建築士法 第21条の3(違反行為の指示等の禁止)
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建築士は、建築基準法の定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他のこの法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。
この条文の基本情報
違反行為の指示等の禁止とは何ですか?
定義違反行為の指示等の禁止とは、建築士法第21条の3に定められた規定で、「建築士は、建築基準法の定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他のこの法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第21条の3(違反行為の指示等の禁止)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第21条の3の条文原文は「建築士は、建築基準法の定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他のこの法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規…」で始まります。
- 建築士法第21条の3は第四章 業務に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第21条の3の前の条は建築士法第21条の2です。
- 建築士法第21条の3の次の条は建築士法第21条の4です。
- 建築士法第21条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第21条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第21条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/21_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法21条の3は、建築士が建築基準法その他の建築関係法令に違反する行為について指示や相談に応じることを禁じる規定。設計に関与しなくても懲戒処分の対象となる。
Q · 建築士が「検査が終わったら増築すればいい」と助言するのは違法なの?
相談に乗るだけでも本条違反で、懲戒処分の対象になりうる
建築士法21条の3は、建築基準法などに違反する行為について、建築士が指示をし、相談に応じ、これらに類する行為をすることを禁じています。図面を描かず、設計者欄に名前が載っていなくても、口頭やメールで違反の手順を教えただけで該当しえます。違反した建築士は同法10条により、戒告、1年以内の業務停止、免許取消しの懲戒処分を受ける可能性があり、処分は公告されます。施主の依頼や同意があっても免責されません。
解説
図面を一枚も引いていなくても、建築士は処分されうる。建築士法21条の3が禁じているのは違法な建物の「設計」だけではない。違法な建築について「指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為」をすること自体が禁止されている。例えば施主から「完了検査が済んだら、ガレージを部屋に変えたい。どうすれば役所にばれないか」と聞かれ、建築士が手順を教えたとする。図面に名前が載っていなくても、この助言だけで本条違反になる。違反すれば同法10条の懲戒処分(戒告、1年以内の業務停止、免許取消し)の対象となる。処分を受けると公告されるので、処分歴は誰でも確認できる状態になる。施主の立場から見れば、こう言い換えられる。「グレーなやり方を一緒に考えてくれる建築士」は、親切な味方ではない。あなたの物件を違反建築にし、売却や融資の道を塞ぐ共犯者になりうる。まともな建築士が「それはできません」と断るのは、頭が固いからではない。自分の免許を賭けて、あなたの資産を守っているのである。
法的な位置づけ
建築士法21条の3は、建築士に対し、建築基準法の定める建築物の基準に適合しない建築物の建築その他、建築士法または建築関係法令・命令・条例の規定に違反する行為について、指示、相談への対応およびこれらに類する行為を禁止する規定である。違反は同法10条の懲戒事由となる。
手順
- 1.建築士の助言内容を記録に残す 打ち合わせで建築士から確認申請後の変更や増築などグレーな提案があった場合、後日「先日おっしゃった○○の件ですが」とメールで内容を確認し、記録を残す
- 2.建築士の処分歴を確認する 契約前に、担当建築士の氏名で国土交通省・都道府県が公告する懲戒処分の情報を確認する。過去の処分理由も併せて確認する
- 3.確認済証・検査済証と現況を照合する 中古物件の購入や違反の疑いがある場合、特定行政庁で台帳記載事項証明を取得し、確認申請図面・検査済証と現況を照合する
- 4.懲戒の情報提供と損害の相談を行う 違反への関与が疑われる場合、一級建築士は国土交通省、二級・木造建築士は都道府県へ情報提供する。損害がある場合は民法709条の不法行為責任について弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1建築士法21条の3とは?
建築士が法令違反の建築について指示・相談に応じることなどを禁じる規定です。違反すれば同法10条により懲戒処分の対象となります。
Q2違反建築の相談に乗った建築士の処分は?
建築士法10条に基づき、戒告、1年以内の業務停止、免許取消しのいずれかの懲戒処分を受ける可能性があります。処分は公告されます。
Q3建築士の懲戒処分歴はどこで調べられる?
国土交通省や都道府県が懲戒処分を公告しています。設計事務所と契約する前に、建築士の氏名で処分歴を確認しておくと安心です。
Q4完了検査後の増築は違法?
増築の内容によっては確認申請が必要で、申請なしの増築や基準不適合の増築は違法になりえます。検査済証と現況が食い違う建物は売却や融資で不利になります。
Q5違反建築の是正命令は誰に出る?
建築基準法9条の是正命令は、建築主のほか工事請負人や現場管理者などにも出されえます。施主も無関係ではありません。
Q6違反建築の建築士を通報するには?
一級建築士は国土交通省、二級・木造建築士は免許を与えた都道府県に、懲戒を求める情報提供ができます。メールや記録などの証拠を添えると効果的です。
Q7違法建築目的の請負契約は有効?
最高裁は、違法な建物を建てる目的で確認用と施工用の図面を使い分けた請負契約について、公序良俗に反し無効となる場合があると判断しています。
Q8違反建築の中古住宅は住宅ローンを組める?
検査済証がない物件や現況が確認内容と異なる物件は、金融機関の担保評価で不利になり、融資を断られることがあります。購入前の照合が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1建築士に「確認申請後にこっそり変えればいい」って言われたんですが、それってアウトですか?
建築基準法違反の建築について指示・相談に応じる行為として、建築士法21条の3に抵触しうる。懲戒は戒告から免許取消しまで幅がある(同法10条)。実務のポイント:こうした発言は口頭でされることが多く、後で「言っていない」と否定されやすい。打ち合わせ後に「先日おっしゃった○○の件ですが」とメールで確認しておけば、記録が残る
Q2施主がどうしてもと言うので協力しただけです。それでも建築士が処分されるんですか?
される。本条には施主の依頼や同意による免責の規定がない。建築士は法令適合の設計・監理を職責とし(建築士法18条)、施主の要望を断ることまで期待されている。実務のポイント:懲戒処分の量定では、違反が「建築主の強い要求による」ものだったかよりも、建築士がどの段階で拒否・是正を試みたかの記録が重視されやすい。断った痕跡のない建築士は守られにくい
Q3買った中古住宅が違反建築だったと後から分かったら、当時の建築士に責任を取らせられますか?
可能性はある。最判平成15.11.14は、名義だけ貸して工事監理をしなかった建築士に、買主への不法行為責任(民法709条)を認めた。最判平成19.7.6も、設計者・施工者に建物の基本的安全性への配慮義務を認めている。実務のポイント:売主だけでなく、確認申請書に記載された設計者・工事監理者の氏名を台帳で確認しておくと、資力のある相手を見つけやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「図面に自分の名前を出さなければ責任は問われない」と考える建築士は少なくない。しかし本条は「指示」「相談に応じる」行為そのものを禁止しており、設計者・工事監理者としての記名は要件ではない。口頭の助言、メール、打ち合わせメモが処分の証拠になりうる
- 施主の多くは「違反は役所に見つからなければ自分の問題では済まない程度の話」と軽く考えている。問題は発覚の有無ではない。検査済証と現況が食い違う建物は、売却時の重要事項説明、金融機関の担保評価、火災保険の査定で何度も照合される。違反の請求書は、建てた瞬間ではなく出口(売却・相続・融資)でまとめて届く
- 「建築士に頼んだのだから、違反かどうかの判断は建築士の責任で、施主は無関係だ」という前提で問いを立てること自体が誤りである。是正命令(建築基準法9条)の名宛人には建築主も含まれる。施主がグレーな要望を出し、建築士がそれに乗った場合、両者は同じ船に乗っている。本条は建築士を縛る条文だが、施主を免責する条文ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止される行為 | 21条の3:法令違反行為についての指示・相談への対応・類似行為 | 21条の2:無資格者等に自己の名義を利用させること(名義貸し) 21条の4:建築士の信用・品位を害する行為 |
| 対象となる場面 | 違反建築の手順の教示、抜け道の助言など | 実際に業務をしない建築士が名義だけ提供する場面 業務内外を問わず信用失墜につながる行為全般 |
| 記名の要否 | 設計者・工事監理者としての記名は不要 | 名義の利用を許すこと自体が問題となる 記名の有無は問題とならない |
| 違反の効果 | 10条の懲戒処分(戒告・業務停止・免許取消し) | 10条の懲戒処分の対象 10条の懲戒処分の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では建築師法が建築師の業務規範と懲戒を定める。違法建築への助言を名指しで禁じる日本の本条と完全には対応しないため、具体的な条番号は要確認
韓国も建築士の資格・業務・懲戒を建築士法で規律する。本条に相当する具体的規定は要確認
ドイツでは建築家の職業規律は各州の建築家法と建築家会議所の職業規則に委ねられ、連邦統一法はない
米国は州ごとの資格法と NCARB の行為規範モデルで建築家の法令遵守義務を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建て売りの打ち合わせで、営業担当がささやいた。「建築確認は2階建てで通して、引渡し後に屋根裏をロフト部屋に改装すればいいですよ。うちの建築士もそう言ってます」。その一言に乗ると、あなたの家は検査済証と実態が食い違う違反建築になる。10年後に売ろうとしたとき、買主の住宅ローン審査で引っかかる
- あなたは設計事務所勤務の二級建築士。長年の付き合いがある工務店の社長から、飲みの席で「容積率を20平米くらい超えたいんだが、何かうまい手はないか」と聞かれ、つい完了検査後に増築するやり方を話してしまった。後でその物件が違反建築として是正命令を受け、関係者の聞き取りであなたの名前が出る。設計者欄に名前がなくても、懲戒の対象になりうる
- 建築確認用と実際の施工用で、図面が二通りあったとしたらどうなる? 最高裁(最判平成23.12.16)は、違法な建物を建てる目的で二通りの図面を使い分けた請負契約を公序良俗違反で無効とした。施主・施工者・建築士の全員が、後で代金請求の足場を失う
- 相続した実家を民泊に転用したいと、友人が建築士の知人に相談した。返ってきた答えは「用途変更の確認申請は200平米以下なら不要だから、細かいことは気にしなくていい」。申請不要と法令適合が不要は別の話である。消防・避難規定に違反したまま営業すれば、事故が起きたときに責任を問われるのは友人自身だ
- 中古戸建の購入契約まであと5日。インスペクションで、増築部分に建築確認の記録がないと判明した。売主側の建築士は「よくあることだから問題ない」と言う。手付を払う前に、検査済証と現況の照合を求める最後のタイミングである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 違反建築を売られた・建てられた疑いがあれば、確認済証・検査済証・確認申請図面と現況を照合する(特定行政庁で台帳記載事項証明を取得できる) 2. 建築士の助言や指示を示すメール、打ち合わせ記録、LINE を保存する3. 一級建築士なら国土交通省、二級・木造なら都道府県に懲戒処分を求める情報提供ができる4. 損害については、建築士・施工者に不法行為責任(民法709条)を問えるか弁護士に相談する。名義貸しの建築士について買主への不法行為責任を認めた最判平成15.11.14が足場になる
訴えられた側:1. 指示・相談の事実関係を時系列で整理し、自分が拒否・是正を求めた記録(メール、議事録)を集める2. 工事監理者なら、不適合を発見した後に施工者へ注意し、建築主へ報告したか(建築士法18条3項)を確認する。これが本条違反を否定する最大の防御材料になる3. 懲戒手続では聴聞の機会があるので、弁明書と証拠を準備する4. 事務所開設者として監督処分(同法26条)が及ぶ可能性もあるため、事務所の体制も併せて点検する
時効(請求できる期限):懲戒処分に時効の定めはない。民事責任は、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、行為時から20年(民法724条、724条の2)。新築住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により引渡しから10年の担保責任がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正(要人的検証) 構造計算書偽装事件を受けた建築士法改正の際、名義貸し禁止や信用失墜行為の禁止とともに新設されたとされるが、新設時期と条番号の変遷は要確認
- 建築士法 第10条本条違反に対する懲戒処分の根拠
- 建築士法 第18条法令適合の設計・工事監理義務
- 建築士法 第21条の2名義貸し禁止、同時期の倫理規定
- 建築士法 第21条の4信用失墜行為の禁止
- 建築士法 第26条建築士事務所に対する監督処分
- 建築基準法 第9条違反建築物の是正命令
- 建築基準法 第98条違反設計者等への刑事罰(現行効力を要確認)
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