建築士法 第20条の2(構造設計に関する特例)
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- 構造設計一級建築士は、第三条第一項に規定する建築物のうち建築基準法第二十条第一項第一号又は第二号に掲げる建築物に該当するものの構造設計を行つた場合においては、前条第一項の規定によるほか、その構造設計図書に構造設計一級建築士である旨の表示をしなければならない。構造設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
- 2.構造設計一級建築士以外の一級建築士は、前項の建築物の構造設計を行つた場合においては、国土交通省令で定めるところにより、構造設計一級建築士に当該構造設計に係る建築物が建築基準法第二十条(第一項第一号又は第二号に係る部分に限る。)の規定及びこれに基づく命令の規定(以下「構造関係規定」という。)に適合するかどうかの確認を求めなければならない。構造設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
- 3.構造設計一級建築士は、前項の規定により確認を求められた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを確認したとき又は適合することを確認できないときは、当該構造設計図書にその旨を記載するとともに、構造設計一級建築士である旨の表示をして記名しなければならない。
- 4.構造設計一級建築士は、第二項の規定により確認を求めた一級建築士から請求があつたときは、構造設計一級建築士証を提示しなければならない。
この条文の基本情報
構造設計に関する特例とは何ですか?
定義構造設計に関する特例とは、建築士法第20条の2に定められた規定で、「構造設計一級建築士は、第三条第一項に規定する建築物のうち建築基準法第二十条第一項第一号又は第二号に掲げる建築物に該当するものの構造設計を行つた場合においては、前…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第20条の2(構造設計に関する特例)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第20条の2の条文原文は「構造設計一級建築士は、第三条第一項に規定する建築物のうち建築基準法第二十条第一項第一号又は第二号に掲げる建築物に該当するものの構造設計を行つた場合においては、前…」で始まります。
- 建築士法第20条の2は第四章 業務に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第20条の2の前の条は建築士法第20条です。
- 建築士法第20条の2の次の条は建築士法第20条の3です。
- 建築士法第20条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第20条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第20条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/20_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法20条の2は、一定規模以上の建築物の構造設計に構造設計一級建築士の関与を義務づける。他の一級建築士が設計した場合は法適合確認を求める必要がある。
Q · 高層マンションの構造設計って、普通の一級建築士だけで完結できるの?
できない。構造設計一級建築士の関与が必須
建築士法20条の2により、建築基準法20条1項1号・2号に当たる超高層や一定規模以上の建築物の構造設計には、構造設計一級建築士の関与が必要です。構造設計一級建築士が自ら設計した場合は図書に資格を表示し、他の一級建築士が設計した場合は構造設計一級建築士に構造関係規定への適合確認を求めなければなりません。確認者は、適合を確認できたときも確認できないときも、その旨を図書に記載して記名します。設計図書の一部変更時も同様です。
解説
2005年11月に発覚した構造計算書偽装事件(いわゆる耐震偽装事件)では、一級建築士がひとりで構造計算を書き換え、その偽装は建築確認をすり抜けた。この事件を受けて設けられたのが本条である。高さ60m 超の超高層や一定規模以上の中高層建物(建築基準法20条1項1号・2号)の構造設計には、構造設計一級建築士(一級建築士として構造設計の実務を5年以上積み、国土交通大臣登録の講習を修了した者)が必ず関与する。本人が設計したなら、図書に資格を表示する。ほかの一級建築士が設計したなら、構造設計一級建築士に法適合確認(構造の法令基準を満たしているかのチェック)を求めなければならない。確認を求められた側は、適合を確認できた場合も、確認できなかった場合も、その旨を図書に記載して記名する。つまり「誰が構造に責任を持ったか」は図面に残る。あなたが買う、借りる、建てる建物が対象規模なら、その名前は確認申請図書の中にある。建築基準法5条の6第2項により、この関与のない構造設計図書では工事そのものが始められない。
法的な位置づけ
建築士法20条の2は、建築基準法20条1項1号又は2号に掲げる建築物の構造設計について、構造設計一級建築士による資格表示または法適合確認を義務づける規定である。確認を求められた構造設計一級建築士は、構造関係規定への適合を確認したとき又は確認できないとき、その旨を構造設計図書に記載し、資格を表示して記名する。
よくある質問 AI による整理
Q1構造設計一級建築士とは?
一級建築士として構造設計の実務を5年以上経験し、国土交通大臣登録の講習を修了した者です。一定規模以上の建物の構造設計に関与する資格です。
Q2法適合確認とは何ですか?
構造設計一級建築士が、他の一級建築士の構造設計が建築基準法20条などの構造関係規定に適合するかを確認する手続です。建築士法20条の2第2項が根拠です。
Q3構造設計一級建築士が必要な建物の規模は?
建築士法3条1項の建物のうち、建築基準法20条1項1号(高さ60m超など)または2号(一定規模以上の中高層等)に当たる建築物が対象です。
Q4構造設計一級建築士の関与なしで着工できる?
できません。建築基準法5条の6第2項により、本条の表示や法適合確認を欠く構造設計図書による工事は禁じられています。
Q5設計変更したら法適合確認はやり直し?
必要です。建築士法20条の2第1項・第2項はいずれも、構造設計図書の一部を変更した場合も同様と定めています。
Q6構造設計一級建築士制度はいつから?
耐震偽装事件を受けた平成18年(2006年)の建築士法改正で創設され、関与義務は平成20年(2008年)11月28日から施行されています。
Q7法適合確認で問題があったらどうなる?
構造設計一級建築士は「適合を確認できない」旨を図書に記載して記名します。この記載が残れば、確認申請は事実上前に進みません。
Q8構造設計一級建築士証の提示を求められる?
はい。確認を求めた一級建築士から請求があれば、構造設計一級建築士は構造設計一級建築士証を提示しなければなりません(20条の2第4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのマンション、構造設計一級建築士がちゃんと関わってるかどうか、どうやって調べるんですか?
2008年11月28日以降に確認申請された対象規模の建物なら、構造設計図書に構造設計一級建築士の表示と記名がある(建築士法20条の2)。管理組合が保管する竣工図書か、売主・管理会社に照会する。実務のポイント:確認申請時の図書と竣工時の図書は一致しないことがある。設計変更の際に第1項後段・第2項後段の手続が踏まれたかは、変更履歴まで見ないと分からない
Q2構造設計一級建築士がOK出したなら、欠陥があっても責任は全部その人ってこと?
そうとは限らない。法適合確認は構造関係規定への適合を確認するもので、構造計算をした一級建築士の設計責任が消えるわけではない(20条の2第2項・第3項)。施工不良なら施工会社、工事監理の不備なら監理者の責任が問題になる。実務のポイント:実務では、確認を求めた側と確認した側のどちらの見落としかで争いになる。依頼書と回答の文面が勝敗を分けるので、全部の請求先を並べて同時に動くほうが回収しやすい
Q3木造の戸建てを建てるんですけど、これって関係ありますか?
一般的な2階建て木造住宅は、通常は対象外である。対象は建築士法3条1項の建物のうち、建築基準法20条1項1号・2号に当たる超高層や一定規模以上の建物に限られる(木造の2号の基準は2025年4月施行の改正で見直されている。最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:戸建ての構造安全は、いわゆる4号特例の縮小で審査が厚くなった流れの中で見るべきで、本条とは別の論点になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「一級建築士ならどんな建物でも設計できる」と思われているが、対象規模の建物では設計行為そのものは一級建築士にできても、構造設計を構造設計一級建築士の関与なしに完結させることはできない。一級建築士の免許は、この領域では入口にすぎない
- 構造設計一級建築士が法適合確認をしたのだから、建物の安全は保証された。そう考えるのは問いの立て方が誤っている。法適合確認は「構造関係規定に適合するか」の確認であって、施工品質や地盤の実際の挙動まで保証するものではない。さらに建築確認、構造計算適合性判定(建築基準法6条の3)、工事監理という別々の関門があり、責任はそれぞれに分かれている
- 第3項の「確認できない」旨の記載は、構造設計一級建築士側の逃げ道に見えるかもしれない。だが記載が残れば、確認申請は事実上前に進まない。設計者側からは不利な一行でも、法の側から見れば、異議を図面に刻むための正規の手段である。黙って記名した構造設計一級建築士のほうが、後で懲戒と損害賠償の両方を背負う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象分野 | 建築士法20条の2:構造設計(建築基準法20条1項1号・2号の建築物) | 建築士法20条の3:設備設計(一定規模以上の建築物の設備) 建築士法20条:すべての設計図書への記名等の一般義務 |
| 関与する資格者 | 構造設計一級建築士 | 設備設計一級建築士 設計を行った建築士本人 |
| 他資格者が設計した場合 | 構造設計一級建築士に構造関係規定への適合確認を求める義務 | 設備設計一級建築士に設備関係規定への適合確認を求める義務 第三者確認の仕組みはなく、本人の記名で足りる |
| 制度の背景 | 構造計算書偽装事件を受けた平成18年改正で新設 | 同じ平成18年改正で構造と並んで新設 建築士制度の基本義務として当初から存在 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では建築物の構造部分は建築師ではなく登録した専門技師(結構技師)が担当し簽證する。資格自体を分ける点で、建築士の上位資格を作った日本とは設計が異なる
韓国は一定規模以上の建築物について、建築士が構造等の関係専門技術者の協力を受けることを求める。外部専門家の関与という発想は日本と近い
ドイツは州建築法に基づき、構造安全性の証明を Prüfingenieur(審査技師)が第三者として審査する仕組みをとる
米国は州ごとに Structural Engineer の資格を定め、IBC 採用地域では特別検査や構造ピアレビューで第三者チェックを補う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新築タワーマンションを契約する前に、構造設計に誰が関与したか確かめる方法はあるのか? 対象規模の建物なら、確認申請の構造設計図書に構造設計一級建築士の表示と記名が残っている。売主に開示を求める理由として、本条はそのまま使える
- あなたは意匠中心の一級建築士で、施主から7階建て RC 造の事務所ビルを一式受注した。構造計算は外注先から上がってきたが、外注先に構造設計一級建築士がいない。確認申請の提出予定日まであと10日。今から法適合確認を引き受ける構造設計一級建築士を探さなければ、申請は受理されず工期が丸ごとずれる
- 設計変更で柱の位置を一本動かした。構造設計図書の一部変更も、第1項・第2項の対象である。
- 構造設計一級建築士として法適合確認を頼まれたが、提出された計算書に保有水平耐力の根拠が見当たらない。第3項は「確認できない」ことを記載する道を用意している。発注者からの圧力に押されて黙って記名するのか、確認できない旨を書くのか。その一行が、10年後に訴訟記録へ残る
- 中古の賃貸マンションを一棟買いする投資家が、デューデリジェンスで確認済証と構造図書を取り寄せた。2008年11月28日以降に確認申請された対象規模の建物で構造設計一級建築士の記載が見当たらなければ、手続の経緯そのものを疑う材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入または発注した建物が対象規模かを確認し、確認済証、確認申請図書、構造計算書の写しを建築主または売主に請求する2. 構造設計一級建築士の表示・記名の有無と、第3項による「確認できない」旨の記載がないかを確認する3. 疑義があれば、別の構造設計一級建築士による検証(セカンドオピニオン)を依頼する4. 違反が疑われる場合は、特定行政庁や都道府県知事(国土交通大臣免許の一級建築士については国土交通大臣)へ懲戒の申出を検討する。損害賠償は民法709条、売主には契約不適合責任、新築住宅なら住宅の品質確保の促進等に関する法律の瑕疵担保責任で別途組み立てる
訴えられた側:1. 対象建物の構造設計について、表示・法適合確認の手続が漏れていないか、設計変更時の再確認も含めて時系列で整理する2. 法適合確認の依頼書、回答、記載のある図書を保存する(建築士事務所の図書保存義務は15年) 3. 確認できない点があったのに記名を迫られた場合は、第3項に従い確認できない旨を記載した記録を残す。それが後の懲戒・訴訟で最大の防御になる4. 違反を指摘されたら、懲戒手続(建築士法10条)での聴聞に備えて弁護士に早期相談する
時効(請求できる期限):罰則(建築士法41条、100万円以下の罰金。最新の改正状況をご確認ください)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の不法行為責任は、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体侵害は5年)、行為時から20年(民法724条、724条の2)。新築住宅の構造耐力上主要な部分の瑕疵担保責任は引渡しから10年(住宅の品質確保の促進等に関する法律94条、95条)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正、平成20年(2008年)11月28日施行 構造計算書偽装事件を受けた建築士法改正で新設。構造設計一級建築士制度とともに、一定規模以上の建物の構造設計への関与義務と法適合確認を導入した
- 時期要確認 第3項の記名押印から記名への変更など、押印要件の見直しが行われたとみられる。改正年と範囲は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:構造計算書偽装事件を受けた建築士法改正で、構造設計一級建築士制度とともに新設。一定規模以上の建築物の構造設計への関与義務と法適合確認を導入し、平成20年(2008年)11月28日に施行
- 建築士法 第20条設計図書への記名等、本条の前提となる一般義務
- 建築士法 第20条の3設備設計一級建築士の同型特例
- 建築士法 第10条の3構造設計一級建築士証の交付要件
- 建築士法 第10条違反時の懲戒処分(戒告・業務停止・免許取消)
- 建築士法 第41条表示・確認義務違反の罰金(現行効力を要確認)
- 建築基準法 第5条の6関与のない構造設計図書による工事の禁止
- 建築基準法 第20条対象建物の範囲と構造耐力基準
- 建築基準法 第6条の3構造計算適合性判定による別系統の審査
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