めなければなりません(建築基準法5条の6)。
解説
注文住宅の確認申請書には「工事監理者」という欄があり、多くの施主はそこを読み飛ばしてしまう。だがその一行に、家の安全を誰が見張るのかが書かれている。建築士法2条は十個の定義を並べただけの条文に見えるが、施主が使える道具が二つ入っている。一つ目は「設計」の定義である。設計者とは、手を動かして図面を描いた人ではなく、「その者の責任において」設計図書を作成した人を指す。二つ目は「工事監理」の定義である。工務店の現場監督が行う工程や品質の「管理」とは違い、工事が設計図書のとおりに実施されているかを建築士が自分の責任で照合し、確認することをいう。どちらも読みは「かんり」だが、担う人も負う責任も別物である。さらに、建築設備士は「建築士」に含まれない。肩書きが似ていても、免許の種類と担える業務は条文で区別されている。欠陥が見つかったとき、誰に何を問えるかを示す地図は、この一条から始まる。
法的な位置づけ
建築士法2条は同法の基本用語を定める定義規定である。建築士を一級建築士・二級建築士・木造建築士の三種とし、設計を自己の責任による設計図書の作成、工事監理を自己の責任による工事と設計図書との照合・確認と定義する。建築設備士は建築士とは別の資格者として位置付けられる。
よくある質問 AI による整理
Q1建築士とは何ですか?
建築士法2条1項により、一級建築士・二級建築士・木造建築士の三種を指します。免許権者は一級が国土交通大臣、二級と木造が都道府県知事です。
Q2一級建築士と二級建築士の違いは?
免許を与える者が違います(一級=国土交通大臣、二級=都道府県知事)。設計・工事監理できる建築物の規模や構造の範囲も、建築士法3条以下で区別されています。
Q3木造建築士とはどんな資格?
都道府県知事の免許を受け、木造の建築物に関して設計・工事監理などを行う建築士です(建築士法2条4項)。扱える建築物の範囲は一級・二級より限定されます。
Q4設計図書とは何を指しますか?
建築工事の実施に必要な図面と仕様書を指します(建築士法2条6項)。現寸図その他これに類するものは除かれます。
Q5図面を描いた人が設計者になるの?
必ずしもそうではありません。設計は「その者の責任において」設計図書を作成することと定義され、責任を負って記名した建築士が設計者となります。
Q6構造設計とはどこまでの範囲?
基礎伏図・構造計算書など、建築物の構造に関する設計図書で国土交通省令が定めるものの設計を指します(建築士法2条7項)。
Q7建築設備士は建築士ですか?
建築士ではありません。建築設備に関する知識・技能について国土交通大臣が定める資格を持つ者で(建築士法2条5項)、建築士に助言する立場です。
Q8大規模の修繕・模様替の定義はどこに?
建築士法2条9項は独自に定義せず、建築基準法2条14号・15号の定義をそのまま用いています。延べ面積・高さ・階数も同法92条の算定方法によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工事監理って、工務店がやってくれるんじゃないんですか?
工務店に勤める建築士が工事監理者になることは違法ではない。ただし工事監理は「その者の責任において」工事を設計図書と照合する行為であり(建築士法2条8項)、施工者側の建築士が担えば、自分たちの工事を自分たちで確認する構図になる。実務のポイント:施工は工務店に任せたまま、工事監理だけを独立した建築士事務所に別契約で依頼する方法がある。費用はかかるが、欠陥が見つかったときに施主の側に立って指摘する者を確保できる
Q2建築設備士さんがいれば、空調や電気の設計はその人の責任になりますか?
ならない。建築設備士は建築士に含まれず(建築士法2条1項・5項)、その役割は建築士への助言である。大規模な建築物で建築士が建築設備士の意見を聴いたときは、その旨を設計図書などに明示する(同法20条5項)。設計の責任を負うのはあくまで建築士である。実務のポイント:設備に不具合が出たときは、設計図書に建築設備士の意見を聴いた旨の記載があるかを確認する。記載があれば、責任を負う建築士がどこまで設備を検討していたかを追う手がかりになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「工事監理」と「工事管理」は同じ仕事だと思われがちだが、法律上は別物である。工事管理は施工者が工程・品質・安全を回す業務で、工事監理は建築士が工事と設計図書を照合して確認する業務を指す。後者は一定の建築物では建築士にしか担えず(建築士法3条〜3条の3)、建築主はその工事監理者を定めなければならない(建築基準法5条の6)
- 名義だけの工事監理者に責任はない、と考えるのは深刻さの見誤りである。最高裁は、名義を貸しただけで実際には監理していなかった建築士にも、施主に対する不法行為責任を認めた(最判平成15.11.14)。確認申請書に名前が載っていることの重さは、本人が思うよりはるかに大きい
- 「建築士に頼んだかどうか」を気にすること自体、問いの立て方がずれている。条文が「設計」を「その者の責任において設計図書を作成すること」と定めている以上、問うべきは誰の責任で作られた図面なのかである。図面の作成者が無資格のスタッフであっても、責任者として記名した建築士が設計者として責任を負う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 建築士法2条:設計・工事監理などの用語の定義 | 建築士法3条:一級建築士でなければ設計・工事監理できない建築物 建築士法18条:設計・工事監理を行う建築士の業務遂行義務 |
| 工事監理の扱い | 工事を設計図書と照合し、そのとおり実施されているかを確認する行為と定義 | 一定規模・構造の建築物の工事監理を一級建築士に限定 設計図書どおりでない工事を発見したら施工者に指摘する義務(3項) |
| 施主が使う場面 | 相手の肩書きが設計者・工事監理者・建築設備士のどれに当たるかを確定 | 担当した建築士の資格種別が建物の規模に適合するかを確認 監理者が施工者に指摘を行ったかを追及(報告書は20条3項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「建築師」の単一資格で、日本の工事監理に相当する行為を「監造」と呼ぶ。建築法13条が設計人と監造人を建築師に限定する。日本のような一級・二級・木造の区分はない。
韓国も設計と공사감리(工事監理)を定義上区別し、建築主が工事監理者を指定する仕組みを持つ。
ドイツでは建築家資格は州法が規律し、工事監理に相当する Objektüberwachung は報酬規程 HOAI の業務段階8として位置付けられる。
米国は州ごとの登録制で、Construction Administration(工事監理)の範囲は主に契約(AIA 標準契約書など)で定まる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引き渡しまであと2週間。基礎のひび割れに気付いた施主が工務店に問い合わせると、返ってきたのは「監理はウチでちゃんとやってます」の一言だった。ところが確認申請書の工事監理者欄に名前のある建築士は、一度も現場に来ていない。工事監理とは、建築士が自分の責任で工事を設計図書と照合する行為であり、現場に来ない者は監理をしていない。引き渡し前のいまが、工事監理報告書(建築士法20条3項)の提出を求められる最後のタイミングである
- 付き合いのある工務店に頼まれ、一級建築士のあなたは名前だけ工事監理者として貸した。現場には一度も行っていなくても、欠陥が見つかれば施主から損害賠償を請求されうる(最判平成15.11.14)。「名前を貸しただけ」という言い訳は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確認申請書の副本で設計者と工事監理者の氏名・登録番号を確かめ、国土交通省の建築士名簿の情報で資格の種類を照合する2. 建築士事務所に工事監理報告書(建築士法20条3項)の交付を求める3. 欠陥の写真と日付を残し、施工者だけでなく設計者・工事監理者にも書面で通知する4. 監理の実態がなかった疑いがあれば、名義貸しの事例として弁護士や建築士会に相談する
訴えられた側:1. 自分の立場が条文上「設計」なのか「工事監理」なのか、契約書と申請書の記載で確定させる2. 設計図書との照合記録、現場写真、施工者への指摘書面(建築士法18条3項)を時系列で揃える3. 名義だけを貸していた場合は責任を免れにくい。早めに損害保険(建築士賠償責任保険)の担当者と弁護士に相談する4. 一方的な謝罪文を出す前に、照合した記録が残っているかを確認する
時効(請求できる期限):特定の時効はない。建築士に対する不法行為責任は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年である(民法724条、724条の2)。新築住宅の構造耐力上主要な部分などは、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任(住宅の品質確保の促進等に関する法律94条、95条)。契約不適合は、知った時から1年以内の通知が必要である(民法637条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:「その者の責任において」の文言により、設計・工事監理の主体は図面を描いた者や現場に立った者ではなく、法的責任を引き受けた建築士であると解される。名義上の責任者が実質的な責任を免れない根拠となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正 耐震偽装事件を受けた建築士法改正で、構造設計・設備設計の定義と、それに対応する専門資格(構造設計一級建築士・設備設計一級建築士)の制度が整備された。各項の追加時期と項番号の移動は要検証
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築士法(昭和25年法律第202号)の制定により、建築士・設計・工事監理などの定義規定が置かれた。
- 2.平成18年(2006年) 改正:耐震偽装事件を受けた改正で、構造設計・設備設計の定義と、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士の制度が整備された。各項の追加時期と項番号の移動は要検証。
- 建築士法 第3条一級建築士でなければできない設計・工事監理
- 建築士法 第18条設計・工事監理の遂行義務と施工者への指摘
- 建築士法 第20条設計図書への表示と工事監理報告書
- 建築士法 第21条の2非建築士等への名義貸しの禁止
- 建築士法 第34条建築士でない者の名称使用の禁止
- 建築基準法 第5条の6建築士による設計・工事監理の義務付け
- 建築基準法 第2条建築設備・大規模の修繕等の定義の参照元
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条新築住宅の請負人の10年瑕疵担保責任
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める