宗教法人法 第20条(代務者)
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- 左の各号の一に該当するときは、規則で定めるところにより、代務者を置かなければならない。
- 一代表役員又は責任役員が死亡その他の事由に因つて欠けた場合において、すみやかにその後任者を選ぶことができないとき。
- 二代表役員又は責任役員が病気その他の事由に因つて三月以上その職務を行うことができないとき。
- 2.代務者は、規則で定めるところにより、代表役員又は責任役員に代つてその職務を行う。
この条文の基本情報
代務者とは何ですか?
定義代務者とは、宗教法人法第20条に定められた規定で、「左の各号の一に該当するときは、規則で定めるところにより、代務者を置かなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第20条(代務者)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第20条の条文原文は「左の各号の一に該当するときは、規則で定めるところにより、代務者を置かなければならない。」で始まります。
- 宗教法人法第20条は第三章に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第20条の前の条は宗教法人法第19条です。
- 宗教法人法第20条の次の条は宗教法人法第21条です。
- 宗教法人法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法20条は、代表役員・責任役員が欠けて後任を速やかに選べないときや、病気等で三月以上職務不能のとき、規則に従い代務者を置く義務を定める。
Q · 住職が亡くなったら、お寺の法人としての手続は誰がするの?
規則で定めた方法で選ばれた代務者が行います
宗教法人法20条1項により、代表役員(多くは住職)が死亡などで欠け、後任をすぐ選べない場合、法人は規則で定めるところにより代務者を置かなければなりません。代務者は同条2項により代表役員に代わって職務を行います。住職の配偶者や子が当然に権限を持つわけではなく、規則の選任手続を経た者だけが法人を代表できます。重要財産の処分には23条の公告も必要です。
解説
住職が急に亡くなった翌朝から、お寺の通帳、墓地の契約、本堂の修繕工事の発注書に、誰がハンコを押すのか。答えは「奥さん」でも「長男」でも「檀家総代」でもない。宗教法人法20条は、代表役員(法人の代表者。多くの寺院では住職がそのまま就く「充て職」)や責任役員(法人の事務を決める役員)が欠けて後任をすぐ選べないとき、または病気などで三月以上職務を行えないときに、代務者(一時的な代理の役員)を「置かなければならない」と定めている。置くかどうかは任意ではない。しかも選び方も権限の範囲も、法律ではなく各法人の「規則」(宗教法人の定款にあたるもの)で決まる。つまり、規則を開くまで誰に権限があるのか分からない。宗派から後任住職の任命が下りるまでの数か月から数年、その空白を誰が預かるのかを理解している人だけが、混乱の中で主導権を握れる。
法的な位置づけ
宗教法人法20条の代務者とは、宗教法人の代表役員または責任役員が死亡等により欠けて後任者を速やかに選任できない場合、または病気等により三月以上職務を行えない場合に、法人規則の定めに従って置かれ、当該役員に代わってその職務を行う暫定的な役員をいう。設置は義務であり、選任方法と職務権限は各法人の規則に委ねられる。
手順
- 1.法人規則の代務者条項を確認する 所轄庁の認証を受けた法人規則の写しを取り寄せ、代務者の選任方法、資格、職務権限の範囲、終了事由を確認する。包括宗派に属する場合は宗派の規程も取り寄せて照合する
- 2.要件の発生日を記録する 役員の死亡日、または病気等で職務を行えなくなった初日を書面で記録し、「三月以上」の起算点を明確にする
- 3.規則に従って選任の手続を行う 責任役員会の招集や包括団体の承認など、規則に定められた手続どおりに代務者を選任し、議事録と選任書を作成する。候補者が22条の欠格事由に当たらないことも確認する
- 4.登記と対外的な手続を進める 代表役員の代務者を置いた場合は登記の要否を確認し、必要なら登記を申請する。そのうえで金融機関や取引先に選任書類を提示し、口座や契約の手続を進める
よくある質問 AI による整理
Q1宗教法人の代務者とは何ですか?
代表役員や責任役員が欠けたり長期間職務を行えないときに、規則に従って置かれ、その役員に代わって職務を行う暫定的な役員です(宗教法人法20条)。
Q2代務者を置かなければならないのはどんなとき?
役員が死亡等で欠けて後任をすぐ選べないとき、または病気等で三月以上職務を行えないときの二つです。どちらかに当たれば設置は義務になります。
Q3代務者はどうやって選ぶのですか?
法律は選び方を定めておらず、各宗教法人の規則に従います。責任役員会の議決や包括団体の承認を要件とする規則が一般的で、まず規則の該当条項を確認します。
Q4代務者の任期はいつまで?
法律上の期限はなく、後任の役員が選ばれるか、職務不能の役員が復帰するまでが基本です。具体的な終了事由は規則の定めによります。
Q5代務者を置かないと罰則はありますか?
20条違反そのものに直接の罰則はありませんが、代表者不在のまま行った行為の効力が争われるおそれがあります。登記等の義務違反には88条の過料があります。
Q6住職が入院中でも代務者は必要?
病気その他の事由で三月以上職務を行えないときは必要です。三月未満の短期入院なら通常は不要ですが、見込みが立たない場合は早めに規則を確認します。
Q7代務者になれない人はいますか?
宗教法人法22条の欠格事由に当たる人(未成年者、一定の刑に処せられた者など)はなれません。宗派の規程で僧籍などの資格を求められることもあります。
Q8代務者と仮代表役員の違いは?
代務者は役員の欠員や長期職務不能のときに置かれます。仮代表役員は代表役員と法人の利益が相反する事項についてだけ選ばれます(21条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住職が亡くなって、お寺の口座が凍結されたみたいなんですけど、誰が手続きできるんですか?
法人の口座は住職個人の相続財産ではないため、相続人が手続するものではありません。規則に従って選任された代務者が、宗教法人法20条2項により代表役員に代わって手続します。実務のポイント:金融機関が求めるのは規則の写し、選任を決めた責任役員会の議事録、場合によっては登記事項証明書です。葬儀直後に役員会を開いて議事録を作っておくと、口座の空白期間を数週間単位で縮められます
Q2住職の奥さんが代務者になることってできるんですか?
規則が定める選任方法に従って選ばれ、22条の欠格事由(未成年者、一定の刑に処せられた者など)に当たらなければ、法律上は可能です。ただし包括宗派に属する寺院では、宗派の規程で代務者に僧籍を求めていることがあります。実務のポイント:法人の規則と宗派の宗規が食い違う場合に紛争が起きやすくなります。宗派側の規程まで取り寄せて照合する人は少ないものの、照合した人が後継者争いで負けない側に立てます
Q3代務者が勝手にお寺の土地を売ろうとしていたら止められますか?
不動産など重要な財産を処分するには、宗教法人法23条により、少なくとも1か月前に信者その他の利害関係人に公告しなければなりません。これに違反した行為は24条で無効になります。ただし善意の相手方や第三者には無効を対抗できません。実務のポイント:公告は境内の掲示で済ませる規則も多いため、檀家が気付かないうちに期間が過ぎることがあります。住職不在の期間は、月に一度は掲示板を確認しておくことが一番安上がりな防御になります
間違えやすい点 AI による整理
- 住職が亡くなれば妻や長男が自然に代わりを務める、と多くの檀家も家族も思っている。だが法律上、代務者は規則で定める方法で選ばれた者だけである。家族であるという事実は、法人を代表する権限を何一つ生まない
- 代務者は「留守番役」で大したことはできない、という理解は危うい。20条2項は代務者が代表役員または責任役員に代わってその職務を行うと定めており、規則が制限しない限り、契約の締結も口座の管理も担いうる。権限の大きさを過小評価すると、誰が何に署名したのか後から把握できなくなる
- 「後任の住職を早く決めれば代務者は要らない」という発想は、問いの立て方そのものがずれている。包括宗派の任命手続や資格要件で後任選定に時間がかかるのは珍しくない。問うべきは「後任をいつ決めるか」ではなく「決まるまでの法人の意思決定を誰が適法に担うか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 置かれる場面 | 20条 代務者:役員が欠けて後任を速やかに選べない、または三月以上職務不能のとき | 18条 代表役員・責任役員:平時の常設機関 21条 仮代表役員:代表役員と法人の利益が相反する事項があるとき |
| 権限の範囲 | 規則の定めに従い、代表役員または責任役員の職務全般を代行 | 代表役員は法人を代表し事務を総理、責任役員は事務を決定 利益相反事項に限って代表権を持つ |
| 選任の根拠 | 規則で定めるところによる(設置は義務) | 規則に別段の定めがなければ責任役員の互選(代表役員) 規則で定めるところによる |
| 終了時期 | 後任者の選任または役員の職務復帰 | 規則で定める任期の満了等 当該利益相反事項の処理完了 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では寺廟は監督寺廟條例や財團法人法のもとで管理される。管理人や董事が欠けた場合の扱いは、主に組織規程や財団法人の規律による
韓国では、理事の欠員によって損害が生じるおそれがあるとき、利害関係人等の請求により裁判所が臨時理事を選任する。規則に委ねる日本とは異なり、裁判所が関与する型である
ドイツでは、必要な理事が欠けた緊急時に区裁判所が理事を選任できる。宗教団体は公法上の団体である場合も多く、内部規律の比重が大きい
米国では州法上の非営利法人規律と定款・付属定款により欠員の補充が行われ、宗教団体の内部自治が重く尊重される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 七十代の住職が脳梗塞で倒れ、入院が長引いている。退院の見込みが立たないまま三か月が過ぎた。この時点で、規則に従って代務者を置く義務が発生している
- お父さんが住職だったお寺で、跡継ぎのあなたはまだ僧籍の資格修行中。宗派からの住職任命は早くて一年後と言われた。その間、あなたが法人の通帳を動かしてよいのか? 規則上の代務者に選ばれていなければ、権限はない
- あなたは責任役員の一人で、住職の死後、残った役員だけで「とりあえず」境内地の一部を不動産業者に売る話を進めていた。代務者を置かず、23条の公告もしていない。後で檀家から売買の無効を主張され、業者からは損害賠償を求められる立場に立たされた
- 葬儀の翌週、銀行から「法人口座の代表者変更手続をお願いします」と連絡が来た。代務者の選任を証明する書類がなければ、職員の給料も光熱費も引き落とせない。月末の支払いまで、残りは十日
- もし住職の妻と宗派が推す僧侶、どちらも「自分が代務者だ」と主張したら、どうなる? 決め手は規則の文言と、規則に定めた選任手続を踏んだかどうかである。人間関係の力学ではない
- 住職が刑事事件で長期間身柄を拘束された。「その他の事由」による三月以上の職務不能として、代務者の選任を検討する場面になる(該当性は事案ごとに判断)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 宗教法人の規則(所轄庁の認証を受けたもの)の写しを入手し、代務者の選任方法と権限範囲を確認する2. 正規の手続を経ない者が法人財産の処分や契約を進めていれば、責任役員会の議事録と選任書類の提示を求める3. 不動産処分なら23条の公告の有無を確認、なければ24条で無効を主張できる可能性がある4. 内部で解決しなければ、包括団体への申出や弁護士相談へ進む
訴えられた側:1. 自分の代務者としての選任が規則のどの条項・どの決定に基づくか、議事録と選任書で証明できるよう整える2. 規則が権限を限定していないか確認し、範囲外の行為は控える3. 重要財産の処分は23条の手続を厳守する4. 選任の正当性を争われたら、包括団体の承認書類など第三者の記録を揃え、速やかに後任代表役員の選定を進めて暫定状態を短くする
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される。代務者選任の要件となる職務不能は「三月以上」。代表役員の変更に伴う登記は変更から2週間以内(宗教法人法53条)であり、代務者の登記の要否は登記実務を確認のこと(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:20条は代務者の設置を義務とする一方、選任方法と職務権限を規則に委ねている。これは、法人としての対外的な継続性と宗教団体の自治を両立させるための二層構造と理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人令に代わる宗教法人法の制定により、代表役員・責任役員の制度とともに代務者の規定が設けられた
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