建築士法 第3条(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)
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- 次に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章において同じ。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。
- 一学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーディトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が五百平方メートルを超えるもの
- 二木造の建築物又は建築物の部分で、高さが十六メートルを超えるもの又は地階を除く階数が四以上であるもの
- 三鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れんが造、コンクリートブロック造又は無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が三百平方メートルを超えるもの、高さが十六メートルを超えるもの又は地階を除く階数が四以上であるもの
- 四延べ面積が千平方メートルを超え、かつ、階数が二以上である建築物
- 2.建築物を増築し、改築し、又は建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をする場合においては、当該増築、改築、修繕又は模様替に係る部分を新築するものとみなして前項の規定を適用する。
この条文の基本情報
一級建築士でなければできない設計又は工事監理とは何ですか?
定義一級建築士でなければできない設計又は工事監理とは、建築士法第3条に定められた規定で、「次に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第3条(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第3条の条文原文は「次に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。」で始まります。
- 建築士法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第3条の前の条は建築士法第2条の2です。
- 建築士法第3条の次の条は建築士法第3条の2です。
- 建築士法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法3条は、RC造で延べ300㎡超、木造で高さ16m超や地上4階以上などの建築物の設計・工事監理を一級建築士に限る規定。応急仮設建築物は対象外となる。
Q · RC造3階建て・延べ320㎡の建物、二級建築士に設計を頼んでも大丈夫?
だめです。RC造で延べ300㎡超は一級建築士が必要です
建築士法3条1項3号により、鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの建築物で延べ面積が300平方メートルを超えるものは、一級建築士でなければ設計も工事監理もできません。二級建築士が設計した図面では建築確認が受理されず(建築基準法6条3項)、着工できません。300平方メートル以下でも、高さ16メートル超または地上4階以上なら同じく一級建築士が必要です。
解説
鉄筋コンクリート造の建物は、延べ面積が300平方メートルを超えた時点で一級建築士しか設計できない。木造の2階建て事務所なら1,000平方メートルまで二級建築士で足りる。線を引いているのは建物の「格」ではなく、構造・高さ・階数・用途という四つの物差しである。建築士法3条は、学校・病院・劇場・百貨店など延べ500平方メートル超の特定用途、高さ16メートル超または地上4階以上、RC 造や鉄骨造などで延べ300平方メートル超、延べ1,000平方メートル超かつ2階以上の建物について、設計と工事監理(図面どおりに施工されているかを建築主の側に立って確認する業務)を一級建築士に独占させている。発注者が押さえるべきは、資格の範囲外で引かれた図面では建築確認(着工前に役所や指定確認検査機関が行う法適合チェック)が受理されず、工事そのものを始められないという点だ(建築基準法6条3項、5条の6)。「腕のいい知り合いの二級建築士」に安く頼んだ結果、確認申請の段階で計画が止まり、設計料も時間も失う。名刺に書かれた資格の種類を確かめるだけで、この事故は防げる。
法的な位置づけ
建築士法第3条は、一級建築士の業務独占範囲を定める規定である。特定用途で延べ500平方メートル超、木造で高さ16メートル超または地上4階以上、RC造等で延べ300平方メートル超等、延べ1,000平方メートル超かつ2階以上の建築物の新築について、設計・工事監理を一級建築士に限る。増改築等は当該部分を新築とみなして適用する。
手順
- 1.建物の4つの物差しを書き出す 計画中の建物の構造(木造・RC造・鉄骨造など)、延べ面積、高さ、地階を除く階数、用途を一覧にまとめる。増改築の場合は対象部分の数値も別に書き出す
- 2.建築士法3条1項の各号に当てはめる 特定用途で延べ500㎡超、木造で高さ16m超または地上4階以上、RC造等で延べ300㎡超・高さ16m超・地上4階以上、延べ1,000㎡超かつ2階以上のいずれかに当たるかを判定する。境界線に近ければ確認検査機関へ事前相談する
- 3.設計者・工事監理者の資格を照合する 契約前に建築士免許証(建築士証)の写しと建築士事務所登録の種類を確認し、判定結果と資格が合っているかを照合する
- 4.設計契約書に資格と担当者を明記する 設計者・工事監理者として実際に業務を担う一級建築士の氏名と登録番号を契約書に明記し、名義貸しの余地をなくす
よくある質問 AI による整理
Q1一級建築士でないと設計できない建物とは?
建築士法3条1項が定める4類型です。特定用途で延べ500㎡超、木造で高さ16m超か地上4階以上、RC造等で延べ300㎡超など、延べ1,000㎡超かつ2階以上の建物が該当します。
Q2二級建築士はどこまで設計できる?
建築士法3条に当たらない規模の建物までです。RC造なら延べ300㎡以下・高さ16m以下・地上3階以下、木造なら高さ16m以下・地上3階以下などが目安になります。
Q3二級建築士が範囲外の設計をしたら違法?
違法です。建築士法35条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となり、同法10条の懲戒処分(業務停止・免許取消し等)も受けえます。
Q4増築の場合、一級建築士が必要かどうかはどう判断する?
建築士法3条2項により、増築・改築・大規模修繕・大規模模様替の部分を新築とみなして判定します。既存部分と一体の構造計画になる場合は事前相談が安全です。
Q5工事監理者も一級建築士でないといけない?
はい。3条の規模の建築物では、設計だけでなく工事監理も一級建築士に限られます。施工会社の社員が兼ねる場合も資格の範囲を満たす必要があります。
Q6応急仮設住宅は一級建築士なしで建てられる?
建築基準法85条1項・2項の応急仮設建築物は建築士法3条の対象から除外されています。災害直後の迅速な建設を可能にするための例外です。
Q7建築士の資格の種類はどこで確認できる?
建築士免許証または建築士証の提示を求めるのが確実です。建築士事務所の登録が一級か二級かも、事務所に掲示された登録標識で確認できます。
Q8学習塾の校舎は「学校」に当たる?
学校教育法上の学校でなくても、用途の実態から判断される余地があります。延べ500㎡超の教育施設は、受注前に確認検査機関へ照会しておくのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1二級建築士の友達に RC 造3階建ての店舗をお願いしたいんですけど、ダメですか?
延べ面積が300平方メートルを超えればダメである(建築士法3条1項3号)。300平方メートル以下でも、地上4階以上や高さ16メートル超なら一級建築士が必要になる。実務のポイント:面積が境界線ぎりぎりの計画では、基本設計の段階で300平方メートル以下に収まるようプランを調整し、二級建築士の範囲に収めることがある。違法な面積操作ではなく正当な計画変更なので、最初に相談すれば選択肢が広がる
Q2工事監理って、工務店の現場監督がやってくれるんじゃないんですか?
立場が違う。工事監理は、建築主の側に立って設計図どおりに施工されているかを確認する業務で(建築士法2条8項)、3条の規模なら一級建築士でなければならない。実務のポイント:施工会社の社員が工事監理者を兼ねると、自分たちの施工を自分たちでチェックする構造になる。法律上は禁止されていないが、建築主が独立した設計事務所に工事監理を依頼すると、手抜き工事に対する抑止力が大きく変わる
Q3一級建築士に名前だけ貸してもらえば、実際は二級建築士が設計してもバレないのでは?
名義貸しは建築士法21条の2で明確に禁止されており、名前を貸した一級建築士も懲戒処分(同法10条、業務停止や免許取消しを含む)の対象になる。実務のポイント:建物に欠陥が見つかると、責任追及の矛先はまず書類上の設計者と工事監理者に向かい、実際に図面を描いた人とのやり取りが証拠として掘り起こされる。耐震偽装事件のあと、行政処分の運用は厳しくなっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築士なら一級でも二級でも、設計できる建物は同じ」と思われがちだが、違う。二級建築士にできるのは3条に当たらない規模の建物だけで、RC 造なら延べ300平方メートル超、どの構造でも地上4階以上になった時点で一級建築士の独占領域に入る
- 工事監理を「現場監督」と同じものだと考えている人は多い。法律上の工事監理は、建築主の側に立って設計図どおりに施工されているかを確認する業務であり、施工業者の現場管理とは立場が逆になる。3条の資格制限は工事監理にも及ぶので、施工業者の社員が兼ねる場合でも資格の範囲を満たしていなければならない
- 問題は「誰が図面を描いたか」ではない。法的に問われるのは、誰が設計者として責任を負い、その名義で確認申請をしたかである。無資格者や二級建築士が実際の作業をして一級建築士が名前だけ貸す形は、名義貸しとして禁止されており(建築士法21条の2)、名前を貸した一級建築士も懲戒処分の対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 必要な資格 | 建築士法3条:一級建築士のみ | 建築士法3条の2:一級または二級建築士 建築士法3条の3:一級・二級・木造建築士 |
| 対象となる建物 | 大規模・高層・特定用途の建築物(延べ300㎡・500㎡・1,000㎡、高さ16m、地上4階が境界線) | 3条に当たらない一定規模以上の建築物 3条・3条の2に当たらない一定規模の木造建築物 |
| 違反時の効果 | 確認申請が受理されず着工不可、建築士法35条の罰則・10条の懲戒 | 同じく確認申請不受理、罰則・懲戒の対象 同じく確認申請不受理、罰則・懲戒の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建築師の資格を一級・二級に分けず、設計人・監造人を開業建築師に限る。日本のような規模別の資格区分は採らない
韓国は建築許可等を要する建築物の設計を建築士に限る。日本の一級・二級のような段階区分はない
ドイツは州建築法で建築申請書類の作成資格(Bauvorlageberechtigung)を定め、小規模建築物では技術者等にも開く
米国は州ごとに建築士登録法を定め、一定規模以上の建築物の設計に登録建築士の押印を求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の土地に RC 造3階建ての賃貸併用住宅を建てる計画で、延べ面積は320平方メートル。知人の二級建築士が「任せて」と言ってくれた。この規模は3条1項3号に当たるので、二級建築士は設計も工事監理もできない。確認申請の前に気づければ、損失は打ち合わせ時間だけで済む
- 築30年の木造2階建て工場(延べ800平方メートル)に300平方メートルを増築したら、誰が設計できるのか? 3条2項は増築部分を「新築とみなして」判定する。実務上は増築部分の規模で判断するのが原則だが、既存部分と一体の構造計画になる場合は扱いが分かれうるので、着手前に確認検査機関へ事前相談するのが安全である
- 設計事務所を営むあなた(二級建築士)に、地元の学習塾から延べ550平方メートルの校舎の依頼が来た。「学校」に当たるかで結論が変わる。学校教育法上の学校でなくても用途の実態で判断されうるので、受注前に確認検査機関へ照会しておきたい
- 工務店から「工事監理者の欄、うちの二級建築士の名前でいいですよね」と言われた。建物は鉄骨造4階建ての店舗。そこに名前を書けば、資格の範囲を超えた工事監理になる
- 着工まであと2週間というタイミングで、確認検査機関から「設計者の資格が不適合」と連絡が来た。一級建築士の設計者を立て直し、図面の責任者を差し替えて再申請するしかない。施工業者の工程もずれ、待機分の費用負担をめぐる交渉が始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確認申請書の設計者欄と工事監理者欄を見て、資格の種類と登録番号を確認する2. 建物の構造・延べ面積・高さ・階数・用途を3条1項の各号に当てはめ、一級建築士が必要かを判定する3. 資格の範囲外だった場合は、設計契約の解除と設計料の返還、工期遅延による損害を整理し、書面で請求する4. 名義貸しが疑われる場合は、都道府県の建築士担当部署(建築士の監督窓口)に情報提供する。工事の安全性に不安があれば、別の一級建築士にセカンドオピニオンを依頼する
訴えられた側:1. 受注前に、構造・面積・高さ・階数・用途を必ず3条に照合し、判定の記録を残す2. 範囲外と分かった時点で、一級建築士が設計者・工事監理者になる体制へ切り替え、実際に業務を担わせる(名前だけ借りる形は21条の2違反) 3. すでに業務を行ってしまった場合は、刑事罰(建築士法35条:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)と懲戒処分(同法10条)の両方に備え、建築士法に詳しい弁護士へ早めに相談する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):3条自体に時効の定めはない。違反に対する罰則(建築士法35条)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、違反行為が終わった時から進行する。発注者の民事請求には一般消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。新築住宅の構造耐力上主要な部分については、住宅の品質確保の促進等に関する法律による10年の瑕疵担保責任も別にある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和25年(1950年)制定 建築士法の制定とともに、一級建築士でなければできない設計・工事監理の範囲を定めた
- 平成30年(2018年)改正 木造建築物の高さ基準を高さ13メートル・軒高9メートルから高さ16メートルに改め、階数基準を地階を除く4以上とするなど、一級建築士の独占範囲を見直した。改正法と施行日は要確認(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築士法の制定とともに、一級建築士でなければ設計・工事監理ができない建築物の範囲を定めた
- 建築士法 第3条の2一級又は二級建築士の業務範囲
- 建築士法 第3条の3木造建築士でも足りる範囲
- 建築士法 第2条設計・工事監理の定義
- 建築士法 第21条の2名義貸しの禁止
- 建築士法 第35条資格外業務に対する罰則
- 建築基準法 第5条の6建築士の設計・工事監理なしの着工禁止
- 建築基準法 第6条資格違反の確認申請は受理不可
- 建築基準法 第85条応急仮設建築物の除外根拠
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