宗教法人法 第11条(宗教法人の責任)
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- 宗教法人は、代表役員その他の代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- 2.宗教法人の目的の範囲外の行為に因り第三者に損害を加えたときは、その行為をした代表役員その他の代表者及びその事項の決議に賛成した責任役員、その代務者又は仮責任役員は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。
この条文の基本情報
宗教法人の責任とは何ですか?
定義宗教法人の責任とは、宗教法人法第11条に定められた規定で、「宗教法人は、代表役員その他の代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第11条(宗教法人の責任)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第11条の条文原文は「宗教法人は、代表役員その他の代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」で始まります。
- 宗教法人法第11条は第一章 総則に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第11条の前の条は宗教法人法第10条です。
- 宗教法人法第11条の次の条は宗教法人法第12条です。
- 宗教法人法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法11条は、代表役員が職務を行うにつき第三者に与えた損害を宗教法人が賠償すると定める。目的外の行為では、決議に賛成した責任役員も連帯責任を負う。
Q · 住職が起こしたお金のトラブル、お寺そのものに賠償を請求できるの?
代表者の職務上の行為なら、宗教法人自体に請求できる
宗教法人法11条1項により、代表役員その他の代表者が職務を行うにつき第三者に損害を与えた場合、宗教法人自体が賠償責任を負います。職務かどうかは外形から判断されるのが判例の流れです。さらに2項により、法人の目的の範囲外の行為で損害が出たときは、行為をした代表者と、その決議に賛成した責任役員・代務者・仮責任役員が連帯して個人責任を負います。反対した役員は対象外です。
解説
宗教法人に損害賠償を求めるとき、請求できる相手は一つとは限らない。1項は、代表役員など代表者が「職務を行うにつき」第三者に損害を与えたら、宗教法人自身が賠償すると定める。ここでいう職務かどうかは、外から見て職務らしく見えるかで判断されるのが、旧民法44条以来の判例の流れである。代表者の内心はあまり問われない。ただし、相手方が職務外の行為だと知っていた場合などは保護されない。2項はさらに踏み込む。法人の目的の範囲外の行為で損害が出たら、実行した代表者だけでなく、その決議に「賛成」した責任役員も個人で連帯して責任を負う。反対した役員は対象外である。檀家の世話役として気軽に責任役員を引き受けた人の自宅も、議事録に残った一票によっては差押えの対象になりうる。被害者にとっては請求先を広げる地図になり、役員にとっては自分の一票の重さを測る物差しになる。
法的な位置づけ
宗教法人法11条は、宗教法人の不法行為責任を定める規定である。1項は代表役員その他の代表者が職務を行うにつき第三者に加えた損害を法人が賠償する責任を定め、2項は法人の目的の範囲外の行為による損害について、行為をした代表者及び当該事項の決議に賛成した責任役員・代務者・仮責任役員の連帯責任を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1宗教法人法11条とは?
宗教法人の損害賠償責任を定める条文です。1項で代表者の職務上の加害は法人が賠償し、2項で目的外の行為は実行者と決議に賛成した役員が連帯責任を負います。
Q2宗教法人 損害賠償 誰に請求できる?
代表役員の職務上の行為なら宗教法人自体に請求でき、代表者個人への請求(民法709条)とも両立します。目的外の行為なら賛成した責任役員にも請求できます。
Q3責任役員 個人責任 どこまで?
宗教法人法11条2項により、目的の範囲外の行為について決議に賛成した場合に限り、代表者と連帯して損害全額の賠償責任を負います。反対・欠席なら条文上対象外です。
Q4代表役員と住職は同じ人ですか?
多くの寺院では住職が代表役員を兼ねますが、規則次第で別人の場合もあります。請求前に法務局で登記事項証明書を取り、代表役員の氏名を確認するのが確実です。
Q5宗教法人の目的の範囲外とは?
宗教法人法10条・12条により、法人の権利能力は規則で定めた目的の範囲内に限られます。その範囲を超える取引や事業が目的外行為で、該当性は事案ごとに判断されます。
Q6宗教法人への損害賠償請求 時効はいつまで?
1項は不法行為の性質を持つとされ、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年が目安です(民法724条)。2項の時効は解釈が分かれるため早めの対応が安全です。
Q7お寺の役員会の議事録は見られる?
宗教法人法25条3項により、信者その他の利害関係人で正当な利益がある者は、役員名簿などの書類の閲覧を請求できます。賛成役員を特定する手がかりになります。
Q8宗教法人を訴えるのは違法? 罰当たり?
違法ではありません。裁判所は教義の当否には立ち入りませんが、代表者の行為による金銭的損害は通常の民事事件として審理されます。宗教法人も一般の法人と同じく責任主体です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お寺の住職に騙されてお金を取られた。お寺そのものを訴えられるのか?
住職が代表役員で、寺の職務らしい外形のもとで行われた行為であれば、本条1項により宗教法人自体が賠償責任を負いうる。住職個人への民法709条に基づく請求も並行してできる。実務のポイント:住職と代表役員が別人の寺もある。登記事項証明書で代表役員を確かめないまま書面を送ると、法人の責任を問う前提を自分で崩しかねない
Q2責任役員を頼まれたけど、何かあったら自分も払わされるのか?
目的の範囲外の行為について、その決議に賛成した責任役員は、代表役員らと連帯して賠償責任を負う(本条2項)。反対した役員は条文上対象外である。実務のポイント:小さな寺社では役員会が開かれず、書類の持ち回りで「全員賛成」と記録されていることがある。就任したら毎回議事録の写しを受け取り、異議があれば書面で残しておく
Q3教団の信者に勧誘されて被害に遭った。この条文で法人に請求できるのか?
本条1項の対象は代表者の行為であり、一般の信者や職員の行為には直接及ばない。その場合は民法715条の使用者責任で法人の責任を追及するのが実務の主流で、信者の勧誘行為について宗教法人の責任を認めた裁判例も複数ある。実務のポイント:信者が雇われていなくても、実質的な指揮監督関係があれば715条の「使用」にあたりうる。組織的な勧誘マニュアルや研修資料は、その関係を示す有力な証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「宗教団体は信教の自由に守られているから訴えにくい」と思われがちだが、本条は宗教法人を一般の法人と同じく民事責任の主体として扱っている。裁判所は教義の正しさには立ち入らない(最判昭和56.4.7、板まんだら事件)。それでも、代表者の行為で生じた金銭の損害は普通に審理の対象になる
- 責任役員が名誉職に近い役職であることは多くの人が知っている。しかし、その重さまで知る人は少ない。目的外の行為の決議に賛成すれば、報酬がゼロの役員でも個人の財産で連帯責任を負う。無報酬であることは、条文上の免責理由にならない
- 「払うのは法人か、住職個人か」という二択で考えること自体が誤りである。1項で法人が責任を負う場面でも、代表者個人の不法行為責任(民法709条)は消えないと解されている。被害者は両方に請求を組み立てられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 宗教法人法11条:代表者の加害行為に対する法人の賠償責任と、目的外行為の個人連帯責任 | 宗教法人法10条:規則で定める目的の範囲内での権利能力 宗教法人法18条:代表役員・責任役員の設置と権限 |
| 責任を負う者 | 1項は宗教法人、2項は実行した代表者と決議に賛成した責任役員・代務者・仮責任役員 | 責任の主体を定める条文ではなく、法人が権利義務を持てる範囲を画定 責任の主体ではなく、誰が法人を代表し事務を決定するかを規定 |
| 被害者・役員にとっての使い方 | 請求先の特定と、役員個人の責任範囲の判断 | 問題の行為が目的外かどうか(11条2項の前提)の判断 加害者が代表者にあたるか(11条1項の前提)の判断 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は宗教法人に特化した法律ではなく民法の法人通則で規律する。法人と行為者の連帯責任とする点で、法人単独の責任とする日本の1項とは構造が異なる。
1項の法人責任と、目的外行為について決議に賛成した者と実行者の連帯責任を定める2項の構造は、本条とほぼ同型である。
社団は理事会など定款上の代表者の職務上の加害行為に責任を負う。宗教団体も社団として扱われる場合はこの規律に服する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住職が「本堂再建の寄進」と称して地域の人々からお金を集め、実際には個人の借金返済に回していたら、被害者は誰に請求できる? 住職が代表役員であり、寺の名義で職務らしい外形のもとに集めたお金なら、本条1項により宗教法人そのものが賠償責任の相手になりうる。住職個人への請求とも両立する
- あなたは檀家総代として頼まれ、責任役員の席に座った。役員会では、規則の目的に書かれていない不動産開発事業に寺の資金で乗り出す案が出た。場の空気を読んで、あなたも賛成した。目的の範囲外の取引として契約が無効になり、取引相手が代金を回収できなくなったら、その矛先は2項を通じて代表役員とあなたに向く。何が目的の範囲外にあたるかは事案ごとの判断で、解釈が分かれる
- 家族が教団幹部の勧誘で数千万円を失った。代表役員自身が勧誘に関わった証拠があれば、請求先は幹部個人から法人本体にまで広がる。損害と加害者を知った日から3年の時効は、もう進み始めている
- 友人から「父が寺の責任役員で、役員会の決議のことで訴えられそうだ」と相談された。真っ先に確かめるべきは、父がその決議に賛成したのか、反対したのか、欠席したのかである。2項の個人責任は賛成した役員に限られる。議事録の一行が分かれ目になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害行為をしたのが代表役員(住職・宮司など)か、一般の信者や職員かを切り分ける。代表役員なら本条1項、それ以外なら民法715条(使用者責任)が主な根拠になる2. 法務局で登記事項証明書を取り、代表役員の氏名を確認する3. 振込記録、勧誘時の録音、LINE などを保全する4. 法人と代表者個人の双方に内容証明郵便を送る5. 目的外の行為が疑われる場合は、役員名簿などの閲覧請求(25条3項)で賛成した役員の特定を図る
訴えられた側:1. 問題の行為が、規則(12条)に定めた目的の範囲内かどうかを検証する。範囲内であれば、2項の個人責任はそもそも成り立たない2. 自分が決議に賛成したかを議事録で確認する。反対または欠席であれば、2項の対象外だと主張できる3. 相手方が職務外の行為だと知っていた、または重大な過失で知らなかった事情があれば、1項の責任を争う材料になる4. 役員の賠償責任保険に加入しているかを確認する
時効(請求できる期限):1項の責任は不法行為責任の性質を持つと解されている。損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体を害した場合は5年)、行為の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2)。2項の責任について、不法行為と同じ時効が適用されるのか、一般債権の時効(民法166条:知った時から5年、行使できる時から10年)が適用されるのかは、実務上、解釈が分かれている。安全をとるなら3年以内に動くこと(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:1項は旧民法44条1項と同じく法人の不法行為能力を認めた規定であり、職務関連性は外形から判断する。法人が責任を負う場合でも、代表者個人の民法709条に基づく責任は併存する。
2項の責任の性質をめぐる見解:2項の連帯責任を不法行為責任の一種とみて民法724条の時効を適用する見解と、法律が特に定めた責任として一般債権の時効(民法166条)によるとする見解があり、実務上も扱いが分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人令に代わり宗教法人法が制定され、旧民法44条にならって宗教法人の不法行為責任と目的外行為の役員連帯責任を規定した。
- 宗教法人法 第10条目的範囲内の権利能力、2項の前提
- 宗教法人法 第12条規則で目的を定め範囲を画定
- 宗教法人法 第18条代表役員と責任役員の権限
- 宗教法人法 第20条代務者の設置と職務
- 宗教法人法 第25条役員名簿等の備付けと閲覧請求
- 民法 第709条代表者個人の不法行為責任の併存
- 民法 第715条信者・職員の行為への使用者責任
- 法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律 第8条不当勧誘による寄附の取消し
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