建築士法 第27条の5(苦情の解決)
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- 建築士事務所協会は、建築主その他の関係者から建築士事務所の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該建築士事務所の開設者に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
- 2.建築士事務所協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該建築士事務所の開設者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
- 3.協会会員は、建築士事務所協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
この条文の基本情報
苦情の解決とは何ですか?
定義苦情の解決とは、建築士法第27条の5に定められた規定で、「建築士事務所協会は、建築主その他の関係者から建築士事務所の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第27条の5(苦情の解決)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第27条の5の条文原文は「建築士事務所協会は、建築主その他の関係者から建築士事務所の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係…」で始まります。
- 建築士法第27条の5は第七章 建築士事務所協会及び建築士事務所協会連合会に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第27条の5の前の条は建築士法第27条の4です。
- 建築士法第27条の5の次の条は建築士法第28条です。
- 建築士法第27条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第27条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第27条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/27_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法27条の5は、建築士事務所協会に対し、建築主等からの苦情について相談・助言・事情調査を行い、事務所の開設者に通知して迅速な処理を求める義務を課す。
Q · 設計事務所が対応してくれないとき、弁護士以外に相談できる窓口はある?
ある。建築士事務所協会には苦情に応じる法的義務がある
建築士法27条の5により、各都道府県の建築士事務所協会は、建築主などから設計事務所の業務に関する苦情の申出があれば、相談に応じ、助言し、事情を調査し、事務所の開設者に苦情内容を通知して迅速な処理を求めなければなりません。協会は事務所に説明や資料の提出を求めることができ、協会会員の事務所は正当な理由なく拒めません。ただし協会には損害賠償や返金を命じる権限はありません。
解説
設計事務所とのトラブルで多くの施主が最初に考えるのは「弁護士か、泣き寝入りか」の二択である。実はその間に、ほとんど知られていない第三の窓口がある。各都道府県の建築士事務所協会だ。建築士法27条の5は、協会に対して、建築主などから苦情の申出があれば相談に応じ、助言し、事情を調査し、事務所の開設者(事務所を登録している経営者)に苦情の内容を通知して迅速な処理を求めることを「しなければならない」義務として課している。断ってよい裁量はない。さらに協会は、事務所側に文書や口頭での説明、資料の提出を求めることができ、協会会員の事務所は正当な理由なくこれを拒めない。ただし限界もはっきりしている。協会は裁判所ではないので、賠償を命じることも設計のやり直しを強制することもできない。それでも、業界団体から正式に説明を求められた事務所は、施主個人のメールには返信しなくても、協会への回答は無視しにくい。費用をかけずに相手を交渉の席に引き戻す手段として、使う価値はある。
法的な位置づけ
建築士法27条の5は、建築士事務所協会による苦情の解決について定める規定である。協会は、建築主その他の関係者から建築士事務所の業務に関する苦情の申出を受けた場合、相談・助言・事情調査を行い、開設者に苦情内容を通知して迅速な処理を求める義務を負う。必要があれば開設者に説明や資料提出を求めることができ、協会会員は正当な理由なくこれを拒めない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約関係の資料を時系列に整理する 設計契約書、重要事項説明書、図面、見積書、メールやLINEのやりとりを日付順に並べ、何が約束され、何が履行されていないのかを一覧にする。施工の問題か設計・監理の問題かもこの段階で切り分ける
- 2.事務所の登録先と協会を特定する 重要事項説明書に記載された事務所の登録番号から登録先の都道府県を確認し、その都道府県の建築士事務所協会の相談窓口を調べる。相手の事務所が協会会員かどうかも確認する
- 3.求める結果を一文にして苦情を申し出る 期限内の図面提出、経緯の説明、設計料の精算など、求める結果を一文で明確にしたうえで協会に申し出る。協会は相談・助言・事情調査を行い、事務所の開設者に苦情内容を通知する
- 4.協会経由の回答を記録として保存する 協会が事務所に説明や資料の提出を求めた場合、その回答内容を入手・保存する。事務所の主張が文書で固まるため、後の交渉・調停・訴訟の材料になる
- 5.解決しなければ次の手段に進む 協会の対応で解決しない場合、登録先の都道府県知事への情報提供(監督処分の端緒)、民事調停、弁護士相談・訴訟を検討する。時効や契約不適合の通知期間は協会への申出とは別に管理する
よくある質問 AI による整理
Q1建築士事務所協会とは何ですか?
建築士法27条の2に基づき都道府県ごとに設立される、建築士事務所の開設者を会員とする団体です。27条の5により、設計事務所に関する苦情を受け付けて解決を図る役割を担います。
Q2設計事務所 トラブル 相談先はどこ?
まずは事務所が登録している都道府県の建築士事務所協会です。無料で相談でき、協会から事務所へ苦情を通知してもらえます。悪質な場合は都道府県知事への情報提供も選択肢になります。
Q3建築士事務所協会への苦情申出に費用はかかる?
建築士法27条の5は、苦情への対応を協会の義務と定めています。一般に相談は無料ですが、具体的な受付方法は各都道府県の協会に確認してください。
Q4建築士事務所協会は事務所に返金を命令できる?
できません。協会の権限は、相談・助言・事情調査・苦情内容の通知・説明や資料提出の要求までで、損害賠償や返金を命じる権限はありません。
Q5設計事務所が協会の説明要求を拒否したら違法?
協会会員の事務所は、正当な理由なく説明や資料提出の要求を拒めません(建築士法27条の5第3項)。非会員にはこの義務は及びません。
Q6建築士事務所協会に苦情を言うと時効は止まる?
止まりません。協会への申出は時効の完成猶予事由ではないため、損害賠償請求などの消滅時効(民法166条)や契約不適合の通知期間は別途管理する必要があります。
Q7施工不良は建築士事務所協会に相談できる?
協会が扱うのは建築士事務所の業務(設計・監理など)に関する苦情です。工務店の施工の問題は、建設工事紛争審査会(建設業法25条)などの窓口が適しています。
Q8設計事務所の登録先はどう調べる?
契約前に交付される重要事項説明書(建築士法24条の7)に事務所の名称と登録番号が記載されています。登録番号から登録先の都道府県を特定できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会に苦情を言ったら、設計料って返してもらえるんですか?
協会に返金を命じる権限はない。建築士法27条の5が定めるのは、相談、助言、事情調査、事務所への通知、説明・資料の要求までである。実務のポイント:協会からの説明要求に事務所が出した回答は、その後の交渉や調停でかなり使える。返金を取るための材料集めの段階として協会を使うのが、上手な使い方だ
Q2相手の事務所が協会に入っていなかったら、相談しても意味ないですか?
相談と助言は受けられる。ただし非会員には、説明や資料提出を拒んではならないという3項の義務がかからない。実務のポイント:非会員の事務所や悪質な事案では、事務所登録をしている都道府県知事への情報提供のほうが効く場合がある。知事には監督処分(建築士法26条)の権限があり、事務所が最も恐れるのは登録への影響である
間違えやすい点 AI による整理
- 「協会に言えば補償してもらえる」と期待する人がいるが、協会の権限は相談・助言・調査・通知・説明要求までである。損害賠償の支払いを命じたり、設計料の返金を強制したりする権限はない。協会は裁判官ではなく、仲介役に近い
- 業界団体に苦情を言っても身内をかばうだけだ、と諦めている人も多い。だが協会にとって相談に応じることは法律上の義務であり、任意のサービスではない。問題はかばうかどうかではなく、あなたの申出が具体的かどうかだ。契約書、重要事項説明書、やりとりの記録がそろっていない苦情は、どの窓口に出しても動かない
- 「設計事務所とのトラブル」と「工務店とのトラブル」は窓口が違う。施工の欠陥を設計事務所の協会に持ち込んでも筋違いになりうるし、設計ミスを建設業の窓口に持ち込んでも同じことが起こる。誰の業務に問題があったのかを先に切り分けることが、最初の分岐点になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 建築士法27条の5:建築士事務所協会 | 建築士法26条:都道府県知事 建築士法24条の7:建築士事務所の開設者(管理建築士等) |
| 内容 | 苦情の相談・助言・事情調査・通知・説明要求 | 事務所に対する戒告・閉鎖命令・登録取消し等の監督処分 契約締結前の重要事項説明義務 |
| 強制力 | 弱い(会員に説明・資料提出の協力義務のみ、制裁権限なし) | 強い(登録に影響する行政処分) 違反は監督処分の対象になりうる |
| 施主にとっての使いどころ | 無料で事務所を交渉の席に戻す最初の段差 | 悪質事案・非会員事務所への情報提供先 苦情申出時に相手を特定する証拠書面 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では建築師は公會への加入が求められ、業務上の紛争は公會や主管機関への申立てで扱われうる。日本の協会のような苦情対応義務の明文規定との対応関係は要確認
韓国では大韓建築士協会が建築士法上の団体として位置づけられる。苦情処理の具体的な義務規定の有無は要確認
ドイツでは州ごとの建築家会議所(公法上の団体)が調停委員会を設け、建築家と施主の紛争調停を行う例が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の実施設計が終わったのに、確認申請の図面が三か月も出てこない。設計事務所に電話しても「担当が不在」の一点張り。工務店との着工予定日まであと20日。弁護士に依頼する前に、事務所が所属する都道府県の建築士事務所協会へ苦情を申し出れば、協会から事務所へ正式な通知が届く
- あなたは小さな設計事務所の開設者で、ある日、協会から「施主から苦情の申出があったので、経緯を文書で説明してほしい」という連絡を受けた。協会会員なら正当な理由なく拒めない。ここでの回答文書が、後の訴訟で証拠として出てくることも想定して書くべきだ
- 重要事項説明で聞いた監理の回数と、実際に現場に来た回数がまるで違う。これは誰に言えばいいのか?
- もし相手の事務所が協会に加入していなかったら、苦情の申出は無駄になるのか? 協会は相談・助言・事情調査はできるが、非会員には説明・資料提出の拒否禁止(3項)が及ばない。その場合は事務所登録をしている都道府県知事への情報提供のほうが効く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書、重要事項説明書、図面、メールやLINEのやりとりを時系列に整理する2. 事務所の登録番号から登録先の都道府県を確認し、その都道府県の建築士事務所協会に苦情を申し出る3. 求める結果(期限内の図面提出、説明、設計料の精算など)を一文で書いておく4. 協会の対応で解決しなければ、登録先の都道府県知事への情報提供や、民事調停・訴訟を検討する
訴えられた側:1. 協会からの連絡を放置しない。会員なら正当な理由なく説明や資料提出を拒めない(3項) 2. 回答は事実と時系列に絞り、感情的な反論は書かない。後の紛争で証拠になる前提で作る3. 自社に非がある部分は早めに是正案を示す。協会を通じた解決は、訴訟や監督処分に進むより損失が小さい4. 施主の誤解が原因なら、重要事項説明書の該当箇所を示して説明する
時効(請求できる期限):苦情の申出そのものに期限はない。ただし損害賠償などの請求権には一般の消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。設計契約を請負と見るか準委任と見るかは実務上解釈が分かれており、請負と見る場合は、契約不適合を知った時から1年以内に通知する必要がある(民法637条)。協会への申出で時効は止まらない点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
- 建築士法 第27条の2建築士事務所協会の設立根拠
- 建築士法 第24条の7契約前の重要事項説明義務
- 建築士法 第22条の3の3延べ面積300㎡超の書面契約義務
- 建築士法 第26条建築士事務所に対する知事の監督処分
- 建設業法 第25条施工紛争は建設工事紛争審査会へ
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第67条住宅紛争処理機関による紛争処理(現行効力を要確認)
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