建築士法 第26条(監督処分)
クイックジャンプ
- 都道府県知事は、建築士事務所の開設者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該建築士事務所の登録を取り消さなければならない。
- 一虚偽又は不正の事実に基づいて第二十三条の三第一項の規定による登録を受けたとき。
- 二第二十三条の四第一項第一号、第二号、第五号、第六号、第七号(同号に規定する未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が同項第四号に該当するものに係る部分を除く。)、第八号(法人でその役員のうちに同項第四号に該当する者のあるものに係る部分を除く。)、第九号又は第十号のいずれかに該当するに至つたとき。
- 三第二十三条の七の規定による届出がなくて同条各号に掲げる場合のいずれかに該当する事実が判明したとき。
- 2.都道府県知事は、建築士事務所につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合においては、当該建築士事務所の開設者に対し、戒告し、若しくは一年以内の期間を定めて当該建築士事務所の閉鎖を命じ、又は当該建築士事務所の登録を取り消すことができる。
- 一建築士事務所の開設者が第二十二条の三の三第一項から第四項まで又は第二十四条の二から第二十四条の八までの規定のいずれかに違反したとき。
- 二建築士事務所の開設者が第二十三条の四第二項各号のいずれかに該当するに至つたとき。
- 三建築士事務所の開設者が第二十三条の五第一項又は第二項の規定による変更の届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
- 四管理建築士が第十条第一項の規定による処分を受けたとき。
- 五建築士事務所に属する建築士が、その属する建築士事務所の業務として行つた行為を理由として、第十条第一項の規定による処分を受けたとき。
- 六管理建築士である二級建築士又は木造建築士が、第三条第一項若しくは第三条の二第一項の規定又は同条第三項の規定に基づく条例の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。
- 七建築士事務所に属する二級建築士又は木造建築士が、その属する建築士事務所の業務として、第三条第一項若しくは第三条の二第一項の規定又は同条第三項の規定に基づく条例の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。
- 八建築士事務所に属する者で建築士でないものが、その属する建築士事務所の業務として、第三条第一項、第三条の二第一項若しくは第三条の三第一項の規定又は第三条の二第三項(第三条の三第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に基づく条例の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。
- 九建築士事務所の開設者又は管理建築士がこの法律の規定に基づく都道府県知事の処分に違反したとき。
- 十前各号に掲げるもののほか、建築士事務所の開設者がその建築士事務所の業務に関し不正な行為をしたとき。
- 3.都道府県知事は、前項の規定により建築士事務所の閉鎖を命じようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
- 4.第十条第三項、第四項及び第六項の規定は都道府県知事が第一項若しくは第二項の規定により建築士事務所の登録を取り消し、又は同項の規定により建築士事務所の閉鎖を命ずる場合について、同条第五項の規定は都道府県知事が第一項又は第二項の規定による処分をした場合について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
監督処分とは何ですか?
定義監督処分とは、建築士法第26条に定められた規定で、「都道府県知事は、建築士事務所の開設者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該建築士事務所の登録を取り消さなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第26条(監督処分)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第26条の条文原文は「都道府県知事は、建築士事務所の開設者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該建築士事務所の登録を取り消さなければならない。」で始まります。
- 建築士法第26条は第六章 建築士事務所に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第26条の前の条は建築士法第25条です。
- 建築士法第26条の次の条は建築士法第26条の2です。
- 建築士法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法26条は、都道府県知事が建築士事務所の登録を取り消し、または戒告や1年以内の閉鎖を命じる監督処分を定める。閉鎖命令には聴聞が必要である。
Q · 所員の建築士が懲戒処分を受けたら、設計事務所そのものも処分されるの?
あり得る。所員が事務所の業務で受けた懲戒は処分事由になる
建築士法26条2項5号により、事務所に所属する建築士が、その事務所の業務として行った行為を理由に10条1項の懲戒処分を受けた場合、都道府県知事は開設者に対し、戒告、1年以内の閉鎖命令、登録取消のいずれかを命じることができます。管理建築士が懲戒を受けた場合(4号)や、無資格の所員が事務所の業務として設計した場合(8号)も同様です。閉鎖命令を出すには聴聞が必要です(3項)。
解説
建築士事務所の看板を守るのは、所長の免許ではなく都道府県への「登録」である。そして本条は、その登録を知事が消す、または止めるための条文だ。構造は二段になっている。第1項は、虚偽の登録、破産や禁錮以上の刑などの欠格事由(23条の4第1項)、廃業の届出漏れが判明した場合を定める。ここに当てはまれば、知事に選択肢はなく、登録は必ず取り消される。第2項は裁量処分で、戒告、1年以内の閉鎖命令、登録取消の三段階がある。対象は、延べ面積300平方メートル超の設計受託で書面契約を交わさなかった場合、重要事項説明(24条の7)を省いた場合、所属建築士が事務所の業務で懲戒を受けた場合、無資格者に設計をさせた場合などである。つまり所長が何もしていなくても、部下の違反が事務所全体に返ってくる。取消を受けると5年間は再登録できない(23条の4第1項)。建て主として依頼する側にとっても、事務所を経営する側にとっても、事務所の命綱がどこで切れるかを知っておけば、相手を選ぶ目も、自分を守る段取りも変わる
法的な位置づけ
建築士法26条は、建築士事務所の開設者に対する都道府県知事の監督処分を定める規定である。1項は虚偽登録、欠格事由への該当、廃業等の届出がないまま事実が判明した場合の必要的登録取消を、2項は業務義務違反や所属建築士の懲戒等を要件とする戒告・1年以内の閉鎖命令・登録取消の裁量処分を定め、3項は閉鎖命令に聴聞を義務付ける。
よくある質問 AI による整理
Q1建築士事務所の登録取消とは?
都道府県知事が建築士事務所の登録を消す処分です。建築士法26条が根拠で、取り消されると設計や工事監理を業として受託できなくなります。
Q2建築士事務所の閉鎖命令は何年まで?
建築士法26条2項により、閉鎖命令の期間は1年以内です。知事が期間を定め、命令前には必ず聴聞が行われます(同条3項)。
Q3建築士事務所の登録取消後、再登録はいつからできる?
取消の日から5年を経過するまでは登録の欠格事由に当たり、再登録できません(23条の4第1項)。法人の役員に該当者がいる場合も同様です。
Q4重要事項説明をしないと設計事務所は処分される?
されることがあります。24条の7の重要事項説明義務違反は、26条2項1号の処分事由です。戒告から登録取消まで量定されます。
Q5建築士事務所の処分歴はどこで調べられる?
本条の処分は10条5項の準用により公告されるため、都道府県の公報や国土交通省の処分情報で確認できる場合があります。
Q6建築士事務所の監督処分に不服がある場合は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または処分を知った日から6か月以内に取消訴訟を提起できます。
Q7名義貸しの管理建築士は違法?
常勤の管理建築士を置くことは登録の前提です。常勤実態のない名義だけの配置は、虚偽の事実に基づく登録として必要的取消の対象になり得ます。
Q8建築士事務所の戒告とは?
建築士法26条2項の処分のうち最も軽いものです。業務は止まりませんが、処分として公告され、次の違反時の量定に影響し得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1所員が勝手にやったことなのに、なんで事務所が処分されるんですか?
2項5号から8号が、所属する建築士や無資格の所員が「事務所の業務として」行った違反を、開設者への処分事由と定めているからである。事務所は所員を監督できる立場にあり、その責任を負うという設計になっている。実務のポイント:処分の量定では、所長が違反を知り得たか、社内のチェック体制があったかが見られることが多い。日頃のダブルチェック記録や研修記録が、いざというとき戒告と閉鎖を分ける材料になりうる
Q2閉鎖命令中でも、進行中の現場の工事監理だけは続けていいですか?
原則としてできない。閉鎖命令は事務所としての業務を止める処分であり、登録を前提とする設計・工事監理の受託や遂行も止まる(23条の10参照)。命令に違反すれば、2項9号でさらに重い処分の対象になり、罰則も問題となる。実務のポイント:施主への影響を避けるには、処分前の段階で他の登録事務所へ監理業務を引き継ぐ段取りを組んでおくのが実務上の定石である。聴聞の場で引継計画を示しておけば、量定にも好影響を与えうる
Q3取消された事務所の所長が、奥さん名義で新しい事務所を登録したらバレますか?
実質的に元所長が経営や業務を支配していれば、虚偽または不正の事実に基づく登録として、1項1号の必要的取消に当たりうる。法人であれば、役員に欠格者がいる時点で登録拒否事由になる(23条の4第1項)。実務のポイント:都道府県の登録担当は、管理建築士や役員の氏名を過去の処分記録と照合している。名義を替えた再登録は、発覚すれば1回目より重く、しかも裁量の余地がない取消として返ってくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「処分は悪質な事務所だけの話で、うちは書類を少し省いただけ」と考えがちだが、2項1号が拾うのは手続違反そのものである。300平方メートル超の書面契約、重要事項説明、帳簿・図書の保存、設計等の業務に関する報告書の提出(23条の6)などの義務違反は、それだけで処分の候補になる。悪意の有無は量定の材料にすぎず、処分の入口は意外なほど広い
- 所員の不祥事は所員個人の問題だと思っているなら、視角がずれている。経営者から見れば「部下のミス」だが、法から見れば「事務所の業務として行われた行為」である。2項5号と7号から8号は、所属建築士や無資格の所員が事務所の業務として起こした違反を、そのまま開設者への処分事由に変える。この落差が、真面目に経営してきた所長を不意打ちにする
- 「処分を受けても、別の法人を作れば再出発できる」という発想は、問いの立て方から誤っている。取消から5年を経過しない者は登録の欠格事由に当たる(23条の4第1項)。そして法人の役員にその者がいれば、法人も登録を受けられない。器を変えても、中にいる人が欠格事由を運んでいく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分権者 | 建築士法26条:都道府県知事 | 建築士法10条:国土交通大臣(一級)または都道府県知事(二級・木造) 建築士法23条の4:都道府県知事 |
| 処分の対象 | 建築士事務所の開設者(事務所の登録) | 建築士個人(免許) 事務所登録の申請者 |
| 処分の種類 | 戒告・1年以内の閉鎖命令・登録取消 | 戒告・1年以内の業務停止・免許取消 登録拒否 |
| 知事の裁量 | 1項は裁量なし(必ず取消)、2項は裁量あり | 裁量あり(処分の選択と量定) 1項は必ず拒否、2項は拒否できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事務所登録ではなく建築師個人の開業証書を軸に懲戒する構造で、事務所単位の閉鎖命令に当たる処分は個人の停止執行業務として現れる
ドイツは州法で建築家名簿(Architektenliste)を管理し、職能団体(Architektenkammer)が懲戒・登録抹消を担う点で、知事が直接処分する日本と異なる
フランスは建築家会(Ordre des architectes)の地域名簿への登録制で、懲戒は職能団体の懲戒機関が判断する
米国は州の建築家委員会(State Board)が個人ライセンスと法人登録の停止・取消を所管し、手続は州の行政手続法に従う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 若手所員が「いつものことだから」と重要事項説明書を省き、口約束のまま400平方メートルの店舗設計に着手した。半年後に施主とトラブルになり、施主が県に申告する。処分を受けるのは所員ではなく開設者のあなたである。24条の7と22条の3の3の違反は、本条2項1号に直結する
- 管理建築士として名前だけを借りている事務所が、もし県の立入検査(26条の2)を受けたらどうなる? 常勤実態がなければ登録要件を欠く。登録そのものが虚偽の事実に基づくものと評価されれば、1項1号の必要的取消、つまり知事に裁量のない取消まで一直線である
- 県から聴聞通知書が届いた。期日まであと2週間。閉鎖命令が予定されている。3項により、閉鎖命令は書面一枚の弁明ではなく、必ず口頭で反論できる聴聞を経る。資料の閲覧請求と反論書の準備は、今日から始めなければ間に合わない
- 注文住宅を依頼した設計事務所が、着工直前に閉鎖命令を受けたと知らされた。閉鎖期間中、その事務所は設計も工事監理も業として行えない。契約を解除するか、別の事務所に工事監理だけを依頼し直すか。判断を迫られるのは施主であるあなただ
- 二級建築士の所員が、本来一級建築士でなければ扱えない規模の建物の設計図に、事務所の業務として名前を出した。所員個人の懲戒(10条)と並んで、事務所にも2項7号の処分が及ぶ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼した事務所に処分の疑いがあれば、県の公報や国土交通省の処分情報を確認する2. 書面契約、重要事項説明書、設計図書の写しを手元に揃え、説明義務違反などの事実を整理する3. 県の建築士事務所担当課に事実を申告する。県には報告徴収や立入検査の権限がある(26条の2) 4. 閉鎖命令が出た場合、閉鎖期間中は設計・工事監理を業として行えないため、別の事務所への監理依頼と損害賠償請求(民法415条)を並行して検討する
訴えられた側:1. 通知書の適用条項が1項か2項かを最初に確認する。1項なら知事に裁量がなく、争点は事実の有無に絞られる2. 聴聞の前に、行政手続法18条で資料を閲覧請求する3. 2項の場合は、是正措置、再発防止体制、違反の経緯を書面化し、処分の量定(戒告にとどまるか)を争う4. 処分後は、審査請求か取消訴訟かを期限内に選ぶ。閉鎖命令であれば、執行停止の申立ても視野に入れる(行政事件訴訟法25条)
時効(請求できる期限):処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。閉鎖命令は1年以内の期間で定められる。取消後の再登録は、取消の日から5年を経過するまで不可(23条の4第1項)。最新の改正状況をご確認ください
学説
条文構造からの整理:1項は「取り消さなければならない」とする羈束処分で、争点は要件事実の有無に絞られる。2項は「できる」とする裁量処分で、処分の選択と量定について比例原則に照らした審査が問題となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正(要人的検証) 構造計算書偽装問題を受けた改正で、管理建築士制度の強化や事務所の監督処分事由の拡充が行われたとされる。条文の具体的な変更箇所は要確認
- 平成26年(2014年)改正(要人的検証) 延べ面積300平方メートル超の設計受託契約の書面化(22条の3の3)などが新設され、その違反が本条2項1号の処分事由に組み込まれたとされる。号構成の変遷は要確認
- 建築士法 第23条の4登録拒否事由、必要的取消の要件元
- 建築士法 第10条建築士個人の懲戒、事務所処分へ波及
- 建築士法 第23条の10無登録での設計等業務の禁止
- 建築士法 第24条の7重要事項説明義務、2項1号の処分事由
- 建築士法 第26条の2報告徴収・立入検査、処分の端緒
- 行政手続法 第13条意見陳述手続の一般則、3項が聴聞に格上げ
- 行政事件訴訟法 第14条処分取消訴訟の出訴期間
- 建設業法 第28条建設業者への監督処分、並行する規制
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める