高圧ガス保安法 第39条の22(完成検査の特例)
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- 認定高度保安実施者は、特定変更工事を完成したときは、第二十条第三項の規定にかかわらず、製造のための施設につき、同項の都道府県知事が行う完成検査を受けることを要しない。この場合においては、当該施設について、経済産業省令で定めるところにより、自ら完成検査を行い、第八条第一号の技術上の基準に適合していることを確認した後でなければ、これを使用してはならない。
- 2.認定高度保安実施者は、前項の完成検査を行つたときは、経済産業省令で定める事項を記載した検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
この条文の基本情報
完成検査の特例とは何ですか?
定義完成検査の特例とは、高圧ガス保安法第39条の22に定められた規定で、「認定高度保安実施者は、特定変更工事を完成したときは、第二十条第三項の規定にかかわらず、製造のための施設につき、同項の都道府県知事が行う完成検査を受けることを要し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第39条の22(完成検査の特例)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第39条の22の条文原文は「認定高度保安実施者は、特定変更工事を完成したときは、第二十条第三項の規定にかかわらず、製造のための施設につき、同項の都道府県知事が行う完成検査を受けることを要し…」で始まります。
- 高圧ガス保安法第39条の22は第三章の三 認定高度保安実施者に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第39条の22の前の条は高圧ガス保安法第39条の21です。
- 高圧ガス保安法第39条の22の次の条は高圧ガス保安法第39条の23です。
- 高圧ガス保安法第39条の22には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第39条の22 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第39条の22(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/39_22
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法39条の22は、認定高度保安実施者に限り特定変更工事後の知事による完成検査を不要とし、代わりに自主完成検査と検査記録の作成・保存を義務づける。
Q · 認定高度保安実施者なら、改造工事のあと知事の検査なしで再稼働できる?
知事検査は不要だが、自主完成検査と記録は必須
高圧ガス保安法39条の22により、認定高度保安実施者は特定変更工事の完成後、都道府県知事が行う完成検査(20条3項)を受ける必要がありません。ただし経済産業省令に従って自ら完成検査を行い、8条1号の技術上の基準に適合していることを確認するまでは施設を使用できません。さらに省令で定める事項を記載した検査記録を作成し、保存する義務があります。検査そのものがなくなるわけではなく、検査の担い手が事業者に移る仕組みです。
解説
コンビナートの設備を大きく改造したあと、運転を再開する前に、通常は都道府県知事の完成検査を受ける必要がある。この「お墨付き待ち」の期間が、プラントにとっては停止日数そのものになる。高圧ガス保安法39条の22は、国から「認定高度保安実施者」と認められた事業者に限り、この知事検査を不要にしている。その代わり、事業者が自分で完成検査を行い、施設が8条1号の技術上の基準を満たしていると確認するまで、施設を使ってはならない。さらに、省令で定める事項を書いた検査記録を作成し、保存する義務がある。つまり検査がなくなったわけではない。検査をする人と、責任を負う人が入れ替わったのである。ここで見落とされやすいのは、知事の検査が入らない分、事故が起きたときに「誰が確認したのか」を示せる証拠が事業者自身の記録だけになるという点だ。この特例は、規制緩和というより、立証責任を事業者の手元に移す仕組みと読むほうが実態に近い。プラントの保安担当者、そして近隣に住む人にとって、この記録の質が安全の唯一の物差しになる。
法的な位置づけ
高圧ガス保安法第39条の22は、認定高度保安実施者による完成検査の特例を定める規定である。特定変更工事の完成後、第20条第3項の都道府県知事による完成検査を要しないとする一方、経済産業省令に基づく自主完成検査で第8条第1号の技術上の基準への適合を確認するまでの使用禁止と、検査記録の作成・保存義務を課す。
よくある質問 AI による整理
Q1高圧ガス保安法39条の22とは?
認定高度保安実施者が特定変更工事を完成した際、都道府県知事の完成検査を不要とする特例です。代わりに自主完成検査と検査記録の作成・保存が義務づけられます。
Q2特定変更工事とは何ですか?
製造許可や変更許可を受けた製造施設の変更工事のうち、経済産業省令で除外されるものを除いたものです(20条3項)。完成後は原則として完成検査が必要になります。
Q3自主完成検査の記録には何を書けばいい?
記載事項は経済産業省令で定められます。社内の慣行で様式を決めず、最新の省令条文と照合して漏れのない様式を工事前に確定させることが重要です。
Q4自主完成検査の前に施設を使うと違法?
違法です。本条1項後段は、自主完成検査で8条1号の技術上の基準への適合を確認した後でなければ使用してはならないと定めています。
Q5完成検査の特例 いつから始まった?
令和4年(2022年)の高圧ガス保安法等の一部を改正する法律で、認定高度保安実施者制度とあわせて新設され、令和5年(2023年)に施行されました。
Q6認定高度保安実施者の一覧はどこで見られる?
認定は経済産業大臣が行うため、経済産業省の公表情報で確認するのが確実です。近隣の事業所が特例を使えるかどうかの確認にも役立ちます。
Q7認定が取り消されたら完成検査はどうなる?
本条の特例は認定が続いていることが前提です。認定を失えば原則に戻り、20条3項に基づく完成検査を受ける必要があります。
Q8認定高度保安実施者のメリットは?
知事検査の日程調整を待たずに再稼働できるため、定期修理や改造工事に伴う停止期間を短くできます。保安検査にも別途特例が設けられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認定高度保安実施者って、どの会社でも取れるんですか?
取れない。令和4年改正で導入された制度で、高度なリスク管理体制、IoT・AIなどのテクノロジー活用、保安の実績などを経済産業大臣が審査して認定する。対象は主にコンビナートなどの大規模事業者である。本条の完成検査特例はこの認定に付いてくる効果だ。実務のポイント:認定は取ったら終わりではなく、運用が評価され続ける。自主検査記録の質は、認定を維持できるかどうかの判断材料に直結する
Q2自主検査を終える前に、試運転だけ先にするのはだめですか?
本条1項後段は、自主完成検査で8条1号の技術上の基準への適合を確認した後でなければ「使用してはならない」と定めている。高圧ガスを通す試運転は、原則として使用にあたると考えるべきである。実務のポイント:検査項目の中に、実際にガスを通さないと確認できないもの(気密試験など)がある場合、その扱いは省令や運用で決まる。現場の慣行で判断せず、省令の手順に沿った検査計画を工事前に所管官庁と確認しておくのが安全である
Q3知事の検査を受けるかどうか、会社側で選べますか?
本条は「受けることを要しない」と定めているので、知事の検査を受けることを禁じた規定ではない。ただし、自主検査ルートを選ぶ場合は、本条2項の記録作成・保存義務を必ず果たす必要がある。実務のポイント:初めての種類の工事や、社内の検査ノウハウが足りない設備では、第三者の検査を併用して記録の信頼性を補強する会社もある。特例を使う条件と、実際に特例を使うべきかは別の判断である
間違えやすい点 AI による整理
- 「認定を取れば完成検査はいらない」と受け取られがちだが、免除されるのは都道府県知事が行う検査だけである。自主完成検査をして技術基準への適合を確認するまで使用禁止という条件は、むしろ前より明文ではっきりしている
- 検査記録は社内向けの書類だと考えるのは視点の取り違えである。現場では「やったかどうか」が大事でも、法律から見れば「省令で定める事項を記録し、保存したかどうか」が義務の中身だ。中身の安全性に問題がなくても、記録が欠けているだけで違反になりうる
- スピード重視の規制緩和と捉えると、その重さを見誤る。認定は事業者のIoT・AI活用やリスク管理体制、保安の実績を評価して与えられるもので、運用が崩れれば認定の取消しにつながりうる。特例は、認定が続いている間だけ使える権限である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の主体 | 39条の22:認定高度保安実施者が自ら完成検査を行う | 20条:都道府県知事などによる完成検査(原則) 35条:都道府県知事などによる定期の保安検査(原則) |
| 検査の時期 | 特定変更工事の完成後、使用開始前 | 設置・特定変更工事の完成後、使用開始前 稼働中の特定施設について定期的に |
| 使用制限 | 自主検査で8条1号の技術基準への適合を確認するまで使用禁止 | 完成検査に合格するまで原則使用不可 保安検査を受けて技術基準への適合を確認 |
| 記録義務 | 省令で定める事項を記載した検査記録の作成・保存(2項) | 行政側の検査結果が確認資料となる 保安検査の結果が確認資料となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では高圧ガス特定設備は危険性設備として主管機関または代行検査機関の検査を受ける必要があり、日本のような認定事業者の自主検査による代替特例は設けられていない
ドイツでは使用開始前や変更後の検査を、zugelassene Überwachungsstelle(認可監視機関)や資格者が行う。民間の専門機関が担う点で官の検査とは構造が異なる
フランスでは認定を受けた事業者の services d'inspection reconnus(認定自社検査部門)が検査を担える。認定事業者に自主検査を認める点で本条と発想が近い
米国の PSM 規則は、新設・変更設備の起動前安全レビューを事業者自身に義務づける。もともと行政の事前検査を前提としない自己責任型の構造である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 定期修理の終盤、配管の取替えという特定変更工事が終わり、生産計画では明後日に再稼働の予定になっている。認定を持っている会社なので知事検査は待たなくてよい。ただし自主完成検査が終わっていないのに試運転を始めれば、それだけで本条1項後段に違反する。残り48時間で、検査と記録作成を両方終わらせなければならない
- 製造所の保安課長として自主検査に判を押す立場になったら、どうなる? 知事の検査官というもう一人の目はもういない。後日の立入検査で記録の不備が見つかれば、問われるのは会社の認定そのものである
- 工場の近くに住む人が、大規模な改造工事のあと行政の検査なしで再稼働したと聞いて不安になった。違法ではない。確かめるべきは、その会社が認定高度保安実施者かどうか、そして自主検査がきちんと行われ記録されているかどうかである
- 社内監査で、過去の自主完成検査記録に、省令で定める記載事項が抜けている例が見つかった。施設はすでに稼働中だ。記録の作成・保存義務(本条2項)の違反は、施設が実際に安全だったかどうかとは関係なく成立しうる
取るべき行動
被害を受けた側:近隣住民や取引先の立場なら、1. その事業者が認定高度保安実施者かどうかを経済産業省の公表情報で確認する2. 改造工事後の再稼働について、自主完成検査が行われたかを事業者に説明を求める3. 異臭・漏えい・異常音などは日時を記録し、消防や都道府県の高圧ガス担当部署に通報する4. 被害が出た場合は、民法709条に基づく損害賠償の証拠として、事業者の検査記録の開示請求を視野に入れる
訴えられた側:検査や記録の不備を指摘された事業者なら、1. 該当工事の自主完成検査記録をすぐに保全し、省令の記載事項と一つずつ照合する2. 記録の欠落が手続上のものか、技術基準への適合確認そのものの欠落かを分けて整理する3. 必要であれば、直ちに再検査を行い適合を確認する4. 原因と再発防止策を文書にまとめ、所管官庁へ自分から報告する。隠したまま発覚すると、認定の継続に響く
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。使用制限は自主完成検査で技術基準への適合を確認するまで続く。検査記録の保存期間は経済産業省令で定められる(最新の改正状況をご確認ください)。民事上の損害賠償責任には一般の時効が適用される(民法724条、損害及び加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和5年(2023年)施行 高圧ガス保安法等の一部を改正する法律により、認定高度保安実施者制度とあわせて新設された。認定事業者による自主完成検査と検査記録の作成・保存義務を定めた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:高圧ガス保安法等の一部を改正する法律により、認定高度保安実施者制度とあわせて新設。認定事業者による自主完成検査と検査記録の作成・保存義務を定めた(令和5年施行)
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