宗教法人法 第19条(事務の決定)
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規則に別段の定がなければ、宗教法人の事務は、責任役員の定数の過半数で決し、その責任役員の議決権は、各々平等とする。
この条文の基本情報
事務の決定とは何ですか?
定義事務の決定とは、宗教法人法第19条に定められた規定で、「規則に別段の定がなければ、宗教法人の事務は、責任役員の定数の過半数で決し、その責任役員の議決権は、各々平等とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第19条(事務の決定)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第19条の条文原文は「規則に別段の定がなければ、宗教法人の事務は、責任役員の定数の過半数で決し、その責任役員の議決権は、各々平等とする。」で始まります。
- 宗教法人法第19条は第三章に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第19条の前の条は宗教法人法第18条です。
- 宗教法人法第19条の次の条は宗教法人法第20条です。
- 宗教法人法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法19条により、規則に別段の定めがなければ、宗教法人の事務は責任役員の定数の過半数で決し、議決権は各自平等となる。分母は出席者ではなく定数である。
Q · お寺の責任役員会って、出席者の多数決で決めていいの?
規則に定めがなければ、定数の過半数の賛成が必要です
宗教法人法19条により、規則に別段の定めがなければ、宗教法人の事務は責任役員の「定数」の過半数で決まります。定数5人なら、出席者が3人でも賛成は3票必要です。議決権は各自平等で、住職が代表役員を兼ねていても一票にすぎません。ただし規則に代表役員の同意や包括団体の承認などの上乗せ要件があれば、そちらが優先します。
解説
数えるのは「出席者の過半数」ではない。「定数の過半数」である。宗教法人法19条のこの一語の違いを知らないまま、寺や神社の役員会を開いている人は少なくない。責任役員(宗教法人の事務を決める法定の役員で、最低3人:18条)の定数が5人なら、賛成は常に3票必要になる。2人が欠席すれば、残る3人のうち1人が反対しただけで何も決まらない。欠員が3人に達すれば、一つの議案も成立しなくなる。議決権は各自平等で、住職が代表役員を兼ねていても一票は一票にすぎない。ただし冒頭の「規則に別段の定がなければ」が分岐点になる。被包括法人(宗派などの包括団体に属する寺社)の規則には、代表役員の同意や包括団体の承認を上乗せしているものが多い。檀家総代として関わる場合も、相続で寺の土地に関わる場合も、まず読むべきは法律ではなくその法人の「規則」である。
法的な位置づけ
宗教法人法第19条は、宗教法人の事務決定方法に関する規定であり、規則に別段の定めがない場合、事務は責任役員の定数の過半数により決せられ、各責任役員の議決権は平等とされる。代表役員も責任役員の一人として一票を有するにとどまり、規則による同意権・承認要件等の定めがあればそれが優先する。
手順
- 1.最新の規則で定数と上乗せ要件を確認 所轄庁の認証を受けた最新の規則を入手し、責任役員の定数、定足数、議決方法、代表役員の同意権や包括団体の承認要件の有無を確認する
- 2.必要な賛成票数を算出し欠員を処理 定数を分母に過半数の票数を算出する。欠員があれば会合の前に後任を選任するか代務者(20条)を置き、特別利害関係のある役員がいれば仮責任役員の選任(21条)を検討する
- 3.財産処分・借入れなら公告日程を逆算 不動産処分や借入れなど23条の対象事項は、少なくとも1か月前に信者その他の利害関係人へ公告する必要があるため、決議・実行日から逆算して日程を組む
- 4.会議を開き賛否を個別に議事録化 責任役員会を開催し、出席者と各人の賛否を個別に記載した議事録を作成して署名を揃える。賛成数が定数の過半数に達していることを議事録上で明示する
よくある質問 AI による整理
Q1責任役員とは何ですか?
宗教法人の事務を決定する法定の役員で、宗教法人法18条により3人以上置く必要があります。代表役員は責任役員の中から選ばれ、19条の議決に加わります。
Q2責任役員会の定足数は決まっていますか?
法律上の定足数規定はありませんが、19条は定数の過半数の賛成を求めるため、事実上それ以上の出席がなければ決議できません。規則に定足数の定めがあればそれに従います。
Q3宗教法人の代表役員に拒否権はありますか?
法律上はありません。19条により代表役員も責任役員として一票を持つだけです。ただし規則で代表役員の同意を要件としていれば、事実上の拒否権になります。
Q4責任役員の定数はどこで確認できますか?
各宗教法人の「規則」に記載されています。規則は所轄庁の認証を受けており、変更も認証で効力を生じるため、最新の認証版で確認するのが確実です。
Q5責任役員会の決議が無効になるのはどんな場合ですか?
定数の過半数に届いていない、規則の上乗せ要件を欠く、特別利害関係のある役員が議決に加わった(21条)、財産処分で23条の公告を欠いた、などの場合です。
Q6宗教法人の役員会決議はいつまで争えますか?
会社法のような3か月の出訴期間はなく、一般の無効確認訴訟で争います。期間制限はありませんが、確認を求める法律上の利益が必要です。
Q7檀家総代は責任役員会で議決できますか?
規則で責任役員に選ばれていなければ議決権はありません。総代は規則上の諮問機関にとどまることが多く、19条の一票を持つのは責任役員だけです。
Q8宗教法人の役員会は書面決議でもいいですか?
法律に会議方式の定めはなく、規則に書面決議の根拠がない場合の有効性は解釈が分かれます。登記や融資審査で差し戻されないよう、会議を開くのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住職が反対してるのに、役員会の多数決で決めちゃっていいんですか?
規則に別段の定めがなければ、19条により定数の過半数で決まり、住職である代表役員の票も他の役員と同じ重さである。ただし規則に代表役員の同意や包括団体の承認が書かれていれば、多数決だけでは足りない。実務のポイント:寺の側が持っている規則の写しが最新とは限らない。規則の変更は所轄庁の認証で効力を生じる(26条・30条)ため、所轄庁の認証を受けた最新版で確認するのが実務上の定石である
Q2役員会、毎回メールで回して決めてるんですけど問題ありますか?
宗教法人法は会議の方式を定めていない。規則に書面決議や持ち回り決議の規定がない場合に有効といえるかは、実務上、解釈が分かれている。19条は議決権の平等を前提にしており、全員が審議に参加できたかどうかが問われやすい。実務のポイント:不動産の売却や融資では、登記手続や金融機関の審査で責任役員会の議事録を求められるのが通例である。持ち回り決議の議事録は、この段階で差し戻されやすい
Q3役員が亡くなって欠員のままなんですが、放っておいて大丈夫ですか?
大丈夫とはいえない。19条は定数を基準に数えるため、欠員があっても必要な賛成票数は変わらない。後任をすぐに選べないときは、代務者を置く仕組みがある(20条)。実務のポイント:1年以上にわたって代表役員も代務者もいない状態が続くと、所轄庁が解散命令を請求できる事由になる(81条1項5号)。役員が欠けたまま活動していない休眠法人は、法人格の乗っ取りを狙われやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 信者の目から見れば寺は住職のものだが、法律の目から見れば、住職が代表役員を兼ねていても責任役員の一票にすぎない(規則に別段の定めがない限り)。住職に従っておけば安全だと考えて押印した役員も、法人の事務決定に加わった一人として扱われる。この認識の落差に、後になって追い詰められる人がいる
- 「住職の後継者を責任役員会の多数決で決められるか」という問い自体がずれている。19条が対象にするのは法人の「事務」であり、18条6項は、役員の権限に宗教上の機能を支配する権限は含まれないと明記している。住職という宗教上の地位と代表役員という法人上の地位は別物で、まず規則が両者をどう結び付けているか(住職がそのまま代表役員に就く充て職かどうか)を読む必要がある
- 過半数で決まることは誰でも知っている。見落とされがちなのは、分母が定数で固定されている点の重さである。欠員を補充しないまま放置すると、必要な賛成票数は変わらないまま票を投じられる人だけが減り、少数の反対者が事実上の拒否権を持つようになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 19条:責任役員による事務決定の方法(定数の過半数・平等議決) | 21条:利益相反時の代表権・議決権の排除 20条:役員欠員時の代務者選任 |
| 欠員・排除時の扱い | 定数基準のため欠員があっても必要賛成数は不変 | 議決権者が定数の過半数に満たないときは仮責任役員を選任 後任が選べないときは代務者が職務を行う |
| 規則による変更 | 規則に別段の定めがあればそれが優先 | 仮代表役員・仮責任役員の選び方は規則で定める 代務者の置き方は規則で定める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には宗教法人法がなく、宗教団体は財団法人等として民法の規律を受ける。董事が数人あるときは章程に別段の定めがない限り全体董事の過半数で決する点で、定数基準の日本19条と発想が近い
韓国も宗教団体は非営利法人として民法の規律を受け、定款に別段の定めがなければ理事の過半数で事務を決する
ドイツの宗教団体は公法上の団体または登記社団として自治権が憲法上保障され、社団の場合は理事会決議に社員総会の規定が準用される
米国の宗教法人は州法の非営利法人法等に服し、理事会の定足数と議決方法は定款・附属定款で調整できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 定数5人の寺で総代2人が入院中。残る3人で本堂改修の借入れを決めようとしたが、1人が首を縦に振らない。この時点で決議は成立しない。
- 定数7人の責任役員会を、あなたは代表役員として反対派に声をかけずに開いた。出席3人の全員一致で議事録を作ったが、必要なのは定数7の過半数、つまり4票である。反対派が決議無効の確認を求めて提訴すれば、自分で作った議事録が「3票しかなかった」ことを示す証拠になる。
- 亡くなった父が責任役員だった寺から、墓地に隣接する境内地を売りたいので同意書に判を押してほしいと連絡が来たらどうするか。定数の過半数が賛成しているか、23条の公告が1か月以上前に出ているかを確かめずに押印すると、処分の効力そのものが後で争われうる。
- 融資の実行まであと10日。金融機関から責任役員会の議事録を求められたが、半年前に辞任した役員の後任がまだ決まっていない。定数は変わらないので賛成票が足りない。しかも借入れには原則として1か月前までの公告(23条)が必要で、日程そのものを組み直すことになりかねない。
- 知人から「休眠中の宗教法人の役員枠を譲るから、税制上の扱いを使って事業をやらないか」と持ちかけられた。19条は役員の過半数を押さえた者に事務決定権が移る構造になっている。だからこそこの手の話は所轄庁や税務当局の監視対象になり、目的外の運営は解散命令(81条)の対象にもなりうる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 法人の規則を入手する(信者などの利害関係人は、正当な利益があり不当な目的でなければ25条3項に基づき閲覧を求められる) 2. 議事録の賛成者数を定数と照合し、規則に定数・定足数・議決方法の別段の定めがないかを確認する3. 特別の利害関係がある役員が議決に加わっていないかを見る(21条) 4. 不動産の処分や借入れなら、23条の公告の有無も確認する5. 争う場合は、決議無効確認や処分禁止の仮処分を視野に弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 規則で定数・議決方法・包括団体の承認などの上乗せ要件を確認する2. 欠員があれば、まず補充するか代務者を選ぶ(20条) 3. 持ち回りやメールで決議したなら規則上の根拠を確認し、根拠がなければ改めて会議を開いて決議し直す4. 議事録には出席者と各人の賛否を個別に記載し、署名を揃える5. 財産処分なら23条の公告期間を逆算して日程を組み直す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。宗教法人法には、会社法831条のような決議取消しの訴えと出訴期間(3か月)の定めがない。決議の効力は一般の無効確認訴訟で争うことになり、出訴期間の制限はない。ただし、確認を求める法律上の利益(確認の利益)は必要である。不動産の処分や借入れなどは、23条により少なくとも1か月前に公告しなければならない
学説
通説:19条は任意規定であり、規則に定数・定足数・議決方法の別段の定めがあればそれが優先する。別段の定めがない場合、定数を分母とする過半数が必要で、出席者過半数で足りるとする運用は本条に反する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定に伴い新設。宗教法人令に代わり、責任役員による合議制と議決権の平等を標準ルールとして定めた
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