建築士法 第8条(相対的欠格事由)
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- 次の各号のいずれかに該当する者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えないことができる。
- 一拘禁刑以上の刑に処せられた者(前条第二号に該当する者を除く。)
- 二この法律の規定に違反して、又は建築物の建築に関し罪を犯して罰金の刑に処せられた者(前条第三号に該当する者を除く。)
- 三心身の故障により一級建築士、二級建築士又は木造建築士の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
この条文の基本情報
相対的欠格事由とは何ですか?
定義相対的欠格事由とは、建築士法第8条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えないことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第8条(相対的欠格事由)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第8条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えないことができる。」で始まります。
- 建築士法第8条は第二章 免許等に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第8条の前の条は建築士法第7条です。
- 建築士法第8条の次の条は建築士法第8条の2です。
- 建築士法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法8条は、拘禁刑以上の刑に処せられた者、建築関連の罪で罰金刑を受けた者、心身の故障で業務を適正に行えない者に、免許を与えないことができると定める裁量的欠格事由である。
Q · 前科があると建築士の免許は絶対にもらえないの?
必ず拒否されるわけではなく、大臣・知事の裁量判断になる
建築士法8条は、拘禁刑以上の刑に処せられた者、建築士法違反や建築に関する罪で罰金刑を受けた者、心身の故障で業務を適正に行えない者について、免許を「与えないことができる」と定めています。前条(7条)の絶対的欠格とは違い、事件の内容、経過年数、更生の状況を踏まえて国土交通大臣(一級)または都道府県知事(二級・木造)が判断します。受験そのものは制限されず、拒否された場合は審査請求や取消訴訟で争う余地があります。
解説
建築士の免許には二段階の関門がある。前条(7条)は「絶対に与えない」側で、拘禁刑の執行を終えてから5年以内の者などは問答無用で門前払いになる。本条はその外側にあるグレーゾーンで、「与えないことができる」と書かれている。つまり、免許を出すかどうかを国土交通大臣(一級)または都道府県知事(二級・木造)が判断する。対象は三つ。拘禁刑以上の刑を受けたが前条の5年枠からは外れている者(例:執行猶予中の者、刑の執行を終えて5年を過ぎたがまだ刑の言渡しの効力が消えていない者)。建築士法違反または建築に関する犯罪で罰金刑を受けた者。心身の故障で業務を適正にできないと国土交通省令が定める者。ここで知っておくべき点は、受験を禁じる規定は本条にはないということだ。合格してから免許申請の段階で初めてこの関門に気付く人がいる。もう一つは、「できる」規定である以上、拒否にも理由が要るということだ。黙って諦める理由はない
法的な位置づけ
建築士法8条は、建築士免許の相対的(裁量的)欠格事由を定める規定である。拘禁刑以上の刑に処せられた者(7条2号該当者を除く)、同法違反または建築物の建築に関する罪で罰金刑に処せられた者(7条3号該当者を除く)、心身の故障により業務を適正に行えない者として国土交通省令で定める者について、免許権者は免許を与えないことができる。
よくある質問 AI による整理
Q1建築士の相対的欠格事由とは?
建築士法8条が定める、免許を「与えないことができる」事由です。刑罰歴、建築関連の罰金刑、心身の故障の3類型があり、拒否するかどうかは免許権者が個別に判断します。
Q2建築士 免許 前科はいつまで影響する?
拘禁刑は執行終了から5年間が7条の絶対的欠格です。その後も刑の言渡しが効力を失うまで(刑法34条の2で原則10年)は8条1号の裁量審査の対象になりえます。
Q3執行猶予が満了したら建築士免許を申請できる?
できます。猶予期間を取り消されずに満了すると刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、8条1号の「刑に処せられた者」に当たらなくなります。
Q4建築士免許の拒否は争える?
争えます。裁量処分であっても、事情を考慮しない判断は裁量権の逸脱・濫用として違法になりえます。審査請求(3か月以内)や取消訴訟(6か月以内)で争えます。
Q5建築基準法違反の罰金で建築士免許は取れない?
「建築物の建築に関し罪を犯して」罰金刑を受けた場合は8条2号の対象です。罰金刑から5年以内なら7条3号の絶対的欠格に当たる場合もあり、時期の確認が必要です。
Q6建築士免許申請で欠格事由を隠したらどうなる?
虚偽や不正の手段で免許を受けたことが後で発覚すると、免許取消の対象になります(9条)。病気や前科そのものより、隠したことのほうが重い結果を招きやすくなります。
Q7二級建築士の免許拒否は誰が判断する?
二級建築士と木造建築士の免許は都道府県知事、一級建築士の免許は国土交通大臣が与えます(4条)。8条の裁量判断もそれぞれの免許権者が行います。
Q8建築士の心身の故障の欠格はいつ変わった?
令和元年(2019年)の成年後見関連の法整備で、成年被後見人等を一律に排除する方式が改められ、業務を適正に行えるかを個別に審査する現行3号の方式になりました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行猶予中でも一級建築士の試験って受けられるんですか?
受けられる。本条は「免許を与えないことができる」という免許段階の規定で、受験資格を制限するものではない。ただし合格しても、免許申請の時点で執行猶予中なら本条1号の裁量審査にかかる。実務のポイント:試験の合格自体は免許申請の時期を縛らない。猶予期間の満了を待ってから申請すれば、刑の言渡しは効力を失っており(刑法27条)、本条1号の対象から外れる。焦って申請するのが一番損な選び方になりうる
Q2昔スピード違反で罰金払ったんですけど、免許に響きますか?
本条2号の罰金は「この法律の規定に違反して」または「建築物の建築に関し罪を犯して」受けたものに限られる。建築と無関係の交通違反の罰金は対象外である。実務のポイント:逆に注意すべきは、建築基準法違反や現場事故での業務上過失致死傷による罰金である。本人は「交通違反と同じ程度の罰金」と思っていても、建築に関する罪として扱われれば審査の対象になる
Q3精神科に通っていることを申請で書いたら、免許をもらえなくなりますか?
本条3号が問うのは、国土交通省令が定める「業務を適正に行うことができない」状態かどうかで、通院や病名そのものではない。令和元年の改正で、成年被後見人などを一律に排除する仕組みは廃止され、個別の能力を見る方式に変わった。実務のポイント:主治医に「建築士業務の遂行に支障なし」という趣旨の診断書を書いてもらえるかを先に相談しておくと、審査で説明に困らない(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「前科があれば建築士には一生なれない」と思い込んで、受験そのものを諦める人がいる。だが本条は「与えないことができる」という裁量規定で、自動的に排除する条文ではない。しかも受験を禁じる規定もない。思い込みが一人の職業人生を閉ざすことがある
- 刑の期間が終わったら前科はすっかり消える、という感覚は甘い。拘禁刑の場合、執行を終えて5年経つと7条の絶対的欠格からは外れるが、刑法34条の2により刑の言渡しが効力を失うのは、罰金以上の刑を受けずに10年が経ったときである。その間の空白期間は本条1号のグレーゾーンにとどまる
- 本人の目線では「病気を隠さないと不利になる」だが、法律の目線では「業務を適正にできるか」が問題で、病名の有無が問題なのではない。この落差を理解しないまま虚偽の申告をすると、病気そのものより、後で発覚した虚偽申告のほうが免許の命取りになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効果 | 8条:免許を「与えないことができる」(裁量) | 7条:免許を「与えない」(絶対的欠格) 9条:既に受けた免許の取消し |
| 対象となる時期 | 免許申請時(7条の5年枠の外側にいる者) | 免許申請時(刑の執行終了等から5年以内の者など) 免許取得後に事由が発生・発覚した場合 |
| 刑罰歴の扱い | 拘禁刑以上の刑、建築関連の罰金刑(7条該当者を除く) | 執行終了等から5年を経過しない拘禁刑・建築関連の罰金刑 免許取得後に欠格事由に該当した場合など |
| 争い方 | 裁量権の逸脱・濫用を主張して審査請求・取消訴訟 | 該当性(日付・刑の種類)の事実誤認を争う 取消事由の該当性と手続の適法性を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は一定の刑事判決確定などを建築師に充任できない事由として列挙し、既に充任している者の証書の撤銷・廃止も同条で定める。裁量型の日本8条より画一的な色彩が強い
韓国も建築士の欠格事由を法律で列挙する。日本のように絶対的欠格と裁量的欠格の二段構えになっているかは個別に確認を要する
ドイツでは建築家資格は州法で規律され、建築家会議所への登録の段階で信頼性(Zuverlässigkeit)を欠く者の登録を拒否する仕組みが一般的である
米国は州ごとの免許制で、重罪歴などを理由とする免許拒否は委員会の裁量判断とされることが多い。近年は前科による一律排除を緩和する州法改正が進んでいる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 設計事務所で働きながら一級建築士試験に合格した。ところが3年前、飲酒運転の事故で拘禁刑1年・執行猶予3年の判決を受けていて、猶予期間はあと8か月残っている。免許申請を出すか、猶予期間が満了して刑の言渡しが効力を失う(刑法27条)まで待つか。申請時期の選び方ひとつで、審査のテーブルに載る事実が変わる
- 現場監督をしていた頃、足場から作業員が転落した事故で業務上過失致死傷罪の罰金刑を受けた。これは「建築物の建築に関し罪を犯して」に当たるのか? 建築工事中の安全管理義務違反なら該当しうるが、事案ごとの判断であり、実務上の見解が完全に固まっているわけではない
- 交通違反の罰金なら関係ない? 建築と無関係の道路交通法違反の罰金は、本条2号の対象外である。ただし拘禁刑(執行猶予付きを含む)になれば1号の問題になる
- うつ病で半年休職した経験を、免許申請の際に正直に書くべきか悩んでいる。3号が問うのは病名ではなく、「建築士の業務を適正に行うための認知・判断・意思疎通ができるか」である。治療中というだけで当然に拒否されるわけではない
- あなたは確認申請の書類で構造計算の数値を「ちょっと調整」した建築士の同僚を見ていた。その同僚が建築基準法違反で罰金刑を受けたら、すでに持っている免許については懲戒・取消の問題になり、まだ二級しか持っていない場合は一級の免許申請で本条2号が立ちはだかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書・略式命令書を取り寄せ、刑の種類、確定日、執行猶予期間、執行終了日を正確に確認する2. 7条(5年以内の絶対的欠格)と本条(裁量的欠格)のどちらに当たるかを切り分ける3. 執行猶予の満了や刑の消滅(刑法34条の2)が近いなら、申請時期の調整を検討する4. 申請時には事実を正直に申告し、更生の事情(その後の勤務実績、再犯なし、被害弁償)を示す資料を揃える5. 拒否されたら理由の提示(行政手続法8条)を確認し、3か月以内に審査請求、または6か月以内に取消訴訟を検討する
訴えられた側:設計事務所の開設者や管理建築士の立場で、所属する建築士が刑事事件の当事者になったなら:1. その建築士が免許保有者なら、本条ではなく懲戒(10条)・取消(9条)の問題になることを押さえる2. 建築基準法違反など建築に関する罪は、事務所の登録や対外的な信用にも波及するため、事実関係を早期に把握する3. 心身の不調を抱えた職員には、病名ではなく業務遂行能力の観点で対応を考え、偏見に基づく不利益扱いを避ける
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。拘禁刑は執行終了後5年間は7条の絶対的欠格、その後、罰金以上の刑を受けずに10年経過で刑の言渡しは効力を失う(刑法34条の2、罰金は5年)。執行猶予は期間満了で言渡しが効力を失う(刑法27条)。免許拒否を争うなら、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
裁量統制論(行政法の一般的理解):「与えないことができる」とする裁量規定でも、行政庁の判断は無制約ではない。考慮すべき事情(事件の内容、経過年数、更生状況)を考慮しない、または比例原則に反する判断は、裁量権の逸脱・濫用として違法となりうる(行政事件訴訟法30条)
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により、成年被後見人等の一律排除を改め、心身の故障により業務を適正に行えない者を個別審査する3号の仕組みを導入(人的検証要)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への統合に伴い、「禁錮以上の刑」を「拘禁刑以上の刑」に改正
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築士法制定(昭和25年法律第202号)により建築士の免許制度とあわせて欠格事由が定められた
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により、成年被後見人等を一律に排除する方式を改め、心身の故障により業務を適正に行えない者を個別に審査する方式とした
- 3.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正で懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されたことに伴い、「禁錮以上の刑」を「拘禁刑以上の刑」に改めた
- 建築士法 第7条絶対的欠格事由、本条の除外対象を画定
- 建築士法 第4条免許の付与権者(大臣・知事)の規定
- 建築士法 第9条免許取得後の取消し事由
- 建築士法 第10条建築士に対する懲戒処分
- 刑法 第34条の2刑の消滅、1号該当性の終期を画定
- 刑法 第27条執行猶予期間経過による言渡しの失効
- 行政手続法 第8条免許拒否時の理由提示義務
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