建築士法 第38条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 一第十条の八第一項(第十条の二十第三項、第十五条の五第一項、第十五条の六第三項及び第二十六条の三第三項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反した者
- 二第十五条の四(第十五条の六第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、不正の採点をした者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第38条は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第38条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 建築士法第38条は第十章 罰則に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第38条の前の条は建築士法第37条です。
- 建築士法第38条の次の条は建築士法第39条です。
- 建築士法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法38条は、登録事務等で知った秘密を漏らした指定機関の役職員(退職者を含む)と不正の採点をした試験委員を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 建築士の登録機関の職員が申請者の情報を漏らしたら、犯罪になるの?
犯罪になりうる。一年以下の拘禁刑か百万円以下の罰金
建築士法38条1号により、中央指定登録機関などの役員・職員が登録事務で知った秘密を漏らすと、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処されます。守秘義務の本体は同法10条の8第1項で、「これらの職にあつた者」も対象となるため、退職後に漏らした場合も処罰対象です。また同条2号は、試験委員が故意に不正な採点をした行為も同じ刑で罰します。
解説
一級建築士の登録原簿を管理しているのは国土交通省の職員ではない。国土交通大臣が指定した民間の法人、中央指定登録機関である。試験も同じで、問題を作って答案を採点するのは指定試験機関とその試験委員だ。国家資格の根幹を民間に任せる以上、裏切りを止める仕組みがいる。それが本条である。登録事務や試験事務で知った秘密を漏らした役員・職員(すでに辞めた者も含む)、そして不正な採点をした試験委員は、一年以下の拘禁刑(刑務所に収容される刑)または百万円以下の罰金に処される。押さえておくべき点は二つある。一つ目に、守秘義務は退職しても消えない。二つ目に、採点の罪は情報を漏らす行為ではなく、点数を不正につけること自体を罰する。受験生なら、合否の裏側の公正が刑罰で守られていることを知っておけばいい。機関の職員なら、頼まれて知人の情報を一回調べてあげただけでも前科につながりうることを知っておくべきだ。
法的な位置づけ
建築士法38条は、建築士の登録事務・試験事務・事務所登録事務を担う指定機関の役員・職員および試験委員を名宛人とする罰則規定である。同法10条の8第1項(準用規定を含む)の秘密保持義務違反と、同法15条の4に違反する不正の採点を構成要件とし、法定刑を一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金と定める。
よくある質問 AI による整理
Q1建築士法38条とは?
建築士の登録機関・試験機関の役職員による秘密漏えいと、試験委員の不正採点を罰する規定です。法定刑は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。
Q2建築士法38条の罰則はどれくらい?
一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。2025年6月1日施行の刑法改正に伴い、従来の「懲役」が「拘禁刑」に改められました。
Q3中央指定登録機関とは?
国土交通大臣の指定を受けて一級建築士の登録事務を行う民間法人です。その役員・職員には建築士法10条の8で秘密保持義務が課されています。
Q4建築士試験の試験委員に守秘義務はある?
あります。指定試験機関の役職員には秘密保持が準用され、試験委員には公正な採点義務があります。不正採点は38条2号で刑事罰の対象です。
Q5登録機関の元職員にも守秘義務はいつまで続く?
期限はありません。建築士法10条の8第1項は「これらの職にあつた者」も対象とするため、退職後も秘密を漏らせば38条の処罰対象になりえます。
Q6建築士の登録情報が漏れたらどこに相談する?
まず登録機関に書面で照会し、記録の保全を求めます。不十分なら監督官庁の国土交通省や都道府県、個人情報保護委員会、警察へ相談できます。
Q7建築士法38条違反の公訴時効は何年?
法定刑の上限が拘禁刑一年のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q8登録機関の職員は公務員扱いになる?
登録事務に従事する役職員は、建築士法10条の8第2項により刑法上「公務に従事する職員」とみなされ、収賄罪などの適用対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1建築士試験の採点、絶対おかしいと思うんだけど、受験生に何かできることってある?
受験者が採点内容を裁判のように争える制度はほとんどない。ただ、不正な採点は本条2号の刑事罰の対象で、指定試験機関は国土交通大臣の監督下にある。具体的な根拠があるなら、国土交通省に情報提供できる。実務のポイント:根拠のない不満は相手にされない。採点基準のどこがどうおかしいかを答案の写しや再現図と一緒に書面で出すと、監督官庁が機関に報告を求めるきっかけになりやすい(監督規定の条番号は最新の改正状況をご確認ください)
Q2登録機関はもう辞めたんだけど、昔の話をブログに書くくらいなら大丈夫だよね?
大丈夫ではない。建築士法10条の8第1項は「これらの職にあつた者」も対象としており、守秘義務に期限はない。漏らせば本条により一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金になりうる。実務のポイント:匿名化したつもりでも、申請時期と地域と案件の特徴がそろえば本人は特定される。何が秘密に当たるかは、公開されていないか(非公知性)と、守る必要があるか(秘匿の必要性)で判断されるので、名前を伏せただけでは免責されない
Q3建築士の名簿って誰でも見られるんでしょ? それを人に教えても漏洩になるの?
建築士名簿は法律上閲覧できる仕組みがある(建築士法6条)。公開されている事項を伝えるだけなら、本条の「秘密」には当たりにくい。問題になるのは、申請書類の住所、添付された経歴、審査の途中経過といった非公開の情報である。実務のポイント:同じ人物について、公開されている情報と非公開の情報を組み合わせて伝えると、全体として秘密を漏らしたと評価される危険がある。どこまでが名簿に載っている事項なのか、口を開く前に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 職員の側からは「民間団体の内部規程違反だから、悪くても懲戒どまり」に見える。しかし法律上は刑事罰の対象であり、さらに建築士法10条の8第2項により、登録事務に従事する役員・職員は刑法上「公務に従事する職員」とみなされる。見返りとして金品を受け取れば収賄罪(刑法197条)も成立しうる。民間の職員だという感覚と、公務員として扱う法律の見方とのずれが、職員を追い詰める
- 在職中に守秘義務があることは誰でも知っている。見落とされやすいのは、条文が「これらの職にあつた者」と明記していて、退職後も期限なく義務が続く点だ。転職先や講演、著書で「昔こんな申請があった」と話すことが、時効のない義務違反の始まりになる
- 「採点ミスをしたら刑事罰になるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。本条2号が罰するのは「不正の採点」、つまり故意に公正をゆがめる行為である。過失による単純な採点ミスは本条の対象ではない。問われるのは結果の誤りではなく、意図があったかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 建築士法38条:違反に対する罰則(刑事罰) | 建築士法10条の8:登録機関役職員の秘密保持義務・みなし公務員 建築士法15条の4:試験委員の公正な採点に関する義務 |
| 名宛人 | 義務に違反した役職員(退職者含む)・試験委員 | 中央指定登録機関等の役員・職員とその職にあった者 試験の問題作成・採点に当たる試験委員 |
| 違反時の効果 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | 義務自体を定め、罰則は38条1号に委ねる 義務自体を定め、罰則は38条2号に委ねる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の建築師試験は考選部が実施する国家試験で、試務人員の秘密漏えいや不正は典試法と刑法の公務員洩密罪で規律される。民間委託型の日本とは担い手の構造が異なる
韓国は公務上秘密漏洩罪を一般規定として持つ。資格事務の受託者については個別法のみなし公務員規定と組み合わせて処罰する構造が日本と類似する
ドイツは公務担当者や特別に義務付けられた者による私的秘密の漏示を刑法典で一般的に処罰する。個別資格法ごとに罰則を置く日本とは立法技術が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 登録機関の窓口で働く友人に「元恋人がどこの事務所にいるか、今の住所を調べて」と頼んだらどうなるか? 登録申請書類にしか載っていない住所を友人が教えた時点で、友人は本条の秘密漏示に当たりうる。頼んだ側も教唆犯(刑法61条)に問われる可能性がある
- 製図試験の採点を担当している試験委員が、答案の描き方の癖から自分の講座の受講生のものだと気付き、減点を甘くした。本人は情けをかけただけのつもりでも、故意に採点基準をゆがめたのなら本条2号の「不正の採点」に当たりうる
- 登録機関を三年前に辞めた元職員が、在職中に扱った申請者の経歴をセミナーの雑談で話した。辞めた後でも守秘義務は消えていない
- 名簿業者から届いた DM に、登録申請のときにしか書いていない旧住所と実務経歴が載っていた。流出ルートを裏付けるアクセスログは数か月で上書きされることもある。本条の罪の公訴時効は3年あるが、証拠が消えるほうがずっと早い。今週中に問い合わせの書面を出さないと、追跡の手がかりがなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 流出した情報(DM、書き込み、メール)を原本ごと保存し、届いた日時を記録する2. 登録機関または試験機関に書面で照会し、アクセス記録の保全を求める3. 回答が不十分なら、監督官庁である国土交通省または都道府県に情報提供する。個人情報の扱いについては個人情報保護委員会にも相談できる4. 刑事責任を問うなら警察・検察へ告発する。損害賠償は民法709条、715条で別に請求できる
訴えられた側:1. 機関の内部調査に答える前に、刑事事件に詳しい弁護士へ相談する2. 漏らした情報が公開済みの名簿事項(非公知性がない情報)だったのか、非公開情報だったのかを整理する3. 採点の件なら、故意があったかどうかが争点になる。採点基準や当時の作業記録を確保する4. 被害者への謝罪と被害回復を早めに行うほど、起訴するかどうかの判断や量刑に有利に働きやすい
時効(請求できる期限):本条の罪は法定刑の上限が拘禁刑1年のため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)
学説
実質秘説(通説・判例):秘密とは非公知の事実で、実質的にも秘密として保護に値するものをいう。公開済みの建築士名簿登載事項は原則として秘密に当たりにくく、申請書類上の住所や経歴等の非公開情報が中心となる
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 建築士法 第10条の8登録機関役職員の秘密保持義務の本体
- 建築士法 第15条の4試験委員の厳正保持義務、不正採点の前提
- 建築士法 第15条の5指定試験機関役職員への秘密保持の準用
- 建築士法 第26条の3指定事務所登録機関の指定と義務の準用
- 刑法 第197条みなし公務員の収賄罪(10条の8第2項経由)
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