建築士法 第3条の3(一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理)
クイックジャンプ
- 前条第一項第二号に掲げる建築物以外の木造の建築物で、延べ面積が百平方メートルを超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。
- 2.第三条第二項及び前条第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第三項中「同項各号に規定する延べ面積(木造の建築物に係るものを除く。)」とあるのは、「次条第一項に規定する延べ面積」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理とは何ですか?
定義一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理とは、建築士法第3条の3に定められた規定で、「前条第一項第二号に掲げる建築物以外の木造の建築物で、延べ面積が百平方メートルを超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第3条の3(一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第3条の3の条文原文は「前条第一項第二号に掲げる建築物以外の木造の建築物で、延べ面積が百平方メートルを超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ…」で始まります。
- 建築士法第3条の3は第一章 総則に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第3条の3の前の条は建築士法第3条の2です。
- 建築士法第3条の3の次の条は建築士法第4条です。
- 建築士法第3条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第3条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第3条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/3_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法3条の3は、延べ面積100平方メートルを超える木造建築物の新築について、一級・二級・木造建築士以外による設計と工事監理を禁じる。施主本人も例外ではない。
Q · 延べ120平方メートルの木造の家、自分で設計して建ててもいいの?
不可。延べ100㎡超の木造は建築士でなければ設計できない
建築士法3条の3により、延べ面積100平方メートルを超える木造建築物を新築する場合、一級建築士・二級建築士・木造建築士でなければ設計も工事監理もできません。施主本人が自分の家を設計する場合も例外ではありません。建築士の設計によらない工事は建築基準法5条の6で禁止され、確認申請も受理されません。なお都道府県は条例で区域や用途を限って別の面積基準を定められるため、建設地の役所にも確認が必要です。
解説
100という数字で、日本の木造住宅の世界は二つに分かれる。延べ面積100平方メートル以下の木造なら、設計図は誰が描いてもよい。だが1平方メートルでも超えると、一級建築士・二級建築士・木造建築士のいずれかでなければ、設計も工事監理(工事が図面どおりに進んでいるかを、責任を持って現場で確かめる仕事)もできない。対象は、延べ100平方メートル超300平方メートル以下で2階建て以下の木造、つまり一般的な戸建ての大半である(これを超える規模は前条により一級か二級が必要。最新の改正状況をご確認ください)。見落とされがちな点は三つある。第一に、施主本人が自分の家を設計する場合も例外ではない。第二に、増築や大規模な修繕・模様替えでは、その工事部分を新築とみなして判定する。第三に、都道府県は条例で、区域や用途を限って別の面積基準を定められる。同じ家でも、建てる県によってルールが変わりうるということだ。工務店の見積書に建築士の氏名と登録番号があるかを契約前に確かめるべき理由は、ここにある
法的な位置づけ
建築士法3条の3は、木造建築士を含む建築士の業務独占範囲を定める規定であり、前条1項2号に該当しない木造建築物で延べ面積が100平方メートルを超えるものを新築する場合、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ設計又は工事監理をしてはならない旨を定める。増築・改築・大規模修繕等への準用と、条例による面積基準の変更も規定する。
手順
- 1.建物の構造・延べ面積・階数を確定する 計画が木造か、延べ面積(各階床面積の合計)が100平方メートルを超えるか、階数が何階かを図面で確定する。増築なら工事部分の面積で判定する
- 2.建設地の条例を確認する 建設地を管轄する役所の建築指導課に電話し、本条2項が準用する条例で別の面積基準が定められていないかを確認する
- 3.設計者・工事監理者の資格を書面で確認する 契約前の見積段階で、設計者と工事監理者の氏名、建築士の種別と登録番号、建築士事務所の登録番号を書面で提出させ、登録の有無を照会する
- 4.工事監理の実施を現場で確かめる 基礎の配筋検査や上棟のタイミングで、工事監理者が実際に現場に来て図面と照合しているかを確認し、工事監理報告書の提出を求める
よくある質問 AI による整理
Q1工事監理とは何ですか?
工事を設計図書と照合し、図面どおりに施工されているかを確認する建築士の業務です(建築士法2条)。延べ100㎡超の木造では建築士でなければ担えません。
Q2増築するとき建築士は何平米から必要?
本条2項が3条2項を準用し、増築・改築部分を新築とみなして判定します。木造なら工事部分の延べ面積が100平方メートルを超えるかが基準です。
Q3建築士法3条の3に違反すると罰則は?
無資格で設計・工事監理をすると建築士法35条の罰則対象で、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金とされます(最新の改正状況をご確認ください)。
Q4建築士の名義貸しは違法?
違法です。建築士法21条の2は無資格者の違反行為に名義を貸すことを禁じており、懲戒処分として業務停止や免許取消の対象になりえます。
Q5建築士でない人の図面で確認申請はできる?
できません。建築基準法6条により、設計者資格の規定に違反する確認申請書は受理されません。着工前の段階で手続きが止まります。
Q6ログハウスを建てるのに建築士は必要?
木造扱いのログハウスでも、延べ面積100平方メートルを超えて新築するなら建築士の設計・工事監理が必要です。キット商品でも例外にはなりません。
Q7鉄骨造の小さな建物も建築士が必要?
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は木造より基準が厳しく、延べ30平方メートルを超えると一級又は二級建築士が必要です(建築士法3条の2)。
Q8建築士事務所の登録なしで設計を請け負うのは違法?
違法です。建築士の資格があっても、報酬を得て設計や工事監理を業として行うには建築士事務所の登録が別途必要です(建築士法23条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1設計士さんと建築士さんって、何が違うんですか?
建築士は建築士法に基づく資格で、一級は国土交通大臣、二級と木造は都道府県知事が免許を与える(建築士法4条)。「設計士」は法律上の資格の名前ではない。延べ100平方メートルを超える木造を設計できるのは、建築士だけである(本条1項)。実務のポイント:建築士名簿は閲覧でき、建築士事務所の登録は各都道府県の建築士事務所協会などで検索できる。名刺の肩書ではなく、登録番号で確かめるのが確実だ
Q2100平米以下の木造なら、本当に資格なしで建てていいんですか?
本条による設計の資格は不要である。ただし都道府県は、条例で区域や用途を限って別の面積基準を定められる(本条2項による3条の2第3項の準用)。建築基準法の技術基準も面積に関係なく適用される。実務のポイント:工事を始める前に、建てる場所を管轄する役所の建築指導課に条例の有無を電話で聞く。ネット検索では条例の存在に気付かないことが多い
Q3木造建築士って、正直どこまで設計できるんですか?
木造で、延べ100平方メートル超300平方メートル以下、2階建て以下の建物の設計と工事監理ができる(本条と3条の2)。3階建てや300平方メートルを超える建物は範囲外になる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:伝統工法の大工や工務店の社長が持っていることが多い資格である。ただし、報酬を受けて設計を請け負うには建築士事務所の登録(建築士法23条)が別に必要で、資格だけでは仕事として受けられない
Q4買った家が無資格の人の設計だと分かったんですが、もう住めないんですか?
それだけで直ちに住めなくなるわけではない。問題は、建築確認と完了検査を適法に通っているかと、構造に欠陥があるかである。まず検査済証の有無と建築計画概要書を確認する。実務のポイント:検査済証がない物件でも、国土交通省のガイドラインに沿った調査で適法性を事後に確かめる方法がある。売主への責任追及は期間制限があるので、調査と並行して通知を急ぐ
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の家なら、自分で設計するのは自由だ」と思われがちだが、本条は施主本人を例外にしていない。延べ100平方メートルを超える木造を新築するなら、自分の家であっても、建築士でない限り設計も工事監理もできない
- あなたから見れば、「設計士」「住宅デザイナー」も建築士も、同じように図面を描く人である。だが法律から見れば、国家資格または都道府県知事の免許を持つ建築士かどうかで、その図面で工事ができるかどうかが決まる。「設計士」は資格の名前ではない。名刺の肩書を信じたこの落差が、着工直前の工事中止につながる
- 「100平方メートル以下なら規制はない」と知っている人ほど、その意味を取り違えている。外れるのは建築士による設計の義務だけで、建築基準法の構造・防火・採光などの基準は面積に関係なく適用される。さらに令和7年(2025年)4月からいわゆる4号特例が縮小され、小規模な木造でも建築確認で構造の審査を受ける範囲が広がった(最新の改正状況をご確認ください)。資格がいらないことと、自由に建てられることは別の話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 業務を行える資格 | 建築士法3条の3:一級・二級・木造建築士 | 建築士法3条:一級建築士のみ 建築士法3条の2:一級又は二級建築士 |
| 主な対象建築物 | 前条1項2号以外の木造で延べ100㎡超(一般的な戸建ての大半) | 大規模・高層の建築物や一定規模以上の学校・病院等 3条以外で、鉄骨・RC造等の延べ30㎡超、一定規模超又は3階建て以上の建築物 |
| 増改築・大規模修繕 | 2項で3条2項を準用、工事部分を新築とみなす | 3条2項:工事部分を新築とみなす 3条2項を準用 |
| 条例による調整 | 2項で前条3項を準用、条例で面積基準の変更が可能 | 規定なし 3項:条例で区域・用途を限り面積基準を変更可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築物の設計と監造を開業登記した建築師に限り、一定の造価・規模以下の建築物は建築師の設計を免除できる。規模による線引きという構造は日本と共通する
韓国も建築許可対象の建築物の設計を건축사に限定し、小規模な増改築等に例外を設ける
ドイツは建築申請図書を提出できる者(Bauvorlageberechtigte)を州建築法で限定し、小規模建築物には緩和がある
米国は州ごとの建築士法で規律し、カリフォルニア州では一定規模以下の木造戸建て住宅を建築士による設計義務の例外とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した土地に、延べ120平方メートルの平屋ログハウスを自分で設計して建てたい。DIY が得意なあなたは図面を描ける。だが法律は描いてよいとは言っていない。建築士の設計によらなければ、工事そのものができない(建築基準法5条の6)
- 知り合いの大工が「設計はうちでやるから建築士はいらない、その分安くする」と言ってきたら、どうなる? 延べ100平方メートルを超える木造なら、その大工は建築士法に違反し、工事も建築基準法違反になりうる。安くした分のツケは、住宅ローンの審査や将来売却するときの査定で回ってくる
- あなたは二級建築士の資格を持つ工務店社員で、資格のない同僚が描いた図面に名前だけ貸してほしいと上司に頼まれた。断りにくい空気だが、名義貸しは建築士法21条の2違反である。懲戒処分の対象となり、免許取消まで視野に入る。会社は守ってくれない
- 木造建築士の免許で、木造3階建てのアパートを設計した。免許の範囲外である。
- 建築確認の申請まで残り一週間。設計を頼んだ「設計士」の名刺に、建築士の登録番号がないことに今気付いた。設計者が建築士でなければ、確認申請書は受理されない(建築基準法6条)。今週中に免許番号と建築士事務所の登録(建築士法23条)を確認しなければ、着工日も職人の手配もすべてずれ込む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確認済証と検査済証の写しを入手し、設計者・工事監理者の氏名と登録番号を確認する。手元になければ、役所で建築計画概要書を閲覧できる2. 無資格の疑いがあれば、免許を出した国土交通大臣(一級)または都道府県知事(二級・木造)の窓口で登録の有無を照会する3. 施工不良があれば、請負人に対する契約不適合責任と、設計者の不法行為責任(民法709条)を並べて検討する4. 新築住宅なら、品確法による10年の瑕疵担保責任も使えるか確認する
訴えられた側:1. 対象の建物が木造か、延べ面積・階数がいくつか、増築なら工事部分の面積はどうかを正確に計算する。100平方メートル以下なら本条の対象外である2. 都道府県の条例で面積基準が別に定められていないか確認する3. 違反に当たる場合は、すぐに建築士に設計の見直しと工事監理を依頼し、特定行政庁に相談して是正の道筋を立てる4. 名義貸しを頼まれた建築士は書面で断り、その記録を残す
時効(請求できる期限):本条違反の罰則(建築士法35条、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。民事では、不法行為は損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。請負の契約不適合は、不適合を知った時から1年以内に通知が必要(民法637条)
- 建築士法 第3条一級建築士でなければできない設計等、2項は準用元
- 建築士法 第3条の2一級・二級の業務範囲、3項は条例委任の準用元
- 建築士法 第21条の2無資格者への名義貸しの禁止
- 建築士法 第23条報酬を得て設計する際の事務所登録
- 建築士法 第35条本条違反の設計・工事監理の罰則(現行効力を要確認)
- 建築基準法 第5条の6建築士の設計によらない工事の禁止
- 建築基準法 第6条設計者資格違反の確認申請は受理不可
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める